天ちゃん
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Doctors Blog

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昨日の[スピンオフ!]で頭を整理して(^^;、関連記事として、英国サマリタン協会メディアガイドラインを紹介したいと思いました。

すでに、昨日の[スピンオフ!]でも、防衛医大の高橋祥友先生の著作等から、メディア・ガイドラインを紹介してました(^_^)v。
マスメディアへの提言http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061102/2

ウェブ上でも、メディアが情報提供するから、拍車をかけているんじゃないの!って批判的コメントも多数目にします...

最近は、逆に、良い報道のされかたもチラホラと目にするようにも思っています...(^_^)v 

...高橋祥友先生の提言の下敷きになっている、WHOのメディア・ガイドラインは、ライフリンクでは抄訳しか入手できませんし、リンクされているのは英語版です...(^^;

また、「いきる」では、せっかく日本語訳されたのに、横浜市立大学精神医学教室が著作権を宣言しています...(>_<)。

(正直なところ...ハテナ?に思いますけれど...(^^;)


英国サマリタン協会の、メディア・ガイドラインの日本語訳が、フリーで入手できます(!)。

大変長いので...今回と次回の二回に分けて、ご紹介しようと思いますm(__)m。

(英国での自殺予防対策の概要についても、以下のジャーナル()で知ることができます(^_^)v。)

日本と英国で事情の異なる部分もありますが、自殺を巡り読者のみなさんが抑えておいて損はない内容が含まれていると思いま~す(^_^)v。


出典は、
Akita Journal of Public Health(http://www.med.akita-u.ac.jp/~pbeisei/pdf/Akita%20Journal%20of%20Public%20Health%202(special%20issue).pdf)です。

Medic Guidlines -Portrayals of Suicide-
英国サマリタン協会による自殺報道に関するmメディア・ガイドライン
The Samaritans
中山健夫訳

「私たちは、サマリタン協会(訳注:イギリス版いのちの電話)と密接な連携を図ることにより、「ホリーオークス(Hollyoaks)」や「ブルックサイド(Brookside)」」などのテレビドラマで扱ってきた複雑な問題を、より適切に表現できるようになると考えていた。事実、サマリタン協会は、正確な事実関係の描写に欠かせない知見と指導を提供してくれた。サマリタン協会の協力を得て、私たちは目標を達成し、類似の経験を持つ視聴者に支援を提供することができた。」
Kate Norrish, Editor Programme Support, Channel 4

1.緒言
2.自殺:その事実
3.メディア神話:一般的見解についての概括
4.後追い自殺とメディア報道
5.メディアに何ができるか
6.使用する用語についての推奨
7.事実の報告に関するガイドライン
8.自殺についての劇的描写
9.何をすべきか、そしてサポートの存在
10.コメント
11.参考文献 ⇒略しますので、お知りになりたい読者は上記ジャーナル()でm(__)m。


1.緒言

いかなる自殺も報道に値する事件である。誰かが若くして意図的に自らの命を絶とうと決心したという事実は、人々の関心に値する。
イギリスで毎年6000人もの人々が自殺しているという悲しい現実がある。その多くは報道されていない。しかし、自殺のニュースが大衆に伝わらずとも、ひとりの人間の自殺はその家族や友人、そして会社の同僚にまでも重大な影響を及ぼす。
ジャーナリストにとって、自殺はひとつの難しいジレンマを孕んだ問題である。自殺は一般の人々の関心事であることから、事実を脚色したり遺族の苦しみを逆手に取ったりせずに、自殺の経緯を正確に報道することはレポーターの責任といえる。事実、報道を通じて自殺者の名誉が挽回されるケースがあるように、自殺の報道にはプラスの面もあるのは確かである。しかし、不適切な報道や描写によっていわゆる「後追い自殺(copycat suicides)」が誘発される可能性を示唆する研究が出てきている。
テレビドラマなどにおいても同様の問題が浮上する。登場人物の自殺もしくは自殺未遂は、現実の自殺もしくは自殺未遂の再現の試みである。つまり、テレビドラマを通じ、自殺についての理解が深まり、自殺にまつわる複雑な状況についての認識が高まるという一面がある。その一方で、人気の高い登場人物の死亡、あるいは厄介な登場人物(あるいは厄介な役者)を始末するために自殺というプロットを利用するという典型的な手法が取り返しのつかない結果を生むこともある。
サマリタン協会の元には、ニュース報道やドラマの政策において自殺の問題をどう描写すべきか苦慮するジャーナリストやブロードキャスターから数々の質問が寄せられる。追い詰められた人々の訴えに耳を傾けるという50年に及ぶ経験から、私たちは自殺にまつわる数々の問題についての理解を深めてきた。また、メディアとの連携を通じ、自殺という非常に複雑な問題について多くの理解を深めていきたい。
このガイドラインは、1994年、イギリス初の自殺に関するガイドラインとしてスタートした。第3版が出版された現在では、あらゆるメディアがこのガイドラインを活用している。ガイドラインに掲載されている情報の大半は、イギリス及び海外における学術的研究、さらには自殺の問題に心を動かされたサマリタン協会及びジャーナリストの経験に立脚したものである。
自殺に関連する要因はケースによって様々であることから、このガイドラインは全ての問題に適用可能なものではなく、メディアの行動を規制するものでもない。ジャーナリストの職業上もしくは個人的なジレンマを解消する一助としてこのガイドラインが活用されることを願うものである。Simon Armson, Chife Exective

2.自殺:その事実

・2000年におけるイギリスの自殺件数:5986件。1
・88秒に1人という自殺の頻度。1
・若年層における自殺は698件:毎日2人の若者が自殺している計算になる。1
・1985年以来、若年男性における自sつ件数が倍増している。3
この冊子でいう「自殺」には「負傷の外因死」も含まれる。不詳の外因死に属する死亡の多くは、実際には本人が自らの命を絶ったものである。しかし、自殺という結論を下し、それが記録に残されることによって悲しみに暮れる遺族がさらに苦しむことになることを憂慮した検死官が記録上「不詳の外因死」として処理しているケースが多い。

3.メディア神話:一般的見解についての概括

「自殺について語る人はまず自殺をすることはない。」
・・・自殺願望について語る人々が実際に自殺している。私たちの経験によれば、自らの命を絶とうとする人々の多くは、自殺の数週間前に自殺の意思を明確にする傾向がある。

「本人が自殺しようとしているのだから、それを阻止するのは無理である。」
・・・悩み苦しむ人々に適切な支援と精神面でのサポートを提供できれば、それらの人々が自殺によって死亡する危険性を減らすことは可能である。

「自殺願望を有する人々は死にたいという明確な意思を持っている」
・・・自殺願望を有する人々の多くに、自分が死にたいのか生きたいのか決めかねているケースが多く見受けられる。サマリタン協会に電話相談を寄せる人々の多くは、死にたくないがこのままの状態で生きてゆくのはいやだ、といった趣旨の発言をしている。

「自殺企図(cries for help)の経験のある人は、実際に自殺をすることはない」
・・・一度でも自殺を試みた人は、そうでない人々と比べ、再び行う確率が100倍も高い。自殺によって死亡する人々の4人に1人は過去に自殺企図の経験のある人たちと言える。

「自殺について話し合うことによって、自殺が助長される」
・・・逆に、自分が最も恐れていること、あるいは最も悩んでいることについて考えてみることによって生きることへの道筋がつき、それが生きるか死ぬかの違いにつながることがある。

「真剣に自殺を考えるのは、精神病もしくは臨床的に抑うつ状態の人たちである」
・・・ほとんどの自殺者がなんらかの精神疾患を患っていると判断されるが、より正確な自殺の予測因子としては、抑うつ的感情や絶望感などが挙げられる。ただ、これらについては診断が確立されておらず、また周囲の人々が全く気づかないケースが多い。

「愚かな行動をとった人も、救急医療室で徹底的な胃洗浄を受けてその苦しさを味わえば、二度とそんな馬鹿な真似をすることはないだろう」
・・・自殺リスクのある人は、次の自殺の時にはより痛みが少なく確実な手段を選ぼうと傾向がある。自殺未遂者が本当に意味で回復するためには、親族・友人の対応が重要となってくる。いかなる場合も自殺未遂を軽視してはならない。

「いったん芽生えた自殺願望は永遠に消えることはない」
・・・自殺願望は一時的なものといえる。精神面のサポートを提供することにより。自殺の危機にある人々をその危機的状態から救出することが可能となる。話し合い、耳を傾けることが、生きるか死ぬかの違いを生むことがある。

「自殺によって、本人のみならず、その周囲の人々が苦しみから解放されることがある」
・・・このように自殺の影響を軽視してはならない。愛する者を失うことは悪夢の始まりであり、決して悪夢の終わりを意味するものではない。自殺には、深い喪失感と悲しみ、そして罪悪感が伴う。

4.後追い自殺とメディア報道

ジレンマ
報道においてもテレビドラマにおいても自殺は正当な題材であり、自殺に関する一般の人々の認識を高める上でメディアが果たす役割は大きい。しかし、報道の仕方によっては悪影響を及ぼし得る。場合によっては、メディアがひとつの媒体となって既に弱い立場にある人々の行動に影響を及ぼすことも考えられる。

懸念すべき事項
イギリス、米国及びその他の諸国で発表された近年の研究により5,6,7、メディア報道によって後追い行動が誘発される可能性、あるいは その事実が明らかになってkぃている。若年層はメディアの影響を人一倍強く受ける傾向があり自殺した有名人あるいは魅力的な架空の人物と自分とを重ねあわせるケースなどにおいて自殺のリスクが格段に高まるからである。また、具体的な自殺手法の報道は、自殺願望のある人々に自殺を遂行するのに必要な知識を提供することに等しいため、特に注意が必要である。

実例
「ある生徒の死(Death of a Student)」というドイツのテレビシリーズで、各エピソードの某乙部分に若い男性が鉄道自殺を図る場面が流された。かくして、この連載シリーズが放送されていた期間、青年による鉄道自殺件数は175%もの増加を示した。その間、その他の致命的手法による自殺の件数が減少したわけではなかったため、このテレビシリーズは自殺の手法に影響を与えたばかりでなく、実質的な自殺件数までも引き上げたことになる。
イギリスでは、自殺の手法としては珍しい不凍剤を用いた服毒自殺に関する新聞記事において、レモネードに不凍剤を混入し、液体として服用する過程が詳細に掲載された。その新聞記事が掲載される前は、不凍剤を用いた自殺件数は1ヶ月に2件程度に過ぎなかったが、掲載後の1ヶ月間では月当たり9件にまで急増した。そのうちの1件は、新聞記事に掲載された手法をそっくり真似たものであった。
「救急医療(Casualty)」を取り上げた連載シリーズのひとつに、パラセタモールの過剰摂取を扱ったものがあった。研究によれば、そのエピソードの放送後の1週間で服毒自殺件数は17%も増加し、2週間目では9%の増加が認められた。この番組を視聴した患者の20%がこの番組に触発されて自殺を決意したと述べている。

ポジティブな例
ウィーンの地下鉄における自殺を調査した研究によると、こういった自殺を劇的に報道することが地下鉄における自殺件数増加を誘発していることが示唆されている。1986年では地下鉄での自殺が13件報告されており、1987年では9ヶ月間に自殺件数が9件に達している。これに対し、1983年から1984年にかけて地下鉄で発生した自殺件数はわずか9件を数えるのみである。これを受けて地元のメディアは、自殺に関し劇的且つ扇情的な報道を制限する任意の報告ガイドラインに合意した。このガイドラインの発表後、地下鉄での自殺件数(1989年に4件、1990年に3件)及び自殺未遂件数には共に減少が確認された。
歌手カート・コベインの自殺を受けて実施された研究では、カートの死後、カートの出身地であるシアトルにおける自殺件数うに特に増加は認められなかった。これは、報道においてコベインの類稀なる業績と、意味のない無駄な死に方とが明確に区別されていたことによると考えられている。また、同じ報道の中で自殺のリスク要因を議論し、自殺願望を持つ人々に対して相談窓口を提示したこともまた、自殺件数の増加を防いだ要因のひとつであると考えられる。

結論
既存のエビデンスからも、報道の仕方によっては後追い行為が誘発されかねないことは明確である。その一方で、自殺の問題について慎重かつ明白な説明を提供することにより、自殺問題に関する一般認識を高め、自殺問題に対する偏見を払拭し得ることも確かである。
その他のメンタルヘルス問題の報道と同様、メディアが自殺を真剣に報じること自体に問題があるのではない。ただ、自殺について報道する際には細心の注意が必要であることを忘れてはならない。

(字数の関係で、ここで一旦区切り、続きは次回の記事としますm(__)m。)

後半に飛びます ⇒ http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080514/1

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