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『将来医療、保健の専門家を目指す学生の喫煙率を調べたところ、歯学部生は男性62%、女性35%で最も高く、患者の喫煙に関しても比較的寛容であることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。また、女性に限定すると全学部で全国平均を上回っていた。』
さらに『将来患者を指導する立場として、学生のうちから喫煙の影響についてしっかり学ぶ必要がある』としている、とのコメントが紹介されていました。
確かに、医療系学生は将来、喫煙関連疾患を治療する立場であり、喫煙しないのはプロとして至極当然と言えます。これはスポーツ指導者や教師と同じですし、さらに厳しくて然りです。記事にも記載されている通り、喫煙する医療者は「喫煙する患者さんに寛容」というのも正しいと思います。
私はこの記事をみてまず、学生のカリキュラムとして「喫煙防止・喫煙の害・禁煙の方法」の教育がすべての学生に必要になっていると思いました。信じられないと思われる方もおられると思いますが、タバコの害がこれほど判明した今でも、医療系大学で喫煙についての授業がないところの方が多いのです。政策として、知識の強化(「喫煙と禁煙の科学」)を必須事項とすべきだと思います。
一般の方には「医療者の卵」でありながら、というご意見もあると思います。しかし、彼等もまた「普通の学生」なのです。社会における喫煙(容認)環境により、知らない間になんとなく(罪の意識もなく)未成年のうちに喫煙を始め(タバコは子どもが吸うもの?)、ニコチン依存のためやめられなくなっているのでしょう。
医療系学生の喫煙率が高いことは、喫煙する患者さんの禁煙支援がおろそかになり、医療費をさらに押し上げることになります。そして多くの税金を投入して育成した「国の財産」としての医療者の寿命も縮めてしまいます。医療系学生の喫煙率を減らすことは、日本の医療の将来を決める重大事項の1つと言えるのではないでしょうか。
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学生の喫煙率を下げる手立てとして、以下のことを提案したいと思います。
(1)小学生から高校までの継続的な喫煙防止教育
なんと言っても喫煙を始める前、できるだけ早めに正しい知識を、繰り返し、教えることが重要です。
(2)入学時オリエンテーションと高学年時に「喫煙の害・喫煙防止・禁煙の方法」を取り入れることを義務化
学生時代に専門的な詳しい知識を与え、将に吸い始めようとしている学生の喫煙開始を水際で防止することです。また、すでに喫煙している学生には、禁煙のための正しい方法を教え、ニコチン依存の程度に応じてニコチン代替療法を積極的に導入します。もちろん、「喫煙が喫煙者の自由意志ではない」こともしっかり教える必要があるでしょう。
(3)学校敷地の完全禁煙化
喫煙は「伝染」します(親の喫煙は子どもに“伝染”する)。社会の雰囲気により、若者は喫煙へ向かったり、禁煙に向かったりします。普段生活するキャンパスが禁煙になれば、若者は否応なく禁煙に向かいます(社会の禁煙化を推進する)。未成年者がたくさんいますし、受動喫煙防止の観点からも必要でしょう。キャンパスを禁煙にするのに、抵抗する人々がいます(喫煙する「権利」の前に「義務」がある)。多くは喫煙する大学職員です。彼等もまたニコチン依存のために、キャンパスが禁煙になることを無意識に恐れるのです。しかし、彼等の禁煙(体)のためにも、禁煙は重要です。
(4)社会の目を一層厳しく
KY(空気読めない)というのが流行語のようですが、「社会の雰囲気(空気)」は重要です。前述したことと相反するようですが、医療系学生が喫煙しているとき、「普通の学生」であることを認識しながらも「医師・歯科医師・ナース・栄養士の卵なのに」という雰囲気を教えることも、社会から要請されていることを実感することにつながるのではないか、と考えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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参照記事
喫煙:男女とも歯学部生が高率 医療系学生で 厚労省調査
男女別喫煙率
将来医療、保健の専門家を目指す学生の喫煙率を調べたところ、歯学部生は男性62%、女性35%で最も高く、患者の喫煙に関しても比較的寛容であることが、厚生労働省研究班の調査で分かった。また、女性に限定すると全学部で全国平均を上回っていた。喫煙は歯周病を発症、悪化させる危険因子としても知られる。主任研究者の林謙治・国立保健医療科学院次長は「将来患者を指導する立場として、学生のうちから喫煙の影響についてしっかり学ぶ必要がある」としている。
研究班は昨年12月、保健医療分野の学部、学科を持つ大学のうち、協力を得られた医学部19校、歯学部8校、看護学部28校、栄養学部13校の学生を対象にアンケートを実施。各学部の4年生計6312人(医1590人、歯677人、看護2545人、栄養1500人)から回答を得た。
喫煙率は歯学部が最も高く54%。次いで医学部36%(男性39%、女性23%)、看護学部32%(男性47%、女性30%)、栄養学部27%(男性40%、女性25%)。05年度の国民健康・栄養調査によると、20代の喫煙率は男性49%、女性19%で、歯学部は男女とも平均を上回っていた。
喫煙者を対象に、ニコチン依存症の指標となる質問をしたところ、「起床後30分以内の喫煙」をすると答えた学生の割合は医58%、歯53%、看護29%、栄養24%。他の質問でも同様の傾向で、医歯学部生の喫煙者にニコチン依存症が多い可能性があるという。
一方、自らの喫煙について「保健、医療を学ぶ学生の立場上喫煙してはならない」と答えた人は、医、歯、栄養の各学部で6割を超え、将来の専門家としての自覚は高かった。だが、患者の喫煙に関し「患者の自由意志にゆだねるべき」と回答したのは、栄養学部が16%と非常に厳しい態度を示したが、医、看護学部はそれぞれ32%、歯学部が47%だった。【大場あい】 毎日新聞 2007年8月20日
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「タバコ、吸っていいですか」
となりの人から聞かれたとき、どうされますか。これまでは「いやだな~」と思いながらも、「あっ、どっ、どうぞ」と答えていた人が多かったことでしょう。
最近は「いえ、私はタバコがきらいです」と言う人も増えてきました。タバコの煙は有害で、受動喫煙で死亡させられることすらあるわけですから、きっぱり断って何の問題もないと思います。
職場の上司などから言われたとき、なかなか断りづらい環境にあります。このように断りにくい状況でも、「吸ってもいいか?」と半ば強制的に質問することを「スモークハラスメント」という人もいます。
そもそも「タバコ、吸っていいですか」、この質問そのものがナンセンスなのです。
タバコの煙は有害で、受動喫煙で病気が起こることがはっきりしています。
「タバコ、吸っていいですか」とは、「あなたを傷つけていいですか」とか「あなたを病気にしていいですか」とか極論を言えば「あなたを殺しても構いませんか」と聞いていることと同じではないかと思います。
病院において、患者さんから「タバコ、吸っていいですか」と聞かれたとき、医師ならどうするか。医学的知識をしっかりもった医師なら、きちんと禁煙の必要性を説くでしょう。誤った知識しかない医師であれば「タバコくらい吸ってもいい」と言うでしょう。どちらが正しい対応か、一目瞭然です。
「タバコ吸っていいですか」、この質問はナンセンスです。ナンセンスであるということが当たり前の無煙社会が、安心安全な社会のための1つの条件だと思います。
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タバコをやめた人の声です。
せきをしなくなって呼吸が楽になった!、痰がでなくなった
体のきつさ(?)がなくなった
ご飯がこんなにおいしかったとは、米の味がわかるようになった
タバコをあくせく買いに行かなくてよくなった
がんの心配がなくなった
家族や子どもからとても喜ばれた
受動喫煙を受けていた子どもから「体が臭くなく吐き気がなくなった」と褒められた
タバコの煙がこんなに臭いとは知らなかった
タバコを実際にやめてみないとわからない「スモークフリー」の世界です。タバコに縛られない世界へようこそ。
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「これだけは知って欲しかった」。
肺がんで亡くなったBryan Curtisさんの言葉です。(He wanted you to know:←このホームページにCurtisさんの亡くなるときの写真が公開されています)
13歳からタバコを吸い始めたCurtisさんは、不幸にも33歳で肺がんで亡くなりました。
Curtisさんはタバコを吸い始めたとき、自分がタバコに殺されることになろうとは思いもしていませんでした。タバコに殺されることに気が付いたCurtisさんは、亡くなるときの写真を公開し、現在タバコを吸っている若い人にタバコの害を伝えたいと考えました。
肺がんは「タバコ病」。国立がんセンターの試算では、肺がんの70%程度はタバコが原因。受動喫煙も入れるとその割合はもっと多くなるでしょう。今後肺がんはさらに増えると考えられています。
「タバコ病」である肺がんは、健康も、仕事も、生活も、友人も、何もかもすべて奪っていきます。
つらく苦しい闘病生活をされたCurtisさんは、やせ細って亡くなりました。私もCurtisさんのような患者さんを多く看取ってきました。動けない、痛い、食欲がない、きつい、身の置所がない、精神的抑うつ。長い闘病生活です。Curtisさんもさぞかしつらかったことでしょう。
患者さんから遺言として言われたことがあります。Curtisさんの最後の望みは、この写真をみた喫煙者が1人でも減り、肺がんで亡くなる人がいなくなることです。
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喘息などで受診した子どもの髪がタバコ臭くて、尋ねるとまず親が家でタバコを吸っています。(たまに子ども自身が吸っていますが・・・(・;)
子どもに有害なガスの受動喫煙を強いるから、やめるようにアドバイスしても実践する親は少数派です。大抵は、「換気扇の下で吸っているから」とか、「トイレでしか吸わないから大丈夫」とか、「空気清浄機を使っている」と、言い訳を言われます。
そんなとき、この論文(Johansson A, et al. Pediatrics, 2004)のデータを示して説明することがあります。
誰もタバコを吸わない家庭で生活する子どもの尿中コチニン濃度(コチニンはタバコの代謝産物の1つで発がん物質です)を1とします。
家族が家の中でところ構わず喫煙する家で生活せざるを得ない子どもの尿中コチニン濃度は15倍です。このような家庭では、おそらく車の中でも恐ろしく高いレベルの受動喫煙を受けているでしょう。
喫煙者が換気扇の下だけで喫煙しても、子どもの尿中コチニン濃度は3倍に達します。換気扇をつけっ放しで、カレーライスを作っても家全体にカレーの匂いがすることからわかるように、換気扇ではすべてのタバコ煙を排除できていないのです。
喫煙者が完全に屋外でしか喫煙しない場合でも、子どもの尿中コチニン濃度は2倍です。吐く息、衣類は当然タバコ臭く、タバコ煙を吸い込んでいることになるのでしょう。誰もタバコを吸わない家の子どもと同レベルにするためには、親が禁煙するしかないのです。
この論文には出てきませんが、空気清浄機はタバコ煙の有害物質を除去できず、使っても全く意味がありません。タバコの有害成分の多くはガスですが、空気清浄機は粒子を除去するフィルターですからです。空気清浄機のお金が無駄なだけです。
子どもは親を選べません。親は、子ども熱やせきには、気をつけ、心配もします。その心配を「子どもへの受動喫煙」と「自分の健康」にも向けてほしいというのが正直な感想です。診察室でのアドバイスに使ってくださるととてもありがたいです。
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公共の場所が禁煙になるとき、必ず登場するのが「喫煙する権利」なるものです。
禁煙になれば「我々がタバコを吸う権利を侵害している!」と。。。
最近は「権利」ばかりを声高に叫ぶ人がいますが、(生存する権利などの人権を除き)「権利」だけ存在することはありません。第一に「義務」、その上にある「権利」です。義務を果たして、初めて権利が生まれます。
「喫煙する際の義務」について考えてみました。以下にようなことになると思います。
1.他人に危害を加えない義務
タバコの煙は有害なガスです。
人が吸い込まさせられると、せき、気管支喘息の悪化、心臓病の悪化、がんの発生など様々な病気を引き起こします。タバコ会社が言うような、単に「タバコの煙が臭くていや」という簡単な問題ではありません。
タバコの煙を、完全に人に吸わさせないようにしてはじめて、「喫煙する権利」が生じます。タバコの煙は気体ですから、同じ空間にいれば必ず拡がります。ただ、場所をわけただけではダメなのです。
こういう風に考えていくと、誰もいないところで吸う場合に限り、いわゆる「喫煙する権利」がはじめて存在するのでしょう。
2.環境を汚染しない義務
ゴミの多くは、タバコのポイ捨て。たくさん排水溝に捨られるため、自然界で分解されないフィルターが海洋に流れ出し、海洋を汚染します。タバコの吸い殻は、海洋汚染原因の第一位。
屋内でタバコを吸えば、屋内の空気は必ず汚染されます。タバコ1本を6畳間で吸うだけで、ホルムアルデヒドの濃度が環境基準の4倍になってしまうそうです。
環境はみんな(公共)のものです。これを汚染しないことも義務の1つでしょう。
路上や学校、公民館などの公共の場で、飲酒が禁止になっても誰も「飲酒をする権利」などとは叫びません。「喫煙する権利」なるものを登場させてまでタバコを吸おうとするのは、ニコチン依存という脳の病気のためなのでしょうか。
「喫煙する権利」の前に「喫煙に際しての義務」を考えると、「喫煙する権利」などという権利は、通常の社会生活では存在しないのではないでしょうか。
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医者には患者さんに悪いことを推奨しないという性(サガ)があります。ヒポクラテスの誓いから (1)害と知る治療法を決して選択しない (2)依頼されても人を殺す薬を与えない。。
タバコが体に悪いことは、今時小学生でも知っています。ところが時に「タバコを吸って何が悪い」と開き直り、患者さんにタバコを推奨する医師がいます。
先日、禁煙になんとか成功した業者の人が、喫煙を始めていました。「何故?」と聞くと、「いや、ある先生から、宴会のときどうしてもタバコを吸うように言われ、断れなかったのですぅ~。それからどうしてもやめられなくなって・・・」と言っておられました。喫煙再発はいつも「1本だけから」始まります。
また、心筋梗塞(一枝病変)をおこして治療しながら、禁煙していた患者さんが「タバコは吸ってもいいですか」と一言尋ねただけで、簡単に、何の根拠もなく、タバコを吸うように言った医師もいました。患者さんは「渡りに船」とばかり、安心してタバコを吸い始めました。
この患者さんは、その後心筋梗塞を再発し、その結果、重症三枝病変、瀕死の状態となりました。
私は怒りを覚えずにはいられませんでした。健康のため禁煙した人を、事もあろうに健康を推進すべき医師が、再喫煙させていたのです。そのため、心臓病のあるこの人は死にかけたのでした。医師としてあるまじき行為です。
医者の中にも、タバコについて誤った考えをもつ者がいる、この誤解は必ず解くことが必要であると思います。
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