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政財界に、この「病」が急速に蔓延している。奥田元日本経団連会長時代、UFJ銀行やトーメンなどの大型の救済案件が相次いでトヨタに持ち込まれた。道路公団、郵政公社の民営化といった厄介な問題の後始末は事実上、財界総理たる奥田会長に託された。デフレで青息吐息だった産業界には国事を考える余裕はなく、トヨタ頼みが加速した。
依存症は、奥田会長が退き、景気拡大にわく今も、深まっている。NHK理事の人事はその最たる例だ。
信頼回復運動の一環として民間から理事採用に動いたNHKが昨年末、まず接触したのがトヨタだった。その後、再度の不祥事が発覚し、いったん交渉は決裂したが、NHKから依頼された他の企業が相次いで断ったことから、橋本元一NHK会長が自らトヨタに再度頭を下げて、実現した。「火中の栗はトヨタに任せる」という姿勢は政財界に蔓延している。
一産業に傾斜すれば、流れが変わった時に危ない。そのリスクは、トヨタ誘致前の1930年代に豊田市が養蚕産業の没落で経験したことでもある。
寄らば大樹の陰の発想は国を滅ぼす前兆だ。
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