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< 見られている ⇒ 見守られている | メイン | Re:読者質問続き;うつ病の経過(補) >
もう随分以前の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20071019/2)に、キュウちゃんの母さんからコメントというか...ご質問(↓)をいただいていました。
> 先生、教えて下されば幸いです。
> 「重度のうつ病」で昨年の夏緊急入院して、周りにもそうのたまわれていたお方の病気についてご質問があります。
> このお方はなんと、昨年年末にはしっかりと職場復帰していました。けっこう難しい仕事をこなしているようです。「重度」のうつ病でも、こんなに早く職場に戻ることが可能なのでしょうか?
> 個人差もあるかと思いますが、でも多少なりにうつ病に関心がある私は、こんなことはあるのか?と疑問に思っています。
> 「うつ病」という病気が「深刻だ」ということを都合よく利用している人がいることに気づき始めていて複雑な思いを持っています。もしや、この「重度」の「うつ病」の方もそうなのではと。
> 真相を知りたい、キュウちゃんの母より
...という内容(↑)です。
そうですね、一旦まとめた疾患シリーズ「うつ病(1)」では、うつ病の重症度については、詳しく取り上げてませんでした。
重症度について触れているのは、薬物療法のアルゴリズム、の記事のところで、だけだったと思います。
◆その記事 ⇒ http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060925/1
そこでは...
> うつ病の診断基準症状をいくつ経験なさっているか、その症状の数の多寡で、軽症~中等症~重症という3段階に、うつ病の重症度を評価します。<
とだけ触れました。
より正しく解説しますと...
これは、症状の重症度についての定義です。
DSM-IV-TRというアメリカ精神医学界会が定めている診断基準マニュアルに従いますと...
重症、には精神病性の特徴を伴うものと伴わないものとがあり、伴えばそれだけで重症と判断します。
伴わない場合の重症の定義は...
診断を下すために必要な症状項目数より数個の余分があり、しかもその症状によって職業的機能、日常の社会的活動、または他者との人間関係が著しく障害されている
とされています。
要するに、うつ病に罹患すると、当然症状も経験されますが、うつ病によって障がいも発生するってことです。
(それは...精神疾患に限ったことでもありません。)
だから(?)、疾患診断マニュアルにICD、障がい診断マニュアルにICFというシステムを、WHOは用意しています(^^)v。
その『ICD-10 精神および行動の障害』(医学書院)によっても...
軽症、中等症、重症うつ病エピソードの区別は、現在の症状の数とタイプおよび重症度を含む複合的な臨床判断に基づく
...としています。そして...
日常の社会的、職業的な活動の幅は、しばしばエピソードがどのくらいの重症度であるかを知るために有用な一般的指標となる。しかし、個人的、社会的、文化的な影響により、症状の重症度と社会的活動とは必ずしも並行しない。
...とも書かれています(^O^;。
たとえば、軽症うつ病エピソード、では...
うつ病エピソードの最も典型的な症状(3つ)のうち最低2つ、さらに、一般的な症状(7つのうち)最低2つの診断基準症状が存在し、いずれの症状も著しい程度であってはならず、エピソード全体の最小の持続期間は約2週間である
...といった定義づけがなされ...
軽症うつ病エピソードの患者は、通常、症状に悩まされて日常の仕事や社会的活動をつづけるのにいくぶん困難を感じるが、完全に機能できなくなるまでのことはない
...といった障がいの程度にも言及しています。
云々...。
キュウちゃんの母さんの書かれている「重症」の「うつ病」ということで、ICD-10の重症うつ病エピソードはどうなっているでしょうか?
精神病症状(妄想、幻覚や昏迷など)を伴う場合は、重症うつ病エピソード、と診断されます。
精神病症状を伴わない場合...
制止が顕著でなければ、通常かなりの苦悩と激越を示す。自尊心の喪失や無価値感や罪責感をもちやすく、とくに重症な例では際立って自殺の危険が大きい。身体症状はほとんど常に存在すると推定される
診断ガイドライン
典型的な3症状のすべて、さらに最低他の一般的な症状のうち4つ、そのうちのいくつかが重症でなければならない...
...などと定義されています(^O^;。
くだくだと書いてきましたが...(^^;
何が言いたいかといいますと、上記解説文で、アンダーラインを付したところの判断には、まず、幅がありそう、ってことです。
それを措いても...(^^;診断は、最も重症なとき、具合の悪いときに、あるいはそういうときを振り返ってつけるのが通常です。
キュウちゃんの母さんの「お方」の場合、夏に緊急入院されたということですから、その時点で、くどくどと述べてきたような「幅はある」にせよ、その幅の範囲で「重症」の「うつ病」という診断(判断)だったということはあり得ると思います。
次に経過の点から見た場合については、次回記事にしたいと思います(^^;m(__)m。
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