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医師不足対策、与党案

Dr. I / 2007.05.31 23:28 / 推薦数 : 5

選挙の前だから、名前だけは医師不足対策
って、与党は言っていますけど。
あくまで、医師の数は足りている。
問題なのは、医師の偏在だ。

って言ってる限りは、絶対に根本的な解決策は
出てこない
のですが。
予想通り、選挙対策目的の、
小手先だけの医師不足対策が発表されましたね。

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医師不足:政府・与党が対策案 研修医のへき地誘導など

政府・与党が31日の医師確保対策に関する協議会で決定する
医師不足対策の原案が27日、明らかになった。
対策は6項目で、地方の医師不足を招いたとされる
臨床研修制度に関し、研修医が集中する大都市圏の定員を減らし、
若手をへき地勤務へと誘導することなどが目玉。
6月に決める「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」
(骨太の方針)に盛り込んだうえで、与党の参院選公約とする。

臨床研修制度は、研修医と厚生労働省の指定病院
双方の希望が一致して研修先が決まる。
昨年の場合、定員1万1306人に対し、
研修先が決まったのは8094人。
受け入れ枠が上回り地方には1人もいない指定病院もあった。
このため、大都市圏の枠を減らす案が浮上。
政府・与党はへき地の研修医に対し、将来進みたい
分野に行けるよう留学の機会を与えたり、
収入加算などの優遇措置を設ける意向だ。

医師、看護師、助産師の業務分担の見直しも打ち出した。
日本医師会などの反発を避けるために明記は避けたものの、
医師の業務の一部を看護師らに権限委譲し、
医師の負担軽減を図る。
また、医師が集中している地域の拠点病院
医師バンクを設置、都道府県に医師不足地域への
医師派遣をさせる一方、対応できない県の救済のため、
国レベルで全国に医師を派遣できる体制を整備する。
このほか、大学医学部定員の「地域枠」拡充、
女性医師の働きやすい環境整備なども盛り込んだ。

◆政府・与党の「緊急医師確保対策」の骨子◆
・定年した勤務医らを登録し、緊急の医師不足時には
都道府県の要請で国が人材を派遣するシステム構築
・勤務医の過重労働を解消するための勤務環境の整備
(交代制勤務の導入
医師、看護師、助産師らの業務の分担の見直し)
・女性医師の働きやすい環境の整備
研修医の都市への集中の是正
・医療リスクに対する基本体制の整備
(訴訟率の高さが医師不足を招いている産科で、
医療事故補償制度を創設
▽診療にかかわる死因を究明する制度をつくる)
医師不足の地域や診療科で勤務する医師の養成の推進
(大学医学部定員の地域枠を拡充、国が奨学金を支給) 

『毎日新聞 2007年5月28日』


与党が「目玉」って言っている対策について。
どこら辺が小手先の対策か、って事を。
具体的に指摘していきましょうか。

>地方の医師不足を招いたとされる臨床研修制度に関し

はい!
これ間違い
医師不足の「原因」は、「臨床研修制度」ではありません。
日本の医者の総数は、臨床研修制度が始まる前も後も、
ほとんど変わっていませんから
臨床研修制度のせい、ってのは、明らかに違いますよね。
日本の医師不足原因は、
政府の「医師数削減策」のせいです。

『医師人口比。日本、20年に最下位へ』
の記事を始め、このブログでも何回も書いていますけど。
日本の人口当たりの医師は、先進国中最下位
十数年後には、韓国やトルコ、メキシコにも
抜かれるくらいの少なさです。

臨床研修制度が始まるから、
日本では医師不足だったのですが。
臨床研修制度が始まって、それが「顕在化」しただけです。

ちょっと医学用語になってしまいますけど。
臨床研修制度は、日本の医師不足の「原因」ではなく、
増悪因子」と言うのが正しいと思います。
増悪因子」っていうのは、「促進させたもの
って感じでしょうかね。
一般の人達にもわかりやすく言うと。

しかも、この「臨床研修制度」って言ったって。
現場の意見も聞かずに、「厚労省が勝手に作った制度
ですからね。
なんか、「人ごと」みたいに言ってますけど。
仮に、臨床研修制度が悪い、って言うなら、
それは、厚労省が悪い、って言ってるのと同じですから。
今度新しい制度を作るときは、現場の意見を聞いて
とか、やり方を変えるべきなのですが。
全く、そんな事はないようですね。
間違いを認めない限り、間違いは繰り返されるでしょうね。


研修医が集中する大都市圏の定員を減らし、
若手をへき地勤務へと誘導することなどが目玉。

>昨年の場合、定員1万1306人に対し、
研修先が決まったのは8094人。
受け入れ枠が上回り地方には1人もいない指定病院もあった。
このため、大都市圏の枠を減らす案が浮上。

>・研修医の都市への集中の是正


はい!
これ、問題のすり替え

日本で不足しているのは、「研修医」だけではありません。
それなのに、これは「医師不足」ではなく
研修医不足」に問題をすり替えています。

「地方で研修医が足りない。」
って言ってる人、誰かいますか?
日本中で医師不足ですから。
特に地方では、「研修医も含めて医者の数が
足りないのでしょうけど。
研修医が足りないからなんとかしてくれ。」
って言っている地方はないですよ。

地方の人達からしたって、「医師免許はある」けど、
全然患者を診れない医者」に来て貰ったって困るでしょ。
でも、この対策は、あくまで「研修医」を地方に送る
って政策ですよね、要は。
はっきり言って、そんな事したって、
ほとんど何の解決にもなりません

地方で、医師免許を持っている人の数が増えるから。
現場を知らない役人は、それで満足かもしれませんけどね。
彼ら以外、実際に地方に住んでいる人達、
それに、地方に行かされる研修医も含め、
ほとんど良い事はありません。

問題をすり替えるのが目玉」ってのも。
国民を舐めるのも、いい加減にして欲しいですね。


それと、医師不足と、話は少し変わるのですが。
『医学部に僻地勤務枠』
『医学部にへき地勤務枠2』
あたりの記事にも書きましたけど。
医者になって、一番重要なのは、最初の5年
その中でも、最初の1,2年目っていうのが、
最も大事だと思います。
だから、「研修ができる病院」、っていうのは、
複数の指導医が各科にいて。
手術や検査なんかの症例もそこそこある病院

じゃないと、駄目なんですよ。

医者っていうのは、ある意味では「職人」ですから。
を経験する事も大事なんですよ。
たくさん数だけこなせばよい、って訳ではないですけど。
いろんな指導を受けながら、それを実践して。
それで初めて「身に付く」んですよ。

机上の空論ばっか言ってる役人には
わかんないかもしれませんけどね。
医者になって最も大事な最初の1,2年を、
そういうきちんとした教育ができない病院で過ごしたら。
当然、その医者レベルは下がります
そして、それを取り戻すのは、容易じゃないですから。
医者としての、残りの30年、40年
レベルが低いままの医者
でいる、って事になります。

もちろん、その後自分で勉強したり、トレーニングをして、
立派な医師になる方達もいますけど。
全体として、レベルが下がる事は間違いありません。


>昨年の場合、定員1万1306人に対し、
研修先が決まったのは8094人。


定員1万1306人っていうのは。
うちの病院に、研修医を出してくれ。
って手を挙げた病院、全部
を合計した数ですよ。
そいで、8094人っていうのは、ほぼ研修医の総数ですね。
医師免許を貰っても、2年間の研修を受けなければ、
日本では普通の保険医として今後働く事はできないので。
最初から、美容整形しかやらない、とか。
研究しかやらない、って本当に特殊な0.1%位の人を除いて、
医師免許を貰った人、ほぼ全員の数です。

そいで問題になるのは。
定員1万1306人
このうち、研修医受け入れる能力のない病院
って言ったら、ちょっとかわいそうなんですが。
でも、きちんとした研修が出来る能力のない病院
っていうのも、かなり含まれるんですよ。

研修医も、バカではないですから。
今後の自分の医者としての人生がかかっていますから。
自分で調査して、そういう病院には行ってないんですよ。
だから、手を挙げても研修医が来ない病院がある、
って事なんですよ。

そういう病院を淘汰する為
病院同士を競争させて、病院のレベルを上げる為。
それで、わざと研修医の人数よりも
定員を多くしたはずなのですが。
それを、手の平返したように突然止める。
って事なんですよね。

で、今与党が言っている案。
この新聞記事には書いてないけど。
定員と研修医の数をぴったり同じにしたら
どうなるか、って言うと。
本来であれば、研修医を受け入れる能力がないから。
研修医が自分では行かない。
って言って、自然に淘汰されていた病院にまで
研修医が行かされる、って事になるんですよ。

そんな病院に行ったら。
元がいくら優秀な研修医だとしても、
所詮、医学部を出たばっかりの人間ですから。
きちんとしたトレーニングがされなかったら、
きちんとした医者ができるはずありません。
そういう人達がたくさん出来るので。
当然、若い医者のレベルは下がります

そういう点でも、かなり問題がある案なんですよね、これ。
そんな事考えずに、とりあえず少しでも、
地方に「医師免許を持った人の数が増えれば良いだろ。」
って、案なんですよねー、これ。

この件に関しては、Yosyan先生が別の視点から斬っていますので、
そちらも見て下さいね!

→ 『新小児科医のつぶやき:緊急医師確保対策』

中間管理職先生も、おもしろおかしく書いていますよ!
→ 勤務医 開業つれづれ日記:寸劇 厚労省君と医師 
「昨秋スタートの国立病院間の医師派遣、半年で打ち切りに」


他の医者が書いたブログを読みたい人は、ここからどうぞ!
→ 『医者のホンネが丸わかり!』

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医師人口比。日本、20年に最下位へ

Dr. I / 2007.05.30 00:01 / 推薦数 : 8

何回もこのブログに書いた事だから。
もう聞き飽きた人も多いかもしれませんが。
日本医師は、世界的に見ると先進国中で最下位
OECD平均と同じくらいにするためには、
あと12万人医者が必要だ。
って話なんですが。

やっと、一般のマスコミでもそれに近い事を
取り上げましたねー。
あの毎日新聞も、日本医師不足を取り上げましたよ(笑)

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医師人口比>日本、20年に最下位へ 
OECD30カ国中

人口1000人当たりの日本医師数が、2020年には
経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中最下位
に転落する恐れがあることが、近藤克則・
日本福祉大教授(社会疫学)の試算で分かった。
より下位の韓国など3カ国の増加率が日本を大きく上回るためだ。
日本各地で深刻化する医師不足について、
国は「医師の地域偏在が原因で、全体としては足りている」
との姿勢だが、国際水準から懸け離れた医師数の少なさが浮かんだ。
 
OECDによると、診療に従事する03年の日本医師
(診療医師数)は人口1000人あたり2人。
OECD平均の2.9人に遠く及ばず、加盟国中27位の少なさで、
▽韓国1.6人▽メキシコ1.5人▽トルコ1.4人
の3カ国を上回っているにすぎない。

一方、診療医師数の年平均増加率(90~03年)は
メキシコ3.2%、トルコ3.5%、韓国は5.5%に達する。
日本は1.26%と大幅に低く、
OECD各国中でも最低レベルにとどまる。
各国とも医療の高度化や高齢化に対応して
医師数を伸ばしているが、日本は「医師が過剰になる」として、
養成数を抑制する政策を続けているためだ。

近藤教授は、現状の増加率が続くと仮定し、
人口1000人あたりの診療医師数の変化を試算した。
09年に韓国に抜かれ、19年にメキシコ、
20年にはトルコにも抜かれるとの結果になった。
30年には韓国6.79人、メキシコ3.51人、
トルコ3.54人になるが、日本は2.80人で、
20年以上たっても現在のOECD平均にすら届かない。

近藤教授は「OECDは『医療費を低く抑えると、
医療の質の低下を招き、人材確保も困難になる』
と指摘している。
政府は医療費を抑えるため、医師数を抑え続けてきたが、
もう限界だ。少ない医師数でやれるというなら、
根拠や戦略を示すべきだ」と批判している。


『2007年5月28日:毎日新聞』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070528-00000006-mai-soci

もう削除されてしまった、新聞記事なので。
そのコピーを書いた、このブログの記事を見て欲しいのですが。
『将来医者の数は足りるの? 1』

つい半年前に。

>病院や診療所で働く医師数は、2015年に約28万5000人、
25年に約31万人、35年に約32万1000人と
順調に増加すると推定され、同省は
「全体では必要な医師数は供給される」と結論づけた。


って事でしたよね。
医者が実際に患者を診ている時間以外の事は、
全部勤務時間ではない。
当直も、勤務じゃない。
って、無理矢理な試算をしたら、
現在日本医師約9000人足りない、って
とんでもない結論を出したのも、いただけないんですが。

その後の記事で、30年後には医者は足りる。
って言っていたのですが。

半年経ったらどうですか。

>2020年には経済協力開発機構(OECD
加盟30カ国中最下位に転落する恐れがある

って事ですか。
全く状況は変わっていないんですよね。
半年間で。
日本で医学部を卒業する人数も。
世界の医者の数も。

でも、半年前は、20年後は日本医師数は足りる。
一方で、2020年(13年後)にはOECD当たりで
日本医師数は最低になる。

って、おかしいですよね。


何故こうなったかっていうと。
厚労省の、作為的な数字のマジック
みんな騙されていた
、って事ですよ。
みんな、っていうか、マスコミ
マスコミの情報を鵜呑みにする国民ですけどね。

まあ、このブログを読んでいる人達は、
騙されていないと思いますけどね。

どこが数字のマジックかって事を、
過去の記事も含めて解説していきますか。


以前にNHKで放送された番組をまとめた記事
『医療に安心できますか1』
に書いた事なんですけどね。

>s45年にはOECD平均で1000人当たり医師数1.4人、
それに対して日本は1.1人と差は1000人当たり、0.3人。
今はOECD平均で1000人当たり医師3.0人。
日本は2.0人と差は1.0人で、
OECD平均との差は広がり続けている。


というように。
日本医師は、徐々に少しずつとはいえ、増えています。
ただし、他の国はもっと増えているんです。
医療の高度化や高齢化が進んでいるから、
医師の数が増えるのは当たり前なんです。
で、結果的に、日本世界の、
人口当たりの医師の「」は広がっているんですよ。

メキシコ、トルコ、韓国等に比べたら、
世界の医師の増加率は低いかもしれませんが。
それでも、日本よりは多いですから。
今後も、今のペースで行ったら、
」は広がるにきまっているんですよ。
で、日本より人口当たりの医師数の少ない
メキシコ、トルコ、韓国は、日本よりも増加率が高いから。
その3国にも抜かれて、最低になる、って事です。

日本は今でも先進国中最低
2020年になったら、それ以外の国も含めて最低になる。
って事ですよ、増加率が低いから。

じゃあ何故、厚労省は20年後には医者の数が足りる。
って言っているかというと。

この文章を見ればわかります。

>病院や診療所で働く医師数は、2015年に約28万5000人、
25年に約31万人、35年に約32万1000人


これを人口当たりにすると、
30年後に医師数、人口1000人あたり約3人弱

って事は。
30年後に、「」の基準を当てはめれば
足りますよ、って言ってるって事ですよ。


他の国は、どんどん医者の数は増えているから。
もっともっと医者の数は増えているはずなんだけど。
それは無視して、「全く他の国では医師数は増えない。
そいで、日本だけ医師数は増える。」

ってとんでもない仮定をしたら、
30年後は日本医師数は足りる。
って言ってるんですよ。

あり得ないでしょ、そんな試算。
30年経って、物価は5倍になって。
給料が2倍になったら、給料が増えた。
って役人は喜びますか。
絶対ないでしょ、そんな事。
物価が5倍になったら、それ以上に給料が増えないと
納得しないでしょ。

そういう時は、周りと比べて
とか言うくせに。
医師不足の時は、一切周りとの比較をしないんですよ
政府や厚労省は。

医療費の問題も同じです。
医療費が増えている、って政府は言いますけど。
GDP比で何%って言い方はしないんですよ。
GDP比だと、日本の医療費は先進国中最低。
って話は、このブログをはじめ、医者のブログでは
良くみかける言葉ですが。
政府や厚労省は、一切そういう言い方をしません。
医療費の額でしか、ものを言いません。
しかも、その試算も、いい加減ですしね。

皆さんは、マスコミのように、
政府や厚労省の数字のマジックに騙されちゃ駄目ですよ! 



病院選びもも、噂だけに頼っちゃ駄目ですよ。
大学病院についての、真実はこちら!

→ 「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密

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大淀病院事件、遺族提訴

Dr. I / 2007.05.27 23:20 / 推薦数 : 9

以前から、何回もこのブログで取り上げている
奈良の、「大淀病院事件」。
この事件で、遺族大淀町産科医の先生を
提訴したようですね。

某新聞に、私のブログが名指しで悪者扱いされて。
すぐに、この件に関して記事を書いたら、
遺族やマスコミに対する批判というか。
下手したら中傷にしかならないので。
敢えて、ちょっと時間をおいてから書いてみました。

Dr. Iのブログには、中傷があふれている。
とか、言われたくないですからね。

感情的になってしまいそうなので。
敢えて、事実の経過とちょっとした疑問点だけを
羅列する事にします。

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奈良・妊婦転送死亡:「異常見過ごし死亡」
遺族大淀町医師を提訴

奈良県大淀町大淀病院で昨年8月、同県五條市のTさん
が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、
転送先で脳内出血で死亡した問題で、遺族は23日、
病院を経営する大淀町と担当産科医を相手取り、
慰謝料など損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
大淀病院の担当医が脳の異常を見過ごしたことが
死亡につながった」と過失責任を主張している。

提訴したのは夫(25)と、転送先で生まれた9カ月の長男。
訴状によると、Tさんは昨年8月7日、出産のため大淀病院に入院。
翌8日午前0時ごろ頭痛を訴えた後、突然意識を失った。
産科医は頭痛と陣痛から来る失神と説明し、仮眠のため退室。
同1時40分ごろ、両腕が硬直するなど脳内出血
うかがわせる症状が表れたが、来室した産科医は子癇発作
と誤診して処置をせずに病室を離れ、
同4時半ごろまで病室に来なかった。

病院は同2時ごろまでに転送先探しを始め、Tさんは19病院で
転送を断られた後、大阪府吹田市の
国立循環器病センターに同6時ごろ到着。
CTで右脳に大血腫が見つかった。
長男は帝王切開で生まれたが、Tさんは8日後に死亡した。

死亡診断書では同センター受診時、Tさんの意識が刺激に
まったく反応しないレベルに達していたなどとする記載があり、
遺族は「脳内出血の発症は午前0時ごろ」と主張。
「これ以降、家族らが再三脳の異常を訴えたのに産科医
CTなどの検査をせず、手術でも回復しないほど
脳内出血を進行させた」としている。


医師の対応について夫は「命を助けようとする
必死さが見られなかった。
もしあれば、心から死を受け入れられた」。
同席した父は「裁判なんて考えていなかった。
お金じゃないんです。何があったのか知りたいのです」
と訴えた。

参照:毎日新聞社、2007年5月24日



これは、毎日新聞の記事なのですが。
どのマスコミも、スタンスは一緒のようですね。

テレビに関しては、座位先生のブログに詳しく書いてあるので。
そちらを見て下さいね!
『不当な提訴とマスメディア(大淀妊婦事件)』


毎日新聞の記事では、いろいろと突っ込みどころが満載で。
何を書こうか迷ったのですが、ポイントだけ。

もちろん、私は訴状を見ていないのですが。
訴状によると、

>同1時40分ごろ、両腕が硬直するなど脳内出血
うかがわせる症状が表れた


って事ですよね。
そいで、

>来室した産科医は子癇発作と誤診して処置をせずに
病室を離れ、同4時半ごろまで病室に来なかった。


という事らしいですけど。
遺族が公開したカルテ(看護記録)を元にして書いた、
『奈良の産科医 詳細2』の記事で書いたとおり、

0:14に突然の意識消失があって。
その後、内科の医師2人がかりで身体所見を取って。
それで、異常がないから、脳出血脳梗塞ではないだろう、
と判断しているわけですわ。

そして、『大淀病院、専門家(神経内科医)の意見』
の記事にも書いてあるように。
後から専門家である、神経内科医師が見ても、
この段階では「脳出血ではない。」と、はっきり言っています。

そして、これはマスコミの圧力によって一時閉鎖に追い込まれた、
専門家達が集まるm3の掲示板でも同じ意見でした。

その後、何もしていないような事が書いていますけど。
1:40までの間に、4回も看護師に見回りに行かせて、
異常があったら報告するように指示しています。

それで、1:40頃、急変して、
頭のCTを撮る事も検討したけれども。
頭のCTっていうのは、ただの検査ですから。
脳外科医のいない、大淀病院で撮っただけでは、
何の解決にもなりませんから。
それであれば、早く搬送先を決めた方が良いだろう。
と、判断して、いろんな病院に電話をかけまくったのですよ。

で、子癇の治療をしたり、内科医と交代で
患者ベッドサイド行ったりしているわけですよね。
この産科医の先生は。

これは、遺族がマスコミに公開したカルテの看護記録
に書いている部分だから。
それは正しいと思うのですがね。

違うって事なのでしょうかね。

そして、明らかにおかしいのは。

>同1時40分ごろ、両腕が硬直するなど脳内出血
うかがわせる症状が表れた


って訴状には書いてあるんですよね。
1:40に、脳内出血を疑わせる症状って。

それなのに、
>遺族は「脳内出血の発症は午前0時ごろ」と主張。

1:40に、脳内出血を疑わせる症状が出たなら、
脳内出血が起きたのは、1:40なんじゃないですか。

午前0時脳内出血になった、って
どうやって証明するんでしょうかねー。
どうゆう説明を遺族がするのか、
聞いてみたいですね、是非。


医師の対応について夫は「命を助けようとする
必死さが見られなかった。
もしあれば、心から死を受け入れられた」。


夜中の0時から午前4:50まで、内科の医師と交代で
ベッドサイドについて処置をしたり。
19もの病院に電話をかけまくって
それで、必死さが見られないのですか。
そうですか。

>お金じゃないんです。何があったのか知りたいのです

m3の掲示板で、専門家達が議論して。
何があったか、真実がはっきりしたと思うのですがねー。
マスコミの圧力で、一時閉鎖に追い込まれましたけど。

普通は、損害賠償の金額を、きちんと言うはずなのですが。
お金じゃないなら、きっとものすごい少額なんですよね、当然。
それだったら、前代未聞な位、少額の訴訟って事を、
マスコミを使って報道すれば良いんじゃないですかねー。



妊婦の突然死といえば、肺梗塞。
別名、「エコノミークラス症候群」
「エコノミークラス症候群」について知りたい人は、これを読んでね!


→ 『気をつけて!死んじゃうかも!フライトの旅行で注意すべき病気!』

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救急車、軽症患者お断り

Dr. I / 2007.05.24 23:59 / 推薦数 : 9

医療崩壊を進めている原因の一つに。
「一部の患者のモラル低下。」
っていう事があるんですよね、残念ながら。
そして、そういった「一部の患者」のせいで、
本当に治療が必要な重症患者」が素早く、
適切な治療が受けられない。
そして、彼らのせいで、助けられたかもしれない
尊い命が失われている。

そういう現状があるんですよ。
残念ながら。

そういった残念な事が、少しでも解消できるかもしれない、
新たな試みが東京で始まりましたね。

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軽症者の救急車搬送お断り、
東京消防庁が来月から試験運用

119番通報の急増に対応するため、
東京消防庁は来月1日から、救急隊員が現場で救急搬送の
必要のない患者を選別する「トリアージ(患者の選択)」制度を
全国で初めて試験運用する。

社会の高齢化もあり、搬送の遅れが重大な結果を招くケースが
増えていることから、軽度の患者救急車
タクシー代わりにしようとする通報者には民間搬送の利用を求める。
これによって年間約5000件の搬送が不要となる見込みで、
同庁は、通報から平均7分30秒かかっている
救急車の到着時間の短縮につなげたいとしている。

東京消防庁によると、都内(東久留米市、稲城市、島しょ部を除く)
救急車の出動件数は、1995年の44万8450件から、
2005年には69万9971件に急増。
これに伴い、救急車が到着するまでの平均時間も、
95年の6分18秒から05年には7分30秒と、
1分12秒も遅くなった。


『読売新聞:2007年5月23日 』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070523-00000005-yom-soci


この運用を行って最も得をするのは、
本当の重症患者」です。

この記事にも書いてありますけど。

救急車が到着するまでの平均時間も、95年の6分18秒から
 05年には7分30秒と、1分12秒も遅くなった。


って事ですから。
救急車が着くのが、一分早ければ助かった。
という人が、仮にいたとしたら。
10年前なら助かったけど。
残念ながら、今はタクシー代わりに救急車を使う輩
のせいで、助からないって事ですよ。

実際、一分早ければ助かったかもしれない患者が、
何人も命を落としているのでしょう。

東京で、軽症患者救急車が運ばなくなれば、
そういう患者を1人でも2人でも救える可能性がある。

そういった意味で、画期的な試みだと思います。


そして、医者側からみたら、この運用には、
もう一つメリットがあります。

以前から、医師過労医療崩壊の一因。
という事をこのブログでも書いていますけど。
医者過労になっている原因の一つに、
医師時間外労働っていうのがあるんですよ。

時間外でも、患者や病気は待ってくれないので。
重症患者、命に関わる患者が夜中や明け方でも、
病院に来る、って事自体はやむを得ないんですよ。
当然、それを否定する気はありません。

困るのは、病院コンビニのように「24時間営業
だと思って、軽症でも気軽にかかる患者なんですよ。
そういう輩が増えているので、医師時間外労働
増えて、過労につながっている。
という面がありますから。

軽症患者で、救急車ならタクシー代わりで便利。
しかも「ただ」なので、病院に行こうか。
って思っていた患者が。
この制度ができて、夜にタクシー呼んだら、
金かかるかし。
たいした病気じゃないなら、
じゃあ、今日は病院に行くの止めようか。
っていう患者が減ってくれれば良いな、
と思っています。


後、ちょっと気になった点が一つ。

>年間約5000件の搬送が不要となる見込み
>救急車の出動件数は2005年には69万9971件


えーっと。
69万9971件のうちの5000件って事は。
1%以下ですか、減るの。

完全に私の印象なのですが。
時間外に来る患者の中で、約8割は、
緊急性を要さない患者だと思います。
救急車以外で来る患者に関しては、
9割近くが、緊急性がない患者
という印象を持っています。

私、今までに、当直を含めたら数十箇所の病院
働いていますけど。
ほとんど、どの病院でも割合は変わりません。

救急車に関しては、かなり意見が分かれると思いますが。
半分以上は、緊急性がない患者って印象があります。
重症患者はだいたい、2~4割くらいでしょうかね。
かなり割り引いても。

まあ、医者が診て緊急性がない、って判断できるだけで。
救急隊が判断できるレベルは、また違うので
なんとも言えないとは思いますが。

でも、誰がどう考えたって軽症だろう。
って患者は、救急車で来る患者1割くらいは
いると思うんですけどねー。

この試算では1%以下なんですが。
東京全部でやるんじゃないんですかねー。
この試み。
そこ、ちょっと疑問に思いました。


緊急性のある病気のうちの一つ、肺梗塞。
別名「エコノミークラス症候群」に関しては、これを読んでね!

→ 「気をつけて!死んじゃうかも!フライトの旅行で注意すべき病気!」

救急車で運ばれる、病院の代表格。
大学病院について知りたい人は、こちらからね!


「大学病院のうそ」 ~現役医師(Dr. I)が暴露する、大学病院の秘密

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心臓カテーテルで脳梗塞

Dr. I / 2007.05.21 01:02 / 推薦数 : 3

最近、検査や治療の「合併症」なのに。
医療ミス」だ、って事で裁判になる、
って事例が増えていますよね。

心臓カテーテル検査合併症脳梗塞になったのに、
医療ミスだ、って訴訟があったみたいですよ。

長くなるので、その前に応援よろしく!

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このブログでは、何回も言っていますが。
医療ミス」、っていうのと「合併症」っていうのは、
別のものなんですよ。

ちなみに、「合併症」をウィキペディアでみると。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

合併症(がっぺいしょう、英語:complications)とは、
原疾患(英語:primary illness)が前提となって生ずる
続発性の病態または病変である。
同義語としては併発症、余病などがある。


あんま、わかりやすくないですね(笑)
ま、これは、病気の合併症って事なんですが。

有名なのは、「糖尿病」ですかね。
糖尿病三大合併症っていうのは、
腎症、網膜症、神経症です。
糖尿病が悪くなると、腎臓が悪くなり透析になったり。
が悪くなって、失明したり。
神経がやられて、EDになったり、
足の痛みが無くなって、気づかないうちに、
足からばい菌が入って、
足を切断しなきゃならなくなったりします。

こういう風に、「元の病気が進んで、
他の病気になっちゃう。」

そういうのを、「病気合併症」って言います。

それとは別に、「検査や治療合併症
ってのもあるんですよ。
合併症」って、同じ言葉ですけどね。

手術をすれば、体を切るわけだから。
当然、は出ますし。
もしかしたら、ばい菌が入って、感染するかもしれない。
そいうのも、合併症って言います。

私は循環器内科医なので、
心臓の検査なんかもするんですよ。
心臓のエコーとか、ただの心電図くらいなら、
基本的には合併症は無いんですけど。
体の中に、管を入れてやるような、
検査や治療
の場合は、必ず「合併症」があります。

心臓の表面を走っていて、
心臓に血液を送っている血管。
この血管の事を冠動脈って言うんです。
冠動脈が狭くなって、胸が痛くなる病気の事を
狭心症」って言います。
で、これが進んで、心臓の血管(冠動脈)が詰まると
心筋梗塞」って病気になります。
加古川の時も書きましたけど。
心筋梗塞っていうのは、現代の医療でも、
10-20%位は死んでしまう、恐ろしい病気です。

で、狭心症とか、心筋梗塞って確実に診断するのは、
心臓の表面の血管(冠動脈)を直接見て、
それが狭いのか、詰まっているのか、
って事を見るしかないんですよ。

心筋梗塞になれば、心電図が変化したり。
心臓の筋肉(心筋)が壊れて、それが
採血の検査をすればわかる。
って事はあるんですが。
あくまで「確定診断」は、冠動脈を直接
見る検査
です。

この検査の事を「心臓カテーテル検査
って言います。

具体的にどうやるか、って言うと。
太股の付け根の動脈や、手首、肘の
動脈に針を刺して、管を入れて。
その管を通して、長―いチューブみたいなの(カテーテル)を、
心臓の当たりまで持っていって。
それを冠動脈に入れて、そこから
造影剤を流して冠動脈が狭いかどうかを見る検査です。

絵で見ると、こんな感じ。
「心臓カテーテル検査」

これらをふまえて、この記事を見て下さい。


心臓カテーテル訴訟、第一回口頭弁論

心臓カテーテルの検査を受けた際、脳梗塞を起こし、
寝たきりの状態になったのは、病院側のミスが原因だ
などとして、県内の男性とその家族が
およそ9400万円の損害賠償を求めている
裁判の第一回口頭弁論が開かれ、
被告の病院側は全面的に争う構えを見せました。

訴えているのは、県内に住む
73歳の男性とその家族です。
この男性は、7年前、国立南九州中央病院、
現在の鹿児島医療センターで、
動脈に細い管を通して異常がないかを調べる
心臓カテーテルの検査を受けました。

その際、男性は脳梗塞を起こし、
現在まで寝たきりの状態が続いています。

訴えによりますと、医師がカテーテル操作を
誤って動脈に空気が入ったため
脳梗塞になったと考えられるほか、
検査の危険性について、事前に十分な説明を
していなかったとして、病院に、
およそ9400万円の損害賠償を求めています。
きょう開かれた第一回口頭弁論で、
被告の病院側は「説明義務は尽くしていた」
などとする答弁書を提出し、
全面的に争う構えを見せました。

原告の男性側は
「そもそも心臓カテーテル検査を受けるような症状はなく
検査には危険が伴うことも十分に説明がなかった」
として主張していますがきょうの第一回口頭弁論で
被告の病院は「検査の必要があり、検査前の説明も行った。
しかし脳梗塞になった原因はわからない」
などとして全面的に争う構えを示しました。


「2007.4.25 MBCニュース」
「2007.4.25 KTSニュース」


血液型を間違って輸血した、とか。
薬の量を10倍使った、とか。
患者を間違えた、とか。
そういうのは、「医療ミス」ですけどね。
どんなに注意してやっても、起こってしまう事
っていうのは、医療には必ずあるんですよ。
治療や検査などの医療を行う上で、
かならず伴う危険が伴うんです
そういうのを治療や検査合併症って言います。

心臓カテーテル検査合併症っていうのは、
具体的にどのくらいあるのか、っていうと、この位。
さっきの図の下の方に書いてありますけど。

心臓カテーテル検査合併症

急性心筋梗塞 
冠動脈の近位部に病変が存在した場合など、
カテーテル操作が原因で冠動脈閉塞を来たし
心筋梗塞を発症することがあります。
病態によっては緊急バイパス手術
必要となる場合もあります。
頻度 0.02%

脳血管障害(脳梗塞 
病的な動脈壁から遊離した血栓やコレステロールなどが
脳血管で塞栓症を来たしたり、もともと脳血管に病変があり
検査中の血圧変動などが原因で閉塞することがあります。
結果的に麻痺や意識障害などの後遺症を残す可能性もあります。
頻度 0.1%

腎機能障害 
造影剤は腎臓から排出されますのでこれにより
腎障害が生じたり、血栓やコレステロールでの
塞栓症でも障害されます。
高度な障害では透析治療が必要となります。

出血 
穿刺部の皮下出血から血管穿孔による血腫形成など
輸血や外科的修復を要する重篤なものもあります。
稀なものに、カテーテルが心筋を貫いて
心嚢内に出血する心タンポナーデがあり、
これは心嚢穿刺緊急手術が必要となります。

末梢動脈障害 
穿刺部での動脈損傷(血管壁解離、仮性瘤形成、動静脈瘻など)や、
カテーテルによる血管損傷や塞栓で生じる
動脈狭窄や閉塞があります。
血管外科的な修復が必要となる場合もあります。

末梢神経障害 
穿刺時に動脈と並走する末梢神経を傷つけ、
痛みやしびれが残存してしまうことがあります。

造影剤・薬剤ショック 
造影剤や検査に必要な薬剤(止血剤、抗生物質など)が
体に合わないためのアレルギー反応で、軽いものは蕁麻疹から、
高度では気管支喘息やショック状態に至ることもあります。

不整脈 
電気的除細動を要する頻拍性不整脈や、
短期ペーシングを要する
徐脈性不整脈が検査中に発生することがあります。

血行動態の悪化 
心機能が悪い場合には、造影剤や点滴の影響で
血圧低下や心不全を発症することがあります。


カテーテルの改良や検査技術の進歩に伴い、
生命に関る重篤な合併症の発生率0.2%前後
極めて稀なものとなっています。

参考:「心臓カテーテル検査」

あえて書いていないのかもしれませんが。
頻度は0.02%と少ないですけど、
死亡」っていうのもあります。
その他、「感染症」、「塞栓症」、なんかもあります。
ま、細かいのは良いんですけど。

この訴訟では「脳梗塞」は医療ミスのせいだ、って言ってますけど。
医療ミス」ではなく、単なる「合併症」だと思いますよ、私は。

原告側の主張が、医学的におかしいのですけど。
長くなったので、具体的にどこがおかしいかは、
今度の記事でって事にしておきますかね。


心筋梗塞になりたくない人は、これを読んで
生活習慣病を予防してね!

→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」

→ 日本一わかりやすい!「高血圧」

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医学部に、へき地勤務枠2

Dr. I / 2007.05.17 01:30 / 推薦数 : 7

本当は、『医学部に僻地勤務枠』
で書こうと思っていた事なんですが。
なんか長くなっちゃったので、
こっちに書いてみますね。

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『医学部に僻地勤務枠』の記事では、
日本の医師不足医師偏在を解消する為に。
各都道府県で5人ずつ、合計約250人
医学部の定員を増やす。
ただし、その人達には卒業後10年程度は
へき地など、地域医療に従事することを条件にする。
って事だそうです。

条件付きで、数もわずかとはいえ、
医学部の定員を増やした、って事に関しては、
私は一定の評価をしています。

でも、ちょっとこれには問題があるんですよ。

『研修医のシステム』
『研修医のシステム2』
『研修医のシステム3』
当たりで、以前に書いた事なんですけど。

今の研修医のシステムっていうのは、
なんでも診られる医者(プライマリー医)
育てるというのが建前なのですが。
あくまでも机上の空論なんです。

今のシステムは、研修医になってすぐ2年で、
内科、外科、小児科、 産婦人科など、いろんな科を
興味の有る無し等に関わらず、
1~3ヶ月位ずつ回るシステムです。

最近は医療訴訟とかも多いので。
未熟な医者にやらせて、失敗した。
って事になったら、指導医病院
訴えられてしまいますから。
だったら、少しでも危険な技術的な行為は、
研修医にはやらせない

って事で、2,3ヶ月しかいない研修医は、
見学中心になってしまうんですよ、どうしても。

医者として最も大事なこの時期に、
2年間もお客さんでただ見ているだけでは、
もったいないし、身にもつきません。


新入社員を全員オールマイティーな社員にするために、
3ヶ月工場で物を作らせて、3ヶ月営業
3ヶ月経理という風に、いろんな部署を
全員2年間回らせる事にしたって事です。

普通に考えて、数ヶ月っただけでその部署の
仕事ができるようになるとは思いませんよね

どんな仕事でも普通、一人前とまではいかないまでも、
1人でほとんどの仕事ができるまでに、
5年位かかるんじゃないですかね。

1人で任せられる、ってところまでは行かなくても。
簡単な仕事なら大丈夫だろ、ってところでも
どう考えても3年はかかるでしょ。


正直言うと、今の研修医システム2年やっても、
昔の1年分くらいじゃないですかねー。
実際に診療した患者の数でも、手技の数でも。
質、量ともに。

他の先生方は、どう思っているか、わかんないですけど。


そんな医者になって実質1,2年しか学んでいない医者を。
いきなり、へき地に出して良いんですか?
へき地っていうのは、半径50キロ
医者自分1人しかいないとか、そういう所でしょ。
そんな中に、1,2年しか経験を積んでいない医者
送り出して良いんですか。


医師免許を持った人数は足りるから
政治家や厚労省の役人なんかはそれで良い。
って言うかもしれませんけど。

それで、へき地に住んでいる人は良いんですか

へき地でも都会と同じ様な高価な検査。
MRIとかPETとか、そういう検査が
できるように、っていうのは無理ですけど。
へき地では、そういった検査もできない。
医者も未熟だ。

そんなんで、良いって事なんでしょうかねー。
はなはだ疑問です。


だから、私は「へき地」って言葉には反対です。

しかし、大筋を変えずに、このシステムを
もう少し「まし」にする方法
はあります。

それは、「へき地」ではなく、
地域枠」にする事です。

どういう事かっていうと。
研修医っていうのは、当然指導医が複数いる病院
2年間指導を受けるわけですが。
いろんな科を、数ヶ月ずつ廻るだけなので、
正直、実際に患者を診る能力はそんなにつきません。

で、その後の数年、特に2-3年が非常に大事になるんですが。
この「へき地」のシステムでは、その一番大事な
2-3年
どころか、10年研修医2年を除くと8年
へき地になるので。
医者としての能力が、低いままなんですよ。
その後の30年くらい、ずーっと

医学部っていうのは、6年だから。
最短でも医学部を卒業するのは24歳
半分以上は浪人していますから、その後10年なら
だいたい35歳くらいですよ。

その後、専門の勉強を1から始めるとか。
そんなの無理ですよ、普通
絶対にできないとは言いませんけど。
やはり、厳しいですよ、実際は。


で、私が言う「地域枠」ではどうするか、っていうと。
地方の研修病院研修2年を終えた後。
2-3年くらいは、地方の「中堅病院」に勤務するんですよ。
指導医が複数いるようなね。

そしたら、医者5年
きちんと指導を受けて、患者もある程度の数を診て。
技術も獲得して、一人前とは言えないまでも、
1人でそれなりの事ができる、ってところまでいきますから。
そいで、10年のうちの、残りの5年くらいを、
いわゆる「へき地」で勤務する。

それなら、良いかな、って思います。

地方の中堅都市、中堅病院だから。
地域」にはいるけど、都会の大病院で
研修したのと、大差のない医者になれますよ。
そうしたら。

へき地」って言うのが、何を意味しているか
今のところわからないんですけどね。
とりあえず、「へき地」に行く医者の数を確保するために、
まだ半人前にも満たない研修医を終えたばかりの医者
いきなり「へき地」に行かせる。
って事だけはないようにしてもらいたいですね。

新たな医療格差を生む事になるし。
長い目で見て、医者のレベルを落とす事に
なりかねないですので。


医者のホンネを知りたいって人は、これを読んでね!

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医学部に、へき地勤務枠

Dr. I / 2007.05.14 00:10 / 推薦数 : 7

以前から私は、このブログを通して。
日本では、医師偏在ではなく、医師不足なんだから。
医学部の定員を増やすべきだ。
と主張してきたのですが。
ほんのわずかとはいえ、
医学部の定員が増えたので。
少しとはいえ、一歩前進かな、と思います。

本文の前に、応援よろしく!

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政府・与党方針、卒業後へき地で10年

政府・与党は12日、へき地や離島など地域の
医師不足・偏在を解消するため、
全国の大学の医学部に、卒業後10年程度は
へき地など地域医療に従事することを条件とした
「地域医療枠(仮称)」の新設を認める方針を固めた。

地域枠は、47都道府県ごとに年5人程度、
全国で約250人の定員増を想定している。
地域枠の学生には、授業料の免除といった優遇措置を設ける。
政府・与党が週明けにも開く、医師不足に関する
協議会がまとめる新たな医師確保対策の中心となる見通しだ。

地域枠のモデルとなるのは、1972年に
全国の都道府県が共同で設立した自治医科大学
(高久史麿学長、栃木県下野市)だ。
同大では、在学中の学費などは大学側が貸与し、
学生は、卒業後、自分の出身都道府県での
へき地などの地域医療に9年間従事すれば、
学費返済などが全額免除される。
事実上、へき地勤務を義務づけている形だ。

新たな医師確保対策で、政府・与党は、
この“自治医大方式”を全国に拡大することを想定している。
全国には医学部を持つ国公立と
私立大学が計80大学ある。
このうち、地域枠を設けた大学に対し、
政府・与党は、交付金などによる財政支援を検討している。

医療行政に影響力を持つ自民党の丹羽総務会長は12日、
新潟市内での講演で、
「自治医大の制度を全国47都道府県の
国公立大などに拡大したらどうか。
5人ずつ増やせば、へき地での医師不足は間違いなく解消する」
と述べ、“自治医大方式”の拡大を提案した。

医学部を卒業した学生にへき地勤務を
義務づけることは当初、
「職業選択の自由に抵触する恐れがある」との指摘もあった。
だが、「入学前からへき地勤務を前提条件とし、
在学中に学費貸与などで支援すれば、問題ない」と判断した。

政府は昨年8月、「医師確保総合対策」を策定し、
医師不足で悩む県にある大学医学部の定員増を
暫定的に認め、2008年度から最大110人を認めた。
しかし、医師不足解消の見通しは立たず、
来年度予算編成に向け、追加対策が必要だ
との声が政府・与党内から出ていた。

今回、新たに地域医療を強化するのは、
現在の医師不足問題が、医師の絶対数不足よりも、
都市と地方の医師の偏在に、
より問題があるとみているためだ。

厚労省によると、人口10万人当たりの医師数は、
全国平均の211・7人(2004年)に対し、
青森(173・7人)、岩手(179・1人)、
岐阜(171・3人)などと東北を中心に平均を大きく下回る。
東京(278・4人)など大都市との格差が大きい。
また、02年度の立ち入り検査では、
全国の4分の1の病院で医師数が医療法の基準を下回った。

政府・与党は、医師不足問題に関する協議会で、
「新たな医師確保対策」をまとめ、
「経済財政運営と構造改革に関する基本方針
(骨太の方針)2007」にも
新たな医師確保対策を盛り込む方針だ。


『2007年5月13日:読売新聞』

この記事を読んでも、

医師の絶対数不足よりも、都市と地方の医師の偏在に、
より問題があるとみているためだ。


って書いていますし。

>自民党の丹羽総務会長は12日、新潟市内での講演で、
「自治医大の制度を全国47都道府県の
国公立大などに拡大したらどうか。5人ずつ増やせば、
へき地での医師不足は間違いなく解消する」


って言っていますけど。

たった250人増やしただけで、
間違いなく解消するとか、
めちゃくちゃいい加減な事を言っていますが。
その根拠を知りたいですねー。

お金がなくて、食う飯にも困っている人に。
給料100円増やすから、間違いなく
これからは飯食っていけます。

って言っているのと同じですからねー、これ。
焼け石に水」、ってやつですよ。

正直、かなり「いまいち」ではありますが。

それでも、1人も増えないよりは、
ちょっとはまし、だとは思います。


何回もこのブログで出てきているから。
もう聞き飽きた人も多いでしょうけど。
何度でも出しますよ、このデーター。

先進30ヶ国からなる国際機関OECD(経済協力開発機構)
の平均
で、人口10万人当たりの医師約300人です。
日本は、211・7人(2004年)って書いていますから。
約2/3ですね。
そいで

>人口10万人当たりの医師数は、
全国平均の211・7人(2004年)に対し、
青森(173・7人)、岩手(179・1人)、
岐阜(171・3人)などと東北を中心に平均を大きく下回る。
東京(278・4人)など大都市との格差が大きい。


これ。
日本一の大都会で、医師日本でトップクラスの東京
この東京の医師が、10万人当たり、278・4人ですから。

東京ですら、OECD平均値にも達していないんですよ。
もっとも医師が足りているはずの、大都会「東京」ですらね。

都会ですら医師は足りなくて、
地方ではもっと医師不足が深刻

なんですよ、どう考えても。

なのに、なんで医師不足ではなく、
医師偏在としか言わないんですかねー。
全く不思議です。

しかも、これ。
人口当たりですから。
日本では軽症患者でも病院にかかる人が多いですから。
患者1人当たりの医師で言えば、
2/3ではなく、1/3位ですよ、日本の医師

それでも、何故医師不足ではなく、
医師偏在なのでしょうか。

日本の人口約1億2千万人だから。
OECD平均まで医師数を増やすには
12万人位医師が必要ですよね。
このデーターも、何回も出していますけど。

一年間250人ずつ医学部の定員を増やして、
一年間でそれだけの医師が増えるとして。

12万人÷250人=480年ですか。

確かに、480年後には、医師不足
解消するかもしれませんねー。

丹羽総務会長480年後の事を
言っているんですよね、当然。


日本の医療崩壊を食い止める為には、
小手先の対応ではなく、
まずは、医師不足を素直に認める。
そして、医師数削減政策の誤りを認める。


これが、絶対条件だと思います。


こんなくだらない事を言ってる人達に対する、
医者の本音を聞きたい、って人は、ここからね!


→ 『医者のホンネが丸わかり!』

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ブログの著作権

Dr. I / 2007.05.13 01:22 / 推薦数 : 9

4/29に私のブログ読売新聞に、
無断で引用も、ブログのタイトルも書かれずに
転載されたんですよ。
前も書いたから、ご存じの方がほとんどでしょうけど。

今まで、ブログにも著作権はある。
って事は知ってはいたのですが、
きちんと調べた事はなかったので。
これを機に、ブログの著作権について、
自分なりにちょっと調べてみました。

あくまで、素人の解釈なので違うかもしれませんが。
いくつか引用してみますね。

応援もよろしくね!

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『著作権法』

さすがに、これじゃあ読む気にならないので。
子供向けに書かれた、これを見てみましょうか。

『著作権って何?』

ブログの記事は著作物(ちょさくぶつ)だけど、ブログのアドレス
(URL)は著作物(ちょさくぶつ)じゃないんだ。


あ、やっぱね。
ブログには著作権あるんですね。

> -詳(くわ)しい説明(せつめい)-
たとえ自分で撮(と)った写真(しゃしん)などでも、
自分以外(いがい)の誰(だれ)かが写(うつ)っている場合は、
もちろんその人の許可(きょか)を取(と)らなければいけません


ブログには著作権があって。
自分が撮った写真でも他人(他の人が書いたブログ
が写っている場合は、許可が必要って事ですね。

そいで、これも見てみましょうか。

『ブログを書くときに知っておきたい、著作権に関する知識(セコム)』


著作権法第32条で引用であれば
著作権者の承諾無く著作物を利用できる
と定められている。
しかし、引用であるためには、
以下の2つの条件を満たすことが必要だ

・公正な慣行に合致すること
引用の目的上正統な範囲内であること

具体的には、引用する文章の長さは
2~3行程度とし、
引用元をしっかり明記することが
「慣行」として求められている。

引用元の文章の内容について意見を述べる、
批評する、そこからさらに議論を発展させるなどの
行為を伴って初めて引用となるのであり、
よく見られるネット配信された新聞記事を
そのままメモのように貼り付けたブログは、
明らかに著作権法違反と言うことになる。

その他、雑誌や他人のブログなどを
全文掲載することも、当然著作権法違反となる。
なお、著作権法違反は親告罪
(権利を侵害されたものが訴え出ない限り、
罪にならないもの)であるので、
著作権者からの訴えが無ければ
罪に問われることは無い。



なるほどー。

>引用であれば
著作権者の承諾無く著作物を利用できる
と定められている。
しかし、引用であるためには、
以下の2つの条件を満たすことが必要だ

>具体的には、引用する文章の長さは
2~3行程度とし、
引用元をしっかり明記することが
「慣行」として求められている。


って書いていますからね。
引用をするためには、
引用元をしっかり明記する
って事が必要ですね、当然。

漠然とは知っていましたが。
やはり決まっていたんですね、これ。

で、一応、引用されたFC2ブログの規定をみると。

■FC2ブログ

著作権について
ユーザーはFC2ブログ内においてユーザーが
作成したテキスト・画像・テンプレート等の内容について
著作権を有するものとします。
FC2はユーザーが作成したコンテンツを
転載、要約する権利を有します。


ま、そりゃそうだよね、普通。


って事で。
ブログ引用も明記せずに、
勝手に新聞なんかに載せることは、
著作権法違反」って事がわかりましたね。

でも、

著作権法違反は親告罪であるので、
著作権者からの訴えが無ければ
罪に問われることは無い。


やっぱ、こっちが訴えないってわかっていて、
確信犯なんでしょうかねー。


もう一回、無断転載された4/29の
読売新聞のコピーを貼っておきますね。
抗議の意味で。

読売3


429読売新聞1

無料レポートにも、著作権はあるよ。
こんなのも読んでみてね!

→ 「日本一わかりやすい!「糖尿病」

→ 日本一わかりやすい!「高血圧」

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