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< 患者受け入れ不可能 | メイン | なくそう! 医師の過労死 >
またしても、医師不足が原因の残念な事件が
新聞に出ていましたね。
医者の数が少ないから、重症患者がいたら、
すぐに手一杯になっちゃうんですよ。
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厚木市立病院:
「他に急患」診察せず、転送直後に死亡
--先月 /神奈川
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000119-mailo-l14
厚木市立病院(厚木市水引1)で8月、
当直中に救急受付を訪れた市内の無職男性(73)が
診察を受けないまま別の病院に転送され、
直後に死亡していたことが分かった。
厚木市立病院側は
「心肺停止の患者が搬送される予定で、
男性側に『対応できないので他の病院へ行ってください』
と説明した」としているが、
遺族は「事務職員しか対応せず、
そんな説明も一切なかった」と食い違い、
市立病院の対応に憤っている。
男性の妻(67)の話では、
日曜当直体制の8月12日午前、男性が「頭が痛い」
と訴え、妻の運転する車で厚木市立病院を訪れた。
救急受付の脇のソファに横になり、
看護師が妻に体温計を渡した。
いっこうに診察してもらえないので催促すると、
職員から「1時間半待つことになる。
(嫌なら)他の病院へ行って」
などと言われたという。
別の患者を搬送してきた救急隊員がやりとりに気づき、
見るに見かねて救急車を要請。
別の病院に運ばれたが、直後に
急性心筋梗塞(こうそく)で死亡した。
厚木市立病院事業局は取材に対し
「心肺停止状態の患者が搬送されることになり
『救急車を呼んで別の病院で受診して』と話したが、
男性側が『病院が救急車を呼ぶべきだ』
と主張したので『規則で、病院が救急車を呼ぶのは医師、
看護師が同乗する場合だけ』と説明した」と話している。
男性の妻は元看護師。
男性は以前に心筋梗塞で
市立病院の前身の県立厚木病院に入院したという。
「待っている間、医師も看護師も来なかった。
市立病院の対応はひど過ぎる。
こういうことが二度とないよう、
声を上げることが大切と思った」と話した。
【佐藤浩】
『毎日新聞:2007年9月11日』
『患者受け入れ不可能』
の記事に書いたばっかりなんですけどね。
今回の厚木市立病院の件でも。
>日曜当直体制の8月12日午前
って書いてありますから。
日曜日なんですよ。
またしても、時間外の話です。
平日の日中なら、医者も看護師も
ある程度の人数がいますから。
なんとかなる場合も多いんですけど。
日曜日ですから。
医者も看護師も、人数が少ないんですよ。
厚木市立病院のHPを見ると
→ 『厚木市立病院』
外来診療担当表とかを見ると、
医者の数も結構いるし。
救急の診療体制を見ても、
<救急の診療体制>
外科系医師2人、内科系医師1人、
小児科医師1人、
放射線技師1人、臨床検査技師1人、
薬剤師1人、看護職員4人
って、結構な数がいますから。
大病院か、大病院とまではいかなくても、
いわゆる基幹病院なのでしょう。
それでも、やっぱり時間外は
人手が少ないですから。
「患者受け入れ不能、不可能」
「患者をすぐには診察できない」
っていう状態があるんですよ。
今回の厚木市立病院の件でも、
>心肺停止の患者が搬送される予定
って事ですからね。
アメリカのドラマ「ER」を見たことがある人なら、
わかると思いますけど。
心肺停止の患者が1人運ばれてきたら。
もうそこは、「戦場」ですよ。
心肺停止になってから、5分が勝負なので。
そりゃあ、もう、みんな必死ですよ。
患者が入ってくるなり、心臓マッサージして。
点滴のルートを取って。
気管内挿管をして、人工呼吸して。
そいで、いろんな検査したり、注射したり。
医者2人、看護師も2人以上いても、
全然人手が足りないくらいですよ。
だいたい、30分くらいは、その患者に
全員つきっきりになっちゃいますよ。
多分、内科系の医師1人と、外科系の医師1人
もしくは2人が担当していたんじゃないですかね。
まあ、あくまで推測ですけど。
で、問題になった、厚木市立病院の件ですけど。
>男性が「頭が痛い」と訴え、
妻の運転する車で同病院を訪れた。
という事ですから。
やっぱり、これは外科医や小児科医ではなくって。
内科系の医師が担当するわけですよ。
>1時間半待つことになる。
>別の患者を搬送してきた救急隊員がやりとりに気づき
っていう事ですから。
他にも、更に別の救急車で来る患者を含め、
待っている患者がたくさんいたんですよね、きっと。
で、頭が痛い、っていう患者が来ていて、
そいで、その後、「意識がなくなった。」
とか「麻痺がある」とかだったら。
風邪の患者が何十人来ていようが、
他の患者は待たせて、その患者を
急いで診察するんですけど。
この場合は、妻の車で病院に来ていて、
頭が痛い、と言っているだけですから。
この情報だけではわかりませんけど、
そこまで緊急性があるようには思えません。
それであれば、患者は来た順番に待って貰って、
それで診察を受ける。
という事は、当たり前の事なので。
○心肺停止の患者の処置で手一杯で、
医師が診察できない。
○他の患者もたくさん来ていて、その患者達が
終わるまで、診察するのに時間がかかる。
という事自体は、責められないと思います。
で、厚木市立病院の件で問題になるのは
どこか、って言うと。
>厚木市立病院側は
「心肺停止の患者が搬送される予定で、
男性側に『対応できないので他の病院へ行ってください』
と説明した」としているが、
遺族は「事務職員しか対応せず、
そんな説明も一切なかった」と食い違い、
市立病院の対応に憤っている。
まずは、ここでしょうか。
どっちの言い分が正しいのかわかりませんけど。
「心肺停止の患者が来るから、すぐには診察できない。」
って説明があったのに。
「それより、俺の方を先に診ろ。」
なんて言ったら、それこそ
「モンスターペイシェント」ですよ。
この患者、遺族がそうだったとは思えないので。
おそらくは、病院の事務職員から、
詳しい説明がなかったんじゃないかな、
って個人的には思います。
事務職員の説明不足。
こういう事があったとしたら、これに関しては
病院の事務職員に非がある。
という言い方ができるかもしれません。
しかし、事務職員の個人の問題というよりは、
病院内の情報の伝達系統に問題がある、
って事だと思います。
>待っている間、医師も看護師も来なかった。
これに関しては、今回は医師や看護師を責められません。
心肺停止の患者が来て、みんな手一杯なんですから。
その最中でも、頭痛の後に意識消失等の患者が
病院に来ていたら、心肺停止の患者につくのを、
1人はやめて、その患者を診ても良いとは思いますが。
単なる、頭痛のみですから。
心肺停止の患者の処置の手を止めてまで、
診察しなかったから、医師や看護師が悪い。
って責める事はできないと思います。
ただし、単なる頭痛だけではなく、
意識も悪くなって、冷や汗もかいているのに、
そのまま放っておいた。
という事であれば、それを報告しなかった
人には責任があると思います。
そういう報告が、医師や看護師に入れば、
基本的には優先して診察しますので。
もちろん、そういう報告を無視して
行かなかった、という事であれば、
医師や看護師にも非があると思います。
しかし、おそらくそういう報告は
なかったんじゃないかな、って私は思います。
それと、
>『救急車を呼んで別の病院で受診して』と話したが、
男性側が『病院が救急車を呼ぶべきだ』
と主張したので『規則で、病院が救急車を呼ぶのは医師、
看護師が同乗する場合だけ』と説明した」
って所ですかねー。
事務職員としては、「規則を守った」だけなので。
職員としては、立派なのかもしれませんけど。
人間としては、どうなのでしょうか。
私だったら、「病院」としては呼ぶ事はできないけど、
「個人」として呼びますけどね。
でも、この規則って、この病院だけに
当てはまるものじゃなくって。
おそらく、救急車を呼ぶ時の、
「全国共通の規則」ですから。
法律で決まっている、
ってわけではないんでしょうけど。
「規則自体を変更しろ」って事になるなら、
厚木市立病院にだけ文句を言っても仕方がありません。
新聞記事の冒頭には、
>診察を受けないまま別の病院に転送され、
直後に死亡
って書いてありますけど。
医師の数が足りない。
医師が処置中で、手一杯。
という事があれば、
すぐには患者を診察出来ないこともある。
っていう事も、できればわかってもらいたいですね。
私は循環器内科医で、心臓が専門なので。
医学的な事を言うと。
「頭痛」がして、患者が厚木市立病院に行って。
結局、救急車で別の病院に搬送された。
そして、搬送直後に亡くなった。
死因は「心筋梗塞」ですから。
おそらく、診察してもわからなかった
可能性も高いと思いますよ。
心筋梗塞の症状は、普通「頭痛」ではなく、
「胸痛」ですから。
すごく胸が痛がっている。
って患者がいて、具合が悪くてぐったりしている。
という事であれば、心筋梗塞を疑って、
優先的に診察したり、心電図を撮る。
という事は、普通にありますけど。
単なる頭痛だけですから。
この記事の情報しかないんですけどね。
普通は、心電図とかの検査をしないと、
心筋梗塞って事は診断できないのですよ。
休日でたくさん患者もいて、
症状が単に頭痛だけ。
という事であれば、普通は心電図などの
検査はしませんから。
診察をしても、その時には心筋梗塞と
わからなかった可能性も高いです。
もちろん、看護師が待っている間に行っても
わからなかった可能性が高いです。
結果的には心筋梗塞で死亡していますけどね。
救急車を事務職員が呼んだとしても、
助からなかった可能性が高いのではないかな。
って、個人的には思います。
今回の厚木市立病院の件では、事務職員の対応等、
病院側の問題もあるとは思いますけど。
でも、どんな患者でも、他に重症患者がいて、
医者が手一杯だったとしても、
医者がすぐに診察しなかったから、医者が悪い。
って事にはならないと思います。
根本的な原因は、医者の数が少ない。
医師不足なのだと思います。
だから、すぐに医者が手一杯になってしまって、
患者を診る事ができないんですよ。
それに関しては、医師個人では
どうにもなりませんから。
新聞記事を見て、また医者が悪者か。
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コメント
コメント一覧
> 病院の事務職員に非がある
の下りについての私の考えです。
これはシステムエンジニアリング的に考えると、病院内の情報の伝達系統に問題があるのであって、個人の責に帰しても、意味がないと考えます。
それよりも、コミュニケーションを正確に取るためのメソッドを組織内に定着させることが優先されるべき事であるわけです。
それには組織におけるコミュニケーションマニュアルの作成 ( ここ重要 ) と、教育、実施、見直しが日々の業務の中で繰り返される必要があります。
いわゆる Plan Do See Act ってやつです。これを実際に実施して成果をあげているのが民間の一般企業です。
Plan Do See Act は汎用性のある流れなので、こういったコミュニケーションの齟齬にも応用が効きます。
コミュニケーションで業務が滞っていたり、病院のように人命がかかっている場合は、情報伝達における Plan Do See Act が必須だと考えます。
ですから看護師が日頃行っている申し送りなどのようなことを、病院レベルで行わないと、想定外の問題が発生してしまう可能性が否定できないわけです。
私も基幹病院に長らく勤めていましたが近頃のモンスターペイシェントにはびっくりします。ある夜間当直時に、救急車で来た急性腹症の患者を診察しながら、さらに救急車で脳梗塞の患者が運ばれてきました。その時に、ある軽症患者が「その人(救急車での脳梗塞患者)より私の方が先に来たのに」とクレームをつけてきました。もう言葉が出ませんでした。
最後に、「こういうことが二度とないよう、声を上げることが大切と思った。」・・・訴訟では改善はしない、今の日本の医療状況ではむしろ状況を悪化させると声を上げることが大切と私は思いました。
たしかにおっしゃるとおりですね。
「仮に」、の話ではあったのですが。
ちょっと、本文を訂正いたしました。
元看護師だったら、心肺停止の患者が来るなら、大変だ。
時間がかかって、医者も看護師も手一杯だ、って事くらいわかっても良いと思うんですけどねー。
声をあげるのは構わないですけど。
あくまでも、問題は行政にありますから。
医者や病院のせいにするだけでは、医療崩壊が進むだけだと思います。
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