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「時間外重症患者割引制度」
というか、時間外に受診した
軽症患者から加算金を取る制度。
「時間外重症患者割引制度実現か」
の記事にも書いたけど、
2010年度からの診療報酬改定で、
もしかしたら導入されるかも、
って思ったんだけど。
断念、というか見送りになりましたね。
まあ、予想通りではあるんですが、
はっきり言って、すごく残念です。
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軽症の救急患者から特別料金、
10年度は見送り
症状が軽く必要性が低いのに
救急外来を受診する患者から
特別料金を徴収できる仕組みについて、
中央社会保険医療協議会(中医協=
厚生労働相の諮問機関)は1月27日、
新年度の診療報酬改定での
導入見送りを決めた。
委員間で合意が得られず、断念した。
ただ、救急医療の適正な利用を
求めていく点では一致し、当面は
啓発活動を充実させることで対応する。
軽症患者が、自分の都合で夜間や
休日に受診するケースがあり、
救急医療現場の負担増加に
つながっていると指摘されている。
中医協は、医師らの負担軽減策の
一環として特別料金の徴収を検討。
対象を重度の患者を受け入れる
救急救命センター(全国で221施設)に
限定したうえで、診療前に患者側に
周知することや診療の優先順位の
基準を各医療機関で策定する
――などを条件に徴収できる
仕組みが検討されていた。
徴収対象の典型例として
「虫さされがかゆい」「海外旅行なので、
いつもの薬をたくさんほしい」
が示されていた。
この日の中医協では、患者ら
支払い側委員が、「患者自身が
(軽症か)判断できないことが多い」
「逆に、お金を払えば(救急に)
行っても良いとなりかねない」
など導入に反対。
患者に適正利用を働きかける
取り組みをしたうえで、
検討すべきだとの意見が出た。
これに対し、医師ら診療側委員は
「本当に救急医療が必要な人が
受けられないことがある」など
導入の必要性を訴えたが、
新年度からの導入は時期尚早
と結論づけられた。
ただ、現在も一定の条件を満たして
救急外来で特別料金を徴収している
場合は、今後も継続できる。
『asahi.com: 2010年1月28日』
まあ、救急救命センターに限定、
っていうのも、あまり意味ないし。
適正な価格でないと意味がないので。
最初に安い値段で始めて、
徐々に高くしていく、っていうやり方だと、
むしろ逆効果っていう事もあるんで。
中途半端に始めるよりは、
適正な価格と、どの病院で適応するのか。
っていう事をきちんと決めてから始める、
って方が良いかもしれないので。
逆に良かったのかもしれませんけどね。
医療ではないんだけど。
実例があるんで、ちょっと紹介しますか。
安すぎる値段でペナルティを課したら、
減るどころか逆効果だった、って実験です。
「ヤバい経済学」
という、経済の本から引用。
経済学者達が、イスラエルの保育園
10カ所で20週間行った実験。
保育園って子供を預かっている訳なんだけど。
親が子供を迎えに来るのに、
遅れてくる事がよくあるんですよ。
そこで、どうやったら迎えに来る
親の遅刻を減らせるのか、
っていう実験をしました。
最初の4週間は、遅れてくる
親の数を数えます。
平均で、保育園一カ所当たり、
週に8件の遅刻がありました。
5週目に、罰金制度が実施されます。
迎えに来るのが10分以上遅れた場合。
その親には毎回子供1人につき
3ドルの罰金を課すって事にしました。
さあ、遅刻してくる親は、
減ったのでしょうか、増えたのでしょうか。
すると、どうでしょう。
罰金制度が始まると、
親の遅刻はすぐに、増えました。
以前は平均で、保育園一カ所当たり、
週に8件の遅刻があったのですが。
罰金制度が導入されると、すぐに
週当たりの遅刻は20件に増えました。
約2.5倍ですね。
インセンティブが完全に
裏目に出てしまった例です。
インセンティブには、
経済的インセンティブ
社会的インセンティブ
道徳的インセンティブ
の3つがあります。
「タバコ」の例を出すと。
タバコ税を取って、購入意欲をくじくのが、
経済的インセンティブ。
レストランやバーでの喫煙が
禁止されているのは、社会的インセンティブ。
アメリカ政府が、テロリストは
ヤミでタバコを売って資金を調達している
って主張するとき、あれは
道徳的インセンティブです。
イスラエルの保育園の場合。
子供1人が毎日遅刻しても、
月に60ドル追加で払えば良いだけです。
これは、基本料金の1/6ほどで、
ベビーシッター料としても安いですから。
経済的インセンティブとしては、
軽すぎです。
替わりに罰金が100ドルだったら、
かなり効果があるんでしょうが。
大変な恨みを買うでしょうねー。
この罰金制度の問題は、
経済的インセンティブが軽すぎた、
って事と。
道徳的インセンティブ
(遅れた親が感じる罪の意識)を
経済的インセンティブ(罰金3ドル)に
置き換えてしまった、って事です。
毎日ほんの3ドルで免罪符が変える。
そのうえ、罰金が少額なので、
迎えに来るのが遅くなっても
たいしたことじゃない、
というシグナルが親御さん達に
送られてしまったんです。
この実験の続き。
調査の17週目になって、
経済学者が罰金をやめても、
遅れる親は減らなかった。
遅れて来た人達は、罰金を払わされる事もなく、
そのうえ罪の意識もなくなったんです。
ここで本題に戻って。
柏原とか東金とかのやり方は、
道徳的インセンティブに訴えるやり方です。
参照:
「県立柏原病院の小児科を守る会」
「NPO法人:地域医療を育てる会」
これは、間違ってはいないと思います。
そして、軽症患者から時間外加算金を取る
っていうのは、経済的インセンティブです。
軽症患者の時間外加算金が、
300円とか500円っていう少額で、
免罪符が買える、という事になれば、
イスラエルの保育園の例と同じ。
経済的インセンティブを
道徳的インセンティブに
置き換えただけですから。
逆に受診者の数が増える事がありえます。
だから単に少しだけでもお金を取る、
っていうやり方ではなくて、
時間外は5千円とか1万円くらいの、
ある程度痛みの伴う額にしないと、
逆効果になる可能性はあると思います。
お金を取るなら、受診が抑制されるくらい、
しっかり取る。
数百円とか1000円とかじゃ、
経済的インセンティブが軽すぎるので。
時間外加算料金5000円位取りなさい、
っていうのが私の主張です。
それと、前回の記事にも書いた通り、
「時間外重症患者割引制度実現か」
1、軽症患者への加算金は、
普通の人であれば、そこそこ痛いな。
という「適性な金額」にする事。
2、「軽症かどうかを現場の医師に
決めさせて、余計な負担をかけさせない」。
3、「救命救急センター」だけでなくて、
2次救急の病院にも適用する事。
この3つ揃っていないと、
中途半端なことになって。
安い値段だと、逆にモラルの低下を
引き起こして、患者数が増える。
なんて事もありえるんで。
今回、制度として導入しなかったのは
しょうがないですから。
2年後か、いつかわからないですけど、
やる時には、きちんとした金額、
それと、適切な病院に適用する。
という事を、しっかり考えてから
やって欲しいものですね。
保育園の迎えに遅刻する親の話だけでなく、
相撲の八百長とか、マフィアの経済学とか。
普通の本とは全く違った経済の話が
おもしろおかしく書いてある本がこれ!
→ 「ヤバい経済学」
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このブログでも2年以上前から、
提唱していた制度。
勤務医の負担を減らす為の、
「時間外重症患者割引制度」。
その名の通り、時間外に病院を受診した人
からは、いくらかお金を上乗せして。
重症患者からは取りません。
もしくは、割り引きますよ。
っていう制度です。
詳しくは、この記事を読んでね。
『時間外重症患者割引制度』
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2年前に書いた時は、こういう制度を
取り入れている病院は、まだ日本でも
さほど多くはなかったんですけど。
最近は、徐々に増えてきて。
軽症患者の受診抑制の効果がある、
っていう事もわかってきたので。
今度の診療報酬改定で、もしかしたら
取り入れられるかもしれませんね。
以前にこのブログでも書いた通り、
『時間外加算金で時間外患者2割減少』
12の病院を集めて統計をとったら、
時間外の患者(軽症患者)の数が
2割以上減りました。
でも、重症患者(入院患者)の数は、
変わりませんでしたよ。
っていう小児科医の江原朗先生の論文とか。
鳥取大学医学部付属病院は、
5250円時間外加算金をとったら、
軽症患者の数が半分になった。
って新聞記事とか。
「勤務医開業つれづれ日記・2:2009.9.29」
こういうのが良い例ですね。
今のままでは、いくつか問題もありますけど。
方向としては、良い方に行っていると思います。
m3.comの医療維新に記事が出ていたので、
紹介させていただきますね。
中央社会保険医療協議会
軽症患者の救急外来受診について
特別料金徴収の案を提示
要件は医師等によるトリアージ、
患者への事前説明など
2010年1月15日 村山みのり(m3.com編集部)
1月15日、中医協総会において、
事務局(厚労省)は救急外来を受診する
軽症患者から医療保険の患者自己負担分
とは別に料金を徴収することについて、
具体的内容・要件の案を提出した
(資料は厚労省のホームページを参照)。
『厚労省のホームページ』
救急医療機関を受診する軽症患者が
増加している一方、医師が患者に
協力してほしい内容として、軽症の場合は
近隣の診療所を受診してほしい、
休日・夜間の受診は避けてほしい
との調査結果が示されている
現状を踏まえたもの。
事務局案では、料金徴収をする施設として
救命救急センターを想定しているが、
「あくまでも提案にすぎず、議論により
対象施設が拡大または縮小する
可能性がある」とのこと。
事務局案は、救命救急センター
(2010年1月1日現在、全国で221施設)の
医師の負担を軽減する観点から、
他の医療機関からの紹介のない軽症患者が
救命救急センターの救急外来を受診した場合に、
一定の条件を付した上で、医療保険の
自己負担とは別に、予約診療・差額ベッドなどと
同様の選定療養として、患者から
特別な料金を徴収することを可能とする内容。
医師や経験を有する看護師が
事前に状態等の確認を行った結果、
軽症であることが確認され、別途費用の
徴収が発生する可能性があることを
説明したにもかかわらず、患者の選択により
診療を実施した場合について、
医療保険の自己負担とは別に、患者から
特別な料金の徴収を可能とする。
具体的な要件(案)は以下の通り。
・軽症患者に該当するか否かは、診察の前に、
医師または経験を有する看護師が判断する。
その基準は、学会等が示す
トリアージの基準を参考に、
各医療機関が策定する。
・軽症患者に該当し、特別の料金を徴収される
可能性がある旨は、診療前に患者側に伝える。
・この軽症患者の基準や特別の料金を
徴収される旨は、院内掲示するとともに、
ホームページ等で公表する。
・なお、診療後に軽症の状態に
当たらなかったことが判明した場合や
入院が必要となった場合等は、
特別な料金の徴収はできないものとする。
トリアージの基準については、現在、
日本臨床救急医学会が作成中で、
今年度内に完成する予定。
特別な料金の徴収対象となる患者の典型例として、
事務局は「海外旅行なのでいつもの薬を
長期処方してほしいと言って来院する患者」
「虫刺されがかゆいと言って来院する患者」
「指に刺さった小さなトゲを抜いてほしい
と言って来院する患者」などを例示している。
「挙げたのは極端な例。実際に対象となるのは
これだけではないと思う」としているが、
これらはすべて、現在すでに救急外来を訪れる
軽症患者から時間外特別料金などを
徴収している医療機関で
実際にあったケースとのこと。
既に特別料金を徴収している医療機関は、
2008年7月1日現在1180施設あり、
国内の病院の1割強。
徴収金額は最低で210円、最高8400円。
なお、今回のルールが導入された場合に、
軽症患者が説明を受けた結果
受診を取りやめた時は、
料金は徴収しないこととする方針。
事務局は「料金を徴収することが
目的なのではなく、これによって適正な
救急外来の受診を促したい」と説明した。
この項目は、2010年度診療報酬改定における
重点課題の一つである「勤務医の負担軽減」
の一環として提案されているが、
1号側(支払側)委員からは
「逆に料金さえ払えば軽症でも救急外来を
利用できるようになるということ。
支払能力によって差が生じるのは望ましくない」
「適正受診の促進は重要だが、料金徴収以外の
方策を検討すべき」
などの反対意見もあり、導入の
是非を含めて今後議論される。
「m3.com:医療維新2010年1月15日」
まずは、問題点なんですけど。
>軽症患者に該当するか否かは、診察の前に、
医師または経験を有する看護師が判断する。
勤務医の負担軽減なんだから。
医師に判断させたら、意味ないでしょ。
むしろ、こういう事を医師に説明させたら、
医師の負担増えますからね。
まあ、実際に制度が導入されたら、
医師がやる病院はないと思いますけど。
事前に説明の必要がある、とか。
軽症以外であれば、料金を取らない。
というのは、当たり前なんで。
問題ないとは思います。
あと、2年前から言っている問題になる場合ってのが。
「軽症かどうか決めるのを現場の医師にやらせない」
って事ですよ。
この案でも、
>軽症患者に該当するか否かは、診察の前に、
医師または経験を有する看護師が判断する。
と、なっています。
診察した後に、軽症だったら料金取るし、
軽症ではなかったらお金がかからない。
という事になりますけど。
その判断を現場の医師がするって事になると。
軽症と判断されてお金がかかった場合に、
患者から「なんで俺は軽症で金かかるんだ」
ってクレームが来て、余計現場の医師に
負担がかかる、って事が予想されます。
だから、以前にこのブログでも書いたように
『時間外重症患者割引制度』
「かかった医療費」によって、
軽症か重症かの判断を決める。
とか。
「入院」したら重症で、料金なし。
それ以外は、軽症として全て料金を取る。
というように、「判断基準をシンプル」
にして、現場の医師に余計な負担をかけない。
という事が非常に重要になります。
>救命救急センターの
医師の負担を軽減する観点から、
負担を軽減するのが、救命救急センターだけ、
というのも、問題ですね。
今一番、医療崩壊の真っ只中にいるのは、
「地方の2次救急病院」
これが、一番厳しい状態なんですが。
その事をわかってないようですね。
「救命救急センター」っていうのは、
基本的には都会にある大病院。
ですから。
医師の数も、スタッフの数も、
そこそこいるんですよ。
基本的には。
でも、中堅クラスの都市の
中規模の病院っていうのは。
医師の数もどんどん減って、
看護師やスタッフの数も少ないんです。
それに、患者側の病院志向、
専門医志向が重なってしまって。
その地域では一番大きいけど、
救命救急センター程ではない、
そこそこ近くにある病院。
すなわち、その地域の中堅病院に、
患者が殺到しているのが現状です。
救命救急センターなんかは、
医師の数もたくさんいるから。
当直医も2人、3人体制は当たり前。
という状態ですけど。
普通の中堅病院では、
当直医1人ですからね、基本は。
そんなところに患者が押し寄せて
困っている、というのが現状なのに。
対象が「救命救急センター」だけ、
っていうのでは、お話になりませんよ。
もちろん、「救命救急センター」も、
ものすごく忙しい、ってのは事実ですから。
当然、この制度は適用されるべきですけどね。
昔は、一次で診ていた患者が
2次に行くようになって、
2次で診ていた患者が3次に行く。
だから、救命救急センターがパンクする。
というのが現状なので。
最後の3次(救命救急センター)
だけを対象にしてもダメなんですよ。
2次救急の、地方も含めた病院で
患者を抑制する事ができれば、
3次の救命救急センターも助かりますから。
是非、そうすべきだと思います。
もちろん、2次救急の病院の料金は5千円。
3次の救命センターの料金は1万円。
というように、料金に差をつける、
というやり方は良いと思います。
それと、反対意見として。
>「逆に料金さえ払えば軽症でも救急外来を
利用できるようになるということ。
支払能力によって差が生じるのは望ましくない」
これに関しては、確かにそういう問題もあります。
もちろん、これだけで全てが解決する、
って訳ではありませんが。
最悪なのは、「200円」とか、「500円」
とか、中途半端に安い値段にする、
っていう場合です。
支払能力によって差が生じるのは望ましくない
からといって、中途半端な金額にすると、
「お金払っているんだから、かかって当然」
という中途半端なモラル低下に陥りますから。
だから、5千円とか1万円というような、
ある程度高い金額にする。
という事が、非常に重要になります。
こんなにお金がかかるんだったら、
明日受診しよう、という抑制がかかる程度の
ある程度の高い金額にする、
という事が、この制度を成功させる
絶対条件です。
ただし、某総理大臣みたいに、
何億円もお金を持っている人にとっては、
5百円だろうが、5千円だろうが、
全く痛くも痒くもないでしょうから。
完全に抑制する事はできません。
そのため、次の
>「適正受診の促進は重要だが、
料金徴収以外の方策を検討すべき」
とも関わってくるのですが。
お金以外の方法も考えるべきなんです。
お金を払ってもらう、という方法と
「同時」に行うのが、最も効果的です。
時間外に軽症でも病院にかかる患者
っていうのは、大きく分けて、
いくつかのパターンに分けられます。
1)、
自分が軽症とわかっているのに、
昼間なら待つとか、昼は自分が忙しいから、
とかいう勝手な理由で時間外に病院を
受診する確信犯。
これは、追加料金取って当然でしょう。
お金持ちで、このパターンの患者であれば、
5千円とか1万円の追加料金を取ったとしても、
受診抑制にはならないのかもしれませんが。
お金持ちではない普通の庶民であれば、
5千円や1万円の追加料金を取れば、
抑制する事は可能です。
もっと悪質な例だと、
救急車だと無料だから、わざと
タクシーじゃなくて救急車で来た。
というような、酷い患者もいるので。
総務省の管轄になっちゃいますけど、
救急車の料金も1万円とか2万円の
有料にすべきだと思います。
ちなみに、救急車って一回出動すると、
5万円以上かかりますからね、本来。
全部実費とはいかなくても、一部位は
負担しても良いと思います。
特に、悪質な例はね。
2)、
自分が軽症かどうかわからないけど、
心配だから取りあえず病院に来た。
こういう患者に対しては、
「適切な情報を与える」
というのが、最も有効な策だと思います。
それで成功しているのが、
「県立柏原病院の小児科を守る会」です。
『県立柏原病院の小児科を守る会HP』
最初は、ただ「コンビニ受診を控えよう」
と言うだけだったんですけど。
逆に、「受診を控えて重症になってしまった」
というような事もあって。
どんなときに救急車をよべばいいのか、
という具体的なチャートを作って、
それをみんなに配ったんですよ。
→ ダウンロードできます
『受診の目安チャート図 』
子供用ですが、大人でも参考になります。
その結果、ただ受診を控えるだけでなく、
「こういう症状だったら、
すぐに病院に行く必要はないな。」
という事を自分で判断できるようになって、
時間外受診の数が減りました。
実際、この活動のおかげで、
時間外受診の数が三分の一くらいに
減っていますから。
こういう方法は、非常に有効です。
>学会等が示すトリアージの基準を参考に、
ってありますから。
この基準を、わかりやすく
チャートにしたものを、
一般の人が無料でダウンロード
出来るようにして、いろんな所で広めてもらう、
ってのが良いんじゃないかなー。
そういう事を行えば、
心配だから病院に来たっていう
患者の数は減らせると思います。
ただ、このやり方は言い方を変えると、
「患者のモラルに訴えるやり方」
ともいえますから。
最初からモラルのない確信犯。
先ほど出した、1)の患者
とかに関しては、全く効果がないですから。
だから、お金を取るっていう、
「経済的な方法」と。
モラルに訴える、「道徳的な方法」。
この2つのやり方を「同時」に行うのが、
最も効果的なやり方だと思います。
片方だけやれば良い、
というものでもないし。
経済的な弱者に配慮して、
とか言って、半端に安い値段にすると。
逆に、金払っているんだから、かかって当然。
という「モラルの低下」を
引き起こす可能性がありますから。
「時間外重症患者割引制度」
を勤務医の負担を軽減させるために、
効果があるものとするためには。
1、普通の人であれば、そこそこ痛いな。
という「適性な金額」にする事。
2、「軽症かどうかを現場の医師に
決めさせて、余計な負担をかけさせない」。
3、「救命救急センター」だけでなくて、
2次救急の病院にも適用する事。
この3つを行わないで、中途半端な形だと、
逆効果になる、って事もありえますから。
十分に注意して、制度を決めて欲しいですね。
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医療崩壊を防ぐために、
医療費を増やしましょう。
という事は、このブログでも
何回も主張してきました。
今までは土建国家として、
公共事業を行って雇用を確保
してきたっていう面もあるから。
公共事業自体が悪だ、
というつもりはありません。
でも、公共事業が減って
景気もすごく悪いんだから。
その替わりに、何か雇用を生み出す
ものにお金をかけるしかないんですよ。
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「コンクリートから人へ」
ってキャッチフレーズは立派だけど。
そしたら、どうして医療費が増えるのを
嫌がっているんでしょうかね。
医療費を増やして、病院で
雇用を増やせば良いじゃないですか。
2010年度の診療報酬改定で、
医療費そのものは、700億円増。
国費ベースでは160億円しか
増えていませんけど。
全然足りませんし。
そもそも、自民党が作った、
>地域医療再生基金は、当初予定の
3100億円から2350億円に減額
(地域医療再生基金750億円を執行停止)。
>医師不足や救急医療などに対応して
自治体や個々の医療機関等に出している
補助金は、前年度の428億円から
120億円減の308億円に削減
なんてのもありますから。
補助金なんかを入れると医療にかけている
金額っていうのは減っているんですよ。
残念ながら。
コメントでも指摘されましたけど。
一年位前は、結構、民主党政権に
期待していたんですよ、私。
まあ、選挙近くなってマニュフェスト
がはっきり出来てからは。
かなり怪しいな、って感じになって。
自民党と癒着していた既得権益が
離れる、っていう意味では良いけど。
それ以外は、たいして期待していない。
というスタンスに変わりましたけどね。
それも、ブログに書いています。
でも、医療に関してとか、
天下り、官僚支配をやめる。
とか、そういう事に関しては、
自民党よりはましかな、とかも
ちょっとは期待していただけに。
非常に残念ですね。
ちなみに、
医療費を増やして医者の給料を
上げるなんてけしからん。
と言う主張が良くありますけど。
医療費のうち、医者の分の人件費
というのは、1割くらいのもんですよ。
開業医だと、自分の取り分は
人件費に入っていないから。
本当はもう少し高いけどね。
普通の病院だと、医療費当たりの人件費。
いわゆる人件費率、というのが約50%。
医師の人件費率が10%位です。
公立病院の場合は、事務員など
医師以外の給料が民間病院より高くて、
医師の給料は、民間よりも低いので。
医師の人件費率はもう少し
低いですけどね、多くの場合は。
逆に言うと、医療費のうちの
4割くらいは、医師以外の人件費なんで。
そのお金で、いろんな人を
雇うことが出来るんですよ。
まあ、看護師とか薬剤師とか、
技師とかなんかは資格がいるんで。
誰でも雇える、って訳じゃないですけど。
医療秘書さんとか、医療補助員
等の職種は、資格いらないですからね。
どんどん雇えるように
すれば良いんですよ。
一応、医療秘書をある程度雇うと
ちょっと診療報酬が上がる、
という仕組みはあるんですけど。
はっきり言って、焼け石に水
程度の金額なんですよね。
どんなに医療が高度になろうと、
患者さんを運んだり、体を拭いたり、
とか、そういうのは
絶対に機械では変われないですから。
医療っていうのは、人材集約型産業
なんですよ。
儲かっている病院っていうのは、
たくさんの人を雇って、
良い医療をしている、
っていうのが現状です。
今のシステムでも、儲かっている
病院はたくさん人を雇っているので。
逆に、人をたくさん雇えば、
今以上に診療報酬も高くなる。
っていうシステムになれば、
病院ももっとたくさんの人を
雇うようになりますからね、
そうなれば、雇用も増えて
失業率も下がりますし。
GDPも上がりますから。
良い事ずくめなんですよ。
医療費って、無駄な金。
のような事を言われて、
なんか嫌われていますよね。
医療費削減、医療費削減の話ばっかで。
でも医療費だって、GDPに含まれる
立派な支出なんですよ。
テレビを買って、無駄に時間を使う、
っていうのが良くて。
医療費を使って、病気を治す、
っていうのが、何で悪いんでしょうか。
日本人の資産は1400兆円あって、
そのほとんどを高齢者が持っている。
っていう話とか、
よく聞きますけど。
そういう高齢者から、お金を
取れば良いんですよ。
後期高齢者制度の主旨はそれなんで、
方向としては悪くなかったんです。
お金を持っている老人からお金を取る、
という事に関しては、私も賛成です。
でも、「後期高齢者」っていう風に
年齢で分けてしまったのが良くなかった。
まあ、後期高齢者制度は、
もう少しでなくなるから。
もう関係ないですけどね。
でも、新しくなる制度で、
金を持っている高齢者からは、
きっちりお金を頂く。
という事はできるんでしょうかね。
ちょっと疑問です。
ssd先生がもっと具体的に
書いていたんで。
ここでも紹介させて頂きますね。
いつもお世話になっております。
医療費興国論
先日のエントリで、H19年の日本の
「自治体病院で4兆円の医療費が使われている」
と書きました。
まあ、厳然たる事実でしょう。
国民医療費の34兆円からすれば、
自治体の基幹中核病院で使われている
医療費などは4兆円のうち、
更に少ない金額でしかないでしょう。
どの病院がろくに患者のこない
僻地の斜陽病院で、どこの病院が
野戦病院のごとき、中核病院であるのか
という厳密な線引きは難しいですが、
感覚的な比では中核病院で
費やされ得る医療費は3兆円は
超えないのではないかと思います。
私自身、中核病院での勤務も、
僻地病院での勤務も経験がありますが、
確実に言えるのは、地方中核病院での
業務において、「無駄な医療」など
ほとんど無いということです。
高齢者は予後の悪いがん、
脳・大血管イベント、若者は事故に遭い、
急性腹症で緊急手術になり、
みんな命に関わるシリアスな状況なのです。
無駄を削ると言うことは、
そのまま患者さんの死を意味します。
もちろんそんな中核病院にも、
アレ気な、メンヘル、軽症患者、
コンビニ受診も来ますが、
あの手この手で追い出します。
(そのエネルギーも馬鹿になりませんが)
マジな患者以外はお呼びでないのが、
現実です。
圧倒的な需要過多。
このご時世に、他に
「客が多すぎて、困っちゃう。」
なんて景気の良い業界は滅多にありません。
それなのになぜ自治体病院が
斜陽であるのかというと、
儲からないからです。
客がたくさんいるのに儲からないのは
国定の価格体系が原価割れしている
からに他なりません。
その原価を下げるために、民間病院では、
医療スタッフの給料を下げて、
薄氷の上のような経営を
余儀なくされています。
亀田理事長の「公立病院の看護師の
給料は高い。民業圧迫だ。」
という失笑ものの発言に至るわけです。
国民皆保険制度の、価格体系は、
始めに国家予算ありきで、
原価積み上げの合理的な
決め方をしていません。
今回、自民党を支持した開業医の
再診料を削って、病院に付け替える
というこ姑息な手段を取りましたが、
本質的な構造問題には立ち入っていません。
これから団塊世代が、死亡年齢に
差し掛かる時代。
取るべき道は、多くありません。
1. 給付水準を下げる
2. 保険料を上げる
3. 税金で何とかする
4. 受益者負担
5. 原価を下げる
これらは、独立ではなく、
複合的に行われることでしょう。
1.給付水準を下げる・
2. 保険料を上げる・
4. 受益者負担
を複合的にやろうとしたのが、
後期高齢者医療制度でした。
でも爺婆が、ふざんけんな
と蹴ってミンスを選びました。
3.は自民党も訴えていました。
景気を回復させた上で消費税を上げる
というのを麻生が言っていましたが。
これも国民の皆さんが
拒否しやがりました。
5.は、つまりは、
「医療労働者はもっと安く働け」
「ゾロを使え」「外国人をこき使え」etc.
医師の数を1.5倍にするのも
その一環でしょう。
ま、ミンスのどの政策も
うまくいかないでしょう。
話は変わりますが、OECD加盟国中
底辺レベルの日本の医療費ですが、
なぜ医療費が増えるといけないのでしょうか。
医療費は別にどぶに捨てる
お金ではありません。
医療費が使われれば、病院は儲かり、
職員には給料が支払われ、
病院を建築する建設業や、機器を納入する
会社は利益を上げ、お金は天下を回ります。
GDPが増えます。
問題は、そのお金を誰が出すかというと、
これから起こる団塊世代のご臨終に
使うお金なんですから莫大な資産を
お持ちの団塊の皆様が出すのが筋でしょう。
終身雇用・年功序列型の
ネズミ講でため込んだ資産を温存して、
貧困に落ち込んだ若い世代や、
子孫に負わせるのは、
人非人的行為です。
ただ、一口に団塊と言っても、
団塊間の格差というものも
無視できないのです。
金持ちじいさんと貧乏じいさんが
いるわけですな。
この辺の富の再分配も団塊間でやってね。
とはいえ、日本は民主主義国家です。
人口ピラミッドが高齢化社会である以上、
選挙で、そうした高齢化問題を
ドラスティックに解決するような政策を
唄う政治家が勝てる道理がありません。
しかし、子ども手当などと言う、
とてもまともでない、有権者数の少ない層に
アピールして選挙に勝つことも
可能であったもの事実であり、
やりようによっては、
不可能ではないかもしれません。
『医療費興国論』
昔は、自治体病院の給食のおばちゃん、
掃除のおばちゃんの給料が
年収1000万円以上で。
退職金も数千万円。
っていう時代もあったようですけど。
さすがに、今はほとんどが
外部委託になってるので、それはないです。
今でも、自治体の基幹中核病院でも
「公立病院」の場合は、はっきり言って、
卸問屋から舐められるんで。
民間病院の場合は、定価の4割引、
5割引は当たり前でも。
公立病院の場合は、1割引き、2割引き、
しか引いてくれない。
というか、ふっかけられている。
という現状とか。
昔は「随意契約」で、どっかの
天下り先のくだらん業者から、
高い金で契約していたけど。
最近は、そういう露骨なのは
さすがに減りましたけどね。
一応、名ばかりは「自由入札」
っていう事になって公平だけど。
本当は、入札にものすごい
細かい条件をつけて。
結局、条件に合う業者は1社だけ、
なんてのは、今でもありますから。
正直、無駄金っていうのもありますけど。
「無駄な医療」自体は、お偉いさんが
思っているのは単にイメージだけで。
ほとんどないと思いますよ。
まあ、それは公立病院に限った事
ではないんでしょうけどね。
そういう細かい事は放っておいて。
ssd先生がおっしゃる通り、
>医療費は別にどぶに捨てる
お金ではありません。
医療費が使われれば、病院は儲かり、
職員には給料が支払われ、
病院を建築する建設業や、機器を納入する
会社は利益を上げ、お金は天下を回ります。
GDPが増えます。
わけですから。
「コンクリートから人へ」っていうなら、口ばっかりじゃなく、
本当に医療費を増やすべきでしょう。
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あけましておめでとうございまーす。
今年もよろしくお願いいたします。
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昨年くらいから、忙しいのもあって。
なかなか、ブログが更新出来なかったのですが。
多分、今年から急に楽になる、
って事はないと思うので。
更新頻度自体は、あまり変わらないと
思うんですけど。
昨年までと同様、今年も
このブログをよろしくお願いしますね。
そいで、今年最初の記事は。
「病院は赤字の方が良い」
ってネタですわ。
医療崩壊の原因が、医療費不足と
医師不足にある、っていう主張を
以前からしているくせに。
病院は赤字の方が良いとは何事だ。
って思う人もいるかもしれませんけど。
赤字の方が良い、っていうのは
何も病院だけじゃないんですよ。
具体的に言うと、病院以外にも、
警察や消防、あと自衛隊なんかもですね。
ここまで言ったら、意味わかりますよね。
警察や消防、自衛隊なんかの組織は、
国や自治体、国民を守るためにある訳で。
全く仕事がないから存在価値がない、
っていうもんではないんですよ。
警察は赤字だから潰せ、とか。
消防は赤字だから潰せ。
とか言う主張をする人は、誰もいません。
まあ、自衛隊はなくても良い、
って主張をする人はいますけど。
それって、本来は警察がなくても良い、
って発想と同じなので。
私には賛成出来ません。
まあ、自衛隊の話はおいといて。
警察が暇だ、っていう事は、
犯罪の数が少ないって事ですから。
誰がどう考えても、良い事ですよね。
消防が暇だ、っていう事は、
火事が少ないっていう事ですから。
これも良い事だっていうのも
反対する人はいませんよね。
犯罪や火事は多い方が良い、
って人なんか誰もいませんよね。
それと同じで、病院が暇だって事は、
病人が少ないっていう事ですから。
本来は、良い事なんですよ。
なんか、病院が赤字でけしからん、とか。
事業仕分けとか、財務省とか、
そういう所から文句言われているけど。
本来、病院っていうのは、
赤字の方が良いものなんですよ。
病院を黒字にするために、
特に地方自治体なんかが苦労してますけど。
病院が赤字で何が悪いんですかね。
病院が赤字っていう事は、
病人が少ない、病気になって
病院に行く人が少ない。
入院する人が少ない、って事ですから。
それのどこが悪いんでしょうか。
病院を黒字にしろ、っていう事は
国民や市民にもっと病気になれ、
もっと病院にかかれ、
っていう事なんでしょうかねー。
まあ、実際のところは、
人口10万人位の都市であれば、
大きな病院が一つ位が適正だ。
と言われているんですけど。
こういう都市に、民間病院が2つもあって、
公立の病院が潰れそうだ。
っていうのに、この公立病院が
赤字なのはけしからん。
もっと立派な病院に建て直して、
公立病院を黒字にしろ。
とか、無茶な事を言うのが悪いんですよ。
病院は3つもいらないんですから。
この赤字の公立病院を潰せば良い、
っていうだけの話ですからね。
まあ、例えばの話ですけど。
こういう所で、新しい病院を
豪華に建てるから、町や市の赤字が
大きくなるから悪い。
っていうだけの話で。
病院自体が赤字だ、っていうのは
むしろ病人が少ない、病気の人が少ない、
っていう事ですから。
むしろ、喜ばしい事なんですよ。
実は、すごく当たり前のような事で、
こういう主張をしている人っていうのは、
以外と少なかったんですけど。
ちょっと似たような意見を見つけたので、
ここで紹介させていただきますね。
「夕張」に行かれて、今や全国でも
超有名になった、村上智彦先生の話です。
いつもお世話になっております。
時代を駆ける:村上智彦/5止
北海道から地域医療モデル、発信したい
◇TOMOHIKO MURAKAMI
<生まれたのは北海道北部にある歌登
(うたのぼり)村(現枝幸(えさし)町)。
06年に合併し、歌登は
市町村名としては消えた。
典型的な医療過疎の町で、
母親は村上さんを自宅の長いすで産んだ>
僕は子どものころ、へき地の
みじめさを味わった。
それでも当時の住民には
モラルがあったように思うんだ。
だけど、今は違うね。
住民や自治体は医者を使い捨てにし、
国も医師を増やそうとしないのに、
「命にかかわることだから」
と過労死するレベルまで平気で
時間外勤務を強いる。
地域医療を立て直すには、まず
医師を疲弊から救うことが必要だよ。
そのために、僕は夕張の住民に、
かかりつけ医を持つように言っている。
いつ病気になるか分からないから、
定期検診を受けてもらい、
異常が見つかれば治療する。
そうすれば、診療所へ慌てて
飛び込んでくることもない。
病状が悪化してしまった場合には
専門医を紹介するし、専門医も
同業者に言われれば
「責任を持って診なければ」
という気になるものだ。
「どこの病院にかかろうが、患者の自由」
というのは間違いなんだよ。
もう一つ、119番とは別の
電話相談窓口を確保できないか考えている。
病状が心配な時に電話をかけてもらい、
アドバイスを受けてもらう。
一方、救急車は本当に
必要な人のためだけに使おうよ。
そうすれば医師の負担は軽くなる。
<夕張市に来て4度目の冬を迎えた。
村上さんは新たに「支える医療」
を提唱し、高齢化社会における
あるべき医療の姿を模索する>
「支える医療」は、
地域の高齢者だけでなく、
福祉事業などを含めて医療が支える
という意味で名付けたんだ。
やっていることは地域医療と同じだけど、
地域医療という言葉だと、都会からは
「田舎の特殊な医療」
とみられる傾向がある。
都市部の医師でも受け入れやすいように
違う言葉で表現した。
今、日本全体で高齢化が進んでいる。
高齢者医療が必要なのは都市部も同じ。
どこでも通用する仕組みを作り、
夕張から発信したいと思っている。
具体的には、市立診療所では
歯科医師が自宅に出向いている。
高齢者に食事の喜びを
味わってもらえるようにね。
また、高齢になると家で何が起きるか
分からないから、自宅で倒れた場合に備え、
緊急医療に必要な情報をまとめた
「命のバトン」の設置を進めている。
その人の基礎疾患や薬などの情報を
書いた紙をリレーのバトン形の
容器に収めたもので、
(戸棚などではなく)自宅の冷蔵庫に
入れておくと決めておく。
そうすれば、救急搬送が必要になった時、
救急隊員は冷蔵庫を開ければいい。
そして搬送先の医師に活用してもらう。
こうしたやり方は、
都会でもできるはずだ。
<患者はみんな自宅で老衰で死んでほしい>
母方のじいちゃんは戦争で片足を失い、
戦後を障害者として生きた。
でも不自由な体で僕を競馬に連れていったり、
鉄道に乗って駅弁を
食べさせたりしてくれた。
僕は「障害があっても、
その人らしく生きていける」
っていうことを学んだ。
じいちゃんは80歳近くまで生き、
最後は認知症と胃がんを患って
病院で亡くなった。
大学受験のさなかだった僕は
死に目に会えなかったけど、
今なら家で死なせてあげられたのに、
と残念に思っている。
高齢者には死ぬまで
尊厳を失ってほしくない。
だから患者には
「若い人に迷惑かけてもいい。
死ぬまで生きて」
と言っている。
僕の患者はみんな老衰で
死んでほしいんだ。
<北海道が好きでたまらない
“北海道バカ”を自称する。
夢は「日本一長生きな北海道」
をつくること>
北海道の自治体は補助金依存が強いし、
住民は健康意識が低い。
でも本州に出たら北海道の良さが分かった。
この豊かな自然を伸ばせば
北海道のアイデンティティーになるし、
医療に生かせば日本一長生きになれる
と思ってね。
「北海道は老後を過ごすにはいい場所だ」
って言われるのはうれしいじゃない。
地域医療を充実させ、
都市で疲れた高齢者が来て老後を過ごす
モデルができるなら、そこに
お金をつぎ込む価値はあると思う。
<地域医療はまちづくり>
地域医療の面から見て、
良いまちのシンボルは
「国保黒字で病院赤字」。
自治体が運営する国民健康保険は、
住民が健康意識を高めて病気予防に
励むと医療費を安く抑えられるから
黒字になる。
健康な住民は医者にかからないから、
そのまちの病院は収入が減る。
それでいい。
都会の医師が
「住民の健康意識が高く、働いてみたい」
と思えるような地方をつくりたい。
僕が理想とする地域医療は、
まちづくりと似ている。
医師と行政が連携し、限られた
社会資源を上手に使うシステム作り。
瀬棚町でやったようにね。
だから、お金はかからない。
社会保障がしっかりすると、
住民は将来への不安がなくなる。
すると貯金をしないでお金を使うから、
まちが元気になる。
長生きできるようになれば、
孫の面倒をみられるから
少子化対策にもなる。
それはまちづくりと同じでしょう?
究極の地域医療とは、自分が骨をうずめたい
と思える地域をつくることじゃないかな。
僕にとってそれは夕張じゃない。
将来は生まれ故郷の歌登か
その周辺に戻りたい。
いずれ、そこの住民たちと地域を愛する
気持ちを共有できたら幸せだな。
=村上さんの項おわり
『毎日新聞:2009/12/29』
村上先生は毎日新聞で
>地域医療の面から見て、
良いまちのシンボルは
「国保黒字で病院赤字」。
と主張されていますけど。
おっしゃる通りだと思います。
実は私、2年程前から、
あまり誰も言っていない地域医療の理想
について、一部の人間には
話しているんですけど。
ちょうど良い機会なんで、
ちょっとブログに書いてみますね。
多分、ブログとかに書いて
公にするのは初めてだと思います。
上に書いた通り、私の理想とする
地域医療は病院が赤字。
っていうのもあるんですけど。
実際問題として、赤字になったら
困ってしまいますよね。
でも、冷静に考えてみて、
病院が赤字だろうが何だろうが、
医療には金がかかるし。
国も医療費を出さなければならないし。
国民は保険料も出している。
という状態なんですから。
病院が赤字って事は病人が少ない、
病気になる人が少ない、って事ですから。
そうなったら得をする、っていう
システムを作れば良いんですよね。
村上先生が言うように、シンプルに
「国保黒字で病院赤字」。
って事でも良いんでしょうけど。
私が言うのは、理想論なので、
ちょっと実現は難しいかもしれませんけど。
私の理想は、道州制にして、
医療費を一括して国が地方に渡す。
そして、残った金は自由に使ってよい。
というやり方です。
細かいやり方は、いろいろあるんでしょうが。
一言で言うと、そういう事です。
例えば、記事にも出てきた北海道。
これを例に出しますけど。
今、北海道の医療費がいくらかかってるか、
全く知りませんけど。
例えば、国が北海道に医療費として、
一兆円を渡します。
まあ、この額は去年の実際の医療費を
そのまま渡すって事で良いかと思いますが。
それが、例えば一兆円だとして。
今年、北海道の医療費が9000億円ですんだ、
という事になれば、今年は1000億円の黒字。
っていう事になりますから。
余った1000億円で、公共事業を
行っても良いし。
定額給付金みたいにばら撒いても良いし。
更に病院を造るとか、保育所を造る、とか。
思っていた以上の黒字に関しては、
地域の自由にして良い。
っていう仕組みが理想だと思います。
そしたら、医療費を少なくするために。
例えば、インフルエンザワクチンを無料にする。
とか、健康診断は無料にする、とか。
そういう工夫をしていきますからね。
病気の人を作らない、病院にかかる人を
なるべく減らそう、という工夫。
すなわち、「予防医療」に
もっとお金をかける事になります。
そいで、医療費だけでなく。
私が思っている道州制っていうのは、
アメリカの州のようなものなので。
北海道はタバコ税が高くてタバコ1000円。
とか、東北は医療費は無料だけど、
消費税は10%とか。
そういう、税金に関しても、
州が自由に出来る、っていうやり方なんですよ。
タバコ税を上げて、医療費が減ったら、
自由に使えるお金も増えますからね。
まあ、あくまで理想ですけどね。
民主党になって「地域主権」
とか、訳のわからない造語が出来てますけど。
そういう、意味がわからないけど、
実際は主権が地域にない、
っていうのとは、全く別の「道州制」。
そういうのが良いなー、
って個人的には思います。
まあ、道州制でなくても良いんだけど、
病院が赤字になって病人が減れば
得をするような「システム」
というのが出来れば良いな、
って思っています。
今のシステムだと、全く逆なんで。
意味のない競争をする事によって、
逆に医療費が高騰している。
という事になっていますからね。
その悪い典型が「アメリカ」です。
アメリカの悪い面ばかりを真似しないで、
日本独自の良いシステムを
作っていってもらいたいものですね。
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10年ぶりに、ほんのわずかとはいえ、
診療報酬が増額になりましたね。
まあ、たったの0.19%。
額にすると、国費ベースで160億円なので、
全然足りないですけどね。
だって、小泉政権以降、診療報酬で
マイナス改定が繰り返されて、
合計マイナス7.73%ですから。
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ここ数年、医療崩壊の話が
毎日のようにメディアでも報道され。
多くの人たちが、今までは他人事だったのに、
やっと自分達の周りでも医療崩壊が
起こっている、って事に気づいて。
その大きな要因が医療費抑制政策のせいだ、
って事も理解されてきましたから。
さすがに、財務省も医療費を減らす、
って事は出来なかったんでしょうね。
医師不足じゃなくて、医師の偏在だ。
とか、医療費不足ではなく、配分の問題だ。
っていうレベルでは、医療崩壊の問題は
絶対に解決できない。
という事は、もうほとんどの人が
気づいているのに
最後の最後まで、くだらん言い訳ばかりして、
医療費を抑制しようとしていた財務省。
この状況で更に診療報酬を減らして、
医療崩壊がこれ以上進んだら、
さすがの財務省でも言い訳できませんから。
アリバイ的に、診療報酬を増やしましたよ、
って事なんですよね、これ。
はっきり言って、予想通りですけど。
まあ、マイナスじゃなかっただけ
良しとしますか。
0.19%、10年ぶりプラス改定で合意
来年度診療報酬改定
日刊薬業 2009/12/24
政府は23日、2010年度
診療報酬改定について、
医師の技術料に当たる本体部分と
薬剤費を合わせたネットで0.19%の
プラス改定とすることで合意した。
ネットでのプラス改定は2000年度以来
10年ぶりとなるが、上げ幅はわずかで、
政権公約で医療崩壊からの脱却を打ち出した
民主党が辛うじて体面を守った格好となる。
プラス改定に必要な財源は約700億円
(国費ベース160億円)に相当し、
この分は診療報酬全体の中でやりくり
するのではなく、財務省が純増の
財源として手当てする。
本体部分の改定率はプラス1.55%で、
薬価はマイナス1.23%
(薬価ベースでマイナス5.75%)、
医療材料はマイナス0.13%となった。
ネットでのプラス分、薬価や医療材料の
引き下げ分(約5000億円)を合わせた
約5700億円が本体部分のプラス改定に
そっくり充てられることになる。
救急など急性期の入院医療に
4000億円程度を振り分ける方針だ。
診療科ごとの改定率は医科1.74%、
歯科2.09%、調剤0.52%で、比率に直すと
1対1.2対0.3となる。
これまでの改定は医科と歯科は同じ配分に
なるケースが目立っていたが、
歯科を手厚くした。
厚生労働省は過去の配分で
評価しきれていなかった分を
戻すためと説明している。
診療報酬改定をめぐっては、財政状況の
厳しさから財務省がネットでのマイナス改定を
要求していたが、長妻昭厚生労働相は
同日の会見で、
「医療崩壊の声、地域医療立て直しの
声が届いており、その意味で
理解いただけたのではないかと考えている」
と述べ、厚労省の主張が認められたことに
安堵感をにじませた。
一方、プラス改定はあくまで勤務医と開業医、
診療科の間の格差是正が前提であると強調し、
具体的な点数配分を決める中医協でも
この方針に沿って議論が進むよう念を押した。
救急や産科、小児科、外科などを中心に
財源を配分することを想定している。
野田佳彦財務副大臣は会見で、事業仕分けで
決まった長期収載品の薬価の引き下げや
診療報酬の配分見直しに触れ、
「この線に沿って厚労省には
私どもの主張をしてきたつもり。
十分かどうかということは何とも言えないが、
一応合意はしたので配分の見直しは
しっかりやっていただく」
と述べた。
民主党のマニュフェストに
「日本の医療費をGDP費で、
OECD平均まで増やす。」
っていうのがありますから。
ここで診療報酬を減らしたら、
完全に公約違反になっちゃいますからね。
公約違反で、かつ医療崩壊を更に進めた。
という事になれば、次の選挙も厳しいし。
実際問題として、国の支出で増えるのは、
160億円だけですから。
建前だけでも増やしますよね、当然。
金額的には屁でもないでしょ、この程度。
まあ、それ以外にもマニュフェスト違反を
たくさんやっていますから。
今さら、後一つ増えてもたいした事ない、
っていう考えもできますけどね。
医療だけでなく、民主党政権というか、
鳩山首相というか。
一言で言うと、
「プランがない」
ですよね。
戦略がない、という言い方も、
出来るかもしれませんけど。
国だけでなく、企業でも集団でも、
トップのやる事で一番大事な事は。
「方向性を出す」
って事だと思うんですよね、私。
「コンクリートから人へ」
とか
「友愛」
とか。
言葉はいろいろ出ているみたいですけど。
はっきり「予算」という具体的な形で
出してもらわないと。
ただ、行き当たりばったりにしか見えませんよ。
国民も、そろそろ気づいてきたようですけどね。
来年の参議院選、民主党の圧勝で、
3党連立なんか必要なくなる、
って見方をしていた人の方が
少し前ならほとんどだったと思いますが。
ちょっと、来年の参議院選も楽しみですね。
こんなに失点ばかりなのに、
それを攻めきれない自民党も、
だらしないですけどね、あまりにも。
私だけじゃなくって、私があまり好きでない
日本医師会も同じような事を
言っているようです。
まあ、医師会とか関係なく、
ほとんどの医師はそう思っているでしょう。
「160億円が地域医療の崩壊に対する
新政権の手当か」
日本医師会が診療報酬改定について会見
12月24日,日本医師会は前日政府が
診療報酬を10年ぶりに引き上げる
と発表したのを受け,会見を行った。
プラス改定そのものは評価したものの,
全体の改定幅が0.19%増と
なった点について,日医常任理事の
中川俊男氏は,これは国庫財源で
換算すると,160億円に過ぎないとし
「これが日本の地域医療の崩壊を防ぐ
新政権の手当かと思うと,全国の
医療関係者は本当に失望していると思う」
と非難した。
「小幅過ぎる改定」に対し,
中医協がどう動くかにも注目
会見を行った中川氏はまず
唐沢祥人会長名の見解を読み上げた。
それによると,10年ぶりに診療報酬が
プラス改定となったことについては
「厚生労働省政務三役が医療再生のために
ご尽力された成果である」
と評価の姿勢を示した。
しかし,これまで民主党が
マニフェストで国内総生産(GDP)に占める
総医療費の割合を経済協力開発機構
(OECD)加盟国平均まで引き上げる
としていたことを挙げ,診療報酬全体で
0.19%,本体で1.55%という改定幅に
関して苦言を呈さずにはいられないと批判。
今回の改定が医療現場に希望を与える
水準にはなく,「新政権に期待を寄せてきた
全国の医師,医療現場はいま
大きく失望し,憤りすら覚えている」
と遺憾の意を示した。
見解発表後,日医が診療報酬改定を
評価したのか,あるいは評価しなかったのか,
具体的な点に質問が集まった。
中川氏は
「合格ラインが60点とすれば
50点くらいですかね。
簡単に言えば不合格」とばっさり。
さらに,
「そもそも医療費を上げて医療崩壊を
阻止するということは,民主党の
マニフェストなどにおいて,子ども手当と
同じに一丁目一番地だった。
その政策をこのように例えば
改定率全体で0.19%,この国庫の財源は
160億円に過ぎない。
これが日本の地域医療の崩壊を防ぐ
新政権の手当かと思うと,全国の
医療関係者は本当に失望していると思う」
と強調した。
ではどのくらいの改定幅が必要か,
との質問に対しては,小泉政権以降の
診療報酬のマイナス改定の繰り返しが
-7.73%の累計に及ぶとの日医の
これまでの主張を示した。
そのうえで,少なくとも
「3,4,5%とか,そういうレベルの
引き上げが必要だったと私は思っている」
とした。
また,現在,中央社会保険医療協議会
(中医協)が進めている勤務医,産科,
小児科,救急医療に関する立て直しの議論も,
診療報酬の大幅引き上げを前提と
したものであり
「今回の小幅過ぎる改定において,
いったい中医協はこれからどういう
議論をするのか」
とし,優先順位をつけた冷静な
議論を求めるとともに,日医としても
必要に応じてアドバイスをしていきたい
と述べた。
さらに,昨日の会見で長妻昭厚生労働大臣が
「小幅であるが,平均的に上げる
のではなくメリハリをつける改定を行う」
として再診料や診療科間の配分の見直しを
示唆したことについて,中川氏は
「恣意的かつ誤ったデータによって出された
事業仕分けの際の結論を踏まえた
ものになっている」
と大臣発言が財務省の影響を
色濃く反映していることにも警戒感を示した。
(坂口恵)
『2009年12月24日:MTpro』
(会員のみの記事です)
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川崎協同病院で1998年にあった、
「延命治療中止」の有罪が確定しましたね。
個人的に、家族も本人も希望しないのに、
ずーっと人工呼吸器をつけていたり、
延命治療をするってのには反対です。
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でも、今の法律では、一度人工呼吸器に
つないでしまったら、どんなに家族が希望しても
下手したら医師が「殺人罪」で捕まる。
という可能性がありますから。
残念ですけど、医師が人工呼吸器を止める、
っていうのは出来ないと思います。
最初から本人が延命治療を望まないし、
家族も望んでいない、という事であれば、
「人工呼吸器に繋がない」という事は
もちろん私もやっていないんですけど。
家族の意思も本人の意思もわからない。
という状態で、心不全が悪化しているとか、
肺炎でも喘息でもなんでも良いけど、
呼吸が悪くて人工呼吸器を繋ぐしか
救命できる方法はない。
というような患者は、
救急をやっていれば結構来ます。
ずーと前から、その病院にかかっていて、
何回も入院を繰り返していたりして、
事前に意思確認が出来ている人。
っていうのは、そんなに多くないんですよ。
という事は、それ以外の人はみんな
緊急の時には人工呼吸器を繋いだり、
といった延命治療をせざるをえない。
という事なんですよ。
大半の人が、延命治療をしてもらいたいか、
っていうと、多分そうではないんですけどね。
よくわからない場合は、救命治療のために
人工呼吸器を使うような延命治療をします。
後から、本人は延命治療を望んでいなかったみたいだ、
という事がわかったとしても、
下手したら医者が逮捕されますから。
もう、管を抜いたり、人工呼吸器を止めたり、
という事はできないんですよ。
残念ですけど、それが今の日本の医療の現実です。
これは、不幸な事だと思います。
戻る見込みもないのに、家族も本人も
延命治療を望んでいないのに、
一度人工呼吸器をつけたらはずせない。
というのは、誰にとっても不幸だと思います。
医療費も、相当かかりますから、
医療経済の面からも不経済です。
個人的には、もう戻る見込みがない、
という事が医学的にはっきりしていて。
本人、家族の意思も明確であれば、
仮に人工呼吸器がつながってしまっても、
それを外すのは構わない。
と思います。
でも、実際はそういう場面に遭遇しても、
機械を止める事はしていませんけどね、
もちろん私も。
いわゆる「尊厳死」に関しては、
私は賛成ですけど。
「筋弛緩剤」を使う場合は、
薬で完全に呼吸を止めてしまいますから。
個人的には、ちょっと賛成できません。
医師の中では、川崎協同病院の
「延命治療中止」で殺人罪で有罪。
っていうのはちょっとおかしい。
という方も、かなり多いとは思うんですが。
私は、医師に関しても結構厳しい方だからなのか、
このやり方には違和感を感じます。
Bamboo先生が私と似たような考え方だったので、
このブログでも紹介させていただきますね。
「医療報道を斬る」、からです。
いつもお世話になっております。
明確な基準を
川崎協同病院の「延命治療中止」の
有罪が確定しました。
何で括弧付きかというと、私は延命中止ではなく、
やはり殺人だと思っていたから。
その根拠は筋弛緩剤の使用。
元気な人を殺す毒薬を使うのは
治療の中止などではなく、積極的な
殺人だという判断です。
でも、これは表面的な見方でした。
延命治療中止、有罪確定へ
医師の免責、要件示さず
最高裁が上告棄却 川崎協同病院事件 【1】
09/12/09 記事:共同通信社
川崎市の川崎協同病院で1998年、
昏睡(こんすい)状態の男性患者
=当時(58)=が気管内チューブを抜かれ、
筋弛緩(しかん)剤を投与され死亡した事件で、
殺人罪に問われた医師(55)の上告に対し、
最高裁第3小法廷は9日までに
「法的に許されない」として
棄却する決定をした。
懲役1年6月、執行猶予3年とした
二審東京高裁判決が確定する。
医師による終末期の延命治療中止の
違法性が刑事裁判で争われたのは異例で、
最高裁が判断を示したのは初めて。
医師の免責要件などへの言及はなかった。
決定は7日付。
5人の裁判官全員一致の意見だった。
田原睦夫(たはら・むつお)裁判長は
「必要な検査をせず、回復可能性や
余命を的確に判断できる状況でなかった。
回復をあきらめ、チューブの抜管を
要請した家族も病状の適切な情報が
伝えられておらず、抜管は
男性本人の推定される意思ともいえない。
法律上許される治療中止に当たらない」
と判断。
筋弛緩剤投与と併せて殺人罪の
成立を認めた高裁判決を支持した。
被告側は
「男性の意思を推定できる家族の
強い要請に基づき、チューブを抜いた。
法律上許される」と、無罪を主張していた。
決定などによると、男性は98年11月2日、
気管支ぜんそくの発作による
低酸素性脳損傷で入院。
意識不明となり、被告は同16日、
家族の要請で気管内チューブを抜いたところ、
男性が苦しむ様子を見せたため
看護師に筋弛緩剤を注射させ、
死亡させた。
一審横浜地裁は
「回復可能性があり、本人の意思表示も
家族の要請もなかった」と判断、
懲役3年、執行猶予5年とし、
二審は「家族の要請はあったが
男性の意思表示はなく、
死期も切迫していなかった」と判断した。
これだけ読むと、抜管して苦しんでいる
かのような体動が見られたので
筋弛緩剤を使ったようですが、
『判決文 (pdf)』を読むと、
事はそう単純ではなさそうです。
家族からの強い要請で抜管したら、
そのまま無呼吸ですぐに亡くなる
と思いきや、苦しみだしたので
複数の鎮静薬を投与、でも、
無効だった。
他の医師に相談したら
筋弛緩剤を使うよう示唆された。
そこで筋弛緩剤を使用した。
これが事実認定の内容のようです。
たぶんここはその通りなのでしょう。
一方で、脳波無しには予後の判定は
不能であるかのような判断がありますが、
これは法的脳死判定との混同じゃないでしょうか。
筋弛緩剤の使用は、言わばとどめを
刺す行為ですから、(現状では)
法的に許されないことに異存はありません。
でも、家族や相談に乗った医師には
何のお咎めもなく、何故ひとりの医師だけが
訴追を受けるのでしょうか。
主治医に罪を問うのなら、他の関係者にも
何らかの罪を問うのが筋だと思います。
(そうしろと言っているわけではありません)
判決では抜管自体にも違法性を認めています。
限りある医療資源を有効利用するためには、
死が免れない状況で、単なる延命のために
濃厚治療をすることは避けるべきです。
でも、刑事罰の恐れがあるのであれば、
濃厚治療を続ける他はありません。
やはり立法機関や司法機関が
きちんと基準を作り、現場に
それを示すべきです。
何の基準も示さず判断を現場に丸投げし、
後出しで、事例ごとに判断が変わる
裁判で裁かれるようでは、
現場は安心して仕事が出来ません。
『明確な基準を』
裁判所で認定された事が真実だ、
とは思わないんですけど。
判決文を信じるのであれば、
自分で呼吸していたのに、
筋弛緩剤が投与された、すぐ後に
呼吸が止まっていますから。
やっぱり、これは「尊厳死」
とはちょっと言えないんじゃないでしょうか。
「安楽死」という言い方もありますけどね。
でも、今の日本では、こういう行為は
ちょっと許されないかな、と思いますよ。
私は。
「尊厳死」は認めているけど「安楽死」は認めない。
っていう国、結構ありますけど。
日本は「尊厳死」に関しても、
はっきり言って、まだコンセンサスを
得られていないですからね。
一回、自発呼吸が出て、人工呼吸器をはずして、
管も抜いていますから。
その後に、家族にしっかりお話をして、
再挿管しないで、そのまま
呼吸が悪くなったら亡くなった。
という経過であれば、問題ない。
とは思いますけど。
なんで、もう一回、挿管したんでしょうか。
この医師が有罪になった事に関しては、
賛否両論あるとは思いますが。
最高裁には「医師の免責要件」というか、
どういう状態だったら、人工呼吸器を止めてよいか、
気管チューブを抜いてよいか、っていう
「基準」を出してもらいたかったですねー。
それがなかったんで、結局これからも、
無駄な延命治療が行われる事になりますね。
残念です。
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軽症患者は勤務医の敵?
─ 11月27日の中医協
新井裕充 (2009年11月30日)
病院勤務医の業務負担を軽減するため、
厚生労働省は時間外受診などを
抑制する方針を示しているが、
「軽症で来る患者が勤務医の敵だとならないような
慎重さをお願いしたい」との声も出ている。
(新井裕充)
2010年度診療報酬改定の重点課題である
「勤務医の負担軽減」について、
厚労省は11月27日の中央社会保険医療協議会
(中医協)の基本問題小委員会で、
「患者側の都合による時間外の病状説明について
患者や家族に協力をお願いする方策」、
「軽症の患者が自己都合(仕事等)により
救急病院等を時間外に受診した場合について
患者に協力をお願いする方策」などの論点を示した。
■ 「慎重にしてほしい」 ─ 勝村委員
[勝村久司委員(連合
「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)]
論点の2番と3番について。
○論点
1 病院勤務医の勤務負担軽減のために、
医療機関が勤務医の勤務負担状況を把握し、
勤務医負担軽減策を作成・周知し、適切な
方策を取れるように診療報酬上の
工夫を行うことについて、どう考えるか。
2 病院勤務医の勤務負担軽減のために、
複数の家族が説明を求めた場合や、
患者側の都合による時間外の病状説明について、
患者や家族に協力をお願いする
方策を取ることについてどう考えるか。
3 病院勤務医の勤務負担軽減のために、
軽症の患者が自己都合(仕事等)により
救急病院等を時間外に受診した場合について、
患者に協力をお願いする方策を取る
ことについてどう考えるか。
もちろん私は救急医療とかを
特に充実していくべきだと思っていまして、
病院勤務医の負担軽減ということを
ずっとやっていかなくてはいけないという
立場なんですが......。
ですけれども、2番、3番のような
論点という動きに関しては
ぼくは慎重にしてほしい
という意見を述べさせていただきます。
私も高校の教員をしておるんですが、
生徒たちの中には一見
大した悩みではないような
悩みを繰り返し相談に来る生徒がいたり、
非常に物分かりが良くて手間のかからない
優等生もおります。
懇談は6時までですが、「どうしても9時か
10時までやってもらえないか」と言う
保護者もいるわけです。
それが、「わがままだ」と思ってしまうのか、
「そういう生徒や保護者がいるために
教師の仕事が大変なんだ」と、
「何とかそういう生徒や保護者がなくなれば
教師の仕事は楽なのになあ」というふうな
発想というのはちょっと学校では
持っていないと思うんです。
やはりそういう保護者、生徒にもいろいろな
背景や家庭環境、経済状況、払えない生徒が
かなりいて、そういうところから実は
かなりいろんなことが
分かってくることがありますので、
学校の教師が、物分かりの良い生徒(ばかりで)、
何度も説明しなくてはいけない生徒が
いなくなればそれが自分たちが
もっと楽になれる、本来の仕事に
戻れるというふうに、そういう仕事を
仕事ではないと思ってしまうと、
やっぱり医療も教育も人間を相手にする
仕事だと思いますので、そういう患者が
差別化されてしまうことになってほしくない
という思いがあります。
なので例えば、何度も説明を求める患者もいる、
複数の親に別途聴く......。
もちろん時間調整をしていただくように
努力してもらったらいいんでしょうけど、
「先生の都合はこうです」、「この先生はこうです」
とやっていくのもあるんでしょうけど、
それでもいろいろある。
だからこそ、勤務医が大変だと、
だからこそ事務に手厚くしようというような
発想になってほしいなあという感じがします。
そういう方向だから、医療者、勤務医を
応援しようという気持ちになっていると
思いますので......。
実は最近、つい1、2年前ですが、
ぼくは救急車を呼んだことがあるんですよ。
朝から我慢していたんですけど、
仕事を休んで行こうと思ってたんですが、
どうしても急激に、7時か8時に激痛がして
のたうち回ったので、家族が救急車を呼んで
近くの公立病院に行ったんですが、
ちょうど混み始めるころだったので、
「救急車で来たら順番に並ばなくてもいいと
思ったのか」という言い方をされて、
たぶんそれは尿路結石だったんですが、
薬を使えばすく帰ってよろしいという感じで、
実際、それでよかったんですが、
なんかこう......、そういう患者に対して
いろいろこう......。
一部の患者に対して、しんどい
勤務医だからこそ敵視してしまう。
学校も非常に荒れてきた時に、
一部のなかなかこう、生活指導的に
大変な生徒を敵視してしまうということでは、
やっぱりその生徒も生徒なんであって、
それも患者なんであって......。
ちょっとその辺り、そんなふうになって
しまわないような慎重さというのを
お願いしたいと思います。
▼発言が終わると同時に、
診療側4人の委員が一斉に挙手。
[遠藤久夫委員長
(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
勝村委員、1つだけ確認させていただきたい。
論点)2と3両方なんですね?
説明協力に関する論点)2については、
よく分かったのですが、(受診抑制の論点)
3番についてはかかわらないと思う......。
[勝村久司委員]
ま......、まあね、仕事の都合でどうしても
保護者の方が「うちだけは夜の8時か9時に
懇談をしてもらえませんか」ということは
あるわけですよね。
それがその保護者のわがままかというと、
よく聴いてみると......。
(ここで遠藤会長が発言をさえぎる)
▼これは例が悪かったかもしれない。
保護者の懇談は毎日発生するものではないだろう。
[遠藤久夫委員長]
理解できます。そうじゃなくてお話が......、
それは分かります、2番の話。
3番のほうは反対というご意見なんですか?
「2と3」とおっしゃったような
気がしたものですから、
その確認だけしたかった。
[勝村久司委員]
これも先ほどのたとえ話で言うと、
一見大した悩みではないと思うような悩みを
毎日毎日相談に来るような生徒もおります。
その子にとってはそれが必要だったり、
やはり「軽症」という判断がなかなかしにくいので、
もちろん(病院に)行って何らかの役割......。
ぼくは、広くお母さん方が不安にならないように、
広く、例えば救急車を呼ぶ前に相談してくれる
電話番号があるとか、そういうのは
大いに結構だと思うんですけれども、その......。
「勤務医が大変なのは軽症なのに
来てしまう患者だ」と言われても、ちょっとそこを
気にしてしまったときに、その間の判断というか、
患者と医療者とのコミュニケーションが
敵視してしまう形に......。
勤務医......、「軽症で来る患者が勤務医の敵だ」
みたいに、極端に言うとですね、
そういうふうになってほしくないという、
そういうふうにならないような
慎重さをぼくはお願いしたい。
▼診療側は"トップバッター"を決めた様子。
[遠藤久夫委員長
(学習院大経済学部教授、中医協会長)]
はい、ご意見はよく分かりました。
それでは、お手を上げられた西澤委員。
■「医療資源を有効に使うことを考えて」
─ 西澤委員
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
今の勝村委員の言っていること、
全くその通りだとよく分かります。
ただあの......、今までいろんなデータ、
今日も嘉山先生が出しましたように
勤務医の労働条件というのは、
申し訳ないですけれども、ほかの業界では
考えられないぐらいの状況です。
このまま行くとですね、やはり勤務医が
疲弊してどんどん出て行くと
何が起こるかというと、国民の方々に
良い医療が提供できなくなってしまう。
ですから、ぜひ考えていただきたいのは、
私たち医師も医療資源だと思ってください。
いかに国民の方々が医療資源を有効に使うか
ということを考えていただきたいと思います。
ここ(論点)に、
「患者(や家族)に協力をお願いする」
と書いてありますが違うだろうと思う。
これは国民、患者さん、1号(支払)側が......。
「医療資源の適切化のためにどうしたらいいか」
ということで、1号側からの提案じゃないかな
と思っています。
そういうことで、(論点)2と3は
ぜひ1号側でどうしたらいいかを
考えていただければと思います。
よろしくお願いします。
■「土日とか9時に来られるとやっぱり......」
─ 邉見委員
[邉見公雄委員(全国公私病院連盟副会長)]
やはり医療を受ける方の不満の1番が
待ち時間、2番が説明の少なさというのが
ずっと統計で出ているわけですね。
「納得診療」と言いますか、数年前の
医療法の改正で、医療を提供する者は
医療を受ける者に対して十分な説明を行い、
納得してその診療に当たるということが
ありましたので、うちの病院も分かりやすい医療
というのを一番のテーマに置いています。
ただ、私は外科なんですが、手術は大体
7時、8時ごろまでありますけれども、
9時ごろに終わった方が来てですね、
そのために下へ、「待たせても悪いだろう」
と思って行ったりすると、
やっている手術が中断......
まではしませんけれども、
少し遅れるとかですね......。
(中略。回診日を決めたり、相談を
カンファレンス中にしてもらうなど
赤穂市民病院の取り組みを紹介)
カンファレンス中にやればナースも
全部おりますので、手術受け持ちの
ナースもみんな出てくる。
そうすれば病院の職員も楽になるし、
患者さんや家族にもいいんじゃないかな
と思ってやっています。
ただ、どうしても田舎の町ですので長男とか
同居している人は6時に来られるんですが、
お嫁に行っている方とか次男、三男は
患者さんが悪くなったり手術......。
土日とかですね、大阪から来られたり
神戸から来ると、8時9時に来られて......。
「家に帰って風呂に入ろか」というような時に
来られるとやっぱり......、「大阪から来られたら
出て行かないとあかんかな」とか、
そういうことも一杯ありますので、たぶん
(論点の)2、3というのは
そういうことじゃないかなと......、
(論点)2番、そういうことかなあ
と思ったりするんですけど。
(ここで勝村委員が発声して挙手)
あの......、はい。
[勝村久司委員]
ぼくも大阪の高校で、こんな話はどうか
と思いますけど、中途退学が大阪で
一番多いという高校に勤務していたことがあります。
その時は本当に家に帰る時に電車が
なくなっていたということがザラにありました。
なので、本当に勤務医の皆さんも
ああいう状況じゃないかと想像するわけで......。
今、その高校はそれから15年ぐらい経ってですね、
大阪では普通の生徒数の割合でいくと
教員の数が1.5倍ぐらい当時から変わっていて、
そういうことをぜひ、ぼくは医療の世界でも
やっていくべきだと思うんです。
▼医師数を増加させる話か、
診療報酬の配分の話か......。
■「軽症者は自己負担を払ってくださいと読める」
─ 遠藤会長
[勝村久司委員]
一見、そういう学校におりますと、
「そこに来ている生徒がこんな言い方をしている、
こんな言動をしている」、「そういう学校の
(生徒の)保護者はこういうことを言っている、
こういう行動をしている」
ということをここ(中医協)でお話ししたら、
「なんとそれはわがままな人たちだ」
と誰もが思うようなことが結構あると思うんです。
だから、「その人たちが悪いんだ」
ということではなくて、
「なぜそういうふうになってしまっているのかな」と、
その人たちはどういう
コミュニケーションをしているのか、
だから時間がかかるわけで、だからこそ、
そういう所にたくさんの教師を、
教員を配置していくべきだという発想であって、
あくまでも患者本位、生徒本位で医療や
教育を考えていってほしいというのが
先ほどのお願いです。
▼ちょっと本題からそれてきた。
[遠藤久夫委員長]
確認ですが、勝村委員、(論点)3番
(時間外受診の抑制)ですが、ここの書き方は
多少幅広く書いてあるわけですが、例えば
しばしば出てくる議論で、救急車による搬送が
かなりあると、しかし軽症者がかなり多い
という厚労省のデータなどで何回か出されています。
で、そういうこと......。
○論点
3 病院勤務医の勤務負担軽減のために、
軽症の患者が自己都合(仕事等)により
救急病院等を時間外に受診した場合について、
患者に協力をお願いする方策を取ること
についてどう考えるか。
例えば、それをここに適用して考えれば、
「診断した結果、軽症であった場合には
ある程度自己負担を払ってください」
というように読み取れるわけですが、
そういうこともありかなと、
そういう意味合いでしょうか。
▼焦点を絞るが、「軽症」の定義が難しい。
[勝村久司委員]
全部が全部というふうに、ちょっとぼくは
意味が分からないんですけれども、
不安としてですね、例えば、
母親と子どもと2人だけの家族があると、
「やはり就学の費用が払えないので
ちょっと待ってほしい」
と言っていると、そういう保護者がほかにも
いろんな意味で不安を抱えておられていて、
「そんな心配はいらないのに」と思うことが
あったりとか、「時間外に対応してほしい」
とかいろいろあったりとか......。
一見、非常識に思えることが
実はその家族にとっては
かなり大事な問題だということがあったり、
経済的に困っている人たちがちょっと
イレギュラーな言動を起こされるという
行動に関しても時間外だったり、
「なんでこんなことで
いちいち聞きに来るんだろう」
ということがあったりすることが
あるということがあるような
気がするので、ま、その辺りをこう......、
かなり上から否定......
(ここで遠藤会長が
「ご懸念があるということ?」と尋ねる)
そうですね、だから経済的な負担を......、
経済的に困っている人たちにより
経済的な負担を強いるみたいな制度に
なってしまうんだったら
よくないということです。
[遠藤久夫委員長]
了解いたしました。中島委員、どうぞ。
■「看護師やMSWが『話を聴く』具体策を」
─ 中島委員
[中島圭子委員
(日本労働組合総連合会総合政策局長)]
勝村委員の懸念はよく分かっていいる上で、
ということになりますけれども、患者、
利用者の側に情報がないためにやはり不安や、
あるいは安易な使い方をしてしまうということが
あるのは事実だと思っております。
やはりすぐに医師数が増えるということでは
ないわけですから、基本的には今ある
限られた貴重な人材をどうやって協力し合って
有効に使うかという観点が
非常に重要ではないかと思います。
私は労働組合ということでございますので、
勤務医さんの......、
これは看護師も含みますけれども、
労働条件の厳しさというのは十二分に
見させていただいておりまして、
特に労働災害で、本当に若い世代の
ドクターたちが過労死をしたり
自殺されているというような状況も、
何件も実際に仕事として扱ってきている
ということがあります。
やはり今の過剰な働き方を放置しておくと、
結局それが患者の安全にもつながる
という観点が必要だと思います。
例えば、どうしても患者の側は不安ですので、
「直接ドクターに話を聞きたい」とか
「会いたい」というのは当然だと思いますが、
例えば看護師さんであるとか、
MSW(医療ソーシャルワーカー)とか、
やはり「話を聴いてほしい」ということも
あると思いますので、なんか具体的な方策を
考えていくということが一番大事だと思います。
▼「医師に代わって看護師らコメディカルが
患者の振り分けをする」という意味での
トリアージを次期改定で評価する方向性は
ほぼ固まっていると言える。
モデルとして挙げられているのは
国立成育医療センターのトリアージシステムだが、
具体的にどう診療報酬に落とし込むかは
まだ議論されていない。
[遠藤久夫委員長]
ありがとうございます。看護師の話が出たので、
ちょっと坂本専門委員、どうぞ。
■「不安を看護師がコーディネートできる」
─ 坂本委員
[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
論点2(医師の説明への協力)ですが、
私も勝村委員がおっしゃったことが
すごくよく分かります。
スライド27(業務の内容ごとの負担感)を
見ていただきたいと思うのですが、ドクターに
直接すべて行ってしまうと、ドクターが
大変疲弊しているというのは私も病院に
勤務していてよく分かっているんですね。
本当に過労死する......、「先生方いつ
休んでいるんだろう」と思うほど働いています。
そういう意味からすると、このスライドの
これ(負担)をできるだけ取ってあげないと
いけないと思うんです。
その方策をやはり
出さないといけないということと、
この中に看護師というのを考えているのか、
療養生活上の説明とか、
患者の退院先の調整、
ソーシャルワーカーさんも入るんでしょうけど、
こういうものは全部先生方に聞きながらも
含めてですね、やっぱり違う職種に
やってもらわなければ、
なんでもかんでもやっている
ドクターはやっぱり疲弊してしまいますよね。
そういう所を、方策を取るべきだと思います。
▼看護師の権限範囲に関連する。
ところで日本看護協会は以前、
「医師の業務負担を軽減する」という理由には
否定的で、むしろ「看護の専門性」という観点から
権限拡大を主張する傾向があったが、
最近は変わったのだろうか。
08年4月に開催された厚労省の
「看護基礎教育のあり方に関する懇談会」で
井部俊子氏(聖路加看護大学学長)は、
「マスコミではよく『白衣の天使』と書きますが、
『白衣の天使』と言われると侮辱されているという
感じがしました」と発言したことをふと思い出した。
それから、論点2の「患者さんや家族が
説明を求めたときに時間外はどうなのか」
という、短絡的にこれ(文章)
を(読み)取るとですね、
やっぱり私は勝村委員がおっしゃるように、
本当に勤務しすぎて患者さんの父親が来て
やっと夕方に時間が空いた時に先生に
お話を聞くということは病院の先生方は
重々承知でその時間を取って
お話を聴いています。
しかしですね、そこに行くまでの過程で、
もう少し何らかの形で
その家族は何が聞きたいのか、
心配されているのかというような第2段階に..。
先生の所に突然行くのではなくて、
いろんな状況で少しコーディネート
できるんじゃないかと思います。
そういうことも含めて不安を取りながら、
ドクターが本当にドクターとしてやらなければ
いけないことはやっぱり、この救急のことも
そうですがやっていただかなければ
いけないと思っています。
そういう意味ではこの27ページを
どのように軽減させていくかということが、
やはりきちっとそれをやっていくのが、
私は......、まずやらなくちゃ
いけないんじゃないかと思っています。
■「形にしないと放埒な社会をつくることになる」
─ 嘉山委員
[嘉山孝正委員(山形大学医学部長)]
うちでは論点の2番と3番は
きちんと対応しています。
それはですね、今皆さんがおっしゃったように
医療におけるソフト、医師、看護師の数が
足りないですが、そこは一方的なことを言っても
始まらないので、ある程度、看護の部分で
坂本委員がおっしゃったようにですね、
ある程度の歯止めをかけないと......。
つまり、看護師にしても医師にしても
過労しすぎるとですね、今度は適切な
医療を受ける患者さんの権利を
奪うことになります。
それを一方的に進めていると......。
勝村さんのおっしゃることはもっともです。
例えば、自分がお腹が痛い時にそれが
重症なのか軽症なのか分からない。
だから病院に行くのはいいんですけど、
ただもうちょっと大人になって、
赤ちゃんじゃないんだから。
「このぐらいだったらどうなんだろう」
ということをお互いに
勉強し合うことが必要です。
うちではですね、(論点)3番の軽症の場合、
山形大学の医者はすごく優しいので
ほとんど取ってませんが、
一応8400円取ってます。
取ってるというか、掲げています。
でもほとんど取っていません。
それによって患者さんも皆大変だから、
お互いが思いやりを持つようになりました。
「むやみやたら」というのを患者さんも
考えるし医師も考えるということですが、
2番、3番の論点はきちんとある程度
形にしないと放埒な社会を
つくることになりますので、
ある程度のことはやっていただきたい。
[遠藤久夫委員長]
嘉山委員、ちょっと質問ですが、
8400円取るということをしているわけですが、
「軽症」というのをどういう......
[嘉山孝正委員]
すべて各講座で、病気によって違いますので、
各科によって文章化して......。
[遠藤久夫委員長]
「こういう病気であれば」とか、
そういうふうに書いてある?
なるほどそういうことですか、分かりました。
[嘉山孝正委員]
ですから、
「緊急に命に関係するようなものであれば」
とかですね、外科系であればですね......
[遠藤久夫委員長]
なるほど、分かりました。
[嘉山孝正委員]
あと、インターフェロンなんかですと、
毎日打たなきゃいけない患者さんがいますので、
日曜日でも打たなきゃいけない。
救急にはなっちゃいますけど、
その場合には一銭も取らない。
■「1号と2号、一緒に何か緩和策を」
─ 北村委員
[北村光一委員
(経団連社会保障委員会医療改革部会長代理)]
勤務医の働く、大変な論議がずっと進んできまして、
いよいよ最後の場面なんだと思うんですけど、
そこで今、論議されているのが患者さんとの関係、
あるいは話し合いとの関係と勤務医の
先生との関係という問題だろうと思います。
これは大変重要な問題だと思います。
例えば、私がこの間経験したのは、
患者さんがずっと待っているわけですが、
時間を決めると遅れたりするので順番だけ決める。
そうすると時間がないから
遅れたという印象は持たない。
その代わり遅れてもきちんと我慢して待つ。
やはり、ですから、先ほど西澤委員から
「1号(支払)側で」とおっしゃられたが、ま、
そうおっしゃらずにですね......。
やはり、お医者さんが患者さんと対話されるので、
1号(支払)、2号(診療)一緒にですね、
何かこう対話策とか、何かこう緩和策とかですね、
考えられないのかなというふうに思っています。
論点)第3はお金の問題でしょうから、
ちょっとまた別にします。
▼会議終了後のブリーフィング(記者説明)で
佐々木健課長補佐は、「北村委員の意見が
非常に全体的な合意に近かったと思う。
中医協としてドクターの負担感を考えながら
(軽減)できることを考えましょうということ」
と評価した。シナリオ通りか。
ちなみに、同日の基本問題小委員会の議題は
「特定機能病院」「勤務医の負担軽減策」
「明細書」の3項目。
「勤務医の負担軽減策」は患者の義務に
かかわる問題で、「明細書」は患者の権利に
かかわる問題とも言えるが、
「医療機関 VS 患者」という二者関係でのみ考えてしまうと、
社会保障の考え方から遠ざかる。
一方、「特定機能病院」を議題にしたことを考えると、
事務局(保険局医療課)は外来縮小策を
論じてほしかったのか。
「特定機能病院は難しい疾患を扱う」という
嘉山委員のプレゼンにも対応する。
とすると、「勤務医の負担軽減策」の論点1~3は
それぞれ議題の3つに対応しているのだろうか。
最近の医療課は議題や論点の示し方が
非常に巧みだが、委員がそれに追い付いていない。
「放り投げて試している」と考えるのは、
やや斜めに見すぎか。
論点の「○○について、どう考えるか」
という文面が、「○○について論ぜよ」
という試験問題に見えて仕方がない。
[遠藤久夫委員長]
ぜひ、そういう議論を深めていただきたいと思います。
ご協力をよろしくお願いします。
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、1』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、2』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、3』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、4』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、5』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、6』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、7』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、8』
『ロハスメディカルブログ:2009.11.30、9』
本文でも出てきた、山形大学の場合。
軽症の場合、山形大学の医者はすごく優しいので
ほとんど取ってませんが、一応8400円取ってます。
取ってるというか、掲げています。
というように、時間外の軽症患者からは、
8400円とるようになっています。
実際に取っている人は少ないようですが、
病院側が「軽症患者からは、結構な料金を貰いますよ。
だから、軽症だったら時間外には来ないでね。」
という明確なスタンスを掲げる事によって、
時間外に来る軽症患者の数は減るんですよ。
たしか、半分位に減ったはずです。
勤務医の敵とか味方とか、そういう事を
言っている訳ではないんですよ。
患者さんだって、疲弊した医者になんか
診てもらいたくないでしょ。
でも、時間外に大量の軽症患者が来たら、
医師は疲弊してしまうんですよ。
そうなったら、損をするのは結局は患者さんですから。
そうならないために、
「軽症患者が時間外には病院にかからないでね」
という「意思表示をする」事が重要だ。
という事ですよ。
西澤委員が言っているように
私たち医師も医療資源だと思ってください。
いかに国民の方々が医療資源を有効に使うか
ということを考えていただきたいと思います。
ここ(論点)に、「患者(や家族)に協力をお願いする」
と書いてありますが違うだろうと思う。
これは国民、患者さん、1号(支払)側が......。
「医療資源の適切化のためにどうしたらいいか」
大事なのは、医療資源は限られているんだから。
どう有効に使うか。
という事なんですよ。
国民に提案していく、という事も、
もちろん大切なんですが。
医療資源を効率よく使えるような
「制度」を作る、という事も重要だと思います・
最終的には、それが多くの患者さんのために
なる事だとおもいますので。
是非、診療報酬でも
「時間外での軽症患者の負担増」は、
取入れてもらいたいものですねー。
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「医療崩壊の真犯人」っていう本を、
元財務官僚の村上正泰氏が書かれましたね。
元財務官僚も、『医療崩壊の真犯人』で、
医療崩壊の一番の原因は「医療費抑制策」
と思っているようですね。
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医療費を上げろ、って言ったって、
「医者の給料をもっと上げろ」
って言っているわけではないんですよ。
我々医者も含め、医療費を上げろって
主張している人間は。
病院にたくさん患者が押し寄せてきて、
患者を診る医師や看護師の数が足りない。
それに、医師や看護師以外の人も足りないから、
医師達の仕事が増えて、医師が疲弊して
どんどん病院からいなくなる。
でも、患者は増えつづけている。
という負の循環で医療崩壊は起こっています。
医療というのは、「人材集約型産業」ですから、
人を雇わないとできない仕事なんですよ。
でも、人を雇うだけの金がないから、
医師や看護師の仕事がどんどん増えている。
年々医療は高度化して、人手がもっと必要なのに
病院の人は増えない。
それは、人を雇うだけのお金が病院にないからです。
んで、人を雇うお金っていうのは、
基本的には「診療報酬」になりますから。
診療報酬を上げろ、っていう主張になります。
日本の診療報酬、とくに「技術料」
と言われる手術とか手技の値段は
他の先進国の数分の一とか、
下手したら、十分の一くらいですからね。
それらを適正な値段にしなさい。
というのが、私の主張です。
もちろん、診療報酬だけでは難しい面もあるから、
地域医療に貢献している病院とか、
診療所なんかには、それに応じた補助金を出す。
という政策も必要だと思います。
もちろん、金だけで全て解決するとも思っていません。
患者の数が多くて医師が少ない、
というのが原因ですから。
患者の数を減らす、アクセス制限や予防医療、
といったものも、もちろん必要だと思うし。
医師の数を増やす事も必要だと思います。
民主党は医師数を1.5倍に増やす。
医療費もOECD平均まで増やす。
とマニュフェストには書いてありましたが。
いつまでに、って事は書いていないんですよ。
残念ながら。
それでも、民主党が政権を握るまでは、
期待はしていたんですけど。
なんか、官から民へ、とか言っておきながら
財務省の言いなりで、医療費は抑制する。
っていう方向にしか見えないんですけどねー。
今のところ。
元財務官僚で「医療崩壊の真犯人」って本を
最近書かれた村上正泰さんも、
私と同じように考えられているみたいですね。
m3.comにインタビューが出ていたので、
ちょっと引用させていただきますね。
いつもお世話になっております。
「医療費亡国論」からの脱却が不可欠
-元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1
「国民負担率の抑制が、あらゆる政策の出発点だった」
2009年11月25日 聞き手・橋本佳子(m3.com編集長)
「わが国の医療制度の危機的状況の最大の原因は、
これまでの低医療費政策」。
今年10月に上梓した『医療崩壊の真犯人』(PHP新書)で、
こう指摘した村上正泰氏。村上氏は財務省に入省、
2004年から2年間は厚生労働省に出向し、
2006年の医療制度改革に携わった。
現在は退職し、財団法人日本国際フォーラム所長
として活動すると同時に、財務・厚労の
両省での経験を踏まえ、医療分野での評論活動を展開する。
医療の現状認識や、事業仕分けをはじめ
民主党政権下の政策決定プロセスなどについて、
村上氏に聞いた。
(2009年11月21日にインタビュー。計5回の連載)
村上正泰氏 1974年生まれ。
東京大学経済学部卒業後、大蔵省(現財務省)入省。
在ニューヨーク総領事館副領事などを経て、
2004年7月から2年間、
厚労省保険局総務課課長補佐。
2006年7月退職。
――『医療崩壊の真犯人』では、様々な要因があるとしながらも、
医療費抑制策が一番の医療崩壊の原因であるとしています。
社会保障費の適正な水準は、各国の状況によって
違ってくるため、一概には言えません。
ただ、日本は既に世界で最も人口の高齢化が進んでおり、
対GDP比の医療費がOECD加盟国の中で
長年下位である状況は、明らかに異常でしょう。
高齢化が進めば、医療費は当然増えざるを得ない。
医療費の中でも効率化すべき部分は確かにあると思いますが、
過度に抑制されすぎていた。
その結果、現場にひずみが生じ、医師不足、
救急搬送、医療事故など様々な問題に
つながっているのだと捉えています。
――なぜ政府、あるいは財政当局は医療費を
抑制してきたのか、どんな政策決定プロセスのために、
それが継続してきたのでしょうか。
1980年代から、『医療費亡国論』に代表されるように、
医療費の抑制が政策の前提条件になるような
雰囲気が非常に強かった。
税や保険料負担を抑えないと、経済の活力が失われ、
国民の生活が苦しくなるという認識が、政府だけでなく、
国民の間にあったと思います。
さらに、1990年代に入り、バルブ経済が崩壊し、
経済成長率は低下した。
税収も、保険料収入も落ち込む。
医療費を取り巻く財政状況が厳しくなってくる。
こうした中で、ますます「医療費を抑制しないと、ダメだ」
という雰囲気が強まった。
自民党政権時代の経済財政諮問会議でも、
「中長期的に医療費を抑制していく」という
大きな文脈の中で、医療費の伸び率管理
という議論が出てきました。
こうした点を踏まえると、20数年来、
医療費抑制という基本は変わらず、
そこに大きな問題があると考えています。
――2004年7月、財務省から厚労省に出向され、
経済財政諮問会議にもかかわっています。
「医療費抑制」という目的の是非自体は、
議論にならなかったということですか。
当時も、厚労省はそれに対する反論を
細々とはやっていました。
国際比較でも、日本の医療費をはじめとする
社会保障費の水準は低い。
一方、ヨーロッパ諸国を見るとGDP比の
国民負担率が50%を超えていても、
経済成長率が低いわけではありません。
英国のオックスフォード大学の公共経済学の大家である、
アンソニー・アトキンソン教授は、詳細な国際比較を行い、
「国民負担率と経済成長率との間に、
統計的に有意な関係はない」という結論を出しています。
厚労省がこうした視点で反論しても、
経済財政諮問会議では、全く聞き入れられませんでした。
もっとも、厚労省が財務省に財源確保を要請しても、
他方で厚労省は他の役所とは異なり、
財政当局の役割を果たしている点にも着目すべきでしょう。
――それはどのような意味でしょうか。
国土交通省が「公共事業費亡国論」、
文部科学省が「教育費亡国論」などと言い出すでしょうか。
彼らは予算を上げろと言い、財務省との
つばぜり合いを展開するわけです。
これに対し、厚労省も医療費の引き上げを主張しますが、
医療費が増えれば保険料に跳ね返ってくる。
保険財政を預かっている立場からすると、
「保険料の上昇を抑えるためには医療費を
抑えなければいけない」と厚労省は考える。
実は財務省の中にも、「厚労省、特に保険局は、
自分たちと近い考え方をする」との見方があります。
私は厚労省出向時、財務省の先輩から、
「保険局はなぜ医療費の伸び率管理に抵抗しているのか。
保険局は我々の味方、近い存在だと思っていたのに」
といった内容のメールを受け取ったことがあります。
――厚労省でも、保険局と、医政局をはじめ
他局との間では考え方が違うと思われますか。
医療制度改革の議論は保険局中心のところがあり、
医政局の主張、意見はプラスアルファで付いてくる程度。
私は2006年の医療制度改革に関わったのですが、
その前の2002年の小泉内閣最初の制度改革時も、
保険局マターが中心で、医政局関連の事項が
大きく取り上げられることはなかった。
私は保険局総務課で、「医療費適正化計画」の
枠組み作りに携わったのですが、平均在院日数の短縮、
療養病床削減の議論において、医政局の存在は薄かった。
これらは医療提供体制の話ですから、
医政局の観点からの議論が本来的には重要。
しかし、保険局で決めて、医政局に「こうしたい」と言っても、
医政局から積極的に意見が返ってくることはありませんでした。
――療養病床を削減するのであれば、
急性期から慢性期、在宅への流れを踏まえ、
医療提供体制の枠組みを考える議論があるべきです。
保険局から数値目標を提示しても、
医政局は無反応に近い状況でしたね。
その時に限らず、医療制度改革の時には、
保険局の声が強い。
「最後は、カネに行き着く」という面があります。
――その辺りを変えないと、「財政当局としての厚労省」
という側面が強く出てしまう。
「国民負担率を50%以内に抑える」という
前提条件を変える議論にもならない。
そうですね。
最終な部分は、政策の価値判断の話になると思います。
「国民負担率を50%以内に抑えなければいけない」
と考えるのか、ヨーロッパ諸国のように、
国民の合意形成を経ながら、社会保障費を徐々に増やし、
充実していくのがいいのか。
少なくてもこの10年間くらいは、
小さな政府志向が非常に強かったので、
「国民負担率は抑制しなければならない」
という考えが、あらゆる政策を考える上での
出発点になっていた。
この辺りはもっときちんと議論されるべきだと思います。
社会保障国民会議で抑制論から転換の兆し
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2
医療者だけでなく、患者・国民にも医療への危機感
――麻生政権時代の社会保障国民会議は、
2008年11月に報告書をまとめています。
医療・介護費用についてシミュレーションし、
複数の改革シナリオを提示して、
負担増にも言及しています。
この会議では、原点に立ち戻った議論が
行われたとお考えですか。
今までの議論と方向性は変わってきたと思います。
従来の医療制度改革は、「2025年の医療費は
これくらいですが、改革を実施すれば、
この程度に削減できます」という議論ばかりやっていた。
これに対し、社会保障国民会議では、
「こういう改革を実施したら、このくらい
医療費が増える」という議論だった。
ただ、その際の議論の中身は、
「急性期医療の部分はマンパワーを充実して、
在宅医療も整備し、平均在院日数は短縮する」
といった内容にとどまっています。
ではこうした改革を実施した時にどんな医療が実現するか、
もう少しビジョンがほしかった。
また、幾つかの改革シナリオを提示していますが、
結局、医師数や平均在院日数を変数としている程度で、
シナリオの中で、「どれを選びますか」と聞かれても、
大差がなければ選びにくい。
とはいえ、不満もありますが、
議論が変化してきたことは確かです。
――なぜ長年続いてきた医療費抑制という
議論の方向性が変わってきたのでしょうか。
やはり小泉改革で、ここ数年、相当荒っぽく
改革をやりすぎて、医療崩壊を招いた。
「このままでは安心して医療が受けられない」という声が、
医療者だけでなく、患者、国民からも
強くなってきたことが大きいと思います。
――しかし、社会保障国民会議では、
平均在院日数など以外の新しい指標が打ち出せなかった。
「在宅医療、介護なども含めて、
退院後も安心して生活できる体制作り」は、
長年指摘されてきた話。
これは正しい方向性ですが、社会保障国民会議の
ビジョンはこれだけなのか。
またこのビジョンを掲げるとしても、これまで遅々として
実現できなかったのはなぜか、
本当にこれを進めていくには何が必要なのか、
という議論が少なかった。
在宅医療は、診療報酬上で重点評価する
程度ではなかなか進みません。
在宅医療を推進するのであれば、
様々な側面から条件整備を行う必要があります。
――ビジョンに新しさや具体性がないとのことですが、
例えばどんなビジョンをお考えですか。
結局、同じような方向になるとは思うのですが、
在宅シフトを進めるという政策の根底にも、
医療費抑制の発想があります。
この考え方で組み立てていくと、絶対にうまくいかない。
そうではなく、「在宅医療がいい」のであれば、
在宅へのシフトが進んだ結果、医療費が
増えても構わないという発想でスタートしないと、
急性期から慢性期、さらには在宅への流れは
永遠に「絵に描いた餅」でしょう。
医療費抑制を出発点にすると、政策自体も
非常に荒っぽいものになる。
療養病床の再編がその典型。
本来であれば、療養病床を削減するのであれば、
慢性期の医療の在り方、医療と介護の関係、
さらには受け皿の整備の議論から進めるべき。
しかし、実際には「医療費抑制」から議論がスタートした。
だから「病床を減らす」という数値目標をまず掲げる。
その後のことはそれから考えるという、
厚労省の政策の荒っぽさにつながる。
後期高齢者医療制度にしても、荒っぽく映っている部分は
この辺りが原因ではないでしょうか。
こうした思考であれば、厚労省の役人が
じっくりと物事を考えて決めるという雰囲気も失われる。
また実際に時間的な余裕もないのが事実でしょう。
――厚労省は、他省庁と比べて多忙なのでしょうか。
省内で余裕がある部署があれば、
そこから多忙な部署に職員を配置できます。
しかし、今はどの部署も忙しい。
また各部署にはそれなりに職員はいますが、
各部署が抱えている業務の多さ、責任の重さ、
重要性は相当なものだと思います。
日々の業務をこなしながら、次の政策を
考えていくだけの物理的な余裕があまりない。
――財務省との比較ではどうなのでしょうか。
例えば、財務省主計局は、各省庁との間で
予算の交渉はしますが、主計局が矢面に立って
国民と接することはほとんどありません。
国民、あるいは利害関係者と直接接して、
時には対峙するのは各省庁です。
特に厚労省の仕事は国民生活に
密接につながっているだけに、政策的な問題、
失敗があった時にそれだけ批判もダイレクトに受ける。
それに向き合うのは、大変だと思います。
もっとも、政策の失敗は自分が招いている
という自己責任はありますが。
次期診療報酬改定は民主党の医療政策の試金石
- 元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3
「今の議論を見ると、政権交代した意味があるのかと思う」
――社会保障国民会議で「医療費抑制政策」の
方向性が変わってきた。
そうした中で、民主党政権が誕生しました。
まず民主党のマニフェストに対する評価をお聞かせください。
最初にマニフェストを見た時は、
「医療費をOECD平均並みに増やす」ことを
打ち出していたので、方向性としては期待していました。
ただ、いつまでに増やすのかなどの具体性に欠ける上、
医療についての理念が見えてこない。
医療以外でも「子ども手当て」の創設を打ち出すなど、
社会政策を重視する方向性は伺えますが、
一方で、“ムダを排除する”など、構造改革的、
小泉改革的な路線も見える。
両方の要素が混在しており、両者の整理が理念上、
あまりなされていない印象を持ちました。
――「期待していた」とは、過去形なのでしょうか。
医療の今後の方向性を占う上でも、
今回の診療報酬改定が重要だと思うのです。
医療政策をどうするか、民主党の姿勢が一番、
はっきり現れる。
現時点は、まだ議論の過程であり、
結論が出ているわけではないのですが、
野田財務副大臣などが、財務省主計局と
ほとんど同じことを言っているわけです。
政治家としての発言なのか、主計局に
言われたことを言っているだけなのか。
「診療報酬の配分を見直し、開業医から勤務医に回し、
全体としては上げない」という発言は、
主計局に踊らされているとしか思えない。
長妻厚労大臣も、発言が揺れており、以前は
「診療報酬を増やさなければいけない」と言っていた。
しかし、最近、「上げ幅をなるべく抑えて」
と発言しており、厚労大臣の発言としては
きわめて不適切だと思います。
このように今は「診療報酬全体は押さえ、
配分の見直しで改定」という議論が非常に強い。
それはおかしいのではないでしょうか。
従来から「開業医は儲けすぎ」という議論があります。
財務省が昔から言っていたことで、
今回の行政刷新会議の
「事業仕分け」でも議論になりました。
しかし、それが果たして本当なのか、
実態を反映しているのか、という点は実は
明確になっていません。
多くの方が指摘していますが、個人開業医の収入には、
将来の設備投資のための積立や、
退職金引当金に相当する部分などが含まれており、
勤務医との単純な収入比較はできません。
さらに「事業仕分け」では、診療報酬への
「公務員人件費・デフレの反映」なども言われていますが、
これも一方的な議論です。
こうした議論を続けているのだったら、
政権交代の意味がない。
政権交代はいったい何だったのかと。
主計局が「医療費抑制」を主張していた
時代と変わりません。
――そもそも主計局はなぜ、「医療費抑制」
を掲げ続けるのでしょうか。
仕事だから抑制政策を訴えるのか、財務官僚の
個人的な見解としてはどうお考えなのか。
それは個人にもよるでしょう。
ただ財務省は最初は厳しい玉を投げるものです。
「診療報酬本体でプラスマイナスゼロ」は、
最終的には無理だと分かっていても、
財務省からは最初から緩やかなことは言えない。
しかし、今のやり方を見ていると、財務省の
厳しい玉を受けて、落とし所を探っていく
という従来の手法と変わらない。
「政治主導」と言うのであれば、
まず医療政策のビジョンがどうあるべきか、
その議論から入っていく必要があるのでは。
――今回の診療報酬改定は、今後の民主党の
医療政策を占う上で重要とのことですが、
長年の政策決定プロセスや方針を変えるのは
容易ではありません。
今、この時点で何をすべきでしょうか。
財務省も、勤務医対策の必要性は認めており、
急性期、救急、産科、小児医療なども
評価しなければならないと言っています。
その財源を開業医の側から持ってこようとしている。
しかし、診療報酬はマイナス改定が続き、
様々な部分が痛んでいる。
全体的な底上げをやらなければいけない時に、
配分の議論で全体としてプラスマイナスゼロにしたら、
解決にならない。
例えば、診療所は外来で重要な機能を
担っているわけです。
そこを削り、診療所が窮地に陥り、診療所の患者が
病院に押しかけたら、ますます勤務医は疲弊します。
道路や橋などの公共事業は、
「これは不要」と思えば、その部分だけを
中止することが可能です。
道路に当てる予定の予算は浮きます。
しかし、医療費に効率化の余地があるとは思うのですが、
医療の場合、「ここにムダがある」と言って、
すぐにその部分を削減・廃止することはできません。
効率化するにしても、徐々に時間をかけながら、
進めていくことになると思うのです。
例えば、ジェネリックを普及させ、
医療費を削減するという議論があります。
しかし、一気に普及して、医療費が一気に
下がるようなことにはなりません。
ジェネリックの有効性や安全性について
関係者が共有するなどの条件整備が必要で、
普及には時間がかかります。
――医療費を効率化できる余地があると思うのは、
どんな部分でしょうか。
明確に「ここにムダがあり、これだけ減らせる」とは、
なかなか言えないのではないでしょうか。
例えば、複数の医療機関を受診して、
多くの薬をもらう。結局、ほとんど服用せず、
患者の自宅に残っているケースがあります。
しかし、一気にこの問題を解決することは難しい。
あるいは軽症の患者でも、大病院を受診する。
その分の医療費は効率化できるとは思いますが、
一気には難しい。
厚労省も今まで診療報酬で、
例えば診療所の外来機能、病院の入院機能を
重点的に評価するなどしてきましたが、
なかなかうまくいかない。
そこで、かかりつけ医的な機能を制度化する
という話になります。
方向性はいいでしょうが、それを進めるためには、
信頼できるかかりつけ医を養成し、
患者が適切なかかりつけ医を選べる仕組みを
作っていかなければいけない。
その上で、病診連携を進めていく。
医療の効率化は、相当長い目で
考えていく必要があります。
それを道路や橋のように、不要だからスパッと
廃止して効率化できる、医療費を浮かす
と考えるのは「幻想」で、危険な議論です。
――療養病床の削減も同様です。
先ほども話がありましたが、まず「削減目標ありき」で、
医療提供体制の話は二の次になった。
結局、最初に削減目標を立て、その受け皿は
各都道府県が計画して整えますとしているだけです。
医療提供体制は、急性期の入院医療、
慢性期医療、診療所の外来医療、在宅医療が
それぞれ別個に存在するわけではなく、
密接につながっている中で医療が成り立っているわけです。
「ここにムダがある」「ここを手厚くするために、
こちらには痛みを」という構図は、どこかに
過度の負担がかかり、ひずみが生じる。
システム全体を壊しかねません。
財務省が昔ながらの主張をするのは、
「またか」という感じ。
しかし、事業仕分けの議論の影響を受けて、
長妻大臣まで「上げ幅なるべく抑えて、
配分を見直してやる」という話をするのは、おかしい。
長妻大臣の場合、社会保障、特に医療には
あまりかかわってこなかった。
どちらかと言えば、「ムダの排除」が
得意なのではないでしょうか。
だから、「ここにムダがある。
ムダは減らさなければいけない」といった
財務省的な議論に、親和性を
覚えているのかもしれません。
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.1』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.2』
『元財務官僚・村上正泰氏に聞く◆Vol.3』
長妻厚生労働大臣。
野田財務副大臣とは違って、
官僚にコントロールされていないのは良いんですが。
予想通り、医療に関しては素人だから。
最初は診療報酬上げる、って言っていたのに、
なんかだんだん弱気になってますもんねー。
そもそも、診療報酬を上げるか、
医療費を上げるかっていうのは、
政治が決める事ですからね。
そういうのに口出して来る事も
おかしいような気はしますが。
財務省も、支出を減らすのが仕事だから
言ってくるのはしょうがないんでしょうけど。
それを、そのまま受け取るようじゃ、
とても「政治主導」とは言えないでしょー。
たしかに、医療にもたくさん無駄ありますよ。
「病院評価機構」って、厚労省の役人の
天下り先の機関ですけど。
これのせいで、大きな病院は「病院機能評価」
に受かるため、それこそ何千項目もある
評価をクリアしようと、数年っていう年月と
膨大な手間をかけているんですよ。
まあ、100%無駄とは言わないけど。
メリット1としたら、デメリット10位ですね。
このせいで、無駄な書類が増えたり、
決まりが増えたりして、医師や看護師、
その他の医療従事者の仕事が大幅に増えて、
医療崩壊が進んでいる、っていう側面もあります。
こういうのこそ、「行政刷新会議」で取り上げられて
「必要ない」って結論になれば良かったんですけどねー。
まあ、それは置いておいて。
財務省の官僚も、厚労省に来れば、
きちんとわかるんですから。
現場を知りもしないくせに、ただ「削減しろ」
って言うだけじゃなくて、いろんな所で
現場を見て欲しいですねー。
元財務官僚の村上正泰さんが書いた
「医療崩壊の真犯人」を読みたい人はこちら↓
『医療崩壊の真犯人』
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時間外に大量の患者が総合病院、
特に「救命救急センター」と呼ばれる病院に
殺到して、医師が疲弊している。
それが医療崩壊の原因の一つである。
というのは、厚生労働省の役人も
さすがにわかっているようですね。
急性期病院の勤務医の負担を減らす為に、
療養病棟でも救急を受け入れろ。
っていう話が、中央社会保険医療協議会
(中医協)でも話し合われているみたいです。
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日本の病院っていうのは、重症の患者とか
緊急の患者を受け入れる「急性期病院」。
それと、慢性期でリハビリ中心の患者などを
中心に受け入れる「療養型病院」っていうのに
分ける事ができるんです。
まあ、厳密に言えば同じ病院の中で、
急性期(一般)病棟と療養病棟と
2種類の病棟(ベッド)を持っている病院もあるし。
亜急性期病棟、っていうちょうど中間の病棟
っていうのもあるんですけどね。
でも、基本的には「機能によって病院が分かれる」
という事になっているんですよ。
療養型の病院、病棟っていうのは、
医学的には安定して、あまり人手もかからない
患者を診るっていう前提になっていますから。
病院には医師の数も看護師の数も少ないんですよ。
だから、緊急の患者とか重症の患者を
24時間365日診る、っていうのは
物理的に無理なんです。
全ての病院が24時間365日患者を診る、
って事になったら医師も看護師も分散して、
結局はみんな人手不足になっちゃいます。
だから、急性期の病院には人手を多くして、
そこに重症患者や緊急の患者を集めて。
慢性期の患者は、人手の少ない病院で見てもらう。
という事で、メリハリつけて病院が
全部は潰れないようにしている、
っていう面もあるんですが。
その療養型病院に、救急もやらせる、
という事になったら、下手したら全滅。
って事になりかねないと思うんですけどねー。
私は。
「ロハスメディカルブログ」に、
そこら辺の話が詳しく出ていましたので。
一部省略しながら、紹介させていただきますね。
いつもお世話になっております。
療養病棟の救急受け入れ、反対続出
─ 11月20日の中医協
新井裕充 (2009年11月22日 )
重症患者を受け入れる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善するため、
厚生労働省は療養病棟の救急受け入れを
診療報酬で評価する方針を打ち出したが、
病院団体などから反対意見が続出している。
(新井裕充)
2010年度の診療報酬改定に向け、
厚労省は11月20日の中央社会保険医療協議会
(中医協)で、療養病棟の評価として、
「後方病床機能」「救急支援機能」を提示した。
このうち療養病棟の後方病床機能については、
「在宅医療や介護施設においては、
患者や入居者の病状の急変の際、
速やかに医療を提供できる後方病床の
確保が重要である」と指摘。
救急支援機能については、
「円滑な救急医療体制の構築が喫緊の課題」
とした上で次のように問題提起した。
「高齢者の軽症・中等症患者の
救急搬送件数の増加が顕著であり、
救急医療機関において重症救急患者を
受入れられなくなるケースが生じている。
実際に、療養病床において救急搬送患者を
受け入れている実態がある。
また、こうした地域のニーズを踏まえて、
救急医療機関と連携して療養病床で
救急患者を受け入れる取組みが始まっている」
その上で、療養病棟の診療報酬上の「論点」として、
▽急性期医療、在宅医療及び介護施設の
後方病床としての機能
▽軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価
─などを示し、意見を求めた。
療養病棟の救急受け入れ機能について、
診療側の鈴木邦彦委員(茨城県医師会理事、
日本医療法人協会副会長)は
「地域の一般病床で受け入れるのが良い」と否定。
西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)も、
「療養病床は役割が違う」と退けた。
さらに、支払側の勝村久司委員
(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)も、
「機能が違う。積極的に評価することに違和感を感じる」
などと反対した。
これに対して、日本看護協会副会長の坂本委員が
専門委員は次のように述べ、療養病棟の
救急機能を評価する方向性を支持した。
「軽症・中等症の救急患者を受け入れるのは、
本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思うが、
あまり病院がない所を見ると、今回の
新型インフルもそうだが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかった。
だから、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っている。
機能的にはちょっと違うかもしれないが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいい」
三次救急をめぐっては、"最後の砦"
であるはずの救命救急センターが
"最初の防波堤"になっているとの指摘もある。
勤務医の負担軽減という観点から、
三次救急を疲弊させている原因を
取り除こうとする今回の厚労省案は
妥当な方向と考えられるが、全日本病院協会会長の
西澤委員は次のように否定した。
「療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということ。
要するに二次救急、あるいは一次救急、
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。
そこのシステムを直すほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるから、
『直接、療養病棟へ』はあり得ないんじゃないか」
高度急性期への拠点化・集約化を進め、
その後方病床として「地域一般病棟」を
位置付けるべきとの主張にも聞こえるが、
果たして地方病院の実情を
踏まえたものといえるだろうか。
~~~~~~~~~
▼ 1997年から2007までの10年間で、
軽症、中等症、重症の伸びを比較。
軽症、中等症の増加が目立つのは高齢者。
○療養病床における救急患者の受入状況
→ 「救急受入れ患者ではない」のが86.9%。
「救急車による救急受入れ患者」は3.4%と少ない。
▼佐藤課長は、「救急車で来た救急患者を
(療養病床で)受け入れている割合はそう多くはないが、
これだけ救急車の出動回数が増えていて
後方病床が足りない中で、(療養病床が)
一定の役割を果たせるのではないかというのが
関係者の意見のようです」とコメントした。
~~~
○論点
1 急性期医療、在宅医療及び介護施設の
後方病床としての療養病棟の機能に対する
評価について、どう考えるか。
2 軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価について、どう考えるか。
3 医療サービスの質的向上に取り組む
療養病棟に対する評価について、どう考えるか。
多くの病院が療養病床を持っています。
私も会員になっていますが、日本慢性期医療協会
(武久洋三会長)の話を聴きますと、
療養病床の役割として、
(論点)1にあるような、急性期医療、在宅医療、
そのほか緩和ケア、認知症、維持期リハ、
難病などを挙げています。
論点2、「軽症・中等症の救急患者を受け入れている
療養病棟に対する評価について、
どう考えるか」とあります。
私も会員なのでいろいろな情報が入ってきますが、
療養病床でどうしてそういうことが可能なのか、
私は非常に疑問に思いまして、実際にやっている
病院に研修で行って聴いてまいりました。
資料25番にあるように、(救急医療機関と
療養病床のモデル連携を)東京と大阪でやられた
とのことですが、東京では(三次救急病院が)
1施設でわずかですが、大阪では
(三次救急病院)10施設、
慢性期病院33施設ということです。
大阪の2病院の研修で話を聴いてきました。
(中略)
2病院のうち1病院は、確かに療養病床で
受け入れているのですが、院長の考え方は
急性期病床の考え方と同じで、私が見るところでは、
「ちょっと無理をしてやっているのかな」
という感じがいたしました。
療養病床が多い所では、療養病床の中で
機能分化が起こってくるのかなという気がしました。
もう1つの病院は、療養病床もありますが、
病院の中の一般病床でいったん受け入れて、
それから療養病床に行くということでした。
私も現実的には、日本中にそういうものを
適用することを考えますと、地域の「一般病床」で
受け入れるのが良いのではないか。
療養病床にはそれ以外の部分の役割のほうが
より多くあるのではないかという気がいたします。
ただ、療養病床の機能として、例えば、
高度急性期の病院に24時間体制で
どんどんどんどん患者が送られてきて、
その中に民間中小病院の一般病棟で診られるような
患者さんもかなりいますので、そういった患者さんを
早期に地域の中小病院に、あるいは
療養病床でも受けられる所も
一部あるかもしれませんが、
そういった所でトリアージ的な感じで
いったん受け入れていただいて、
早期に転出していくような
システムができますと、確かに高度急性期を
担う病院の負担軽減になると思います。
▼ここをもっと強調すべき。
それからもう1つは、「在宅療養支援病院」のような役割は、
療養病床を持っている病院が
非常に向いていると思いますので、
そういう方向で話が進む分には良いと思いますが、
救急の評価というのは......。
確かこれ、点数を要望していると思います。
1日200点など。「今のままでやる」
と言っているわけではないと思います。
実際には看護基準などが充実している病棟、病床で
(救急患者を)受けたほうがいいと思います。
やっぱりメーンは一般病床、あるいは急性期、
そういった所かなと思います。
また、論点3については、これはもう、質的向上に
取り組むということは非常に重要でございますので、
ぜひ療養病床でも評価していただければと考えています。
~~~~~
■「システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる」
─ 西澤委員
[西澤寛俊委員(全日本病院協会会長)]
論点の1(後方病床としての機能)ですが、
鈴木先生とほとんど同じです。(論点)3のQI(質の評価)は
当然のことなので、これは進めていただきたいと思っています。
まず、その前に資料の24(療養病床の救急受入)と
25(救急医療機関と療養病棟の連携)ですが、例えば、
「療養病床の救急受入状況」(の資料)で、
「医療区分1」で救急受け入れというのは
どうしてもイメージが分からないので、
もうちょっと詳しいデータを出していただきたいと思います。
本当の意味での救急患者を受け入れているのか、
救急車で来たから「救急患者」とは限りませんので、
そこら辺の資料を出していただきたい。
▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。
この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、
案2は「一定の基準(患者数や人員配置等)を
満たす場合に一律の評価」としている。
案1の「救急患者割合」は、「救急車あり又は
入院初日の初診料において時間外・休日・
深夜加算ありのDPC対象患者数
/DPC対象患者数」という複雑な計算式で、
小児や産科の救急患者の場合には数倍してカウントする。
同分科会では、まだ意見集約できていない。
それから、(資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送(されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が受託する)」
とあるが、すなわちこれはどういう問題かと言うと、
療養病棟で論じるのではなくて、救急体制で、
どうして三次救急にミスマッチがいるかということです。
要するに二次救急、あるいは一次救急、
そういう所がどんどんやめていっているので、
そこ(三次)に行ってしまう。
そこの「システム」を直すことのほうが大事であって、
そこが直ればこういうミスマッチがなくなるんですから、
「直接、療養病棟へ」はあり得ないんじゃないかな
と思っています。
ミスマッチの患者、本来であれば
三次救急に行かなくていい患者、
療養病棟でいい患者が(三次救急に)行くのであるから、
それは療養病棟で受け入れるのは
当たり前だと思っております。
ということで、それともう1つ。
療養病床ではなく、「慢性期病床を持つ病床が受託」
という辺りはちょっと(表現が)いい加減なので、
先ほど鈴木先生の言い方では、(療養病床を)
持っている病院の一般病床で受け入れている例も
あるんじゃないか。
その辺りのデータも出していただかないと
私たちは議論できないと思います。
▼資料25「救急医療機関と療養病棟の連携」で、
大阪府緊急連携ネットワークの目的として、
「3次救急にミスマッチな患者が搬送されたときに、
速やかに治療可能な慢性期病床を持つ病床が
受託することにより、3次救急の病床回転数を改善」とある。
ところで、「(療養病床を)持っている病院の
一般病床で受け入れている例もある」と言うが、
むしろこれがメーンではないか。
~~~~~~
[保険局医療課・佐藤敏信課長]
「療養病棟入院基本料2」を算定している、
要するに慢性に経過するような病棟、病床に
入院している方については、「退院支援計画作成加算」
として100点、ただし入院中1回に限る
ということにしております。
(小声で)退院加算で100点ということになります。
[坂本すが専門委員(日本看護協会副会長)]
私は恐らくここにもう少し力を、
ポイントを置くべきだと思います。
恐らくケアマネージャーさんとか、
いろいろな方たちが入り込んでやっている
というのを身内で経験しましたが、それがうまく効果を、
やっているかということと、それからケアに対して
ポイントを置いていくべきだと思います。
それからもう1点、軽症・中等症の救急患者を
受け入れるのは、本当にこういう所(療養病棟)でいいのか、
機能的には大変難しいと思いますが、
実はあまり病院がない所を見ますと、
今回の新型インフルもそうでしたが、若干、
療養型でもやってくださっている所があって、
大変ありがたかったと思っております。
だから、「大きな病院に行きたくないな」
と思っていても、開業医の先生たちがいらっしゃらないときは
そういう所でやってくれているのは
大変住民にとって良かったと思っています。
機能的にはちょっと違うかもしれませんが、
何らかの形でやっていらっしゃることについては
少し考えてもいいのかなと思います。
▼実態に即した意見。「機能分化」という
医療費抑制策を重視する病院団体と異なる。
[遠藤久夫委員長(学習院大経済学部教授、
中医協会長)]
(ちょっと困惑した様子で)はい、あの......、
「積極的に進める」ということではなくて、
事実上やっている所に対しては、
「コストに見合うような評価をしてもいいのではないか」、
こういうご意見ですね。
はい、ありがとうございます。
~~~~~~~
『療養病棟の救急受け入れ、反対続出』
『P2 → 療養病棟の現状 ─ 資料のポイント』
『P3 → 療養病棟の課題 ─ 資料のポイント』
『P4 → 救急のメーンは一般病床あるいは急性期』
『P5 → システムを直せば三次救急のミスマッチはなくなる』
『P6 → 軽症・中等症の救急受け入れは『亜急性期』で』
『P7 → 赤字の区分は診療報酬体系として大変おかしな形』
『P8 → 新型インフルで療養型が大変ありがたかった』
『P9 → 区分1を上げないと機能しない』
最後の砦とも言われる「救命救急センター」に
軽症・中等症の患者が流れ込む
"三次救急の疲弊"を改善する。
という方向性は正しいと思います。
でも、開業医に時間外に診てもらうとか、
療養型の病院にも時間外や救急をやってもらう。
というのは、現実問題としては
難しいんじゃないですかねー。
だって、開業医ってほとんどの場合は、
医者1人だし。
療養型の病院でも医者が数人とかが多いし。
そういう病院は、高齢の医師が多いんですよ。
実際のとこは。
1人しかいない医師に、夜中や朝まで働かせる。
とか、60代、70代の医師に夜中まで働かせる、
っていうのは、やっぱり無理でしょ。
普通は。
でも、だからって何もしなかったら、
勤務医は疲弊して、医療崩壊は進む、
っていう悪循環は続きますから。
何かやった方が良いんですが。
出来る範囲でやりましょうよ。
例えば、今でもちゃんとした医師会が
ある地域なんかではやっている事ですけど。
「輪番制」を、もっときちんとする。
とかね。
「輪番制」っていうのは、地域の医師会や開業医が
中心になって、時間外の軽症患者を「輪番」で
受け持つっていう制度です。
その地域に診療所が15あれば、月2回は、
17時から23時までは軽症の患者は
病院に行かないで、「輪番の診療所」で診る。
という形ですね。
今でも、雀の涙ほどの補助金は出ているのですが、
基本的には「ボランティア」に近いもんですよ。
地域の医療を崩壊から守るために、
ちゃんとした医師会があるとこではやってる、
って感じです。
こういうのは、もっと補助金を出してやる。
という事が大事だと思います。
建前だけの補助金、ではなくて、
救急をやれば黒字になります。
これは、商売としてメリットがある、
という位に出さないと。
民間病院、公立病院関係なく。
大変だけど赤字になります。
メリットは「救急やっている診療所」
っていう「看板」だけです。
では、やらないとこが多いのは当然ですよ。
それと、一応、月二回輪番制でやっているんだけど、
名前は出してるけど、実際は患者を診ていない、
というようなとこも、残念ながらあるので。
実際に診た患者の数に比例して補助金を出す。
という事にすれば、もっと本気で
診療所も救急やると思いますよ。
その輪番制に「療養型病院」なんかも入れて、
患者の数そのものに比例して補助金を出す。
という事にすれば良いと思うんですけどねー。
「療養型病院」っていっても、比較的医師や
看護師、スタッフの数に余力のある病院は、
月2回と言わず、4回でも8回でもやれば良いし。
その分、患者をたくさん診たら、売り上げも上がって
収益も増える、っていうシステムにすれば良いんですよ。
それが、本文の中で出てきた、
▼厚労省は11月18日のDPC評価分科会で、
「新たな機能評価係数の具体案(たたき台)」を示した。
この中で、救急受け入れを評価する指標として
2つの案を提示。
案1は「救急患者割合をもとに連続的評価」、
というのに相当するのかもしれませんが。
本当に、単純に患者の数に比例して補助金の額を増やす、
というのが良いと思いますけどねー。
個人的には療養型病院には、
救急患者の受け入れを期待していません。
それよりは、いわゆる「たらい回し」
とも言われる、「患者受け入れ不能」問題。
この原因の1/3くらいは、「ベッドが満床」ですから。
これを解決する方が手っ取り早いかな、
と思います。
本文では「後方病院」という言い方をされていますけど。
急性期病院が満床近くなった時に、
療養型の病院で安定している患者を
受け入れてくれれば、ベッドが空くんですから。
急性期病院から転院してきた患者数が
多い病院には加算をつける。
というようなやり方をすれば
良いんじゃないでしょうかね。
出来れば、転院の依頼があって、
その日か次の日位までに転院できれば、
より加算点数をつける。
という事にすれば、出来るだけ早く
転院の患者を受け入れようと努力しますから。
療養型の病院も利益が増えるし。
急性期病院も、すぐに患者を転院
させてくれるんだったら、ベッドが満床近く
なったら療養型病院にお願いして
少し安定している患者をすぐに受け入れてもらって。
その空いたベッドに救急の患者を入院させる。
という事ができますからね。
そうなれば、「ベッドが満床で受け入れ不能」
という事も少なくなりますから。
患者も得をする、って事になると思うので。
良い案だとおもいますけどねー。
ちなみに、点数っていうのは簡単に言うと、
「料金」の事ですから。
加算点数っていうのは、料金が加算される、
っていう事ですよ。
あと、勤務医の負担を減らす、っていう意味では。
平日の時間内の病院の受診料の値段を上げる、
っていうのが簡単な方法です。
外来患者で、初診料、とか再診料。
っていう料金、今も取っていますよね。
再診料っていうのは、同じ医療をしても
病院よりも開業医の方が高いのはけしからん。
って事で、前回の改定でも、今回も
問題になっています。
方向としては、病院の再診料を上げるか、
診療所の再診料を下げて同じ値段にする。
っていう事になりそうですけど。
思い切って、病院の初診料、再診料を
開業医の2倍くらいにしたら良いと思います。
そうすれば、病院の方が値段が高いから
開業医に行きます、っていう患者。
特に、軽症の患者は増えますから。
勤務医の仕事って、時間内に外来も診て、
入院も診て、検査もやって。
それ以外に当直とか救急とか、
もちろん事務仕事とか勉強とか。
そういうのも全部やらなきゃいけないんですよ。
時間内の外来患者の数を減らすだけでも、
勤務医の負担は減らす事ができますから。
開業医や療養型の病院に、無理に
時間外や救急の患者を手伝ってもらって、
開業医も療養型病院も潰れる。
っていうよりは、診療報酬の配分などで、
出来る範囲で患者を分散させる、
って事の方が良いと思うんですけどねー。
民主党は何が何でも、公立病院や公的病院
(日赤や厚生病院)は潰さない。
という方向のようなんですけど。
半径30キロの中で、病院が一つしかなくて、
しかも療養型の病院。
って地域は、赤字だろうが何だろうが、
それは潰しちゃダメだと思いますよ。
そういうとこは、どうせ救急とかもやって、
時間外の患者も受け入れているんですから。
患者の数に比例して、補助金の額も上げて、
潰さないようにする、というのは大事だと思います。
でも、半径30キロ以内に、病院が10もある。
そんな地域で、公的な病院、いりますか?
なくなっても、他の病院がカバーしますよ。
その病院を維持するために、すごい額の
税金を使っているんですから。
そういうとこの病院は、公的病院といえども、
無理して守る必要はないんじゃないですかね。
歩いて5分で行けたのに、車で5分になって
不便になった、っていう人もいるんでしょうけど。
そのくらい、しょうがないじゃないですか。
少しでも不便になったら許さない。
でも、医療費や税金が上がるのはイヤだ。
っていうのは、たんなる「わがまま」ですよ。
いろんなやり方があるとは思いますが。
とりあえず、「何でもやってもらう」
っていうのはかなり効率が悪い事なんで。
そういう方向に行かないで欲しいですね。
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構想日本の「事業仕分け」を真似して、
「国による事業仕分け」っていうのを
民主党がやっているんですけど。
これって、どうなんでしょう?
議論を公開する、っていう事自体は
良いとは思うんですけど。
明らかに「財務省主導」で、
削減っていう結論ありきでやってますよね。
民主党は、「官僚主導から政治主導へ」
って言っていますけど。
完全に「政治主導ではなく、財務省主導」
になちゃってますよ、これ。
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私は医者で、現場でばりばり働いていますから。
医療に関しては専門ですから。
医療以外の事に関しては、
さほど詳しくはないんですけど。
はっきり言って、素人が診療報酬とか
無駄がどうだとか言ってるだけでしょ。
他の分野でもそうなんでしょうね、きっと。
民主党のマニュフェストでは、
『民主党:Manifesto2009』
「マニフェストの工程」ってとこの、
「医療・介護の再生」
医師不足の解消、
新型インフルエンザ対策等、
介護労働者の待遇改
ここでは
平成25年度までに、1.6兆円
って書いてありますけど。
これが全部医療費っていう訳ではないんでしょうけど。
医療費を増やす、って事じゃないんですか、要は。
もっと細かく見ていくと、
22.医療崩壊を食い止め、
国民に質の高い医療サービスを提供する
【政策目的】
○医療従事者等を増員し、質を高めることで、
国民に質の高い医療サービスを安定的に提供する。
○特に救急、産科、小児、外科等の
医療提供体制を再建し、国民の不安を軽減する。
【具体策】
○自公政権が続けてきた社会保障費
2200億円の削減方針は撤回する。
医師・看護師・その他の医療従事者の増員に努める
医療機関の診療報酬(入院)を増額する。
○OECD平均の人口当たり医師数を目指し、
医師養成数を1.5倍にする。
とも書いてありますよ。
補助金は減らす方向って事なんですから。
誰がどう見ても、診療報酬は増やす、
という事だと思いますが。
医療崩壊の原因は医療費抑制政策のせいだ。
って事は、民主党の議員の皆さんも
選挙前にたくさん言っていたと思いますけど。
どうやら、診療報酬には無駄が多いから、
診療報酬は削減しろ。
っていう結論になったようですけどねー。
「財務省」主導の事業仕分けでは。
「官僚主導から政治主導へ」というのであれば、
事業仕分けで出た結論と
実際にはどうなるのか。
政治の力っていうのを、見てみたいですね。
「経済財政諮問会議」が諸悪の根源だ。
って言っていた民主党の議員も多いですけど。
これだけ見ると、「行政刷新会議の事業仕分け」
よりはまし、って感じでしょうか。
伊関先生は「ネオ小泉政権(改革)」
と呼んでいるみたいですけど。
『民主党政権=ネオ小泉政権か?』
「えせ小泉改革」とか「劣化小泉改革」
っていう方が適切かもしれませんね。
政権担当能力に関しては、正直言って、
民主党よりは自民党の方がはるかに上。
という事は百も承知なんですが。
自民党独裁が続いたから、非自民政権になれば、
癒着とかが離れて良くなる可能性がある。
政権交代があれば、前の政権でやっていた時の
腐敗が明るみにでるから、変な事は出来ないぞ。
と考える人たちが出たりすれば、
それで日本が良い方向に行くかもしれないなー。
という意味で、少しは民主党政権というか、
政権交代に期待はしていたのですが。
やっぱ、政権担当能力がない民主党には
無理だったんでしょうかねー。
政党支持率も、最初は70%だったのが、
2ヶ月で60%に落ちていますね。
多分、このペースであと4ヶ月くらいで、
40%くらいまで落ちると思いますよ。
鳩山首相の言動もぶれまくりだけど。
麻生前首相の時はぼろくそ言われていたけど、
まだ全然マスコミで叩かれていないけど。
支持率落ちたら、マスコミなんか
手のひら返しますからね、すぐに。
そうなった時、どうなるか見ものですね。
と、話は少しそれてしまいましたが。
今回は、久しぶりに伊関友伸先生が
民主党政権の「事業仕分け」に関して
気合の入った記事を書かれていて、
私も同感だったので、紹介させていただきますね。
『伊関友伸のブログ』
からです。
いつもお世話になっております。
民主党政権の「事業仕分け」への疑問
11月13日(金)の自治体病院学会の
臨床医学分科会での講演で懸念を示したが、
民主党政権の地域医療に関する姿勢に、
危機感を覚えている。
現在、行政刷新会議行われている事業仕分けは、
マスコミの一部で懸念が示されているが、
財務省主導の、先に予算削減の結論ありきの
非常に乱暴な政治ショーと感じた。
伊関は、地域医療を研究する以前は、
行政評価を研究していた。
外部の人間が入って、行政の活動を評価して、
行政の質を高めることは必要だ。
しかし、外部の人間は、
行政の活動についての情報は少ない。
そのような中で、コストによる判断は、
事業を廃止し、「予算削減」すべきという
結論を下すだけでよく、比較的しやすい。
しかし、単に「予算削減」をするだけでは、
問題の本質的な解決につながらないことも多い。
担当者と第3者の議論の中で、
問題が起きている本質を深く掘り下げることが必要だ。
今回の事業仕分けの場合、資料が財務省から出され、
少ない時間で、悪者=官僚、
正義の味方=仕分け人という、舞台設定の中で、
一方的に仕分け人が、官僚を叩く
という構図になっている。
これでは、官僚から、根本的な問題解決の
情報が出ることはなく、議論が深まることはない。
実際、「診療報酬の配分」では、勤務医と開業医、
あるいは診療科間の給与格差を平準化すべきで、
見直しをすべきとされた。
この結果を踏まえ、財務省は、
今回の診療報酬改定でマイナス改定を求めるようだ。
(以下引用)
診療報酬改定、攻防が本格化
財務省、2~3%下げ要求へ
日本経済新聞 2009年11月15日
財務省は2010年度予算編成で、
公的保険や患者が医療機関に支払う
診療報酬を2~3%引き下げるよう求める方針だ。
行政刷新会議の事業仕分けで、眼科など
収入が高い診療科への配分や薬価の引き下げを
求める判断が出たことを重視。
同報酬を下げても、医師不足などの
課題に対応できると判断した。
ただ、引き上げを求めている厚生労働省が
反発するのは必至。
年内決着に向けた攻防は難航が避けられない。
『日本経済新聞 2009年11月15日』
(引用終わり)
事業仕分けでは、「医師確保、救急・
周産期医療対策の補助金等」についても
予算要求の縮減が多数を占め、2010年度
予算要求額が半額に縮減された。
医療崩壊が進む中で、本当に、
このようなやり方で政策が決定されて良いのか疑問に思う。
公開は必要であろう。
しかし、その場合、十分な資料の提供と、
対立を全面に出さない、落ち着いた
議論が必要であると考える。
問題解決には、議論する関係者の
信頼関係と問題の本質を探る
深い議論が必要と考える。
今回の国の事業仕分けは、
そのようなものから一番遠いところにある。
筆者は、かつて神奈川県の綾瀬市の
外部評価委員の委員長をつとめたことがある。
「広域救急医療確保対策事業」について、
予算削減を求める事務局に対し、
担当課との議論の中で、問題の本質が別な点にある
(休日夜間診療所の周知不足による利用低迷)
ことが判明した例である。
休日夜間診療所の利用者増対策については、
拙著「まちの病院がなくなる!?」
77頁以下で議論をしているので、ご覧いただきたい。
綾瀬市の外部評価についてのブログ
(行政経営フォーラム時代のブログで、
現在は削除している)を再掲する。
旧伊関友伸のブログ
綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)
伊関が委員長をしている綾瀬市の
外部評価の結果が公開された。
「綾瀬市外部評価(2006年4月3日~5日)」
最近、評価を行う場合、外部の委員を入れた
評価を行う自治体が増えている。
市民が委員に入るケースも多い。
綾瀬市における行政評価は、平成16年度から
事務事業レベルで実施されてきた。
今回の外部評価は、笠間城治郎市長の
選挙公約に基づき、
平成17年度から導入がなされた。
評価は公募の市民2名を含めた5名の
外部委員により、延べ3日に渡って行われた。
既に外部評価を行っている自治体の例を見ると、
外部評価者と事務の担当課との間に、
考え方に大きな隔たりがあり、「見解の相違」を
埋めることができないという例も多い。
綾瀬市の外部評価の実施に当たっては、
担当課と外部評価者が対立するのではなく、
ともに綾瀬市の行政の
仕事の質を向上していくためには
何が必要なのかを議論することに重点を置いた。
外部委員も全く事業の情報を知らずに
ヒアリングを行うのではなく、事前に時間を取って
議論をし、担当課とのヒアリングに臨んだ。
担当課や評価委員の間でも、
単に担当者を批判するのではなく、
「そもそもその仕事は何のために行うのか?」
「現在の担当課の仕事の課題は何か?」
について、担当課と委員が共通の土台で
意見を交わすことを目指している。
外部評価の具体例を一つ紹介したい。
小児救急医療に関しての行政の担当の
考え方がよく分かる実例だ。
『広域救急医療確保対策事業』
の6頁にある
図は、外部評価を行って委員会でまとめた報告書
(広域救急医療確保対策事業)の一部である。
外部評価に当たって、綾瀬市役所内の
庁内評価委員会が問題としたのは、
「休日急患センターの内科の利用状況が、
負担金の支出状況に比べて低い。
共同運営をする他市に対して、
負担金の金額を減らせ」
というものであった。
しかし、担当課と議論をしているうちに、
問題はもっと別の点にあることが分かってきた。
すなわち、この事業の最大の問題は、
小児救急の利用が少ない(2次輪番病院の
負担が減っていない)ということであった。
このブログでも再三議論しているように、現在、
全国の病院で、医師不足により、
小児科や産科などの診療の中止が相次いでいる。
綾瀬市周辺の県央地区は、私立の
海老名総合病院と相模台病院が
2次輪番病院として小児救急医療を担っている。
しかし、2次輪番の中核的な病院である
海老名総合病院でも、小児科常勤医が7人から
6人に減員された上に、患者は急増し、
パンク寸前にあるという。
相模台病院でも厳しい事情は同じだ。
周辺市では、2次輪番病院の負担を軽減するために
共同し、座間市内に
小児救急患者センターを設置している。
しかし、親の大病院指向は強く、利用者である
委員の方の話しでは、海老名総合病院の
混雑は変わっていないそうだ。
その一方、小児救急患者センターは、
未だ比較的すいていて、
余裕があるということであった。
(後で海老名総合病院の小児科のHPを見ると、
パンク状態なので、小児救急患者センターへの
受診を訴えていた)
委員の議論の中で、「親は座間市
小児救急患者センターを知らないのではないか」
「綾瀬からの案内看板なども分かりにくい」
「親への働きかけも少ない」
「そもそも親の意識調査をしていない
親へのマーケッティングが必要だ」
という意見が出された。
2次輪番病院の努力だけに甘えていると、
地域の小児救急が崩壊する危険性が高い。
評価担当課は、全くそのような
危機感は少ないように感じた。
事業担当課もどのようにして
良いか分からないのであろう。
外部評価委員会では、
「2次救急医療機関の医療資源に
余裕を持たすためにも、
更なる1次医療機関への患者の
誘導は重要な課題であり、
本事業の小児救急患者センターへの
患者の誘導が必要」
という意見を示すこととした。
綾瀬市役所だけの事業評価では、
本質的な問題の発見ができない
典型的な例であった。
事務職員は、小手先のコストにしか目が向かない。
そのこと自体が問題である。
外部評価者は、評価を公表することによって、
市民や議会の方々、
そして実際に仕事を行う担当課の
方々から評価を受けることになる。
自分を絶対正義の高みに置いて、
批判するのでは、
相手も納得できないであろう。
外部評価において、ヒアリングを
一方的なものとしないために、
各担当者から意見をいただいた。
ただ、記名アンケートのため、担当者の
「本音」かというと限界がある。
担当者の意見の一部
○市とサービス利用者との話合いは、
ややもするとサービス利用者の感情に左右される
意見により、議論が平行線と
なってしまう傾向があります。
しかし、今回は、福祉サービスのあるべき姿
について、客観的に幅広く論議でき、
また、評価委員についても、
大変豊かな人間性が感じられ、
忌憚のない意見の交換ができたと思います。
○一方的に外部評価委員の意見
(講評)を聞くのではなく、
担当課の意見(事業を進めていく上での
メリット、デメリット)も十分聞きながら、
ヒアリングを行っていただいたので、
有意義であった。
○外部評価委員会の設置の趣旨は
十分承知しているつもりです。
しかし、私が障害担当であるから
言うのかもしれませんが、
市の事業は全て健康な人で
行われているものではありません。
また、障害者の方でも、全てに係ることが
基本的にあると思われます。
そうした中で、ハンディの分、どうしても制約を
受けてしまうものについて補う事業が、
障害者制度であると思います。
今回の委員については、健康な人であり、
障害者制度の評価をするのに、
少し不公平な部分を感じました。
委員の構成としては、障害者の方を
委員として取り入れた中で
評価を受ける形であれば理解できる。
『民主党政権の「事業仕分け」への疑問』
医療崩壊の原因は、
医療費と医師数を減らしたこと。
そして、医療の現場を知らない人が
医療政策を作ったこと。
これだと思うんですが。
民主党も、全く同じ事をやろうとしていますね。
マニュフェストに書いてある、
「医療崩壊を食い止め、
国民に質の高い医療サービスを提供する」
ってのは、完全に綺麗ごとになりそうですね。
国民が民主党に期待した
「天下り根絶」に関しても、
最初からぶれまくりだし。
医療や年金に関しても、
期待できませんかねー、残念ながら。
外交に関しては、最初から
誰も期待していないとして。
10月の段階から、民主党政権は
財務省の言いなりだ。
っていう内部の話は聞いていたのですが。
完全に表に出てきちゃいましたね。
さーて、どうなりますかね。
今後の民主党政権。
参議院選は一年後だから、その位までは
民主党の勢いは続くかなー。
とか思っていたのですが。
今のペースだと、民主党の勢い
それまでに完全に落ちちゃいますよね。
来年も、選挙おもしろくなるかもね。
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