< 喫煙する「権利」の前に「義務」がある | メイン | 喫煙者のジレンマ-タバコは思考“変容”品... >

喘息などで受診した子どもの髪がタバコ臭くて、尋ねるとまず親が家でタバコを吸っています。(たまに子ども自身が吸っていますが・・・(・;)

子どもに有害なガス受動喫煙を強いるから、やめるようにアドバイスしても実践する親は少数派です。大抵は、「換気扇の下で吸っているから」とか、「トイレでしか吸わないから大丈夫」とか、「空気清浄機を使っている」と、言い訳を言われます。

そんなとき、この論文(Johansson A, et al. Pediatrics, 2004)のデータを示して説明することがあります。

  1. 誰もタバコを吸わない家庭で生活する子どもの尿中コチニン濃度(コチニンはタバコの代謝産物の1つで発がん物質です)を1とします。

  2. 家族が家の中でところ構わず喫煙する家で生活せざるを得ない子どもの尿中コチニン濃度は15倍です。このような家庭では、おそらく車の中でも恐ろしく高いレベルの受動喫煙を受けているでしょう。

  3. 喫煙者が換気扇の下だけで喫煙しても、子どもの尿中コチニン濃度は3倍に達します。換気扇をつけっ放しで、カレーライスを作っても家全体にカレーの匂いがすることからわかるように、換気扇ではすべてのタバコ煙を排除できていないのです。

  4. 喫煙者が完全に屋外でしか喫煙しない場合でも、子どもの尿中コチニン濃度は2倍です。吐く息、衣類は当然タバコ臭く、タバコ煙を吸い込んでいることになるのでしょう。誰もタバコを吸わない家の子どもと同レベルにするためには、親が禁煙するしかないのです。

この論文には出てきませんが、空気清浄機はタバコ煙の有害物質を除去できず、使っても全く意味がありません。タバコの有害成分の多くはガスですが、空気清浄機は粒子を除去するフィルターですからです。空気清浄機のお金が無駄なだけです。

子どもは親を選べません。親は、子ども熱やせきには、気をつけ、心配もします。その心配を「子どもへの受動喫煙」と「自分の健康」にも向けてほしいというのが正直な感想です。診察室でのアドバイスに使ってくださるととてもありがたいです。

 ⇒“blogランキング" 参考になればクリックお願いします

固定リンク