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風邪が抜けきれず...今ひとつの、天ちゃんです(^^;。
先週の記事の続きです...。
> 「抗うつ薬を飲む必要はあるんですか!?」
> 「うつ病は精神科医には治せないって書いてありました!!」
> 「(天ちゃん)先生は、母親のうつ病を本当になおせるって思ってるんですか!?」
> 「いくら薬を飲んだって、病気の本質は良く出来ないんじゃないですか!?」
> 「薬は飲ませないで、カウンセリングを受けさせるべきじゃぁないですか?!」
> ...とおよそまぁ、そういう趣旨のご質問ならびに批判(?)を強い口調でまくし立てられたんです(>_<)。
> ...では、これに対して、天ちゃんはどう対応(説明)したと思いますか?
> ご紹介は...次回の記事で(^^;m(__)m。
[http://blog.m3.com/tenchanoffice/20080118/2]
と、まくし立てた息子さんのお母さん(=患者さんご本人)が、たまたま今日の午後の外来を受診されました(^_^)v。
今年初の外来でした。(年末年始に長期処方していたものですから(^^;。こういう長期処方は許されているそうです。)
家庭あり、子持ち、女性と重ねますと...年明けの外来は 「くたびれましたぁ~」 ってことになっていることが多い。
...でも、この方は、「大丈夫でしたぁ~」ってご報告(^_^)v。
で、天ちゃんお聞きしてみました(^^;。
<抗うつ薬ではうつ病はなおらないって主張されていた息子さん、年始にお会いしたときに、何かおっしゃってました?>
「相変わらず、薬は飲むな、やめとけって(^^;」
<相変わらずですネェ...(^^;>
「でもねぇ...睡眠は大事だから、睡眠薬はシッカリ飲んどけ、なんて言ってましたよ(^^;」
<はは、はぁ...(?)>
<睡眠薬の方こそ、まずは徐々にやめて行きましょうって位置づけになってるのにネェ...(^^;>
「ええ、でも、あんまりそう言われるものだから、毎日1錠飲んで、シッカリ睡眠はとっていました(^_^)v。」
...とまぁ、おおよそこんな外来でのやりとりでした(^^;。
(ちなみに、この患者さんは、現在、再発予防療法(維持療法)中です(^_^)v。)
閑話休題。
最近インテリジェンス本(?)が売れてたりしているようですが...対象の内在的論理(佐藤優氏)をまず知ること、は精神科医のイロハ、です(?)(^_^)v。
たとえば...
<息子さんの、「うつ病がなおる」ってことはどういうことをおっしゃっているのでしょうか?>
「...それは、クスリを飲まなくてもフツーに暮らせるということです。」
<なるほどぉ。では、クスリを飲んでフツーに暮らせるようになってから、クスリを減らして行って、最終的にクスリが要らなくなったら「うつ病がなおった」ってことでいいでしょうか?>
「...抗うつ薬には依存性があって辞められないそうじゃないですか!」
<「依存性」って具体的にどういうことでしょうか?>
「抗うつ薬をやめていくときに、メマイとか、頭痛とかが起きてなかなかやめられなくなるってことです!」
<ひょっとしてそれは、SSRIsの退薬症候群のことでしょうか?>
「そう言えば、SSRIとかって出てたような気がします。」
<退薬症候群と言うのは...(略)>
<抗うつ薬を減薬するときに、少量ずつ時間をかけて減らすことでほとんど問題にならいない程度に対処できます。>
<ところで、そういった知識はどこで得た情報でしょうか?>
「本にそう書いてありました。」
<その本のタイトルと著者、できれば出版社を教えていただけませんか?>
「...えぇーっと、なんてったっけな...(?)」
・・・・(以下、略(^^;)・・・・
その後、天ちゃんからお伝えしたのは...
①抗うつ薬服薬の2つの意味
抗うつ薬は症状を改善するために服薬するだけでなく、再発予防効果も期待して服薬を一定期間継続すること
つまり、初回うつ病の患者さんが、「回復」直後に薬物療法を中止すると、10年間でおよそ半数が再発するが、一定期間服薬継続後漸減することでさらにその半数(4分の1)にまで減らせること
②今抗うつ薬治療を中止することのメリットとデメリット
服薬をやめれば、息子さんの意向に沿えることはメリット
しかし、まだ「寛解」に至れていないお母さんが服薬中止した場合、症状が再燃する可能性が高いこと
③カウンセリングについて
①で触れた一定期間(維持療法or再発予防療法期間)には、再発予防対策について診察で話し合う程度の「カウンセリング」は通常実施すること
そうすることで逆に、4分の3の患者さんはその後再発せずに済む、ということは「抗うつ薬治療(+精神科医の通常の精神療法)だけで、うつ病の75%はなおる」と言えることになると思うがいかがか
(さらに言えば、抗うつ薬治療(+通常の診察)だけで、半分の患者さんは一生で1回のうつ病で済むとも言えるワケです。)
ただし、患者さん(=お母さん)が、その25%に入る方なのか75%に入る方なのか、それを特定する方法は見つかっていないこと
ちなみに、当クリニックでは、認知行動療法(CBT;息子さんには初耳だったようです)をベースにしたカウンセリングを提供し得ること
ただし、CBTは中等症以下のうつ病に対して有効であるが、うつ病の回復後に受けた方が無難であること
(ちなみに、この患者さんは、当時、中等症レベル、でした。)
臨床心理士さんのマンパワーが潤沢ではないゆえ、当クリニックでは、2回以上の再発の場合は原則全員に、1回目の再発のときには患者さんが望まれれば、初回の場合は患者さんがよほど強く望まれた場合に、CBTカウンセリングを受けていただくことにしていること
(本当は、うつ病(に限らず)多くの患者さんにCBTを受けていただきたいのですが...現在の医療制度はそれを許していません。)
...おおむねこんな内容をご説明しました。
ところで、この息子さんと同席面接したときに、結局患者さんはどうされたと思います?
「...(天ちゃん)先生、すいません。あの息子はいつもあぁなんですから。」
<で、結局、息子さんの希望に沿って、抗うつ薬をお止めになりますか? もちろんそれも構いません。その後の経過を見てまた対応しますし...。>
「いえ、これまで飲んできたお薬は、飲み続けてみたいと思います。」
<ひょっとすると、貴女のうつ病の回復ペースは、通常よりだいぶ遅いのですが、息子さんから「クスリは止めとけ~」ってプレッシャーをかけられていること自体が、要因の一つかも知れませんネェ...(?)>
「...(^^;」
(なお、回復が遅れたのは、この患者さんの場合、うつ病を患われて転院していらっしゃったのですが、薬物治療を受けながらも、家庭的事情で奮闘し続けねばならなかった期間が相当長くあったから、ってことはすでに共有済みでした。)
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