2006.11.25 17:30 |  生活 / くらし  |  その他(医療関連)  |  Dr. NA-O-RE  | 推薦数 : 2

手術予定となって

この1週間の出来事…。

先日の日曜日、前任地の病院の消化器内科医仲間3人(先輩2人と同期1人)がお見舞いに訪れてくれた。その病院での6年間の経験が私の今の医師としての姿勢、技術の中核になっている。今よりも若かりし頃の多忙な中にも切磋琢磨しがんばっていた日々を思い出し、少しばかり療養生活にうんざりしていた所に、喝を入れてもらった気がする。

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そして11月20日月曜日、3コースめの化学療法後の効果判定のCT撮影があった。結果は良好!胃原発巣もさらに縮小し、肝転移巣も画像上はさらにはっきりしなくなっていた。腹部エコー上も肝転移巣は見当たらない状態…。
消化器外科部長とも相談し、12月上旬に幽門側胃切除術を予定することになった。
手術の予定となって、気分は少し複雑である。敵は本丸(胃)に追いつめた。この流れでさらに一気に攻め込む(手術)か、敵との共存を図るか…。今回のCTの前から「次は手術」と心に決めながら、このまま内科的治療と自然療法(食養生)でのがんの退縮・治癒を信じていくのも(ガン持ちのままでも)悪くないかもしれないとの思いもあった。
私の場合、病期Ⅳでありガイドライン上は積極的な手術適応ではない。しかし化学療法は著効しており、原発巣を摘除した上で内科的治療と食養生を続ければさらに効果的とも考えられる。
賭けではあるが、多くの消化器病専門の先輩、同期の仲間も手術を勧めてくれており、さらに今までのところ、多くの人に支えられながら、祈ってもらいながら、自分の選択した方向でうまくいっており、今回もきっとうまくいくと信じて、手術に臨もうと思っている。
このままいくと職場復帰は2月になるかな…。
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さて、火曜日には、妻の大親友2人が来てくれた。かつての看護師仲間である。私の発病時からいっぱい妻を、そして私を励ましてくれた。いつ会っても笑いの絶えない仲間同士、あっという間に楽しい時間が過ぎた。

水曜日から木曜日にかけては、間もなく1才となる息子と2人で私の実家に帰省した。実家までは車で2時間ほどだが、離れて暮らしているため、私の発病からずっと、父母は何かと気を揉んでいるようであった。
私が患者本人で、かつ担当医でもあるという状況のため、家族にしてみれば病状を第3者に詳しく聞く機会が無かったと言える。発病当初は私自身も動揺があり、家族に十分説明できなかった。それでも妻は私の横にいて状況を徐々に受け入れられたと思うが、逆に両親、特に母は療養生活が長くなるにつれ、「そんなに悪い状態なのか?」という疑念・不安が強くなっているようであった。
母には改めて、図入りの胃がん治療の一般向け解説書を持参しておおまかに病状を説明し、「体調も良好で治療も順調に進んでいる。」と話をした。そして私たち夫婦が読んで勇気をもらった「幸せはガンがくれた」(川竹文夫著)を読んでみるよう勧めてきた。実際には、元気に職場復帰するくらいまでにならないと本当に両親の心配をぬぐい去ることはできないと思うのだけれど…。

金曜日は14回目のハイパーサーミア(がんの温熱療法)を受けにいってきた。このハイパーサーミアの体験については次の入院までにブログに投稿したいと思っている。

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2006.11.17 15:14 |  生活 / くらし  |  Dr. NA-O-RE  | 推薦数 : 2

ニコニコ元気!

前回勇んでブログを書きながらまだ厚労省に意見書を送れずにいます。昔から仕事が遅くて…。

さて、最近の我が家の流行り言葉は、「私はツイテル ニコニコ 元氣。ツイテル ツイテル ニコニコ 元氣!」。主に妻が口ずさみ、つられて5才の娘が踊りながら声に出し、その横で私がニヤリ。時折「パパも言いなよ!楽しいよ〜」と妻が言い、続いて娘に「そうだよ、いいなシャイよ〜」と促され、私も一緒に口ずさんでいます。発病当初より笑うが一番と人にも勧められていましたが、たまたま書店で目にとまった「人生を変える笑顔のつくり方」(野坂礼子著 PHP研究所)という本に、運を良くするお勧めの合言葉としてこの言葉が載っていました。本はまだきちんと読まないまま、合言葉は我が家の生活の中に取り込まれています。何気ない言葉でも繰り返して声に出しているうちに、その気になってくる、そんな感じです。

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このブログを書き始めて、いろいろ考えているうちに、何か行政の方に自分の考えを届けられないかと思い始めました。 安倍政権になって、教育基本法の改正なんかのことも気になったので、首相官邸のホームページにアクセスしてみると、”ご意見募集”のページを見つけました。
最初は、”教育の見直しは大事だが、価値観や道徳観を押し流してしまうほどのコマーシャルやメディアからの情報の氾濫に対処する知恵を教えないと、単に道徳教育を徹底するだけではだめではないか”と言う風なことを送信してみました。
次にブログ(”がんとの共存”考)にも書きましたが、長期療養を要するがん患者に対する経済的支援はぜひ必要と考えましたので、次のような意見を送信してみました。
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テーマ    :がん医療について
本文: 医師をしておりますが、昨今がんの患者さんが急増している印象があります。進行癌、再発癌の治療は費用もかかり長期に及ぶことが多く、難治性の慢性疾患ととらえる必要があると考えます。「治す」ための施策も重要ですが、病気を抱えたままでも安心して療養ができる施策も是非必要です。例えば3ヶ月以上に及ぶがんの療養に対して公的補助が受けられるような施策があれば、患者さん・ご家族の救いになると思います。
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そうしたところ、昨日、厚生労働省健康局総務課がん対策推進室より、現在、がん対策の推進に関する意見募集をしているので、改めて1200字程度に意見をまとめて送ってくださいというメールが届きました。実際、厚労省のホームページ上でも意見募集のページを見つけました。
http://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/index.html
誰でも応募できるようです(11/30まで受付)。
どこまで取り上げてくれるか分かりませんが、意見をもう少し練って送ってみようと思います。この際、政府のがん対策に意見、要望がある方もどんどん意見を送ってみませんか?
蛇足かも知れませんが、先日、「がん患者学Ⅱ」(柳原和子著、中公文庫)という本に収録されている、著者と石川寛俊氏(多くの医療過誤、薬害訴訟に取り組む弁護士)との対談の中に石川氏のこんな発言を見つけました。「…医療とは長年の人類の知恵の結集であり、社会遺産、文化遺産と考えるべきではないでしょうか。…(中略)…批判は簡単です。いくらでも悪いことがあるだろう。しかし、批判は育てるために行わなければ意味が無いのです。…」渦巻く医療批判もあり、官僚批判もある。しかし医療も官僚も社会には必要です。この国に生きる市民として建設的な意見や批判を発信することも考えねば、と思っていたところに今回の厚労省からのメールが来たので、勇んでブログを書いてしまいました。

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2006.11.09 15:00 |  生活 / くらし  |  Dr. NA-O-RE  | 推薦数 : 2

直島の思い出

先週末は妹一家が我が家に立ち寄ってくれました。
その次の日は大学消化器内科の同期2人が遠路はるばる見舞いに立ち寄ってくれました。
体調も良く、世の中のことを嘆いたり、驚いたり、たわいない雑談の中、心地よい時間が過ぎました…。
**********
今回は1コースめの化学療法の休薬期間に行った直島旅行のことを…。
8月、いろいろな意味で混乱の中、治療に突入して間もなく、妻が気分転換に治療の合間に近くに旅行に行こうと言い出した。休薬期間と言ってもその間に白血球数が極端に下がるかもしれないし、第一、病欠で同僚に迷惑をかけているのに自分はのんびり旅行というのも気が引けた。しかし、妻は「そんなこと、気にしなくても大丈夫、大丈夫!」と言う。妻も気分一新したかったのだろう、そして思い出を作っておきたいという想いもあったのだと思う。(ちなみに私の血液型はA型、妻はB型で、お互いそれぞれの血液型の典型的な性格と自負している。)
結局行ってみようかということになり、直島(なおしま)に行く事になった。香川県の北、瀬戸内海に浮かぶ小さな島、安藤忠雄氏設計の宿泊施設ベネッセハウスやベネッセミュージアム、地中美術館を中心に屋外にも現代アートの作品が展示され、今や海外からも芸術家や観光客が訪れるアートの島である。私達家族は2年程前に香川県に越して来た。その頃から一度行ってみようと話していた島であった。
幸いベネッセハウスの予約も取れ、9月初旬にフェリーに乗って直島を訪れた。まず海沿いのホテルの部屋から見える瀬戸内海の風景に感動した。大海原ではない、向こうに高松市の町並みが小さくではあるが見えるほどの内海なのに、心が解放されるような、温かな大きさを感じた。そして地中美術館は不思議な空間だった。山の中に埋もれるように作られたコンクリート打ち放しの建造物のなかにいくつかの絵画とオブジェが展示されている。照明は無く、天窓からの自然の光が作品を照らし出す。天窓を通して見える空も神秘的な作品の様に感じられる。一方、暗闇の中に浮かぶ青い窓の様に見える作品があったが、階段を登ってその窓の様なところに足を踏み入れると、境界の分からない薄青い光に包まれた空間が広がっていた。空間に吸い込まれるという今まで感じたことの無いような感覚…。「面白いなー、才能ってあるんだなー」と心から感じた。ベネッセミュージアムも、建物が先にあって作品を展示しているのではなく、作品を生かすように空間が作られているという印象の美術館だった。そして屋外の作品を巡り、海辺を散策…、癒しの空間と時間。
思えば、世の中の風景や価値観の急激な変化、効率が優先され、便利なはずなのに忙殺される毎日…。最近は、世の中に魅力が感じられず、いつの間にか生きる意味や価値も見失いがちで、もうそんなに長生きもしたくはないなと思っていた様に思う。
今回、小さな島の風景や町並みに感動をもらい、未体験であった”才能”に感動をもらい、「生きる価値はある!」と思えた。世の中捨てたものじゃない、まだまだ体験したことの無い”生きているからこそ得られる感動”がある…。生きようとするエネルギーをもらえた1泊2日の小旅行でした。

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2006.11.02 17:55 |  生活 / くらし  |  その他(医療関連)  |  Dr. NA-O-RE  | 推薦数 : 2

帰ってきました

先週木曜日に入院して、今週月曜日に退院してきました。
何と言うか、やはりシスプラチンの点滴はしんどい…。過去2回、点滴は経験済みですが、点滴後2〜3日は憑き物がついたようにぐったりとしてしまいます。今回は吐くことは無かったものの、前回までの記憶が甦るのか病院食がくるとムカッと来る。差し入れのおにぎりやサンドイッチは食べられるのに…。”治ると信じて治療に取り組むぞ”という気力まで萎えてしまいそうになります。
でも退院して3日経ち、また元気になってきました。入院中、実家の両親に預かってもらっていた0才11ヶ月の息子も、さらにパワーアップして帰ってきましたし、賑やかさの中に元気をもらう毎日に戻りつつあります。
元気に職場復帰できたら、自然治癒力の誘導・強化をした上で、副作用の出ない少量の抗がん剤投与をするというような、身体に優しい治療法を模索したい…とぼんやり考えています。

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