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きき さんのご質問にお応えして、今日のブログ記事といたします<m(__)m>。
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http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081114/_v#comments
まず、最近気をつけて、ご説明(弁解?)させていただいているのは...
医師が、医学研究を、特にエビデンス・ベースの知見をもとにして、”一般論”としてお話できるのは、要は、患者集団を対象にした研究結果に基づいているワケですから...
あくまで、そういう患者集団同士の”平均値”の比較に基づいた知見にすぎない、という基本的な事実でしかない、ということです。
逆にいえば、無難な意見、ともいえるワケですが...
たとえば...治療薬AよりもBの方が、精神疾患Xの症状に対して有効である。
これが意味しているのは、たとえば100人の精神疾患Xを抱えている患者集団に治療薬Aを服用していただき...
一方、別の100人の精神疾患Xを抱えている患者集団に治療薬Bを服用していただき...
(それぞれ100人ずつに分けるときに、たとえばサイコロをふって偶数が出たら治療薬Aを飲んでいただく方のグループに、奇数が出たらBの方のグループに分ける...それを200人について同様に行う。そうすると、まったく偶然で200人を100人ずつに分けるので、一人ひとりの患者さんのもっておられる多様な個性自体も、まったくの偶然で、確率的にはちゅおどいい具合に、多様な個性自体も、それぞれ2グループに均等に釣り合って分けることができる...理論上は(^_^;)。)
服用前の症状の悪さ(の”平均値”)と、ある一定の期間服用後の症状の改善度(の”平均値”)とを比べてみたら、治療薬Aを服用していただいた患者集団100人の症状の改善度の”平均値”の方が、治療薬Bを同じ期間服用していただいた患者集団100人の症状の改善度の”平均値”よりもよかった。
...そういう医学研究の結果を、私たち医師は情報として知っていて、それから、これら合計200人の患者さん集団と、目の前の患者さんの特徴がほとんど同じであれば、治療薬Aを服用していただくのが、「無難」であろう。
よって、目の前のお一人の患者さんに、治療薬Aを処方させていただく。
という無難な(安全な)意思決定の作業を日常的に、医師は行っているワケ、です。
(理屈っぽくてスイマセン<m(__)m>。)
ちょっと考えてみていただけばおわかりなように...(?)
治療薬Aを服用していただいた100人の患者さんの中には、治療薬Aを服用しても、よくならなかった方、いえ、かえって悪くなった方も含まれているに違いありません。
一方、Bでは、逆パターンの患者さん-たとえばすごく良くなったとか-もいたに違いありません。
ですが、多数の患者さんの”平均値”では、治療薬Aの方が効果があったので、目の前の患者さんには、治療薬Aをお勧めするのが、無難(で安全である)、という次第です。
結局、目の前の患者さんに治療薬Aを、試しに飲んでみていただいて、一定期間後に、そのクスリAが効果があったのかなかったのかを観察・評価してみて初めて、その実際の目の前の患者さんの精神疾患Xの症状に対して、クスリAが効果があったと言えるのかどうか...
そういう手続きでしか、クスリの効果を知ることができません。
試しに飲んでみていただいて結果を見てみる、というのを別の表現をあえてするならば、実験をしている、とも言えるのです。
仮にエビデンス(科学的根拠)をベースにした助言ではあっても、こうした事情を知っておいていただくことは大事、と天ちゃんは考えています。
閑話休題(^_^;)。
きき さんのお一つ目(?)のご質問...
> 今の症状としては、色々な事をすぐに忘れてしまいます。
> たとえば2日前に食べた食事の内容を聞いても覚えていないと言います。あとは表情がまだ少し硬いです。
> よく笑いますが口角が以前ほど上がっていません。これは薬の作用でしょうか?
きき さんのご主人に関してのご質問です。
ご主人のかかられた精神疾患が、統合失調症である、ということを一応の前提にしてのご質問とのことです。
「2日前の食事の内容を聞いても覚えてない」...実は、これは天ちゃんも同じ、です(^_^;)。
(天ちゃんは今のところ、統合失調症に罹患していませんし、リスパダールも服用していませんが。)
ただ、わざわざこうきき さんがお書きになってらっしゃるということは、ご病気される前には、ご主人は2日前の食事の内容を覚えていらっしゃる方だったのでしょう...(?)
という茶化しは置いておいて...<m(__)m>
ご主人には、記憶力の低下がみられる、ということなのでしょう。
また、よく笑うようにはなったけれども、以前のご主人の笑い顔に比べて、口角の動きが「硬い」ということなのでしょう...(?)
統合失調症の病気(病相)の経過(推移)に応じて、主治医はリスパダールを漸減されてきているとのことでした。
また...
> リスパダールって嬉しいとか楽しいという感情と関係のあるドーパミンを遮断してるんですよねぇ?
> そうすると薬を飲んでいる以上はしょうがないのでしょうか?
もってまわっていますが...
以前の記事に書いたとおり...
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070207/1
> 寛解期は、急性期のネガ・ポジの関係にあると理解していただくと良いでしょうか。
> 中枢神経の興奮は冷めやり...うつ状態や呆けたような状態になります。
> 寛解期(回復期)の前期を、寛解後疲弊状態 とか 寛解後うつ状態 とか呼んだりすることもあるくらい、です。
> それと主人は最近暇だからといって毎日出歩いていてほとんど家にはいません(一日中雀荘とか漫喫とかジムとか立ち読みとかしてます)。
...というように、寛解前期、あるいは、暇を感じて好きなことならおできになるようになってきてらしゃるとのことですから、後期に移行したばかりのようです...
記憶力低下や感情の起伏の減弱など、脳機能はまだ病前の状態に戻っていないと思われる時期を、きき さんのご主人は過ごしていらっしゃるとのことです。
以上を総合判断するに、リスパダールの(副)作用という要素もないとは言えないが、たぶん、病状そのもの、まだ十分には回復しきっておられない、1回の統合失調症のエピソードの経過の中で起きている現象が、きき さんのご主人に見られている...のではないだろうか。
それが、天ちゃんの意見です。
(”一般論”から「無難」なコメントをさせていただきました。もっと正確な判断は、やはり主治医が一番可能である。そう思いますので、主治医にお聞きになってみるのが一番と言えそうです(^_^;)。)
> なるべく家でごろごろするように言っているのですが、退屈だと言い色々しています。
> 以前の賢い休養の仕方というのになるべく休むこととありましたが、やはり主人もあまり出歩かずに家でごろごろしていた方が回復のために良いのですよねぇ?
この点については、「いいえ」です。
> 「もうずいぶんとユックリ休めた気分です。」 とか
「そろそろ○○してみたいなぁ。」 とか
> 素直に感じられるようになってきたら...寛解期の前期から後期への移行期に
> 差し掛かったかナ(^_^)、
と判定します。(図の縦の点線のところ、です。)
> 徐々に、昼寝とかも不要になって、自然な睡眠リズムとか、食欲とかも戻ってくる時期です。
> アレしなきゃコレしなきゃ、とか焦りや不安から、動き出すと、急性期の症状が再び
> ぶり返して表れてくることが多いですので、要注意、です。
> この時期から、ボチボチとユックリ、退院や社会復帰に向けて、
> リハビリテーションのプログラムを開始していきます。
↑ ↑ ↑
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070207/1
以上のように過去記事に書きましたように、「徐々にリハビリテーションのプログラム」を開始していく段階にまで回復されてきたのだろうと思います。
きき さんのご主人のゴールは何でしょうか?
そのゴールに向けて、リハビリのステップを踏み出す段階にいらしゃることと思います。
どうやら、現在、ご主人を中心にしながら、主治医とご相談いただいて、リハビリプランを立てるのが良い段階に到達されたのだろうと思います。
どうぞ一度、主治医の見立てを共有していただき、ご主人を交えてご相談になってみてください(^^)v。
(つづく)
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