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チョコ さんからの大事なコメント欄でのご質問に応えそびれていましたm(__)m。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080822/Re___#comments
精神科受診の「適応」か否かということですが...
以前に、入院にも、絶対的なものと相対的なものと、それに積極的なものと消極的なものと、があるなぁ~んて記事を書いたことがありました。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070313/2
それに倣えば(?)、このチョコ さんのご友人の場合は、絶対的な「適応」では、モチロン、ありません。
いくつか検討が必要な点があります。
まず、このご友人の場合...適応障害でらっしゃったのか? うつ病でらっしゃったのか...??
つまり、メンタル不全のレベル...程度がどの程度であったのか。
奥さんとお子さんが実家に戻ってしまったという、並はずれたものや破局的なものではないにせよ、明らかな心理社会的なストレス因子を経験されていますし...
適応障害の場合、そのストレス因子が消えれば(解決すれば)、通常改善し再発もしにくい、と考えられます。
つぎに、再発リスク、についての検討が必要です。
適応障害については、あまり十分なデータ(以下に示すような量的データ)はありませんので、うつ病の場合を例にご紹介しましょう。
DSM-IV-TRのマニュアルによりますと...
うつ病(大うつ病性障害、って訳されていますが)に一度かかかると、少なくとも60%が2回かかる、2回かかるとその70%が3回目にかかる、3回かかったら4回目は90%である。
...というように、再発リスクが、回を重ねるごとに上がることが指摘されています。
逆に、1度うつ病にり患しても、40%以下は再発しない。
2度り患しても、30%以下は再発しない...云々
...といえるワケですが(^^)v。
つぎに、再発状況、についての検討が必要です。
十分にエビデンスが確立されているとは言い切れないですが、再発するときは、前回発症したときと似た場面や状況で再発することが多いことが、指摘されています。
素直に考えれば、ご友人の場合、奥さんとお子さんが実家に帰ってしまう、あるいは離婚状況とでも言いましょうか...
そういう場面や状況が、今後も起き得るかどうか。
これも素直に考えれば、再婚しなければ、似た場面や状況は起き得ないでしょう。
ここで注意が必要なのは、その似た場面や状況の中身が、実は「離婚」ではなく、「大事な人との別れ」ということなのかも知れないという可能性です。
もしもそうならば、再婚しなくても、その似た場面や状況は起きる確率が高いといえるかも知れません...。
さらに、そのご友人が、「今は、落ち込んでいないし、こんなに元気だし」とする状態が、部分寛解なのか完全寛解なのか、です。
○部分寛解・・・うつ病の症状は存在しているが、基準を完全に満たさないか、あるいはうつ病の症状がみられなくなってはいるがまだ2カ月未満である
○完全寛解・・・2か月以上、うつ病のはっきりとした徴候や症状がみられない
部分寛解の状態ですと、再発リスクが高い。
完全寛解の状態ですと、再発リスクは低い。
他にも検討すべき項目はあるでしょうが...
適応障害で、似た場面や状況が当面起きにくく、現在はっきりとした兆候や症状がみられない(完全寛解状態である)ほど、精神科受診の適応ではないでしょうし...
うつ病で、まして今回が初回ではなく、似た場面や状況が今後も起こる可能性が高く、「良くなって元気」と言いながら部分寛解であるほど、精神科受診の適応であると言えるでしょう...
こういった情報を、チャンスがありましたら、ご友人に提供いただいて、ご友人が精神科受診を望まれれば、積極的・相対的「適応」になることでしょう。
蛇足ですが...マンパワー不足の精神科医療ですので、積極的・相対的「適応」の患者さん(?)に喜んで対応してくれる、精神科医療機関は、必ずしも多くはないかも知れません。
その場合、認知行動療法ベースのカウンセリングを提供可能なカウンセリング・ルームやカウンセリング・センターの門を叩いていただく方が賢明かも知れません。
(そういうところも圧倒的に不足していますが(>_<))
ただし、その場合、一般的に自費と言いますか、それぞれのルームやセンターで規定されているカウンセリング料を支払う必要が発生します。
(カウンセリング料は、一般に、健康保険の窓口自己負担額より高いです。)
チョコ さん、どうぞ、ご参考になさってくださいマセm(__)m。
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所外で昼食をとって、職場に戻ってみると...頼りの事務長さん曰く、
「(天ちゃん)先生、ブログネタっすっ(--〆)」
<(?_?)...>
一度目の説明で、天ちゃん飲み込めず...(^_^;)
気を落ち着けて...<ゴメン、もう1回説明してみてくれるぅ?>
...要旨、次のような事態が起きていた、ってことでした。
この2カ月(?)、理由不明で、ある患者さんのレセプトが返戻(ヘンレン)され続けたんだそうです。
天ちゃんとこのクリニックにとって、返戻があったってことは診療報酬が入金されないってことですから、ウン万円の損金...(T_T)
それで、頼りの事務長さんは、診療報酬支払基金に電話で問い合わせてみたところ...
どうやら、その患者さんの健康保険証...もとい! 今は健康保険カードの...患者さんの生年月日の入力ミスがあったようで...
たとえば、昭和38年○月×日、と入力すべきところが...
昭和33年○月×日、ってご入力されていた、ってことでした。
基金さんの担当者さんからは、「クリニックと健康保険組合さんとでやりとりしてくだ~い」ってあしらわれた(?)そうです。
で、頼りの事務長さんは、当該の健康保険組合さんに電話してみると...
その電話対応先は、天ちゃん達のクリニックのある地方とはかなり遠いところにあり...(昨今、コールセンターとか下手をすると海外にあったりするし...(^_^;))
それで電話を通じて事情を話さなきゃならないもんだから...遠距離通話で相当な時間を要したとのことです。
<いったい電話代いくらかかったのだろう...?>
「...相当なものですよ(--〆)」
<電話代は当然のように、アチラさんで払ってくれたりなんてことはないんだろうねぇ~>
「当然!(--〆) しかも、診療報酬の支払いは数か月先!」
<...その未収のウン万円を銀行に預けたら、いくらかの利子はつくんだろうネ(T_T)>
<電話代コミコミで支払えっ! って息巻いても無駄なんだろうネェ...こうして、医療機関にばかりが犠牲を払わせているような気がしてきた(--〆)>
<あれっ? ところで、(頼りの)事務長、ブログネタってことだけど...社会保険庁の入力ミスとか入力漏れとかを弁護するネタ...?(^_^;)>
「(天ちゃん)先生違いますよぉ...社会保険庁さんも健康保険組合さんもシッカリしてくれよぉ~っていうネタ...!?(^_^;)」
<健康保険証の入力ミスに気付かなかったご本人≒国民もダネ>
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きき さんのご質問に応えるシリーズ(?)を続けます。
きき さんのコメントを引用する際に、意図的に、オレンジと青と赤で色分けしておきました。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080901/2
オレンジで色づけした記載部分が、躁状態だったように思えた箇所です。
青で色づけした記載部分が、うつ状態だったように思えた箇所です。
赤で色づけした記載部分が、精神病性の症状だったように思えた箇所です。
躁状態だったように思えた箇所に関する情報だけで、躁病の診断基準を確実に満たしていた、とまでは言いきれないように思いますけれど...
軽躁病か躁病かと問われれば...軽躁病の診断基準を満たしていたと仮定して...入院なさったワケですから、躁病だったと診断し得たと思います。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061016/2
--この記事の10.を満たしていたと判断できるからです。
そして、オレンジで記載した諸症状は、「少なくとも1週間」は続いていたようですし...
一方、躁うつ病のうつ状態と、統合失調症の陰性症状との鑑別(区別)が難しいことについては、以前書きました。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070120/1
きき さんの記載された情報によれば...現在、”陰性症状が目立つ”状態、のようですから...うつ病と診断できるほどの時期が、きき さんのコメント中、青字以下のどこかの時期に見られたのではないか?(あるいは今も?)
また、リスパダールという抗精神病薬の服用もされていますので、むしろリスパダールによって、一見”陰性症状”のような状態を呈することもあり得ます...。
・・・などと、天ちゃんは推測(憶測?)するのですが...。
さらに...”声がしたりした”時期には、気分感情障害が同時に見られていた時期に限られているように、読めました。
ずいぶん解説が長くなってしまいましたが、以上のように考えて(推測して)、
> きき さんのご主人が抱えられた精神疾患は、精神病症状を伴う双極性感情障害、と
> 天ちゃんなら診断しそうな気がします(^_^;)。
・・・と、最初に述べた次第です。
きき さんとご主人の今後の療養のお役に立てば、幸いです。
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Re: ききさんへ(2)です...(^^)v
↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080901/2
> きき さんのご主人が抱えられた精神疾患は、精神病症状を伴う双極性感情障害、と
> 天ちゃんなら診断しそうな気がします(^_^;)。
> それは...
それは、天ちゃんが精神科医として研修中の云十年前にさかのぼります...
スワ! 統合失調症の支離滅裂~言葉のサラダか!
...という入院中の男性患者さんが示した症状に出くわしたことがあります。
師匠に面接していただいたのですが...「天ちゃん、この患者さんに見られる症状名は何かね?」
<...連合弛緩? 言葉のサラダ...??>
「(師匠...ニヤリ)観念奔逸じゃぁないだろうか...」
<...(?_?)> (^_^;)
どうやって見分けるのか...当然質問し...当時はナットクしたのを覚えていますが...内容を再現できません(^_^;)。
・・・注・・・
連合弛緩については、コチラ⇒http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070113/1
観念奔逸について、コチラ⇒http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061016/2
--躁うつ病の診断基準症状の「一般的な症状」の第6項です。
現在の天ちゃんなりに解説を試みましょう。
連合弛緩は、言葉と言葉の意味のつながり(連合)がゆるくなり...その程度が強まると、言葉と言葉のつながりが全くコチラがつかめなくなってしまう、それを支離滅裂と言う...。
言葉のサラダは、言葉≒単語と言葉≒単語とが、まるでサラダに盛られたように、ゴチャゴチャっと意味のつながりなく並べたてられたカンジ...です(^_^;)。
上記ページ(↑)で、具体的に言葉の内容だけですが、記載していたものを再掲(↓)します。
スケボーの板とか買わないかぁ...とか、
将来、カゲが見えてくるんですよぉ(笑)。
向こうの人はそ知らぬ顔でぇ、何か言って来る...。
趣味がゲームで...以前にもお話したと思いますけどぉ。
逆に狙われていると自分が思い込んで...聞こえてくるんじゃないか?
近所の子どもがカゲで...ゲームくれないか? とか...。
ブッ○オフっって知ってます?
ゲームボーイも価格オフで買っちゃったんですが...云々...。
たとえば以上のような会話内容が...
スケボー 板 買わなきゃ カゲ 見える 向こう 人 知らん顔 何! 言ってくる 趣味 ゲーム 前にも 逆 うん逆だ 狙われている 思い込んでいる ...云々
とこんな風な単語を、パッパッと早口でしゃべったら...言葉のサラダみたいです...(?(^_^;)。
ところがこれを...スケボーを購入した場面や状況について注意や関心が集中したと思ったら、さきほど廊下ですれ違った人の様子に意識が移ってしまい...
と思いきや、電源を切り忘れたテレビゲームのことが気になってしまった...云々
...というように、頭の中が忙しく、一遍にアレもコレと注意と関心の対象が目まぐるしく入れ替わる、頭の回転が速くなった状態ゆえに起きているとすれば、
> 6.いくつもの考えが競い合ってわいてくるような感じがありましたか?
躁うつ病の躁病のときによく見られる、観念奔逸と...
> 5.切れ目なくしゃべりすぎたり、周りの人が分かりづらいほど早口で話しましたか?
この、多弁とがミックスして、連合弛緩というよりも、上記言葉のサラダともとれる症状を呈するに至ったのだ。
...とも考えられるでしょう...(?(^_^;)か。
それに加え、患者さんとコチラの関係性とでも言いましょうか...情動調律とでも言いましょうか...
云十年前の、その結局躁うつ病という退院時診断になりその後の経過も躁うつ病との診断に合致することを確認できた、男性患者さんの場合、コチラが質問すると、ナントカそれに応答しようとしている様子が、コチラに感じ取れましたし...
立ったり座ったりと落ち着きませんが、決して、そんなには広くなかった診察室を出ていこうとはしませんでしたし...
入室時に、師匠がすすめたソファの前で、立ったり座ったり落ち着かなくされているだけで、そのソファの存在が師匠から座るようにすすめられた対象・存在としての意味を保ったまま、診察の間中あり続けました。
ところが、統合失調症の患者さんに見られる、言葉のサラダ状況(?)となると...コチラの存在にまるで患者さんが気付けていないような...見えない壁があって、と言いますか...まるでガラス1枚を隔てて、患者さんが言葉のサラダしている(?)っていうか...典型的には、そんなカンジにコチラが感じることが多いように思います。
一見したところ、言葉のサラダ、のような言動なんですが、その言動の内容というよりも...それらの言葉の発せられ方、言動の形式が大きく違う。
...とでも説明できるでしょうか...(?)。
(つづく...)
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集会参加中に、きき さんから、コメント欄でご質問をいただいていました。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070113/1#comments
> うちも支離滅裂な会話ありました。
> このように普通の内容ではなく、今の自分の状況を理解しよう、分かってもらおう、
> 説明しようとしているんだけどできないといった感じでひたすら必死に説明されました。
> その日のうちにひどくなって言葉のサラダにまでなってしまいました。
> 今はこういうのはないですけど会話の短さ、内容のなさが気になります。
> 急性期にここまで悪化してても完全寛解する人っているのでしょうか?
続けて...
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080826/1#comments
> 診断ってほんとすごく難しいんですね・・・。どれに当てはまるのかいまいちわからないのですが
> 主人の場合、2週間ほど早朝覚醒があり、「朝何故か早く目が覚めてそれから寝れないけど
> 部屋を片付けたり色々できるからいいや」と言っていました。
> 今思えばですがその頃は夜何となく元気がないような感じでした。
> また今まで頼んでも後回しにされていた用事をこの頃に一気に片付けたりしてました。
> そして当直勤務で周りのいびきがうるさくて3時間も寝れなかったという日が3日ほど続き、
> お酒を飲んだら寝れるんじゃないかという周りの意見を取り入れ普段飲まないお酒を飲みました。
> そこで酔っ払って他人に迷惑をかけたようでそれを酔いが醒めてから知り、「すごくショックだ」と
> 言ってました。
> その日から多弁多動が3日間続き、4日目と5日目には「着ていく服が分からない」
> 「仕事の優先順位がつけられない」「一つのことが気になるとそれを解決しないと気がすまない」と
> 言う様になり過去の自分を反省しこれからはこう生きるようにするなどと語っていました。
> また普段絶対に泣かないのに泣いたりしました。
> そして「もうわけが分からない、うつなんだろうか?」とも言ってました。
> そして5日目の夜中に「誰も分からなかったすごい事が分かった(誇大妄想?)」「どうやったら眠れるんだ?
> 寝かせてくれ」と言い6日目の朝にぶつぶつを単語を早口で繰り返し(言葉のサラダ?)奇声を発し
> 裸で走り回ったりしだして会話も支離滅裂で説得もできない状態になり2階から飛び降りてしまい
> そのまま入院となりました。
> 入院してからはいじめられているかのような会話を何度も繰り返していましたが、
> かなり強い薬や注射をしてもらい3日目からは食事以外寝た状態でした。
> 入院1週間後には意味不明な会話はなくなりましたが、ぼ~っとした感じになり、寝ているか
> ぼ~っとして少し会話をするくらいでした(治療成功?)。
その頃医師に「曖昧では駄目だ、
> 適当じゃ駄目だなどという自分の声が聞こえた」「家にいても落ち着かず、
> 誰かに監視されてるような自分の気持ちが見透かされてるような気がした」「お酒を飲んだ日から
> 何かわけが分からなくなった」と話したそうです。
> 声が聞こえたりしたのは入院後1週間くらいまででそれ以降は一切ないみたいです。
> 1ヶ月ほどで退院しましたが退院当初は家の中をうろうろと歩き回りじっとしていられませんでした。
> 1ヶ月半ほどで落ち着いてテレビが見られるようになり、徐々に会話も増えてきて
> 今(退院後5ヶ月)に至りますが現在も会話の貧困、意欲低下、動作が遅い、などの症状があります。
> 退院時は16錠ほどあった薬ですが今はリスパダール4gmとフルニトラゼハム2mgです。
> これが全てなのですが天ちゃん先生はどう思われますか?
最初から弁解がましくて申し訳ありませんが...当たり前ですけれど...以上のきき さんからの情報(↑)しかありませんので...
表情や態度や行動といった...精神科診断を行う際に大変重要な、直接観察情報が欠落しています。
...ですので、あくまでご参考に~って程度の、天ちゃんがきき さんのコメントを拝見して自由連想風に思いついたことを書かせていただきますm(__)m。
結論的なことから述べます。
きき さんのご主人が抱えられた精神疾患は、精神病症状を伴う双極性感情障害、と天ちゃんなら診断しそうな気がします(^_^;)。
それは...
(...つづく(^_^;)m(__)m)
PS:首相が緊急記者会見を開き、辞意を表明されたと、さきほど息子から知らされました。
7時のNHKニュースで首相の尊顔を拝見しながら...前首相のときに「ワッ、ハヤッ」って言ってたっけネェ~と娘に振って...
にしても...今の首相、もう1年も続けていたのか!(>_<) いつ辞めるのだろう(?) ナァ~んて、子供たちと話していたところでした(^^)v。
解散総選挙で民意を問えばいいのに...(!?)
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(...つづき)
前回の記事 ⇒ http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080826/1
...そこで、天ちゃんはどうしているかと言いますと...(これを先に書けと聞こえてきそうですが...(^_^;))
まず、うつ病、躁病、それらの混合状態を満たすのかどうか、つまり気分(感情)障害の診断基準を満たすのかどうか、をまず診断します。
その後で、統合失調症に特徴的な症状を経験しているのか、経験したことがあるのかを確かめます。
(なければ、単なる(?)気分(感情)障害。)
これら特徴的な症状が、うつ病、躁病、それらの混合状態のときにだけ見られた場合、精神病性の特徴をもつ気分(感情)障害、と判断します。
次に、これらの特徴的な症状が、気分(感情)障害の診断を満たさないときに見られたかどうか、かつ、2週間以上みられたかどうか確かめます。
みられた場合...
特徴的な症状と気分(感情)障害との持続期間を図に重ねて書いて...気分(感情)障害の持続期間が全経過期間の中で短くはない...いかにも両方が同時に見られる場合、失調感情障害と診断し...
気分(感情)障害が短かかったり(一応10%以下)、気分感情障害が見られなかった場合、統合失調症と診断するようにしています。
以上のように自信を持って診断できない場合は...特定不能の精神病性障害とか、特定不能のうつ病性障害とか、特定不能の双極性障害とか...ととりあえず暫定的に診断しておくことになります(^_^;)。
...ICD-10やDSMといった操作的診断基準が普及する前は、非定型精神病、という便利な(?)診断名があったのですが...(^_^;)。
そういえば最近...
強迫性障害の診断で長らくフォローしていた女性の患者さんで、躁うつ病の診断基準を満たすようになって、ある程度の期間を過ごしたら...幻聴ならびに自生思考を報告してくださるようになり...陰性症状と診断してよいものか、うつ病の診断基準症状のいずれかとしてよいものか、実はハテナ?ですが...(^_^;)、うつ病や躁病や混合状態を満たさない状態で2週間以上それらの症状が持続するようになった患者さんがおられます。
(幻聴、自生思考、陰性症状などは、統合失調症シリーズ(?)をご参照くださいm(__)m → http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070710/3)
現時点では、失調感情障害、と診断を変更して治療継続しています(^_^;)。
ところが...この幻聴や自生思考が今後も続き、気分(感情)障害を満たさない期間が長くなればなるほど...いつか統合失調症と診断変更しないといけない時期がやがて来るのかも知れません...(なぞと、患者さん本人とお話していたりします(^_^;))。
統合失調症の周辺、と言いますか...応用編と言いますか...かなり専門的に過ぎる議論でしたm(__)m。
(きき さんの2つのご質問をめぐる記事は、これにて一旦、一区切りといたします。)
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きき さんご本人から、先日の記事にコメント(↓)をいただきましたm(__)m。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080822/Re___#comments
> ご迷惑でなければまた色々質問させてください。
もちろん、ウェルカムです(^^)v
さて...
統合失調症なのか、失調感情障害なのか、精神病性の特徴をもつ気分(感情)障害なのか...実際の臨床現場では、困難なことも、正直多いです(^_^;)。
DSMの統合失調症の診断基準には...失調感情障害と気分障害を除外する基準があります。
(1) 統合失調症の諸症状と同時に、うつ病や躁病や両者の混合した状態が見られないこと
(2) もしも、同時に見られた場合は、気分障害の持続期間の合計が、統合失調症の諸症状の持続期間の合計に比べて短いこと
統合失調症と診断するには、以上の2つ(↑)が満たされることも必要です。
この(2)の場合...「短い」や「大部分」というのがビミョーです(>_<)。
「短い」の基準としては...全期間の10%以下、すなわち、気分障害の持続期間が統合失調症の持続期間の10%以下、という一応の基準はあるのですが...(T_T)
ところで、きき さんのご主人の場合...
> 主人は急性期は長く見ても2週間でしたのでどうやらその後が長引いているようですね。
急性期の諸症状が、長く見ても2週間、というのが本当だとしたら...統合失調症の診断基準を外れます(^_^;)。
幻覚や妄想といった...統合失調症の特徴的な症状は1か月の期間ほとんどいつも存在している必要(?)があるからです。
ただし、治療が成功した場合は、より短くてもOKなので...(^_^;)。
(さらに、この持続期間に、前駆期や残遺期を含めてもよいことになっていたりします(>_<)。)
一方、うつ病、躁病、混合状態などの気分(感情)障害の診断基準を満たすご経験をされたのでしょうか?
そういう経験をされていて、その期間が相当長いのならば、失調感情障害、という診断がピッタリ、ですが...(?)
統合失調症の特徴的な症状と、気分障害~うつ病、躁病、それらの混合~とが同時に、そして気分障害の持続期間が全体の持続期間の「短く」はなく、つまり全体の「大部分」に見られる...(^_^;)
なお、気分障害が、うつ病の場合は、抑うつ気分、といううつ病の診断基準症状が見られなければなりません。
さらに、少なくとも2週間、著名な気分症状を伴わずに幻覚や妄想が存在したことがある(失調感情障害の診断基準B)...
この診断基準Bが、精神病性の特徴をもつ気分(感情)障害との区別点になっています。
なんか...ジグソーパズルの組み合わせ(?)みたいな...(^_^;)
そこで、天ちゃんはどうしているかと言いますと...
(つづく...(^_^;))
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きき さんの、2つめの質問にお応えしようと思います。
↓ ↓ ↓
前回の記事 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080822/Re___
2つ目の質問は...
> 2.気分[感情]障害と統合失調症の両方が発症することはありますか?
...というものでした。
結論から述べますと...両方が発症することはある、その場合、分裂感情障害(ICD-10の場合)or失調感情障害(DSM-IV-TRの場合)という病名になって...統合失調症とも気分(感情)障害(たとえば、躁うつ病)とも違う病名と診断される、となります(^_^;)。
操作的診断基準の一つである、ICD-10を例にしますと...
F2 精神分裂病、分裂型障害および妄想性障害
...という中分類があり...
統合失調症(精神分裂病)は、F20という分類標識番号が当てられています。
きき さんのご質問にかかわる分類名(疾患名)として...
F25 統合失調(分裂)感情障害
...があります。(DSM-IV-TRでは、「失調感情障害」という訳が当てられていたりります(^_^;)。)
さらに、
F3 気分(感情)障害 の下位分類に、
F31 双極性感情障害[躁うつ病]
...がありますが...その下位分類に...
F31.2 双極性感情障害、現在精神病症状を伴う躁病エピソード
と、
F31.5 双極性感情障害、現在精神病症状を伴う重症うつ病エピソード
という小分類があります。
...ゴチャゴチャしてますネ...(^_^;)。
それで...ICD-10の臨床記述と診断ガイドラインのF25 統合失調感情障害 の該当する部分を引用しますと...
感情障害症状と統合失調症症状の両方が、病気の同一エピソード中に、できれば同時に、そうでなくてもお互いが少なくとも数日をこえない中で、ともに顕著であるエピソード性の障害である。この障害と典型的な気分(感情)障害との関係、および統合失調症性の障害との関係は明確でない。この障害は無視できないほどよくみられるため、独立したカテゴリーが与えられた。
...なぁ~んて書かれています(>_<)。
DSM診断に沿った診断面接SCIDのマニュアルには...
統合失調症なのか、失調感情障害なのか、精神病症状の特徴をもつ気分(感情)障害なのか...
残念ながら、ほとんどのSCIDの利用者の悩みの種になっている...(中略)...診断の低い信頼性の源になっている。
...と書かれてもいるくらいなんです(T_T)。
ですので...
> 今の病院では典型的じゃないから診断不可で様子見といわれてます。
...というように、現在の主治医は経過を追って、診断を慎重に見極めようとなさっているのだろうと推測します(^^)v。
(...たぶん、つづく...)
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昨日は、細切れ夏休みの1日を過ごしました。
当ブログの記事更新もお休みさせていただきましたm(__)m。
久しぶりに実家に帰省したのですが...カーラジオで、日本女子ソフトボールチームの歴史的快挙を聴きながら、帰ってまいりました。
帰宅後は、TVの映像で、試合を振り返り...宇津木前監督が、金メダル確定の瞬間...「ヤッタァ~...」と叫ぶと同時に泣いてしまわれて(声から類推)、解説になっていない解説者ぶりに、妙に感動してしまった、天ちゃんでした...(^_^;)。
閑話休題。
この間に、きき さんから、過去の記事のコメント欄にご質問をいただいていました(^^)v。
しばらくバージョンアップしていなかった、統合失調症シリーズ(?) に対するものです。
↓ ↓ ↓
シリーズ(?) http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070710/3
ご質問(↓)
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070706/2#comments
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070120/1#comments
ご質問の内容をまとめる(?)と...
1.統合失調症の寛解期後期はおおざっぱでいいのでどれくらい続くのか目安を教えてください。
2.気分[感情]障害と統合失調症の両方が発症することはありますか?
...の2つ、と天ちゃんは理解しました。
まず1つ目のご質問について。
お答えする前に...このご質問に応えるような内容を記事にするかどうか、シリーズ(?)の記事を連載していたときに、実は、迷った...というのが正直なところでした。
逆に、きき さんが、本当によく、この天ちゃんブログのシリーズ(?)の記事をお読みくださったのだ、と推察できて、いたく感心してしまいました(!)(^^)v。
(実質、60エントリーもありましたのに!)
実は...きき さんからの、この1つ目のご質問は、ご家族からよくご質問いただくものです(^^)v。
上記したように...シリーズ(?)の記事にするかどうか「迷った」のは...統合失調症の急性エピソード...1回のエピソードの各病相(前駆期、臨界期、急性期、臨界期...)の長さ(期間)についての実証的なデータを、浅学ゆえ(?)、天ちゃんは目にしたことがなかったから、でした(^_^;)。
モチロン、精神科臨床医ですから、臨床経験上の「経験則」...臨床知、については天ちゃんなりにあります。
ただ、それを、こうした公開の、ブログという媒体の記事にしてしまってよいものかどうか。
それで「迷った」次第です。
エクスキューズ、が長くなりました(^_^;)。
さて...以上に触れたとおりですから、あくまで、おおざっぱな目安、という風に考えてくださいマセ。
天ちゃんは、この1つ目のご質問をいただいたとき...これまでの先輩や自分の経験から、次のようにお応えすることにしています。
統合失調症1回エピソードの経過図:http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070207/1
この経過図(↑)の...急性期の期間(長さ)×2~3 = 寛解期の期間(長さ)
...これを目安にしましょう。
急性期の期間は、経過図(↑)の曲線が横軸と交わっている2交点・・・(前)臨界期と(後)臨界期
この二つの臨界期にはさまれた期間、です。
たびたび触れた、「自律神経嵐(身体症状の出やすい時期)」の時期、それが臨界期です。
ですから、この臨界期がいったいいつ頃見られたのか? それをご一緒に、同定する作業が不可欠です。
また、ご一緒に、寛解期移行期、を同定する作業も不可欠です。
さて、きき さんのご質問に、より、沿ってお答えするならば...
こうして算出(推定)できた、寛解期の期間(長さ)-寛解期前期の期間(長さ) = 寛解期後期(長さ)
...というカンジになります。
過去に記事にしたC君の場合...
無投薬治療 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080123/2
今年の1月中旬ころ最初に受診(初診)したのですが...当クリニック受診前に、複数の精神科医療機関を受診、不定期通院されています。
ご両親を交え、上記のような経過図(↑)をお見せしながら...急性期の期間を見極めようとしたのですが...
複数の精神科医療機関を受診中も、中断中にも、「落ち着いていた」期間もあった、とのことで...顕性発症の時期(明らかに統合失調症の症状が観察された時期)から、当クリニック受診後...服薬をかなりキッチリしてもらえるようになって...
その続報 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080214/2
4月頃に、寛解期前期に至りました。
↓ ↓ ↓
2周年~♪ http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080429/_m____m
顕性発症の時期からおよそ1年で、寛解期前期に至りましたので...
<2~3年かけて、病後の方向性、社会参加の在り方を見定めていこうネェ~>
...というのを、ご両親とC君と、天ちゃんの間で、合言葉にしています。
(もっとも、C君が本当に、それに納得してくれているかどうかは...やや。ハテナ? ですけど...(^_^;)
そして実は、このC君は、この7~8月にかけ、寛解期移行期で推移しています。
...印象として、寛解期前期が短いような...
...急性期の期間の同定が、やはりおおざっぱ過ぎているのかも知れません...(?)(^_^;)。
(つづく...)
PS:他の精神科臨床医の先生方の臨床経験も知りたいところです...m(__)m
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すでに、Webニュースとかでも取り上げられていましたが...
このブログの「関連リンク」中にもリンクが貼ってある...社会経済生産性本部メンタルヘルス研究所が、隔年で実施している企業アンケートの調査結果が公表されました。
↓ ↓ ↓
第4回の結果 http://www.js-mental.org/kekka.html
企業と言っても、上場企業であること、回答割合が1割余りであること、などの限界を踏まえた上で...
大規模な(上場)企業向けの同様の経年比較のできるデータを、他に知りませんので...
このアンケート結果から、作成した図(↓)を掲載しておきましょう。
2002年から2006年までの過去3回の調査では、心の病が「増加傾向」と回答した企業割合は増加していました。
今回、調査開始後初めて、「増加傾向」と回答した企業割合が減りました。
モチロン、まだ、半数以上が「増加傾向」としている事態、ですが...
ここからは、天ちゃんの読み(憶測?)です...。
調査を重ねるにつれ...「わからない」とする企業割合が確実に減っている...それだけ、心の病やメンタルヘルス(対策)への関心が高まっていることを示唆しているのではないか?
今回の調査結果から...誤差範囲?かも知れないが、「横ばい」とする企業割合が増加したのは当然としても、「減少傾向」とする企業割合も確実に(?)増えている(4.5%)。
2002年の時点に比して、メンタルヘルス対策に取り組んでいる企業割合は約2倍と増加してきており...
やはり、と言うか...やっと、と言うべきか...まだまだ不十分にせよ、メンタルヘルス対策の効果が、出てきているのではないか?
...アンケート結果の概要を見ると、まだまだメンタルヘルス不調者の早期発見・早期適切な対応、という二次予防に焦点が当たってはいるけれども、職場環境・職務内容改善等の一次予防対策も少しずつながら、取り組みだされているようです(^^)v。
アンケート結果のまとめにも...
・・・メンタルヘルス施策の今後の方向性として、従来型の不調者の早期発見・早期対応に加えて、職場や組織風土の改善にももっと目を向けていく必要があると考えられる。
と、結んでいます。
天ちゃん、大いに同感!(^^)!
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