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< エビデンスに基づいた医療改革 | メイン | 100万アクセス、ありがとうございます >
はじめに、お亡くなられた方、そしてご遺族の皆様方に
深甚なる哀悼の意を捧げます。
このブログで、何回も取り上げてきた、
奈良、大淀病院で不幸にも
妊婦が脳出血で亡くなられた事件。
本日6.25に1回目の裁判が行われましたね。
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妊婦死亡裁判 病院争う姿勢
去年、大淀町の町立病院で妊婦が出産中に
意識不明となって死亡したのは医師の診断ミスが
原因だと夫らが訴えている裁判で、
病院側は、「出産中に大量の脳内出血を起こし、
どのような処置をしても助けられなかった」
と全面的に争う姿勢を示しました。
この問題は、去年8月、大淀町の町立大淀病院で、
Tさん(当時32)が出産中に脳内出血で
意識不明となり、ほかの19の病院に受け入れを断られて
大阪の病院まで運ばれた末、8日後に死亡したものです。
原告で夫の晋輔さんら2人は、
「脳内出血を疑わせる兆候があったのに、
産婦人科の主治医が放置したため容態が悪化し、
死亡につながった」として、病院を運営する町と
主治医に損害賠償を求めています。
25日は大阪地方裁判所で1回目の裁判が行われ、
被告の町と医師側は、
「医師は放置していないし、妊婦が大量の脳内出血を
起こしていたことを考えるとどのような処置をしても
命を救うことはできなかった」と反論し、
全面的に争う姿勢を示しました。
この問題が明らかになった後、
大淀病院はことし3月一杯で産科を休診しましたが、
これについて被告側の弁護士は、
「今回の件でバッシングを受けた結果だ。
原告らの誤った主張は医療界をあげて断固正していく」
と批判しました。
これに対し、原告の晋輔さんは裁判の後、
「病院には産科を続けて欲しかったが、
事故の検証もせずに廃止を決めてしまった。
逃げたとしか思えない」と話していました。
「NHKオンライン(奈良)、2007.6.25」
このブログを以前から読まれている方達は、
もうご存じの方も多いと思いますが。
おおざっぱにまとめると。
奈良、大淀病院で妊婦の意識が低下して。
子癇が疑われて、子癇の治療がされた。
その後、呼吸とかも悪くなって、
この病院では対応できない。
って事になって、奈良や大阪の病院に
電話をかけまくったけど。
夜中で重症の患者だったので、対応できる
病院がなかなか見つからず。
結局19の病院に当たって、やっとの事で
受け入れてくれる病院が見つかった。
でも、重症の脳出血だったために、
妊婦は助からなかった、って事件です。
遺族がマスコミにカルテ(看護記録)の
コピーを流したので。
それがたまたまネット上で出回って。
いろんな医者が議論しているので。
それらを読めば、詳細はわかると思います。
詳細を忘れてしまった方は、
大淀病院について書かれた、
下の記事なんかもご参照下さい。
「奈良の産科医、詳細1」
「奈良の産科医 詳細2」
結局、亡くなったのは脳出血なんですが。
遺族は、もっと早く頭のCTを撮れば助かったはずだ。
って主張しているのですが。
私を含め、専門家達の間では、最初に意識が低下
した段階では脳出血ではないだろうから。
その時点で頭のCTを撮っても、何もない。
それに、脳出血も重症だから、
もし少しくらい搬送が早くても助からなかっただろう。
という意見が、圧倒的多数です。
参照:「大淀病院、専門家(神経内科医)の意見」
これらの記事を読めば、主治医は放置もしていない、
という事がわかります。
遺族の主張では、「真実が知りたい。」
という事らしいですが。
この件では、幸か不幸か、ネット上で
カルテ(看護記録)のコピーが出回って。
専門家である医者達が、それらの内容を検討して、
「医学的には、ほぼ真実がはっきりしているんですよ。」
この産科医の先生が行った処置、治療も。
医学的には問題ないだろう。
そういう意見が、専門家の中では圧倒的多数です。
刑事事件も検討したようですが。
多くの専門家に意見を求めて、
それは「医学的には正しい」、と判断して。
検察も、刑事事件での起訴は見送りました。
それなのに、この産科医個人も含め、
民事で提訴する。
という事です。
若い妊婦が亡くなったのですから。
「何でだー。」
って思う気持ち。
「残念だ、悲しい。」
という気持ちは、当然あるでしょう。
でも、だからといって、それを罪もない
主治医に責任転換するというのは、
ちょっと違うと思います。
結果的に、奈良、大淀病院の産科医の先生。
奈良の南部でお産ができる病院は、
大淀病院一件で、産科医も1人しかいないのですが。
この先生が、マスコミに悪者扱いされたせいで。
奈良南部でお産ができる唯一の病院が、
無くなったのは事実です。
こういう悲劇を繰り返さない為に。
っていうのであれば、産科医個人を叩くことは、
全く意味がありません。
というより、完全に有害です。
マスコミによる医師叩き、産科医叩きが進めば、
お産をする医師、病院は減りますから。
何の解決にもならないのですよ。
マスコミに関しては、m3や医者のブログで、
カルテ(看護記録)を基に、詳細に検討された
事実には敢えて触れないで。
遺族に対する中傷だ、守秘義務違反だ。
とか言って、「言論統制」もしていますしね。
「周産期センター」を作るって言って、
「箱物」だけ作っても、
中で働く産科医がいなければ、
何の解決にもなりませんよ。
私たちは大淀病院の元産科医の先生を支援します。
この件に関しては、いろんな方達が書いておられます。
「産科医療のこれから」にまとまっていますので、
興味のある方は行って読んで見て下さいね!
「脳神経外科疾患合併妊娠の予後 本日、奈良大淀事件の裁判です。」
奈良、大淀病院に関連する他の記事は、こちらです。
「奈良の産婦人科医」
「奈良の産婦人科医2」
「奈良の産科医、詳細1」
「奈良の産科医 詳細2」
「奈良の産科医 私見」
「大淀病院、分娩中止。マスコミを訴えろ!」
「奈良、大淀病院でお産中止2」
「医師の秘密漏示」
「大淀病院事件、ネットで詳細に2」
「大淀病院、専門家(神経内科医)の意見」
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コメント
コメント一覧
私は、先生のブログでこの事件の詳細を勉強させて頂き、
今後の医療に生かそうと胸に誓った産婦人科医の一人です。
今後ともよろしくお願い致します。
この事件、原告が国や県を相手どってシステムを問題にすれば、まだこの裁判の意味は違ったのでしょうが、被告席につくのは産科医と町。解せません。
そういう意味で私も脳外科医の立場からこの問題を考えてみました。
もう日本人自体がダメなのかも知れません.....
お待たせしました(笑)
そういえば、m3の中では最初に取り上げたかもしれませんね、この件。
その後も、かなり力入れてきましたから。
なんとか、今後に生かして欲しいですね。
そうなんですよ。
医療システムの問題っていうならともかく。
医者個人の問題とか、町ではどうしようもない事はあきらかですからね。
そうは思いたくないんですがねー。
そうですね。
遺族の気持ちもわかるんですけど。
産科医の先生個人の責任を問うのは間違っていると思います。
国とか、県を訴えるならわからんでもないんですが。
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