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救急外来

Dr. I / 2007.01.03 02:20 / 推薦数 : 5

はーっ、疲れた。
先日書いた通り1/2当直(厳密には昼間のみの日直)だったんです。
昨年一年間で一番救急患者の来た日が、1月2日で、
1日80人だったらしいんですが。
午後6時までに、既に80人オーバー
このペースだと、100人は越えるんじゃないですかね。

まあ、外科小児科の先生に頑張って頂いたおかげで、
私が診たのは、そのうち40人ちょっとだとは思いますが。
朝9時からぶっ通しで患者を診て、結局一息ついたのが、午後5時半
で、やっと昼ご飯食べようと思って、電子レンジで温めたら。
「先生、入院患者が胸苦しいて言っていて、
サチュレーション(酸素飽和度、普通は95%以上)80%です。」
って看護師からコール。

レントゲン撮ったら、気胸(肺がしぼんでしまう病気)で、
即トラカールっていう管を胸に入れて、肺を膨らます処置をして、
その後もいろいろあって、結局午後8時までかかっちゃいました(汗)

当直(日直)の場合は、時間外手当が出ないって、
労働基準法に違反したルールが病院内にあるので、
結局全部ただ働きっすかね、俺。


そいで、本題。

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救急外来」、って言うのは、本来「救急」だから、
緊急性のある患者を診るところなんですよ。

本当は病院というのは、土、日、祝日は休みなんですが。
でも、人の命がかかっていたり、ものすごく苦しんでいたりして、
緊急性がある患者は、土、日、祝日とか関係なくいるので。
そういう人がいた場合に、特別に診る
という意味で、「救急外来」っていうのがあるんですよ。

でもね。
最近どこの病院でもそうだと思うんですが。
患者の中には、そう思っていない人達が多いんですよ。

朝6時に、仕事があるから、その前に来たとか。
仕事があって、平日の昼には来られないから、夜に来た、とか。
薬が切れたから、日曜日に来た、とか。
夜中、ちょっと咳が出て心配だから来た、とか。
子供が一回下痢して、心配だから来た、とか。
はっきり言って、救急ではなく、患者自己都合、自己満足です。

ごくたまーにそういう患者が来るなら、まだ良いんですがね。
多分、救急外来に来る患者5~8割くらいのが、
緊急性のない患者なのではないですかね、正直。
もちろん、病院地域にもよるとは思うんですが。

でも、多分ほとんどの病院で、次の日の外来まで待てる、
緊急性のない患者半分を超えると思います。


医療崩壊、医師不足っていうのが、最近顕著になっているのは、
前からこのブログでも言っていますし、
マスコミなんかでも騒がれていますが。
細かく言うと、によって崩壊、不足具合が違うんですよ。
具体的に、最も医師不足、医療崩壊が進んでいるというのは。

産科、小児科→救急→内科、外科→マイナー科(眼科、耳鼻科等)

って順番なんじゃないかなー。
細かい順番は、人によって違うと言うかもしれませんが。

最も医師不足、医療崩壊が進んでいる科は、
産科、小児科、救急って事には、ほとんどの人は、
異論がないと思われます。

で、なんでこの3科医師不足が進んで、なり手がいない。
多くの医者が辞めているのか、っていうと。
共通するのは、「時間外の患者が多い」って事なんですよ。

産科は、言わずと知れた、「お産」。
これは、時間に関係なく来ますよね。

そして、「小児科」。
子供の数自体は、「少子化」の影響で、少なくなっているのですが。
逆に少子化の影響で、初めての子供だから心配
という理由で、夜中に親が軽症でも病院に連れて来たり。
昔なら、おじいちゃんやおばあちゃんがいて、
明日病院に行けば良いよ、って言ってくれたのに。
核家族化」が進んで、そういう事を言ってくれる人が
いなくなった、って影響が大きいのかもしれませんね。

そして、「救急」。
さっきも言ったように、本来「緊急性」のある患者を診る。
というのが、救急の目的だったんですが。
年々、時間外でも、いつでもやってる「コンビニ」と勘違いして、
軽症なのに時間外に来る患者が多くなった。
という事が考えられると思います。

ま、他に「訴訟」の問題もあるんですけどね。
一番大きいのは、「時間外労働の過酷さ」だと思います。

これらのでは、一般的な「時間内の業務」の大変さは、
他のとそんなに大差ないと、私は思いますので。
逆に言えば、時間外に来る患者を減らす事ができれば、
これらのでの医師不足、医療崩壊を幾分か解消でき、
医師全体に関しても医師不足、医療崩壊が解消できる可能性
があるのではないかと思います。

医療訴訟」に関しては、今までもいろいろ書いてきましたが。
それは、また今度に、って事で。
今日は、時間外に来る患者を減らす方法について、
ちょっとしたアイディアを書いていきます。

良くも悪くも、日本の診療報酬、要は医療費の個別の値段
って言うのは、日本の政府が決めています。
具体的には、厚生労働省ですね。

この手術をしたら、いくら、とか。
このはいくら、とか。
指導料はいくら、とか。

ほとんど全ての値段が、厚生労働省の独断と偏見で
決められているのですが。
数は少ないんですけど、病院側が決められる医療費の値段というのがあるんですよ。
それは、「紹介状なしでの大病院への初診料」です。
普通の初診料っていうのは、時間帯とか、
年齢によって決められているんです。
具体的には、こちら。
→ 「医療費」

病気になった時、どの医療機関を受診するかは受診者の自由なんですがね。
国の方針としては医療費の高騰による保険医療制度の問題、
医療資源(高額機器や人員)の有効利用の観点から、
かかりつけ医」を持つことを勧めているんですよ。

まず、近くの診療所を受診し、そこで扱えないような
検査・手術・入院の場合に病院紹介してもらって、
退院後に元の診療所へ戻るようなシステムです。

国はこれを勧める観点から紹介状は保険扱いとして、
紹介状なしでの大病院(200床以上の病院、緊急時は除く)への初診は、
保険の初診料とは別に保険外負担を認めているんですよ。

要は、「紹介状なしの大病院への初診料」は、
各病院が「自由に」決められるって事なんですよ。

一時、大病院紹介状なしで行ったら高いよ、って
テレビなんかでも良くやっていましたよね。
覚えている人いますかね。

それと同じように、「時間外の紹介状なしの大病院への受診
というのも、各病院が「自由に」決められる事にすれば良いんですよ。

これをやると、患者負担が増えるとか、弱者切り捨てとか
言う人がいるんですがね。
でも、「軽症」の患者は、わざわざ「時間外」に
大病院」に来る必要はないんですよ。
次の日の普通の外来を受診するか。
その日にかかりたければ、当番の病院や診療所で良いんですよ。
まず、そういう診療所や病院に行って、それ以上の治療が必要なら、
紹介状をもらって、大病院を受診するわけですから。
このシステムを作ったからと言って、重症の患者
切り捨てるわけではないんですよ。

現在の日本では、医師不足の中でも特に、「勤務医不足
が叫ばれています。
この、勤務医というのは、ほとんどは大病院や中堅病院
ばりばり一線級で働く医師が不足しているんですよ。

国はかかりつけ医診療所と、大病院役割分担
勧めているわけですから。
これって、国の方針とも合致した、良い制度だと思うんですよね。
医師時間外労働を減らして、医師不足を解消する、
って観点からもね。


夜中や休日に風邪引いて。
薬局風邪薬を買っても1500円
保険が効いて、医療が専門の医者に診てもらって、
病院でしか貰えないも貰って2000円
だったら、病院に行く人も多いですよね。

でも、1500円と、5000円だったら、
ちょっと考える人も出ますよね。
特に軽症の場合は。

この制度では、軽症だと自分で思ったら、
次の日まで待つか、本来最初に行くべき
当番病院や、当番の診療所に行けばよいんですから、単に。
別に弱者切り捨てではありません

今までは、本来最初に行くべき当番病院、診療所
行かないで、不安だから、心配だから大病院に。
って言う、患者側の勝手な都合に、「善意」で病院が対処し、
医師が診療していたのですが。
どうしても、自分のわがままで、最初に大病院
時間外に診てもらいたい、というのであれば、
相応の報酬を払えば良い
という、ごく自然な考えから来たシステムです。

大事なのは、これには生活保護や、地方自治体から補助金を貰って、
医療費がただの、子供も含むって事です。

ただ」だから、時間外でも軽症でも、
なんでも病院に来るって人が非常に多いので。
そういう人達も含むって事が重要です。

そういう弱者を切り捨てるって意味ではありません。
そういう人達も、時間外に病気になれば、
救急当番の病院、診療所に、まずいけば良いんですから。


例えば、
「時間外の紹介状なしの大病院への受診」
ある大病院で、
救急当番の日: 1000円

救急当番日以外の日: 3000円

とか、くらいでしょうかね。
不必要な時間外の受診が減れば、総医療費も減りますし
医師の負担も、相当減るので。
医師不足が少しは解消できると思うんですけどねー。

今、地方の中堅病院救急医療撤退して、
大変な騒ぎになっていますよね。
今のシステムだと、救急医療を「やる」か「やらない」か、
の2択しかないので、医師不足の為、やむを得ず撤退する病院が出ていますが。
このシステムを使えば、「時間外の紹介状なしの大病院への受診料」を上げて、
救急患者数を抑制して、救急医療継続する事も可能になりますから。
医師不足の顕著な地方にとっても、かなり良いシステムだと思いますよ。


こういった、個別の医療費というのは、
厚生労働省が勝手に決められる事なので。
最も簡単にできて、かつ即効性のある医師不足対策だと思いますよ。

今から、医学部の定員を増やしたって、その医者が一人前になるまでに、
最低でも後10年はかかりますからね。

少なくとも、一律で75歳以上患者外来回数を制限する、
とか弱者を狙い打ちして、制限をかけるよりも、
軽症患者の大病院の不必要な受診を制限した方が、
効果はあると思いますよ、私は。

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