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メディア・ドクター 続々(?)

天ちゃん / 2009.12.04 19:30 / 推薦数 : 1

ある記者さんから、以下の今日の朝刊記事への感想を求められました。

以前にご紹介したこと()もありますが...メディア・ドクター よろしく、天ちゃなりの感想を述べます。
 ↓           ↓         ↓
マスメディアを評価する!? http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061102/3

 

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うつ病100万人超す、10年で2・4倍に

 抑うつなどの症状が続くうつ病の患者数(躁(そう)うつ病を含む)が、初めて100万人を超えたことが3日、厚生労働省が3年ごとに実施している患者調査でわかった。

 長引く不況などが背景とみられる一方、新しい抗うつ薬の登場が患者増につながっていると指摘する声もある。

 患者調査によると、うつ病が大半を占める「気分障害」の患者数は、1996年に43万3000人、99年は44万1000人とほぼ横ばいだったが、2002年調査から71万1000人と急増し、今回の08年調査では、104万1000人に達した。

 10年足らずで2・4倍に急増していることについて、杏林大保健学部の田島治教授(精神科医)は、「うつ病の啓発が進み、軽症者の受診増も一因」と指摘する。

 うつ病患者の増加は、新しいタイプの抗うつ薬が国内でも相次いで発売された時期と重なる。パナソニック健康保険組合予防医療部の冨高辰一郎部長(精神科医)は、「軽症のうつは自然に治るものも多い。しかし日本ではうつを早く発見し、薬を飲めば治るという流れが続いており、本来必要がない人までが、薬物治療を受けている面があるのではないか」と話す。

2009年12月4日03時04分  読売新聞http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20091204-OYT1T00048.htm
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 冒頭の記者さんからの問い合わせは...

上記記事の最後のコメント...天ちゃんが赤字にした部分を、天ちゃん先生は、どう思われますか?

・・・というものです。

「...最近のクスリに対するバッシングが再燃して、本来必要な人までもが、薬はイヤだとなってしまうのではないかと心配です。」

・・・とのことでした。

冨高先生の、実証的データを示して、製薬会社キャンペーンと新規抗うつ薬の処方量の増加と、うつ病患者数の増加との相関について指摘されたご著書も、天ちゃんは拝読しています。

そこでの主張は、天ちゃんは、真っ当な、エビデンス・ベースなものだと思っています。

ただし、相関データと、準実験的なデータとに基づいた推論or考察による主張ですが...

(しかし、純然たる実験は困難~不可能といっていいですので、冨高先生の結論は、十二分に注目しておく必要があると、天ちゃんは思っています。)

 

しかし!

それと、上記記事でのコメントと、そのインパクトとは、また別物だと思います。

幸い(?)、今日の天ちゃんの再来の患者さんからは、上記記事)に関連した質問や、不安の表明...また、午後に受け入れた、うつ病(正確には、反復性うつ病性障害)と診断された患者さんから、抗うつ薬療法の開始に対する異議申し立ては、ありませんでした。

丁寧に、診断(・・・といっても本日時点では、正確には暫定診断ですが)の根拠と、エビデンス・ベースな、標準的な治療プランと、患者さん独自の背景に応じた、標準的な治療プランの微修正、薬物療法を受けるメリットとデメリットとを説明したから...かも知れません...通常の臨床業務の範囲のことですが(^^)v。

 

さて、上記、最後の赤字のコメント部分についての、天ちゃんの感想を述べます。

お問い合わせくださった、ある記者さんの危惧は、その通り! と思います。

率直に言って、軽率なコメント...といっても、冨高先生の発言通りなのか、また、記事の最終段階で、冨高先生のチェックが入っているのかどうか...(!?)

いずれにしても、上記記事を読んだ読者の”一部”の不要な、かつ結果的に不適切な不安、をあおる可能性があると思います。

一番いただけないのが...「本来必要がない人」 の定義が、まったく示されていない点、だと思います(・へ・)。

(田島先生と、冨高先生の赤字のコメントの前を読めば...うつ病の「軽症者」「軽症のうつ」のことのようです...が、英国NICEガイドラインでも、薬物療法ではなく認知行動療法が推奨されており、それを受けられる環境が整備されてきています...が、わが国の状況とは、残念ながら異なっています(>_<)。)

 

天ちゃんは...その定義と対応を付記すべきだったと思います。

(薬物療法の必要がないとしても、逆に推奨される認知行動療法が容易に受けがたい、日本の状況も付記すべきだったと思います。)

・・・が、紙数の都合で、上記定義が入れられないなら、

「・・・という流れが続いており、製薬会社の強力なキャンペーンを初めとして、薬物治療の推進と受診の奨励が進められてきた影響もあるのではないか

・・・といった程度に修正をかけた方が、冨高先生の著書の主張と言いますか...結論でもありますので、より適切だったのではないでしょうか。

”製薬会社の強力なキャンペーン”っていうフレーズは、読売新聞では入れにくいでしょうか...?(^_^;)

読者のみなさん、いかがでしょうか...?

 

蛇足ですが...2・4倍になったのは、”患者”数、であることに注意してください。

・・・地域住民で、うつ病の診断を満たすようなある時点での「すでに患者になっている国民+患者にはなっていない国民」の数は...それほど増えていないかも知れないことを示唆するデータもあるようです...。

さらに、この患者+”潜在”的患者(?)数は、先進諸国より、わが国は、かなり、まだ少ない、というデータもあります...。

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