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大野病院事件、第三回公判

Dr. I / 2007.03.20 00:22 / 推薦数 : 2

福島の大野病院で、産科医の先生が不当逮捕された事件の、
第三回公判が3/16に行われましたね。

もう少し待てば、「周産期医療の崩壊をくい止める会」サイトに
詳細な傍聴録が載ると思いますけど。

その前に、この件について書いた記事があったので、
その一部を引用させて頂きます。
その前に、応援もよろしくね!

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麻酔科医出血時、記憶にない」、調書揺るがす発言繰り返す
福島県立大野病院事件で第3回公判

「調書には、ニュアンス的なものが無視され、断言したかのように書かれた。
私も、取り調べでは半分あきらめるような気持ちだった」――。

福島県立大野病院で2004年12月、帝王切開術を受けた女性が
大量出血で死亡し、業務上過失致死と
医師法21条違反(異常死の届け出義務)で
同院産婦人科のK医師が逮捕・起訴された事件の第3回公判が3月16日、
福島地裁(大澤廣裁判長)で開かれた。
証人審問には、手術に立ち会った麻酔科医と助産師の2人が出廷。

この麻酔科医は、警察や検察での取り調べで、
「K医師がクーパーを用いて胎盤剥離(はくり)を始めると、
子宮の中からわき上がるような出血が起こった」と供述したとされる。

この日は証言台で、大量出血があった時間帯や、
警察で調書を取られた際のやりとりについて
「記憶がない。思い出さない」と強調。
「思い出さないが、断定する言い方はしていない」と、
調書内容を弱める発言を繰り返した。

麻酔科医に対する審問は、午後1時半から6時過ぎまで
4時間半という長丁場となった。

審問は、「K医師がクーパーを用いて胎盤剥離を開始したころから、
子宮内で次々と沸き出るような出血が始まった」とされる部分に集中した。

まず検察側に、大量出血の様子を問われた麻酔科医は、
「お風呂がわくような、スイッチを入れると下からどんどん
水位が上がってくるような出血だったと思う」と発言した。
出血のタイミングについては調書では、「胎盤剥離の最中にあった」としている。

しかし、弁護側が、このタイミングでは麻酔記録と矛盾する点を指摘すると、
「どの時点でわき出るような出血を見たかについては記憶がはっきりしない」
と証言を変化させた。

さらに、警察や検察の取り調べの際は自身も被疑者として扱われており、
特に2006年2月にK医師が逮捕された直後の取り調べでは
「自分も逮捕されると覚悟していた」と心理的な動揺があったことを告白。

供述段階から証言を変質させていることを裁判官に問われて、
「取り調べで行った供述が、そのまま裁判で使われるとは知らなかった。
調書に書かれているのなら、取り調べで自分がそう言ったのだと思う。
だが、発言のニュアンスや、はっきりとは言っていないところも、
調書では断定的に書かれてしまっていた。
(警察や検察は)『そういうところなのだな』と半分あきらめてしまった」と語った。

また、麻酔科医に先立って午前中に証言した助産師は、
娩出された胎盤の状態について、
「母胎面(胎盤と子宮が癒着していた面)がぐちゃぐちゃで、
欠けている部分もあり、見たことのない状態だった」と述べた。

これに対し、弁護団は助産師に
「前置胎盤や癒着胎盤の症例を見たことがありますか」と反問。
助産師は「ありません……」と答えた。

■航空や鉄道のように、「医療事故にも専門調査委を」と弁護士

公判後、記者会見した平岩敬一弁護士は、
「前置胎盤、癒着胎盤とも経験がないという
助産師の観察では発言に意味がない。
今回の証人は、2人とも、検察側の主張にプラスにはならなかった」
と解説した。

その上で、最近話題になっている痴漢えん罪事件を例に出し、
「日本の刑事事件では、調書は『供述調書』『自白調書』と言われ、
捜査官の作文になりがちだ。
それをベースに裁判を進めるのは無理がある。
近年は、刑事捜査でも物的証拠、科学的根拠を
重要視する方向に進みつつあるが、
これをもっと進めなければならない」

「特に医療のような専門性の高い分野では、
(航空・鉄道事故調査委員会のように)専門調査委員会を設けて
原因究明をすることを早く始めなければならない」と、
今回の事件の背景となっている刑事捜査の欠点や、
医療安全体制の不備を指摘した。


「OhmyNews : 2007.3.17」


助産師の発言に関しては、このブログに傍聴記が書いてあるので。
これを見ていただけると、てっとり早いと思います。
「ロハスメディカルブログ」

で、今回検察側の証人として発言した、
麻酔科医の先生に関してなんですがね。
記事にも書いてあるように、

>警察や検察の取り調べの際は自身も被疑者として扱われており、
特に2006年2月にK医師が逮捕された直後の取り調べでは
「自分も逮捕されると覚悟していた」と心理的な動揺があったことを告白。


って、こんな状況なんだから。
動揺はあったに決まっていますし。
もし、検察側の意に沿わない発言をしたら、逮捕される
みたいな、間接的な脅し、無言の脅迫があれば、
そりゃあ、検察が書いた調書に、嫌とは言えないでしょうよ。

そいで、

>「そういうところなのだな」と半分あきらめてしまった

って思うのも、無理はないんじゃないですかねー。


ここで、手術をする医者と、麻酔科医の関係を解説。

大きな手術っていうのは、手術をする医者が2,3人。
それと麻酔科医と看護師で行うのですが。
手術っていうのは、機械や道具は全部滅菌して。
医者も看護師も、手術をする人は、何回も手を消毒して。
その後、滅菌した手袋や手術を着て、やるんですよ。
ばい菌が入らないように。

で、麻酔科医っていうのは。
患者に麻酔をかけるのが仕事なんです。
手術は普通、患者の頭の方にいていろいろモニターを見たり。
麻酔とか、点滴を調節したりしてるんですけどね。
こっちは、点滴やモニター、それに麻酔記録を書いたりとか
いろんな事をするんですよ。
直接患者の体の中を触れる事はないので。
滅菌したり、清潔にはしていないんですよ。


手術をする方を、「清潔野」って言うんですがね。
ここからここまで、「清潔野」って分けて、それ以外の
麻酔科医や外の看護師、技師や助産師なんかが手を触れたりして、
どこまで「清潔野」か、わかんなくならないように、
きちんと区別されているんですよ。
普通は、布で区別されます。

でも、麻酔科医は一応、手術をしている状況も
ある程度は把握しておきたいので。
区別はしていますが、遮断して見えないって事はないんです

しかし、麻酔科医のメインは、「麻酔をかける事」ですから。
ずーっと手術をやってる最中、手術野を見ているわけではないんですよ。
それに、子宮とか、体の奥の方にある臓器だと、
下手したら、麻酔科医の位置からは、ほとんど見えない事もあります。


それらをふまえて、私の勝手な妄想を読んでみて下さい。


「勝手な妄想」

「取り調べ室での一場面」

検察:「手術の際、出血の量はいつもと比べて多かったですか?」

麻酔科医:「通常よりやや多いという印象でした。」

検察:「例えると、どんな感じで血が出ていましたか?」

麻酔科医:「お風呂がわくような、スイッチを入れると下からどんどん
水位が上がってくるような出血という感じでしょうか。」

検察:「出血量が増えたのは、いつ頃からですか?」

麻酔科医:「ちょっと、はっきりとは、思い出せませんねー。」

検察:「思い出せないって事は、ないでしょう。
   しっかり思い出して下さいよ。」

麻酔科医:「記憶にないものは、ないですから。」

検察:「そんな事言わないで、なんとか思い出して下さいよ。」
  (心の声:しっかり思い出せよー、言うまで家に帰さねーぞ。)

麻酔科医:「そんな事言われてもー。」
(心の声:思い出せねー、っちゅーか。
麻酔科医は、手術以外に麻酔かけるのがメインなんだから。
そんな、術野で何がいつ起こったかなんて、
はっきり答えられるわけねーだろ、この素人が。)


検察:「あなたも、今回の件に関しては
被疑者として扱われる可能性がありますが。
  それでも、思い出せませんか。」

麻酔科医:「えーっと。」
  (えっ、ま、まじっ。俺も逮捕される、って事。やっべー。)

検察:「医師が胎盤をクーパーで剥離した後から、
   出血の量が増えた
んじゃないですか?」
  (心の声:おら、この通り、答えんかい。)

麻酔科医:「はっきりとは思い出せませんが、そうかもしれません。」
(心の声:げっ、そんなん術野から全部はっきりと見えるわけないのにー。)

検察側、調書

「K医師がクーパーを用いて胎盤剥離を開始したころから、
子宮内で次々と沸き出るような出血が始まった。」



まあ、思いっきり何の根拠もない、勝手な妄想なんですけどね。
全く同じかどうかわかりませんけど。
だいたい、こんな感じだったんだじゃないかなー、
って事は想像できますよね、取調室での様子。


おそらく、この麻酔科医も医療裁判とか、調書を取られるとか。
そういうのは、初めてでしょうし。
それに、逮捕されるかもしれない、ってプレッシャーもあったから。
なんだかわからないけど、検察に誘導尋問されて、
「はい」って答えて言ったら、いつの間にか調書が出来ていた。
ってところなんだと思いますよ。

だから、この麻酔科医が、「証言を覆したから信憑性がない
なんて事は、全然思いませんね。

弁護士の談話にもある通り、

>「日本の刑事事件では、調書は『供述調書』『自白調書』と言われ、
捜査官の作文になりがちだ。
それをベースに裁判を進めるのは無理がある。


と、思いますよ、私も。


今回の傍聴記や、この記事を見ると。
今のところは、被告人の医師
有利に裁判が進んでいるようにも見えますが。
裁判官から見たら、調書が第一で、
証言を覆す証人の意見は、全く信用できない。
って思っている可能性もありますから。
油断はできませんね。


それにしても。
今後、医療裁判が増えて、医者証人として呼ばれたり、
調書を取られたりって事が、もっとたくさん起こるのでしょうけど。

「不用意な同意や、不用意な一言によって、
同僚の医師を地獄の底に突き落とす事もあり得る。」


って事は、医師であれば、他人事ではなくて、
自覚しておいた方が良いのかもしれませんね。

なんか、嫌な世の中になっちゃいましたね。
ここ数年で、急速に。

 

いつの間にか80万アクセス越えてました。

いつもいつも、ありがとうございまーす。

これに関連する記事は、こちら!

「速報:産科医不当逮捕事件、公判生の声」

「大野病院事件第二回公判 傍聴記」

「悪夢からちょうど一年」


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