財務大臣の国会答弁です。第166回国会財政金融委員会においてJTの最大株主であり、たばこ事業法を所管する財務大臣が答弁しています(議事録はこちら実際のやり取りはこちら)。 以下抜粋と考察です。    

岡本(充)委員「JTのガラハーの買収につきましては・・他国に日本が株式の半分を持つ会社が出ていって、これからたばこ枠組み条約でたばこの危険性を周知しなけりゃいけない、また各地で巨額の損害賠償も起こっている、こんな中、日本がこのガラハーを買収した上で東欧やさらにはこれからの新興国にたばこを売っていこうというのでは、安倍総理が提唱されている、世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国とはならないのではないか」

その通りと思います。日本での制度がどうあれ、他国から見れば、日本政府(国務大臣)が大株主のタバコ企業が、ガラハー(ガラハーはロシアで34%のシェアがあります。ロシアはWHOのFCTCタバコ規制枠組み条約を批准していない唯一の大国です)を買収して、たばこ規制枠組み条約を批准していない東欧やロシアでタバコを売ろうとしていると見えるでしょう。

これでは、中国に無理やりアヘンを売っていた頃のイギリスとどう違うのでしょうか。

尾身国務大臣「株式の取得による企業買収は、JTの、法律上、事前認可事項ではなく、また、会社法上、株主総会議決事項にも該当いたしません。グローバル化するマーケットの中で競争力を高める観点から、株式会社であるJTの自主的経営判断として行われたものであると認識しておりまして、財務省としては、JTの経営判断を尊重して・・」

尾身大臣は、JTの大株主ですが、「JTの経営には何か言える立場にはありません」といっています。しかし、政府は、日本たばこ産業株式会社法という法律を作って、JTの首根っこを抑えています。

(株式) 第二条  政府は、常時、日本たばこ産業株式会社(以下、会社)の成立の時に政府に無償譲渡された会社の株式の総数の二分の一以上に当たる株式を保有していなければならない。
(事業計画) 第九条  会社は、毎事業年度の開始前に、その事業年度の事業計画を定め、財務大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
(重要な財産の譲渡等) 第十一条  会社は、製造工場及びこれに準ずる重要な財産を譲渡し、又は担保に供しようとするときは、財務大臣の認可を受けなければならない。
(監督)第十二条  会社は、財務大臣がこの法律及びたばこ事業法 の定めるところに従い監督する。 財務大臣は、この法律及びたばこ事業法 を施行するため必要があると認めるときは、会社に対し、業務に関し監督上必要な命令をすることができる。

これはいけないと思えば、JTの事業計画に意見を述べることができるわけです。

この法律の条文を読むと、先の答弁はウソだと思います。国会答弁で国民を欺くようなことを。。厚顔無恥とはこのことではないでしょうか。

岡本委員「安倍総理の提唱している美しい国に反すると思わないのかというふうに聞いているわけであります」
尾身国務大臣「思いません」
岡本委員「大臣、日本が他国民の健康を犠牲にしてまで収益を上げる、今後、損害賠償のリスクを負うかもしれない、二兆円を超えるお金を国会の承認もなく買収に使っていく可能性がある、有利子負債を含めればですよ。こういうことを考えると、ある意味、国民の資産でもあるJTの株価が今後暴落する、そういうリスクもある・・」
尾身国務大臣「・・私も木村社長から話を伺っております。 この手続は、JTの自主的経営判断として行われたものでございまして、ギャラハー社は、聞くところによりますと、ヨーロッパの各国あるいはロシア、ウクライナ等におきまして、比較的高いシェアを有しているわけでございます。・・それについてはJTの経営判断にゆだねるべきものであると考えております」
岡本委員「買収にかかる、買収の助言に対する固定手数料、成功報酬、協調融資の組成手数料、メリルリンチ社から約一兆円借りるとされているときの金利、こういったものが幾らになるのか・・」
尾身国務大臣「JTについての基本的な認識が違っておりまして、これは政府の国営企業ではございません・・50%の株を持っておりますが、自主的経営判断を尊重するという考え方であります」
岡本委員「大臣は最大株主であって、他の追随を許さないぐらいの株式の保有割合であります。その中で、その発言では株主として大変無責任だと」
尾身国務大臣「借入金利とか買収助言に対する固定手数料、成功報酬あるいは協調融資の組成手数料等につきましては、個別の契約内容にかかわることでございまして、お答えし得る立場にはございません」

政府・財務大臣が大株主の企業(JT)が、ロシアや東欧でタバコを売ってもうけます。これらの国はまだタバコ対策が進んでいないのでおそらくそれなりに売れるでしょう。しかし、タバコの害が人々に知らされ、多くの人たちがなくなり、それで儲けたJTを人々はどうみるでしょう。やはり「アヘン戦争」を思い出してしまいます。「美しい国」と正反対の「醜い国」。

タバコ産業を支配するのが財務省であることが諸悪の根源ではないでしょうか。

JTが作った資料:ガラハー社買収について
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