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医者に必要な能力ってのは、いくつかあると思うんですが。
いくつあるのかはわからないんですが、あくまで私が思う医者に必要な能力を、独断と偏見で述べていきたいと思います。
一応、どんな科の医者にも必要な能力ってのを挙げていきたいと思います。
勤務医、開業医関係なくね。
私が思うに、医者っていうのは、人間の命を扱う職業ですから。
医者に最も必要な能力っていうのは、この人が死にそうだとか、死ぬかもしれないって事を早く気づく能力だと思うんですよね。
眼科とか耳鼻科とか皮膚科とか、そういう科は、今すぐに死ぬような患者を自分の専門の科で診る事は少ないと思うんですが。
病院には必ず当直医っていうのが最低1人はいるんですよ。
夜でも正月でも24時間ね。
大きい病院だと、当直医が2人とか3人の病院もあるんですが。
そんなに大きい病院でなければ、当直医は1人の事が多いです。
夜に1人で病院にいるんですが、患者は何科の医者が当直だろうが、重症だろうが軽症だろうが、いろいろ来ます。
そういう時に、最初は必ず当直医が診るんですね、患者を。
そして軽症であれば、その場で処置をする。
そして、重症で自分では診ることが難しいと判断したら、その時に始めて他の科の医師を呼ぶんですよ。
例えば、明らかに心臓が止まりそうとか、麻痺があるとか、意識がないとか、誰がどう見ても重症って場合は、すぐ専門の医者を呼びますよね、普通。
まあ、循環器内科医が当直であれば、心臓が止まりそうな場合は、自分で処置しますけどね。
大けがしている人が来たら、すぐ外科の先生を呼びますけど。
で、ただの風邪とか、ちょっとぶつけたとか位だと、自分で診るので、まあこれも良いでしょう。
問題になるのは、重症か軽症かちょっと微妙な時ですね。
例えば、胃が痛いって患者が来たと。
当直医が消化器内科医で、結構若い。
で、まあ胃痛だから専門で、たいした事ないだろうって事で、自分で診て胃薬を出して家に帰すと。
で、そのちょっと後に、心臓止まりかけて救急車で運ばれてきて、心電図を取ったら心筋梗塞だったとかですね。
心筋梗塞でも胃潰瘍でも、みぞおちの当たりが痛くなるって事あるんですよ。
で、患者の中にはみぞおちが痛いのは胃の痛みって、勝手に思って胃が痛いって来る人がいるんですよ。
そういうのを医者は鵜呑みにしちゃいけないんですよ。
急患でやばいのは、心筋梗塞、肺梗塞、胸部大動脈解離等の循環器系の病気と、脳梗塞、脳出血等の脳外科系の病気ですね。
心臓と頭は、適切な処置が遅れると、あっという間に死んでしまいますからね。
まあ、他にもあるんですけどね。
脳外科がない病院だと、脳梗塞とかも循環器内科が診る事もあるんで。
やばそうな人が来ると、全例循環器内科医が呼ばれるって病院もあるんですが。
おかげさまで、商売繁盛ですわ(笑)
こういう明らかにやばいって、診てすぐにはわからないけど、危ない病気を頭に入れた上で、更に話を聞いたり、検査を追加すればわかる病気っていうのが、一番危ないんですよ。
こういうのを気づく為に必要なのは、一つは経験。
経験っていうのは、ただ患者を100人診たら気づくとか、1000人なら大丈夫って事ではありません。
もちろん、100人より1000人診た方が良いに決まっているんですけどね。
でも、医者になって数年で何千人もの患者を診るのは、普通は無理です。
じゃあ、医者歴数年の医師には、絶対にそういう危ない病気に気づくのは無理かって言うとそうでもないと思います。
まあ、10人20人では難しいかもしれませんけどね。
どうすれば良いかっていうと、危険な病気を常に頭に入れて、診察すれば良いんですよ。
ま、教科書的には、全員そうしているはずなんですけどね。
超基本ですから、これ。
でも、だんだん経験を積んでくると、このくらいなら大丈夫だろうって、余裕が出てくるんですよ。
車の運転でも、初心者よりも、ちょっと慣れた時の方が事故る確率が高いっていうのと似ていますね。
そして、自分が間違ったら何故間違ったかって検証する事ですね。
今までに診断が間違った事がない医者ってのは、医者になって数日の医者か、患者を全く診ない医者くらいしかいませんからね。
それか、間違いに気づいていない医者か。
だから、間違う事は恥ずかしい事ではないんですよ、はっきり言って。
一般の人達は絶対間違ってはいけないと思っているかもしれませんが。
しかし、限られた時間と検査しかしていなくて、専門も細かく分かれている現代の医療で、100%間違わないっていうのは不可能ですから。
で、間違ったら何故自分が間違ったか。
合っていても、完全に合っているわけではないでしょうから、どこまで合っていて、どこは間違っていたか。
危ないと思って、他の科の医者に診てもらったら、その後、専門の医者はどんな診察や検査をして、どういう風に診断したのかってのを勉強する事ですね。
他の科に送ったから大丈夫って、安心しているだけじゃ、それ以上成長しませんから。
そういうのが、経験を積むって事だと思います。
ただ数を診れば良いってものではないと思います。
麻雀でも、半荘100回やった人と、半荘1000回やった人では、半荘1000回やった人の方が、たいていは強いんですが。
半荘1000回で自分が何故負けたかしっかり検証して、その後勉強している人と、何も考えず半荘2000回やった人では、多分半荘1000回で検証した人の方が強いですからね。
もう一つは、自分の能力を知るって事です。
極端な話、自分に能力がないってわかっていれば、早めに専門の科の医者を呼びますから。
結果的には重症患者を見逃す事は少なくなりますからね。
能力がないんだから、勉強しようって気にもなるでしょうし。
一番危ないのは、医者数年でちょっといろいろできるようになって、自分はなんでも出来るって過信した時ですね。
自分の能力を客観的に判断して、常に危険な病気を念頭に置いて患者を診察する。
そして、たくさんの患者を診て、間違ったり危ない患者がいたら、他の科に頼むだけでなく、自分でもその後見学したり、勉強する。
こういう事をしていれば、医者に最も必要(だと私が勝手に思っている)な能力、危険を察知する能力(危機察知能力?)が身に付くと思います。
才能はいらないと思います。
医者が100%間違わないって事は実際には不可能なんですが。
命に関わる危険な病気の場合は、100%に限りなく近い確率で、診断するまでいかなくても、専門の医者を呼べないとまずいですからね。
生活習慣病に興味がある、とか他の病気についても知りたいって思ったあなた。
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