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1963年ケネディ大統領は有名な精神医療改革を断行した。
それにより脱精神科病院化(大解放)を急速に推し進めた。その趣旨は1963年2月5日付けアメリカ合衆国議会に提出した「精神病及び精神薄弱に関する教書」に述べられている。病院での長期入院治療から地域での医療やケアへの大転換であった。高く掲げた理想は誠にケネディらしくりっぱであった。
しかしあまりに性急に大解放は実行された。全国55万床の精神病床を3年間で15万床にする計画を立て本当に実行した。ケネディから意見を求められた精神科医は「20年計画ならば、現実的だが・・・」と答えたそうだ。
性急な大解放後のアメリカ精神医療がどうなったか。
病院から退院させられた患者の大多数は地域医療・ケアの中核となるべく設立された精神医療センターには現れなかった。退院した患者の多くはホームレスになり、一部はギャングや非行少年にかこわれて最低の生活条件を与えられながら、それ以上の生活保護費をピンハネされるようになった。さらにレーガン政権時代には地域保健センターへの補助金打ち切りとなり一部州以外は閉鎖されてしまった。
民間健康保険を主体とする医療保険は査定が厳しく、新しい患者に関しては3週間以上の入院はその理由を厳しく詮議し、心理療法については看護師がその資格を持っており、医師より安価なため、保険の査定員は患者に医師の精神療法から看護師の心理療法に乗り換えるように勧めた。査定員に会うことは医師の少なからぬ部分を占め、結局医師が処方し看護師が心理面を受け持つようになった。こうしてアメリカでの精神医学は魅力を失っていき医師の精神科医志望者は数分の一に激減していった。
今急速に行われている医療改革は本当に役立つのか。陰の部分が大きすぎるのではないだろうか。
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