| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |
天ちゃんも、その昔、駆け出しの研修医だったころ、師匠の経験談や、中井久夫先生のご著書の影響などあって...
同期の精神科研修医の間で、精神科薬を飲みだめしてみることが、ちょっとブーム(?)になりました。
また、今は亡き某科長さんの取り計らいで、ある総合病院の精神科病棟に”体験入院”させていただいた折には...
記憶では、ハルシオン0.25mg、ユーロジン1mgを眠前に処方していただいたのですが...人生発の睡眠薬の使用と、内科研修の蓄積疲労(^_^;)からか...
翌日の夜まで眠れて、ビックリ!(@_@;) でした。
今日は、asdfg さんの体験を本文記事として、掲載させていただきますm(__)m。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081121/1#comments
----------------------------------------------------------------------------
記事を読んでいて、参考になるかなと思われることがありますのでコメントします。(私の経験談です。)
まず、私は3年ほど前リスパダールとフルニトラゼパムを服用していましたのでその頃どのような気分だったのか、疑問に答える意味で、感想を書いてみたいと思います。
(精神科の薬の作用は、個人により大きな差がありますので一例としてお読みいただければ幸いです。)
服用していた状況ですが・・・、
私の場合は、統合失調症→急性一過性精神病性障害と病名が変わり、診断名の変化とともに、リスパダール→ソラナックスと薬も変わっていきました。(メジャー・マイナートランキライザーを服用中はロヒプノールも服用していました。)
その後、トランキライザーを服用しなくて良いといわれた後に、更に眠剤を漸減させ最終的には何も服用しなくてよくなりました。(2年ほど前の話です。)
さて本題のリスパダールを服用していた当時の気分ですが、ちょうど温泉で長湯をしてでろでろに体が溶けているような感じです。
気分は悪くありませんが、あまり物を考えられなくなります。(というか頭の働きが薬で鈍らされているような感覚でした。)従ってもの覚えも悪くなりました。
ただこれらは薬の影響だと思います。薬が抜けた現在ではそのようなことは全くなくなっているからです。
表情が硬いのは、たぶん病気自体のせいではないでしょうか。私も表情や動作の硬さが取れるのに結構時間がかかりました。
この病気は、本当にゆっくりとした時間の中で小さな波を繰り返しながら次第に回復していきます。例えば、夕方や雨の日になると調子が悪くなるとか、ほんのちょっとした事柄が気分に影響するとか。
回復が始まった頃は、家の部屋を移動するのさえ億劫でとにかく布団の中で丸まっていたい(というかそれしか出来ない)という気分なのでした。
(これから自分はどうなってしまうのだろうという人生や自分の精神に対する漠然とした、しかし、非常に大きな不安や恐怖が大きかったように思います。)
回復するにつれて本当に少しずつですが外部と接触することができる(したく)なるようになります(ただし、気分的には全然余裕が無いし、傷つきやすいむき出しの状態なのでバランスを崩しやすかったです。
とにかく生きてさえいれば何とかなる半ば投げ出した、半ば諦めた思いで日々を過ごしていたように思います。この気持ちのお陰で回復を焦らずに済んだのですが。)。
本当に少しずつ(殆ど変化が見られないようなときもあるのですが)小さな波を繰り返しながら回復していったように思います。(回復の感じは波線矢印が右往左往しながらも次第に回復方向に向かっている感じと思っていただければ近いです。
私も急性だったように思います。現在から振り返ってみると、私自身でもそう思いますし、周囲の方(他人)の意見を聞いてみても、前日までは全然普通だったといっていました。(ただし、医学的見解は異なるかもしれません。)
ところでご質問の薬をやめるまでの期間についてですが、
リスパダールは発病から1ヶ月半。
抗不安薬はリスパと入れ替わりで使用し始め、その後2ヶ月程度でした。しかしその後も何ヶ月かは頓服として使用していましたので、全体では4ヶ月程度でしょうか。
睡眠導入剤と睡眠剤はいずれも発病から9ヶ月頃まで使用しました。ただし最後の2ヶ月程度は分量を漸減する期間でした。
発病の原因については、私も今後の防衛策を立てる上で最重要だと思い、何度も医者に聞いてみたのですが、これだとはっきりいえないだろうということでした。
人間が生活するうえでは沢山の要因が絡み合ってストレスになっているので、それぞれを切り離してこれが今回の発病の原因とは断定できないということでした。
ただそういっても不安が付きまといますので、自分なりに調べた結果、笠原嘉著「精神病 (岩波新書) (新書)」という本に一般的な原因が書いてあるのを見つけました。よろしければ参考になさってください。
私の場合、発病のきっかけは全く思い当たりませんでした。
[引用元] http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081121/1#comments
--------------------------------------------------------------------------
当クリニックの、相棒の臨床心理士さんも、主だった精神科薬を飲みだめしてきました。
彼女の場合、どの薬を飲んでも、ほとんど目立った変化がなかったようです(^^)v。
単剤を、1回限りですからねぇ~(^_^;)。
でも、相棒はエライ! と心底思っています(^^)v。
[関連記事]
統合失調症の薬物療法 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070215/2
--最近右上ボックスに入れるべき新規抗精神病薬としてロナセンが使用できるようになりました。ドーパミン・セロトニン・アンタゴニストということでDSAとか呼ばれます。
薬物療法の基本スタンス10ヶ条 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070219/1
PS
> 天ちゃん先生、ブログのコメント欄をチャット代わりに使ってしまい申し訳ありません。
> あつかましいお願いなのですが、お許しいただけるようであれば、情報交換のため、もう少しだけお貸しいただくようお願いいたします。
ぜんぜん!!(^^)v 当ブログがお互いに有益な情報交換の場になるのなら、本望です(^^)v。
いつでもご利用くださいマセ~~
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
ちょっとタイミングが遅ればせですが...(^_^;)
もう1週間ほど前になるんですねぇ...
実は、ちょうど、ハラスメントがいかにメンタルヘルス(不全)に悪影響を与えるか。
そんなテーマの依頼原稿を書いていたのですが、ちょうどタイミングよくというか...この麻生総理の発言の報(↓)に接しました(>_<)。
11月19日17時57分配信
麻生太郎首相は19日、首相官邸で開かれた全国知事会議で、地方の医師不足問題に関連して「社会的常識がかなり欠落している人(医者)が多い。とにかくものすごく価値判断が違う」などと述べた。首相はその後、記者団に「まともな医者が不快な思いをしたというのであれば申し訳ない」と陳謝したが、医師の資質を批判したとも受け取れる発言で、今後波紋を呼びそうだ。
同会議で首相は、「地方病院での医者の確保は、自分で病院経営しているから言うわけじゃないが大変だ」と強調。その上で、「小児科、婦人科が猛烈に問題だ。急患が多いところは皆、(医師の)人がいなくなる」「これだけ(医師不足が)激しくなってくれば、責任は医者の(方にある)話じゃないか」と述べ、産婦人科に対する診療報酬加算などの対応が不十分との認識を示した。
問題の発言は、医師の多くが産婦人科などでの過重な勤務を敬遠して開業医に流れる現状に、知事側が懸念を示したのに対して飛び出した。首相は同日夜、記者団に「医者は友達にもいっぱいいるが、おれと波長が合わねえのが多い」としながらも、「そういう(社会常識の欠落という)意味では全くない」と釈明した。
[引用元] 時事通信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000129-jij-pol
...(@_@;)。
全体の文脈の中で述べた発言を、細切れに引用しているせいも大きいでしょうが...「社会的常識がかなり欠落している人が多い」⇒「そういう(社会常識の欠落という)意味では全くない」 なぁ~んてのは、支離滅裂...というほかないでしょう(?_?)。
(2兆円の給付金の迷走も...同様...(>_<)。)
「自分で経営している病院」とは...コチラ ⇒ http://aih-net.com/index.shtml
実の弟さんが代表(?)を務めるASO GROUPの傘下にある病院です。
ASO GROUPのページはコチラ ⇒ http://www.aso-group.jp/
さらに...(>_<)、
11月19日22時52分配信
麻生太郎首相は19日、都内のホテルで開かれた私立幼稚園PTAの全国大会であいさつし「家庭でしつける力がなくなってきた」と指摘した上で、「じいさん、ばあさん、やかましいおやじさんの存在が薄くなってきたせいもあって、幼稚園で何とかしろと負担が掛かってきている。しつけるべきは母親だ」などと苦言を呈した。
首相は「幼稚園は、お子さんの後ろにくっついている親で苦しむ」などとも述べた。
[引用元] 時事通信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081119-00000203-jij-pol
社会的常識のある((^_^;))医師ならば...以上のような暴言も、笑って流せるのでしょうが...(^_^;)
過去記事ですが... http://blog.m3.com/tenchanoffice/20071016/2
ここで取り上げられた「上司」=麻生首相、と置き換えてみてください。
今日のタイトルをこう(↑)した意味を、ご理解いただけることと思います。
医師不足による医療破壊、幼稚園にかかる負担...
天ちゃんはこのブログで、時折、保健・医療・福祉・教育・保育・介護・労働の領域の切り崩し(規制緩和)政策の舵を切る必要があることを述べてきましたが...
そういう政策の結果、医師不足による医療破壊、幼稚園やPTAにかかる負担が産み出されてきたワケですから、麻生首相の暴言は、確信犯的なものだったに違いありません(>_<)。
医療費の国庫負担を増やし、幼稚園への補助金を増やし、子育て中の親の負担を軽減するような支援策をもっと強化する、などして破壊や負担を、政治の責任で解決しようとすれば済むことです。
...というのは社会常識ですよねぇ~(?)
先の過去記事(↑)で取り上げた、上司も、結果が出せないような部下の状況を(たとえ意識はしていなくても)作っておいて、それが部下の責任であると、人格的な攻撃までしたことが、部下のうつ病、ひいては自殺を結果したのだ、と先の判決は明確に認めたわけです(^^)v。
(「女工哀史」、細井和喜蔵、岩波文庫、第六 工場における女工の虐使、より)
蛇足ですが...(^_^;)
主任とおイクさんの関係は...麻生首相と、医師・幼稚園の先生・PTAとの関係と相似ている、いや、同じではないか!? ということ(・へ・)。
ここに言う「女工」は...後期高齢者であり、非正規雇用者であり、われわれ医師であり、保育士であり、免許更新制が始まる教師であり、長時間過重労働下で働かされている労働者であり、お受験させらている子どもであり、....
ハラスメントの根っこを絶たなければ、ダメ! ということ(・へ・)。
日々、多くの患者さんを担当していて、そう実感せざるを得ない毎日です...。
(暴言に暴力や殺人で対抗するなんてことは、絶対にダメです、モチロン(・へ・)・・・ほかにもいい手だてはい~っぱいありますから・・・蛇足の蛇足(^_^;)。)
人気ブログランキングへ固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
このところ、統合失調症に関連した記事を、いくつか配信してきましたところ、偶然、先輩の精神科医から、以下の番組情報をいただきました。
以下に、ご紹介いたします(^^)v。
先輩、グッド・タイミングの情報提供、いつもありがとうございま~す<m(__)m>。
番組名:今日の健康「正しく知ろう統合失調症」
放送日時:11.24(月),25(火),26(水),28(金)
時間 20:30-20:45 (再放送は翌週13:05-13:20)
チャンネル:NHK教育
詳しくは下記
http://www.nhk.or.jp/kenko/2001/schedule/index.html
講師:丹羽真一教授(福島医科大学神経精神医学)
各回テーマ
11.24 症状と原因
11.25 最新の薬物療法
11.26 生活支援
11.28 Q&A
なお、11.28に向けた質問を受付中で
FAX 03-5454-9001
または上記サイトからの入力
きき さんをはじめ、ご関心のある読者も多いと思います。
録画予約されるなど、どうぞ、丹羽真一先生の、わかりやすい語り口をご堪能くださいマセ~♪
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
前回の記事に続いて、きき さんのご質問にお応えします。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060922/1#comments
> こんばんは。先日職場の方と話したのですが、主人の職場は非営利団体なのでまずは週2~3日半日だけ出勤して何もせず場になれるというレベルの所から始めてくれるとの事で、私の方からこういった感じでリハビリをして欲しいと提案すればそのように対応してくれるとの事でした。
たいへん恵まれた環境にいらっしゃいますね(^^)v。
まず、ご主人が、復職に対してどんなお気持ちか確認が必要だと思います。
大変意欲的なのか、まだそうでもないのか。
次に、週2~3日半日だけ出勤して何もせず場になれるというレベルから始めることを、ご主人も望まれているのか、ご確認ください。
そのうえで、現在のご主人の社会生活、家庭生活の状況が、その週2~3日半日だけ出勤して何もせず場になれるだけというのを遂行できるほどになっているのか、それを評価してください。
もしもまだ、通勤を含めて、そういう段階にまで回復していない場合、そのレベルにまで至れるように、在宅でのリハビリ~デイケアや作業所等の社会資源利用も選択肢~を組み立ててください。
具体的な組み立てについては、主治医のご意見もいただくのがよいと思います。
最後に、ご主人が発症されたときの要因の中に、職場側の要因があったのかなかったのか。
もしもあったのなら、その職場側要因が減っているか、なくなっているのかどうか...
職場側要因を職場側が、ご主人が復帰するまでに改善する余地があるのかどうか...
原則現職復帰、ですが、もしもこの点をクリアーするのが難しいようでしたら、職場異動等を十分慎重に検討する必要が出てきますので。
> 主人が最終的にもし統合失調症と診断された場合でも再発予防療法の期間はうつ病と同じでしょうか?主人のケースではどのようなリハビリが理想的だと思われますか?
> 会ったこともなくメールの情報だけなので難しいかと思いますが何かアドバイスしていただける事があればお願いします。
躁うつ病の場合は、躁病相の期間 かける 2~3倍が、うつ病相の期間の予測値でした。
↓ ↓ ↓
標準的なうつ病の経過 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060919/1
双極型の方が短い http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080111/1
うつ病の場合は、治療開始から6~7か月でした(↑)。
統合失調症の場合は...
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070709/1
> [急性期の期間]×2~3倍 = [寛解期の期間]
...ということでした。
次に...統合失調症の場合の再発予防療法の期間ですが...
データは古いものですが...(^_^;)
右図(→)のような「再発率曲線」が知られています。
上の2本が、服薬中止群。
下の2本が服薬継続群、です。
それぞれの2本の下の方が、心理社会的治療を受けていた群。
上の方が心理社会的治療を受けていなかった、「
通常」治療群です。
このグラフ(↑)から示唆されるのは...
やはり(?)服薬を継続している方が再発率は約2分の1。
服薬の有無にかかわらず、心理社会的な治療を受けている方が再発率が低い。
服薬を継続していない方の再発率は、3年くらいでピークになりそう...(?)。
でも、再発率は約80%(@_@;)。
...逆にいえば、服薬を中止しても20%、つまり3年たって5人に1人は再発していない(!)。
そうすると、服薬をやめて、3年たって、再発していなければ、その後一生再発せずに済むかも知れない...(!?)
とすれば、統合失調症と診断された場合の、再発予防療法の期間として無難なのは...3年、という解釈が許されるのではないでしょうか(?)。
専門家によっては、安全を見て、この期間を5年としていらっしゃる方もおられることと思います...。
その一方...
統合失調症の長期経過を見ますと...
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070216/2
20~25年間経過を見れば(^_^;)、経過良好か不良か、ほぼ結論が出そう...(?)。
結論は出なくても、だいたい10年くらいもすれば、どっちか(良好群か不良群か)占えそう...(?)。
...ってことで、服薬は、3~5年は続けていただくのが「無難」そうで、仮に服薬はほんの少量かしていなくても、10年くらいは患者さんを卒業されないほうが「無難」かも...
以下は、天ちゃんの臨床経験から。
再発予防の視点で、服薬を終了後、再発のサインをキャッチしていただいて、早めに受診していただき抗精神病薬を再開し、前駆期をやりすごせたら、通院終了...という間欠的服薬・受診をしてくださっている患者さんもおられます。
この間欠的服薬が、本当のところ、再発予防効果があるのかは、いまのところ決着がついていません。
また、ほんの少量の抗精神病薬...具体的には、定型抗精神病薬のハロペリドール 1.5mgを眠前に、そうですねぇ、もう30年来服用されている高齢の患者さんもいくにんも担当させていただいています。
つい最近は、発症されたときのテーマを達成された、統合失調症の中年の男性患者さんは、どこまでクスリが減らせるか...つい最近の外来では、ハロペリドール 0.75mg/日だけの処方にして経過を見ているところです。
一方、先輩の医師が過去に主治医をなさって、1回だけの統合失調症エピソードを経験後、治療終了されていて...
20年間まったく何の問題もなく、地域的な活動に、子育てにとお元気で活躍されていた、ある女性患者さんでしたが...
何と、25年後に、「再発」されて、天ちゃんが主治医をつとめさせていただいた、って経験もあります。
こんな経験を披露いたしましたのは、前回の記事で書きましたように、エビデンス・ベースの精神科医療を実践してはいますが、やはり、患者さん(ご家族)と共に、日々、実験的な営みの繰り返しである、それが(精神科)医療である、ということをご理解いただけたらって思いもあってのことです<m(__)m>。
> 卒業される方の話が聞けてとても勇気づけられました。治る病気とはいえ、本当に治るの?って思ってしまうので・・・。
糖尿病や高血圧と同様にとらえられる統合失調症ほかの精神疾患ではありますが...
糖尿病や高血圧でも治るってことがあるくらいには、統合失調症ほかの精神疾患でも、治る、ってことはあると思っています。
ただ口惜しいことに、確実に治癒にもちこめる手だてを、十分なエビデンスをもって、解明しきれていない...それが今日の精神医学の到達です...。
統合失調症の治癒、をテーマに扱った天ちゃんの先輩の精神科医の、以下の大変意欲的な書籍(↓)を、ご紹介しておきたいと思います。
ご関心がありましたら、お読みいただく価値のある書籍だと思います(^^)v。星和書店より2002年に出版、現時点で電子書店Amazonで在庫が1冊あるそうです。(ランキングは...低い、です(^_^;)。)
固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
きき さんのご質問にお応えして、今日のブログ記事といたします<m(__)m>。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081114/_v#comments
まず、最近気をつけて、ご説明(弁解?)させていただいているのは...
医師が、医学研究を、特にエビデンス・ベースの知見をもとにして、”一般論”としてお話できるのは、要は、患者集団を対象にした研究結果に基づいているワケですから...
あくまで、そういう患者集団同士の”平均値”の比較に基づいた知見にすぎない、という基本的な事実でしかない、ということです。
逆にいえば、無難な意見、ともいえるワケですが...
たとえば...治療薬AよりもBの方が、精神疾患Xの症状に対して有効である。
これが意味しているのは、たとえば100人の精神疾患Xを抱えている患者集団に治療薬Aを服用していただき...
一方、別の100人の精神疾患Xを抱えている患者集団に治療薬Bを服用していただき...
(それぞれ100人ずつに分けるときに、たとえばサイコロをふって偶数が出たら治療薬Aを飲んでいただく方のグループに、奇数が出たらBの方のグループに分ける...それを200人について同様に行う。そうすると、まったく偶然で200人を100人ずつに分けるので、一人ひとりの患者さんのもっておられる多様な個性自体も、まったくの偶然で、確率的にはちゅおどいい具合に、多様な個性自体も、それぞれ2グループに均等に釣り合って分けることができる...理論上は(^_^;)。)
服用前の症状の悪さ(の”平均値”)と、ある一定の期間服用後の症状の改善度(の”平均値”)とを比べてみたら、治療薬Aを服用していただいた患者集団100人の症状の改善度の”平均値”の方が、治療薬Bを同じ期間服用していただいた患者集団100人の症状の改善度の”平均値”よりもよかった。
...そういう医学研究の結果を、私たち医師は情報として知っていて、それから、これら合計200人の患者さん集団と、目の前の患者さんの特徴がほとんど同じであれば、治療薬Aを服用していただくのが、「無難」であろう。
よって、目の前のお一人の患者さんに、治療薬Aを処方させていただく。
という無難な(安全な)意思決定の作業を日常的に、医師は行っているワケ、です。
(理屈っぽくてスイマセン<m(__)m>。)
ちょっと考えてみていただけばおわかりなように...(?)
治療薬Aを服用していただいた100人の患者さんの中には、治療薬Aを服用しても、よくならなかった方、いえ、かえって悪くなった方も含まれているに違いありません。
一方、Bでは、逆パターンの患者さん-たとえばすごく良くなったとか-もいたに違いありません。
ですが、多数の患者さんの”平均値”では、治療薬Aの方が効果があったので、目の前の患者さんには、治療薬Aをお勧めするのが、無難(で安全である)、という次第です。
結局、目の前の患者さんに治療薬Aを、試しに飲んでみていただいて、一定期間後に、そのクスリAが効果があったのかなかったのかを観察・評価してみて初めて、その実際の目の前の患者さんの精神疾患Xの症状に対して、クスリAが効果があったと言えるのかどうか...
そういう手続きでしか、クスリの効果を知ることができません。
試しに飲んでみていただいて結果を見てみる、というのを別の表現をあえてするならば、実験をしている、とも言えるのです。
仮にエビデンス(科学的根拠)をベースにした助言ではあっても、こうした事情を知っておいていただくことは大事、と天ちゃんは考えています。
閑話休題(^_^;)。
きき さんのお一つ目(?)のご質問...
> 今の症状としては、色々な事をすぐに忘れてしまいます。
> たとえば2日前に食べた食事の内容を聞いても覚えていないと言います。あとは表情がまだ少し硬いです。
> よく笑いますが口角が以前ほど上がっていません。これは薬の作用でしょうか?
きき さんのご主人に関してのご質問です。
ご主人のかかられた精神疾患が、統合失調症である、ということを一応の前提にしてのご質問とのことです。
「2日前の食事の内容を聞いても覚えてない」...実は、これは天ちゃんも同じ、です(^_^;)。
(天ちゃんは今のところ、統合失調症に罹患していませんし、リスパダールも服用していませんが。)
ただ、わざわざこうきき さんがお書きになってらっしゃるということは、ご病気される前には、ご主人は2日前の食事の内容を覚えていらっしゃる方だったのでしょう...(?)
という茶化しは置いておいて...<m(__)m>
ご主人には、記憶力の低下がみられる、ということなのでしょう。
また、よく笑うようにはなったけれども、以前のご主人の笑い顔に比べて、口角の動きが「硬い」ということなのでしょう...(?)
統合失調症の病気(病相)の経過(推移)に応じて、主治医はリスパダールを漸減されてきているとのことでした。
また...
> リスパダールって嬉しいとか楽しいという感情と関係のあるドーパミンを遮断してるんですよねぇ?
> そうすると薬を飲んでいる以上はしょうがないのでしょうか?
もってまわっていますが...
以前の記事に書いたとおり...
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070207/1
> 寛解期は、急性期のネガ・ポジの関係にあると理解していただくと良いでしょうか。
> 中枢神経の興奮は冷めやり...うつ状態や呆けたような状態になります。
> 寛解期(回復期)の前期を、寛解後疲弊状態 とか 寛解後うつ状態 とか呼んだりすることもあるくらい、です。
> それと主人は最近暇だからといって毎日出歩いていてほとんど家にはいません(一日中雀荘とか漫喫とかジムとか立ち読みとかしてます)。
...というように、寛解前期、あるいは、暇を感じて好きなことならおできになるようになってきてらしゃるとのことですから、後期に移行したばかりのようです...
記憶力低下や感情の起伏の減弱など、脳機能はまだ病前の状態に戻っていないと思われる時期を、きき さんのご主人は過ごしていらっしゃるとのことです。
以上を総合判断するに、リスパダールの(副)作用という要素もないとは言えないが、たぶん、病状そのもの、まだ十分には回復しきっておられない、1回の統合失調症のエピソードの経過の中で起きている現象が、きき さんのご主人に見られている...のではないだろうか。
それが、天ちゃんの意見です。
(”一般論”から「無難」なコメントをさせていただきました。もっと正確な判断は、やはり主治医が一番可能である。そう思いますので、主治医にお聞きになってみるのが一番と言えそうです(^_^;)。)
> なるべく家でごろごろするように言っているのですが、退屈だと言い色々しています。
> 以前の賢い休養の仕方というのになるべく休むこととありましたが、やはり主人もあまり出歩かずに家でごろごろしていた方が回復のために良いのですよねぇ?
この点については、「いいえ」です。
> 「もうずいぶんとユックリ休めた気分です。」 とか
「そろそろ○○してみたいなぁ。」 とか
> 素直に感じられるようになってきたら...寛解期の前期から後期への移行期に
> 差し掛かったかナ(^_^)、
と判定します。(図の縦の点線のところ、です。)
> 徐々に、昼寝とかも不要になって、自然な睡眠リズムとか、食欲とかも戻ってくる時期です。
> アレしなきゃコレしなきゃ、とか焦りや不安から、動き出すと、急性期の症状が再び
> ぶり返して表れてくることが多いですので、要注意、です。
> この時期から、ボチボチとユックリ、退院や社会復帰に向けて、
> リハビリテーションのプログラムを開始していきます。
↑ ↑ ↑
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070207/1
以上のように過去記事に書きましたように、「徐々にリハビリテーションのプログラム」を開始していく段階にまで回復されてきたのだろうと思います。
きき さんのご主人のゴールは何でしょうか?
そのゴールに向けて、リハビリのステップを踏み出す段階にいらしゃることと思います。
どうやら、現在、ご主人を中心にしながら、主治医とご相談いただいて、リハビリプランを立てるのが良い段階に到達されたのだろうと思います。
どうぞ一度、主治医の見立てを共有していただき、ご主人を交えてご相談になってみてください(^^)v。
(つづく)
人気ブログランキングへ固定リンク | コメント (8) | トラックバック (0)
今日の午後は、某保健センター主催の、「家族教室」の第2回目の講師をつとめてまいりました(フゥ)。
「家族教室」自体は、もう数回続くのですが...天ちゃんのお役目は、これで終了です。
第1回目が、統合失調症とは? 最新の治療と対応 でした。
今回は、最新の薬、再発予防と対応 でした。
この保健センター管轄の地域だけではなく、所属する自治体全体の住民に-といっても統合失調症をかかえた患者さんのご家族が主体ですが-公報等で案内がだされたそうで、大変たくさんの方がご参加くださいました。
ちなみに...
残りの回では、家族が健康でいるために、地域の資源の活用について などがテーマです。
担当の保健師さんからは、来年度の 精神保健相談医を要請されましたが...
正直なところ、11月1日号の東洋経済でも特集されたように...

医療機関の7割が赤字経営!! ですから(>_<)。
当クリニックですら、特に広報活動を一切していなくても、受診希望の患者さんはい~っぱい(^_^;)
そして、クリニックで待っていて、同じ時間だけ、患者さんの診療をした方が、今のところ、金銭的には全然効率的であることがひとつ。
(それでも、今年度は、外来単位を増やし...お仕事を強化しています。けれども経営数字は悪化の度合いを弱めている、くらいにしか効果が出ていません(@_@;)。)
(ついでに...こんな記載をブログに載せると...「常識に欠ける」医者って言われる昨今です(!?(?_?)))
それと...
天ちゃんの所属する法人の精神科医師が来年度までに、ナント!(@_@;) 複数退職されることが決まってしまいました(>_<)。
それに伴って、天ちゃんの働き方、お仕事の中身が、相当に影響(制約)を受けることが間違いナシ...といった状況がふたつ。
主に、以上の2つの理由から、とても来年度の外部的なお仕事(まして機会損失の大きいものは特に)を予めお引受けすることが、ほとんど不可能な事態になってしまっています(>_<)。
(実際どうなるかは別にして...当クリニックの閉院も選択肢のひとつに...医者がいなくなればその分何かを削らざるを得ませんから(>_<))
...と愚痴は、これくらいにして(^_^;)。
さて、今日出かけた地域は、実は、天ちゃんが云十年前の医学生の頃、4畳半の安アパートに住んでいた(貧乏でしたので)、その地域だったんです。
思いのほか、その昔の街並み、景色を残していました(^^)v。
でも、バイト代が出たら必ず食べに行っていた喫茶店、サラダスパゲッティーを食べに行ったお店と、スープスパゲッティーを生まれて初めて食べたお店と、両方とも消えてなくなっていました(>_<)。
(今回の金融危機では、特に外食産業では、11月に入ってパタッと客足が落ちているそうです~天ちゃん調査(^_^;)。)
その昔、ご一緒に働いたことのある看護師さんも、なぜか聞きにきてくれていて...(お元気そうでした(^^)v)
<さっきの質問用紙の、答えにくいあの質問は、まさかNさんが...いじわるしたんじゃぁないでしょうねぇ~!?>
って帰りがけに声をかけたら...
「冗談でしょぉ~ そんなことするはずないじゃな~い(^^)v」
タイトルの”チョコレート”は...
実は、統合失調症を患って、不幸にも亡くなられた息子さんの死後に、ご自身がうつ病を発症されて...天ちゃんが一時期主治医を務めていたお母さまが、休憩時間の合間にソット渡してくださったのでした<m(__)m>。
うつ病が平癒され卒業された数年前と変わらず、多くを語りませんでしたが...高級チョコレートに添えて、直筆のお手紙がありました。
...迂闊にも、今日のような家族向けの講演を知って、もっと早く参加していれば、息子を失わなくて済んだと思います...かしこ。
帰りの電車を待つホームで、中年の男性から声をかけられました。
「さっき、(天ちゃん)先生の講義を、最前列で聞いていたモノです。妻の発症を機に...云々。」
この男性は、一回りほど若い奥さまが、単身赴任中に(幼子を一人でかかえる状況になったそうで)統合失調症を発症された方です。
それを機に、脱サラして、身につけられていた専門技術で自営業を始められた方です。
前回も、質問用紙でご質問くださっていた方です。
そういう大英断をなさった夫としての潔さ、奥様を支えながら自営業を軌道に乗せられてきた御苦労などを、いくつか電車をやり過ごしながら(^_^;)、お聞かせいただきました。
帰宅後...子どもたちと、他愛もない雑談をしながら...
父親がその昔過ごした地域の保健センターに呼ばれて、講義をしに行ってきたこと、その地域がどう変わり、でも何は変わらずに残っていたかなど、を語りながら...
年の小さいもの順に、希望のチョコレートを堪能させていただきましたm(__)m。
[関連記事]
家族心理教育vs家族会 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070308/1
固定リンク | コメント (3) | トラックバック (0)
ご意見募集に、応えてくださったみなさん、ありがとうございます<m(__)m>。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081117/1#comments
おいおい、ブログ本文で、取り上げさせていただきながら、記事をアップしていこうと思っておりますので...
読者の方々からのコメントに触発されたり、学ばせていただいたりしていますし...それが、天ちゃんの日々の臨床やささやかな研究にも、案外、反映されたりしていますので(^^)vm(__)m。
今日は「患者の語り」シリーズ(?)の方の記事(↓)を、忘れないうちにご紹介しておこうと思います。
--------------------------------------------------------------------------
私のコメントがアップされていて、またまたびっくりさせていただきました。大きくコメント頂きありがとうございます。
初めての神経内科で受けた先生の一言が、とてもきつく感じていて、それから、身体の症状以外を伝えるのが嫌になったのかもしれません。 その頃は心が本当に苦しくて、2日ほど何も食べずにいて、しまいには水でもお茶でも吐いてしまうようになって、内科から神経内科を紹介されました。でも確かに神経内科へ行ったころは回復してたのかもしれませんね。
今日は社会復帰のチャンスを棒に振ってしまいました。 受けると返事するタイムリミットでした。 リミットが過ぎた夕方(=今)少し身体がましになったのは、夕刻からましになるうつの特徴からなのか、無意識の拒否反応なのか、自分ではわかりません。
回復を感じていたのに、ここ数日間、またもや一日のほとんどの時間を眠らずにはいれない状態(=過眠)に逆戻りをしていました。 少しずつ回復を感じていた矢先でした。 もう一度勇気を振り絞って、精神科受診もしくはカウンセリングを受けるべきなのか、いやはやこのままどこか社会復帰して回復を信じて進むのか・・・
受診しようか悩んでいながら結局、少しでも体調がましになると、自分はきっともう大丈夫という思いが勝ってしまって、いまだ受診せずにいたら、今の状態がきています。 こうやって、受診を先延ばしになさってる患者(?)も多いのでしょうね。
色々リンクのある過去ブログを後でゆっくり研究させて頂きます。では、本当にありがとうございます。
[引用元] http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081113/_milky_1#comments
--------------------------------------------------------------------------
milkyさん、コメントありがとうございましたm(__)m。
コメントさせていただきつつ...過去の[関連記事]をご紹介させていただきます。
まず...
うつ状態とうつ病の違いについて
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061026/1
~この記事を読んでも、うつ状態とうつ病の違い、に直接対応しているわけでありません(^_^;)。
うつ状態は、あくまで、状態を示し...うつ病とか適応障害といった精神疾患という「疾患診断」ではありません。
別の言い方をすれば、「重い」うつ状態で、かつ、それぞれの精神疾患診断を満たす場合、うつ病とか適応障害とか呼ぶ、ということです。
そして...
milkyさんが、現在、または過去のいずれかの時期に、うつ病にかかられている、あるいはかかられたことがあるかどうか、自己判断いただく際に参考になるのが...
↓ ↓ ↓
うつ病~心の不調に早めに気付くために http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060912/1
この記事(↑)中、各質問項目の前の、「この2週間以上」を「ある特定の時期の2週間以上」に変えて、各質問項目を自問自答いただいた場合、記事に書いたようなうつ病と診断するに必要な条件をクリアーしていた場合、その「ある特定の時期」にうつ病にかかっていた、って推定されます。
それと...
「受診しようか悩んでいながら結局受診しない人」は、天ちゃんは結構多いと思っています。
↓ ↓ ↓
うつ病 全体の経過 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060919/1
受診しようかどうか悩んでいる方には、天ちゃんは、躊躇なく、受診されることを推奨いたします。
あまり楽観的になることは許されませんが、うつ病の治療でいえば、よくできて当たり前、いかに再発させないか、それがうつ病治療の現在のホットな話題である。
この点だけ、お伝えしておきたいと思います。
さらに、今すぐに受診を希望されても、精神科マンパワーの不足から、すぐには診察してもらえない。
そういう事態が、よほど特別な地域や状況(新規開業のクリニックがあるなど)をのぞいては、わが国のあちこちで起きています。
ですから、受診しようと決め、すぐに受診予約の電話を入れても、実際に診察してもらえるのは予想外に先、ってことが起きますから、躊躇なく受診されることを強く推奨いたします。
↓ ↓ ↓
精神科マンパワーの不足 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060530/1
それと...
milkyさんは、コメントで、「回復」の用語を用いておられますが...
うつ病が良くなった、というときの良くなったには、いくつか種類があります。
↓ ↓ ↓
寛解と回復 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060915/1
~なお、「回復」までの期間は、最近ほど長くとる臨床家が多くなっていると思いますので、ご注意ください。(どこかの過去記事に記載しました(^_^;)。)
最後に...
上記(↑)「回復」時点から、在宅リハビリを経て、社会復帰にある程度耐えられる、気力・体力・仕事力を取り戻されてから、社会復帰にトライされることを、強く推奨いたします。
↓ ↓ ↓
回復と復職 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060922/1
在宅でのリハビリの参考に http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060926/1
これらの記事で述べた「工夫」(?)が大事なのは、社会復帰したとしても、そのチャンスをGETしたとしたとしても、結局、定着しない、長続きしない、という事態に陥らなくてすむように、です。
当拙ブログの常連(?)の読者さんにとっては、復習シリーズ(?)みたいな感じになりまして、恐縮です<m(__)m>。
では、milkyさん、どうぞご参考になさってください。
人気ブログランキングへ固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)
「いのちの電話相談員」の養成講座を受講中の、うさぎ さんから、素朴でいて、大変重要な疑問をいただきました。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081112/_v1#comments
(以下に、一部引用し再掲します。)
> 実は教えていただきたいことがあります。
> あまりに突飛な質問なので誰にも聞けないまま、しかし悶々とし時を過ごしています。
> 「どうして、自殺は予防しなければならないのでしょうか?」
> いのちの電話活動の主旨は悩みを抱えているお相手の気持ちに添うことだ、と学びました。
> そのとおりです。
> しかし、どうして自殺を望んでいる人にだけはその人の希望に添わずに自殺を止めなければならないのでしょう??
> もちろん私だって、誰かから自殺をほのめかされたら必ず止めると思います、心情的には。
> しかし、あえて誤解を恐れずに言えば死にたがっている方には死んでもらってもいいんじゃないか・・・と。
> 死にたがっている方の多くはうつ病だったり経済破綻を抱えていたり・・
> 社会的にも健全には暮らせない方たちが多い。
> そういう方たちを、しかも本人が死を希望しているのに生きてもらうことには、どんな意義がありますか?
> ほとんどのテーマでは、相手の希望するように添うのが「親切」と定義されているのにどうして自殺に関してだけは
本人の希望と反することを進めなればならないのでしょうか?
これに対し...ちこ さんと じゅんじゅん さんが、すでに応答してくださっています。
↓ ↓ ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20081112/_v1#comments
(これも一部引用し要点を再掲します。)
> 私が思うには、死にたい人は、死にたいと思う何らかの理由が解決すれば、必ず生きていけるに違いないから・・・です。
> うつ病で死にたくなるのは「症状」です。うつが良くなれば死にたくなんかなくなります。
> 借金苦で死にたい人は、借金が整理されて何らかの手立てが取れれば、生きていけます。その方法があるんです。だから、自殺は予防すべきと思います。
> 生きてさえいれば、そして、必要な援助を受け、死にたいほどの苦痛がなくなれば、人は必ずまた生きていく方向へと進むのが本来です。
> 人の心臓は、どんなつらい時でも確かに鼓動を打ち、意識しなくても息を吸いまた吐きます。それが生き物の自然です。人も自然の一部なんですから。
> 死んでしまった彼も、最後まで死にたいと生きたいの間を揺れてました。何も食べられなくなっても、飲み物を求め、死の直前には私の作って帰ったおかゆを食べようとしていました。
> 人はそういう揺れる存在です。命ある限り、必ずまた笑える日が来ます。その日のために、今死ぬことはもったいないのです。
> 今死にたい命を支えること、そして未来に希望を見出していかれるよう寄り添うこと・・・相談員の役割は大きいです。
ホント! いつも、ちこ さんのコメントには感心しています。
ここでの応答の内容(↑)に、天ちゃんも賛同いたします(^^)v。
じゅんじゅん さんの、ご自身のうつ病体験に基づいた、囁きかけるような次のコメント(↓)にも感心しました。
(一部抜粋引用し再掲します。)
> 実際に自分がウツになってみて,少し分かってきた気がするのです。
> ウツ病は,「脳の病気」で,「脳の元気を出す物質」が少なくなっている状態。または,「脳の元気を出す物質が出にくくなっている状態」。
> こうとらえた時に,目から鱗・・・。何故自分がしんどくなるのか,何故憂うつな気持ちになるのか,納得できたのです。
> だから,今自分に起こっているマイナスの感情(不安,恐れ,悲しみ)は,うつ病にかかった脳が生み出しているものであり,自分本来の感情ではない・・・。 そう認識できたのです。
(中略)
> うつ病の方は,うつ病がきちんと治療されれば,「死にたい」とは思わなくなる方が多いのでは?
> 「治療さえすれば」マイナスの感情は,少しずつ消えて,本来のあり方に戻るのでは・・? そう考えています。
うさぎ さんの疑問への応答には、いくつもの可能性があり得ると思いますし、応答の入り口もな何箇所か考えられると思いました。
そもそも...どうして自殺を予防しなければならないのか? という論の立て方は妥当なのでしょうか? というコメントもあり得るでしょう。
うさぎ さんご自身も...
> もちろん私だって、誰かから自殺をほのめかされたら必ず止めると思います、心情的には。
...とお書きになっているように、自殺を予防しなければならない問題ととらえるのではなく...「自殺したい、死にたい」と思っている(語っている、行動しているetc.)に接したときに、単純に(?) or 素直に(??)それを予防したいと思うから止めるのだ。
そして、それ以上、何を考える必要があるのだ!? それ以外に、何もなく...予防したいという私の「心情」の発露なのだ。
要は、自殺を予防したいから予防する。
そういう応答も、あり得るでしょう。
以下は、もう8年くらい前に、古語体の難しい、ある昔の有名な哲学者(名前を失念しました(^_^;))の自殺を許容するとする論文から、記憶をたどって論旨を、ご紹介します。
(訳文をPC内に見つけられないので、天ちゃんの理解にブレがあるやも知れませんがm(__)m。)
--------------------------------------------------------------------------
キリスト教では、神の子である、われわれ(キリスト教徒)は、自殺してはならない。それは、神聖なる神の領分を侵すことになるからだ。
そのため、自殺者とその遺家族は、ひどい仕打ちを受けていた。
しかし、考えてみれば、われわれ(キリスト教徒)に、神から与えられた使命は、この世で働くということであった。
だから、この世でその神から与えられた使命である、働くことを全うできなくなったものは、自殺する十分な道理(理由?)が与えられている。
そうすること自体、神聖なる神からの使命であり、自殺することは神聖なる神の領分を侵すことにはならない。
自殺者が生まれること自体、神の摂理の範囲内のことである。
よって、遺家族が、これまでのようなひどい扱いをうけなければならない、いわれはない。
--------------------------------------------------------------------------
たしか、こんな要旨(↑)の論文だったと記憶しています。
天ちゃんは、当時、その難しい英語と、しかし、ロジックとしては実に明快で、かつ遺された人々の救いにも通じる主張で、たいへん興味深く読んだのを覚えています。
そして、今も、キリスト教圏では、自殺に対して許容的でない文化(?)があり、それが自殺率の比較的低い理由である、としている識者もおられたと思います。
うさぎ さんが同じコメント欄でお書きになってらっしゃったように、我が国は、自殺に対して相対的に許容的である、とも言われています。
こうした文化的背景も、確かに、自殺を予防しなければならないか否か、という疑問への応答に影響を与える視点だと思います。
相対的に、神の価値が低下した、現代においては、神の領分として思考停止するわけにいかないことも、しかしその一方、また確かなことでしょう。
このテーマについては、今後とも、おいおい継続的に記事をアップしていく所存です。
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
今日の午後は、某所で開かれた、運営委員会に参加してきました。
そこで仕入れた情報を、ご紹介したいと思いま~す。
それが、「富士モデル」事業。
↓ ↓ ↓
http://www.pref.shizuoka.jp/kousei/ko-810/seishin/utsu.html
実は...天ちゃんは行けなかったのですが...(^_^;)
先週、福岡で、日本公衆衛生学会が開催されました。
↓ ↓ ↓
http://www.jsph67.org/
そこに参加されていた先輩の医師からの情報です(^_^;)。
静岡県富士市で取り組まれた、自殺予防対策の成果が演題発表されたそうです。
3年前から着手し、このモデル事業では、直接、自殺予防と言っても、人心が集中しにくい(?)ので、中高年(男性)の睡眠障害をターゲットに、商工会議所や薬剤師会等の協力を得て、「睡眠障害」についてキャンペーンと受診勧奨するというものです。
その結果、自殺者数を、ナント半分!にまで減らすことができた、というものです(^^)v。
その結果は、まだネット上には掲載されていないようですが...
このブログでも、過去記事でご紹介したように...
↓ ↓ ↓
うつ病の身体症状 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080212/3
睡眠障害は、ほぼ必発の症状です。
このモデル事業は、大変優れた取り組みだと思いました。
その先輩の先生によりますと...
「今度の福岡は、メタボと自殺予防、といったカンジだったよぉ、天ちゃん」
...とのことでした。
ちなみに、メタボ対策については、いろんな場面で、政策批判的な発言が聞かれたそうです(^^)v。
PS1:明日は別件で、その福岡に出かけます(^_^;)。
PS2:コメント欄に、このところつづけて貴重なコメントをいただいています。また、特に、うさぎさんからの質問については、すでに、ちこさんからの回答もコメントされていますが、大変大事な問題意識を述べておられると思います。これらについては、また来週、当ブログ上で取扱わせていただく予定としたいと思います<m(__)m>。
PS3:その先輩先生が、富士モデル事業のデータを入手予定です。詳細を天ちゃんも把握できると思いますので、その節は当ブログでまたご紹介したいと思います。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
今日の外来でも、反復性うつ病性障害をかかえておられた女性患者さんが、めでたく(?)当クリニックの外来を、卒業されました(^^)v。
更年期障害!?ってことで、婦人科の女性医師を受診されていたのですが...
その女性医師から、「(天ちゃん)先生ののところを受診なさい」、って薦められ当クリニックを初診されたのが、ちょうど6年前でした。
<もう丸6年になるんですねぇ~ お互いに年もとるワケですね...(^_^;)>
「ホントウゥですねぇ~(^_^;)」
体力→気力→仕事・家事・育児・学業等力、っていう構造になていて...
人間だれしも年を重ねてきますと、体力が落ち...気力が落ち...課題・役割遂行能力が落ち...してくるワケです。
その一方、現実の暮らし、生活から要請される課題や役割は、それに合わせて必ずしも少なくなってくれるワケではありません(>_<)。
この個人側のキャパと生活からの要請と、
個人キャパ>生活からの要請
であるうちは、もちろん、余力を残した、ゆとりのある生活ってことですから、何ら問題は生じません。
個人キャパ>=<生活からの要請
というように、そもそも、このいつもギリギリのラインで暮らさざるを得ない状況が増えているように思います(>_<)。
単純に考えて、生活からの要請が変わらなければ、齢を重ねるうちに...だんだんギリギリ状況になってきて...だいたいこれが中年の秋思期ってことが多いのでしょうが...
やがていつかは、
キャパ<要請
ってことに、”気付かない””気づけない”うちに陥っていて...
気づいてみたら、うつ病と診断されるくらい、疲労・疲弊状態に陥っていた。
そんな大づかみにとらえることができる、うつ病を発症されていた。
それが、この女性患者さん、でした。
通常の5分外来の、認知行動的な外来精神療法では、十分には体得できませんでした。
そこでしばらく、本格的に、相棒の臨床心理士さんによる、認知行動療法ベースのカウンセリングを受けていただいてきました。
その結果、
①生活上処理している課題、生活状況を自己記録する・・・天ちゃんの診察室の壁に貼られているカレンダーと同様のものを利用してずっと続けているそうです(^^)v。
②「やりすぎ」にならないように、スケジュール管理する。
③1カ月単位で、うつ状態を評価うする心理テストを自己採点する。
④その点数が”大幅に”悪化した場合、早めに(「再発」と診断されない程度で)受診する。
...ということで、治療終了、ということになりました。
もうしばらく、服薬なしで、外来通院していただいていましたし、きっと、大丈夫でしょう。
ご卒業、おめでとうございました(@^^)/~~~。
人気ブログランキングへ固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)