天ちゃん
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< ”○○うつ(病)”について (3) | メイン | ”○○うつ(病)”について (5) >

(...つづき) ← http://blog.m3.com/tenchanoffice/20090313/2

・・・ですから、何年か前に一時はやった(?)「プチうつ」も、うつ病ではない、ということになるでしょう...(!?)。

 

この連載(?)は...チョコ さんのコメントにあった、”不況うつ”に始まり...その連載記事に対するチョコ さんのコメントに触発され...記事をエントリーしています。

うつ病、に対する”混乱”が、うつ病を患ってらっしゃる患者さんの不要な不安を高めたり...そうした患者さんの周囲の人に不要な誤解偏見が高じないようにしたい...。

・・・それが、天ちゃんの、一番の願い、です(^^)v。

 

では、連載を続けます。

この”○○うつ病”についての連載(?)の第一記事中...
  ↓        ↓        ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20090311/1

野村先生のコメントとして...

> 「新型」と呼ばれているのが「気分変調症」「非定型うつ病」に当たるのだという。

・・・という記載がありました。

このコメントは、操作的診断基準DSM-IV-TRの診断分類体系を念頭においてコメントされていることに留意が必要です。

旧厚生省、現厚生労働省が1995年1月以来、ICD-10分類を採用している関係から、この連載ではこれまでのところ、ICD-10分類から、「新型うつ病」をめぐる、天ちゃんの解説を行っています。

DSM-IV-TR分類からの記事も、とうぜん、今後、掲載するつもりでおります。

 

さて、野村先生がコメントされていた...「気分変調症」「非定型うつ病」は、ICD-10では以下のような位置づけになっています。

> WHOが作成した、ICD-10に沿って、述べてみます。

> うつ病は...F3 気分(感情)障害、の下位診断(分類)でした。

> F30 躁病エピソード

> F31 双極性感情障害[躁うつ病]

> F32 うつ病エピソード

> F33 反復性うつ病性障害

> F34 持続性気分(感情)障害

> F38 他の気分(感情)障害

> F39 特定不能の気分(感情)障害

> ・・・というように、F3 気分(感情)障害は、さらに7カテゴリーに分かれています。

> そして、それらがさらに、下位診断(分類)へと枝分かれしています。
  ↑         ↑         ↑
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20090312/1

 

F34 持続性気分(感情)障害 の下位診断は...

 F34.0 気分循環症

 F34.1 気分変調症

 ・・・

・・・というように、F32F33(=うつ病)と並列の診断名である、F34のさらに下位診断として位置付けられています。

要するに、気分変調症は、気分(感情)障害だけれどもうつ病ではない、というのがICD-10のポリシー(?)です。

(うつ病の診断基準を満たさない程度のうつ状態を、メインにした気分や感情の障害が2年以上持続している...「従来診断」の神経症性うつ病、が含まれるという付記があります。)

 

では、非定型うつ病、はどう位置付けられているでしょうか?

実は...ICD-10には、非定型うつ病、という診断名が用意されていません(^_^;)。

F32(今回が初めてのうつ病)の下位診断は...以下のようです。

F32 うつ病エピソード

 F32.0 軽症うつ病エピソード

 F32.1 中等症うつ病エピソード

 F32.2 精神病症状を伴わない重症うつ病エピソード

 F32.3 精神病症状を伴う重症うつ病エピソード

 F32.8 他のうつ病エピソード

 F32.9 うつ病エピソード、特定不能のもの

・・・です(^_^;)。

 

そして、F32.8の付記として、非定型うつ病を含む、という形で、お待ちかね(?)の非定型うつ病が登場します(^_^;)。

 

F32.8の解説を、医学書院のICD-10の新訂版(2005年)から引用します。

 F32.0-F32.3のうつ病エピソードの記述に適合しないが、全般的な印象からその本質において抑うつ的と示唆されるエピソードはここに含めるべきである。例としては、緊張、困惑、苦悩といった診断を決定できない症状を伴う抑うつ症状(とくにさまざまな身体症状)が動揺性で混合しているものや、器質的原因にはよらない頑固な痛みや、疲労を伴う身体性抑うつ症状が混合しているもの(時に総合病院の医療でみられることがある)などである。

...そして、非定型うつ病、に加え、特定不能の「仮面」うつ病の単一エピソード、を含む...とあります。

要するに(?)...軽症~重症のうつ病、と診断することはできないけれど、臨床医が(ICD-10の使用者は精神科医に限定されていません~一般臨床・教育・サービスに利用される、とされています。)「全般的な印象」から抑うつ症状が主体だろうと考えた場合に、F32.8 他のうつ病エピソード、と診断”すべき”である...と言うことですね(^_^;)。

ICD-10に従うなら...非定型うつ病、という診断名そのものがないワケですが...(^_^;)、上記解説をご覧になっていただければ、臨床医(精神科医であっても)によっては、この診断を下すのか否かで、相当バラツキが起きそうである...と言うことができるのではないでしょうか?

・・・という意味では、F32.0-F32.3と、本当に診断できないのだろうか、それ以外の典型的な(?)疾患診断に本当に合致していないのだろうか、と(精神科専門医の場合は)検討したうえで...最後の切り札(?)として、あるいは仕方なく(?)、採用せざるを得ない診断ではないでしょうか...。

(もちろん、一般臨床医の場合は、また違ったスタンスにならざるを得ないでしょうが...専門ではありませんので(^^)v。)

ちなみに、天ちゃんは、いまだこの、「他のうつ病エピソード」という診断をさせていただいた患者さんの経験が、ありません(^_^;)。

 

まとめますと(?)...

非定型うつ病に対する、ICD-10のポリシーは...そもそもそういう診断名を採用しないということ、今回初めてのうつ状態で、主たる精神症状がうつ状態であって、他の精神疾患診断に当てはまらない場合、「他のうつ病エピソード」と診断しておき、以後の経過を慎重にモニターする(あるいは専門医にコンサルトする)、ということ(いわば暫定的な診断)なのだろうと、天ちゃんは理解しています。

(もちろん、患者さんには、以上のような主旨を、限られた診療時間内で、できるだけご説明することになるのでしょう...(?)、何せ、そう診断した患者さんの経験がないもので...(^_^;)。)

(精神科以外の臨床医の場合...「うつ病かも知れません」との趣旨の説明はあり得るでしょう。でも、患者さんにすればこの「かも」を抜いて理解されてしまいかねないかも...(?)(^_^;)。)

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