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2006.12.05 17:53 |  海外留学  |  お金 / 株  |  その他(一般)  |  沖縄の海  | 推薦数 : 0

アメリカの横暴

 貧しい国々が市場を開放すれば繁栄が訪れると、アメリカ人は考えたがる。残念ながら農業に関しては、これは言葉のうえの話しにすぎない。アメリカは自由市場の理念にリップサービスしているだけで、実際には、その正反対のことを要求するワシントンのロビイストや選挙献金者に味方しているのである。

 事実、貧しい国々に成長を促進する新たな機会を与えるはずだったいわゆるドーハ・ラウンドを、少なくとも今のところは葬るのにひと役買ったのが、アメリカの自国内への農業補助金だった。 

 補助金は産出量の増加につながり、ひいてはグローバル価格の下落につながるため、開発途上国の農業に打撃を与える。ブッシュ政権は、確か世界中の市場を自由化することにコミットしているはずだが、実際にはアメリカの農業補助金のレベルをほぼ2倍に引き上げた。

 綿花はこの問題を如実に示している。補助金がなければアメリカ人が大量の綿花を生産することは引き合わないが、補助金があるおかげでアメリカは世界最大の綿花輸出国になっている。

 約25000軒の富裕なアメリカの綿花栽培農家が30億ドルないし40億ドルの補助金を分け合っており、しかもそのカネのほとんどは、それらの農家のごく一部の手に渡っている。供給の増加は綿花価格を押し下げて、サハラ以南アフリカだけで約1000万軒の農家に打撃を与えている。

 これほど少数の者がこれほど多くの者にこれほど大きな打撃を与えるというのは、めったにないことだ。アメリカの貿易補助金がドーハ・ラウンド崩壊の大きな原因になったことを考えると、その打撃はさらに大きい。

 アメリカの頑なな姿勢の業を煮やしたブラジルが、アメリカの綿花補助金は協定違反であるとしてWTO(世界貿易機関)に提訴し、WTOはあらゆるエコノミストが下すと思われる裁定、つまりこの補助金は世界貿易を歪めており、したがって禁止するという裁定を下した。

 消費がほとんど増えないなかで補助金のために生産が増大したら、農産物において典型的なかたちで見られるように、産出量の増加は即、輸出の増加となり、輸出の増加はとりもなおさず、生産者にとっては価格の低下、農家にとっては所得の低下、そして半乾燥地帯の厳しい条件の下でぎりぎりの所得で暮らしている何百万軒もの綿花農家を含む第三世界にとっては、貧困の増加となるのである。

 貧困が削減され、絶望に直面する人が少なくならない限り、政治的不安定がテロを引き起こす。

ブッシュ政権が保護主義的政策を採りながら表向きは市場開放を唱えるという偽善をおこなってきたことが、事態を悪化させた。

 

 世界的な格差社会はアメリカだけが作り出しているとは言わないが、農業部門だけ考えてもかなりの責任があると思うが。

引用:週間ダイヤモンド12月9日号

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