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< 自殺対策に関する世論調査(内閣府) | メイン | 自殺対策基本法の周知度:世論調査から >

昨日の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070806/2)の続き、で~す。

「こころの健康(自殺対策)に関する世論調査」(内閣府)を見ますと...
(Web上でもう読めます:http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-jisatsu/index.html


【資料2】
自殺をした人の多くが、最後の行動におよぶ前に精神疾患にかかっていたと推定され、なかでも「うつ病」が背景に存在することが多いといわれています。
また、以下に挙げた症状を「うつ病のサイン」といいますが、このような症状が出てもうつ病とは思わずに、精神科の治療を受けることが少ないともいわれています。
現代はストレス社会であり、誰もがこころの健康を損なうおそれがあり、自殺を予防するためには、日頃から、こころの健康に努めることが大切です。

「うつ病のサイン」
○自分で感じる症状
憂うつ、気分が重い、気分が沈む、悲しい、イライラする、元気がない、集中力がない、好きなこともやりたくない、細かいことが気になる、大事なことを先送りする、物事を悪いほうへ考える、決断が下せない、悪いことをしたように感じて自分を責める、死にたくなる、眠れない
○周りから見てわかる症状
表情が暗い、涙もろい、反応が遅い、落ち着きがない、飲酒量が増える
○身体に出る症状
食欲がない、便秘がち、身体がだるい、疲れやすい、性欲がない、頭痛、動悸、胃の不快感、めまい、喉が渇く

以上の資料は、このページ(http://www8.cao.go.jp/survey/h19/h19-jisatsu/3.html)の下の方に、掲載されています(^_^)v。


以上のような資料を見せながら...次のような質問を調査員が行いました。


Q4 あなたは、このような症状を「うつ病のサイン」と言うことを知っていましたか。それとも、知らなかったですか。この中から1つだけお答えください。
(ア) よく知っていた  (イ) 少しは知っていた  (ウ) 知らなかった


さて、対象者1728人(有効回収率57.6%)の方の回答結果は...
(ア) よく知っていた・・・39.5%
(イ) 少しは知っていた・・・44.6%
(ウ) 知らなかった・・・15.9%
という結果でした。

8割以上の国民(の代表者)が、「うつ病のサイン」について少し以上は知っているって(推定された)ことは...
結構ご存知じゃん! って思うのか...
まだまだ、認知されていない! って言うべきか...??

...上記のような症状が見られたら、うつ病を疑うってのは知っていたけれども、それらを「うつ病のサイン」って言うんだってことは知らなかった、って方もいたかも知れませんネ(^^;。

Q5 もし仮に、あなたが自分自身の「うつ病のサイン」に気づいたとき、自ら精神科の病院へ相談しに行こうと思いますか。それとも、思わないですか。
(ア) 思う  (イ) 思わない  (ウ) わからない


回答結果は...
(ア)が56.5%、(イ)が34.8%、(ウ)が8.7%、でした。


ところが...面白いことに(?)、 

Q6 もし仮に、あなたが、あなたの家族など身近な人の「うつ病のサイン」に気づいたとき、精神科の病院へ相談することを勧めますか。それとも、勧めませんか。
(ア) 勧める  (イ) 勧めない  (ウ) わからない

回答結果は...
(ア)89.2%  (イ)6.3%  (ウ)4.5%


...自分のときに自ら受診するには躊躇するけれど、身近な人の場合は、受診を9割の人が勧める(!)と答えています。
よく分かる気がしますネェ~(^^;。
「受診した方がいいよぉ」
「いやそんな必要はない」「そんな暇はない」...etc.
「受診しなさいよ!」
「...」
...というありがちな、受診までのご家族とご本人との間でのやりとりが目に浮かぶようです(^^;。

この「天ちゃんブログ」の長い愛読者(?)の方は...
「そうは言っても...『うつ病のサイン』に気づけて、ジャンジャン精神科医療機関を受診する国民が増えたら、こちらが対応しきれないナァ~(>_<)」
...って、きっと天ちゃんが、ブツブツぼやいてるんじゃない?ってご心配くださっていることでしょう(?(^^;)。

◇関連記事◇
うつ病が増加中 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070115/1
精神科医の圧倒的不足状況については以下。
06/05/30 マクロ精神医療 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060530/1
06/05/31 衆知の?精神科入院特例 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060531/1
06/06/01 ミクロ入院精神医療 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060601/1
06/06/02 続き(^^; http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060602/_O_
06/06/03 7万2千人!マクロ精神保健 http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060603/1


ちゃんと、内閣府の方も分かってらっしゃるようで...(?)(^^;

Q7 仮に自分自身が「うつ病」になった場合、適切な治療を受けやすくするために、あなたは、どのような医療体制つくりが必要だと思いますか。この中から、特に重要と思うものを2つまであげてください。
(ア) 精神科の診療所が、近所にあるようにする・・・19.6%
(イ) 病院の精神科以外の診療科で、うつ病の治療をうけられるようにする・・・40.4%
(ウ) かかりつけの医師(内科等)で、軽度のうつ病の治療を受けられるようにする・・・54.7%
(エ) 相談(カウンセリング)を行う専門家を養成し、身近に相談者を増やす・・・54.2%
(「その他」と「わからない」の結果は割愛)

ま、自殺予防対策として、医療的対応をするとすれば、どれも重要であると、天ちゃんは思います。

でも、精神科以外の科の先生方の多くが、うつ病の診療には自信をあまりお持ちではないのではないでしょうか?

天ちゃんも、報告書を送ってくれた仲間と(昨日の記事を参照)、精神科以外の科のドクター向けの、うつ病診療ワークショップの開催を検討していたりします。

この「ドクターズ・ブログ」の他科の医師ブロガーのみなさんは、どう思われますかぁ?

(...たぶん続く(^^;)


◇うつ病関連の記事◇
うつ病のまとめ(1) http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061003/1

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コメント

コメント一覧

 天ちゃん先生、お久しぶりです。
 私は患者側ですけど、精神科のしかも鬱病を専門にされている先生でないと確定診断は難しいのではないでしょうか。
 すくなくとも内科の先生には難しいと思います。内科の先生に反応性の鬱状態と、鬱病の鬱状態、統合失調症の鬱状態の区別がつくとは思えません。

 それに私の診断は神経科、精神科の医師の間でも 15 年で以下のような変遷をたどっています。

 自律神経失調症(神経科クリニックでの診断) → 鬱病(神経科クリニックでの診断) → 抑鬱神経症(精神科クリニックでの診断) → 未熟型人格障害 ( 分類上はその他の人格障害:精神科病院での診断 )

 もちろん 15 年の間に異る疾患に罹患した可能性も否定はできないのですが。
written by 無明 / 2007.08.07 22:05
患者です。抗鬱薬切れてリハビリしてますが休職できる期限が迫って、この暑さにも消耗し負荷が増えて疲れるのか不安強くて疲れるのかはたまた波なのかと、疲弊しております。時々よぎる「やんなっちゃったなぁ」は自分でも怖いです。前医は「良く休んで私こんなに遊んでいいの」になったら治ったですということしか言わなかったのでこんなに怖い思いを最後にするとは…「死にたくなった」と最初に話したとき「休め」ではなく「休みますか」だったし。自殺予防はもっと手を出すべきだと思うところです。今もリハメニューも独自なので身体に出る症状が疲れなのかどうかも今一分らず、嫌ですねー。今は目がしょぼつくの唾液の味が変デーす。無理せずがんばりますー
written by clover / 2007.08.08 12:52
天ちゃん先生、はじめまして。

自殺を防ぐという観点で、「うつ病のサイン」を見逃さないことはとても重要だと思いますが、無明さんが書かれているように、うつ病に症状が良く似た、うつ病以外の精神疾患もあると思うので、必ずしもうつ病を早期発見するだけが、自殺の予防の根本的な対策とはいいがたいような気がしました。(もちろん、原因としては一番多いのでしょうが・・・)

自殺したくなるときは、「死にたい」よりは「自分が生きる目的を見つけられない」「生きていてもいいことがないような気がする」という時ではないかと、私は思います。

無くなっていい命はない、みんなそれぞれ大切な命だと、良く言われますが、それなら、どんな人でも生きやすい社会になってほしいと、思います。

生意気なことを言いましたが、正直に、思うところを書かせていただいた次第です。



written by はるる / 2007.08.09 16:48
無明様、clover 様、はるる様、それぞれのお立場でのコメント拝読して・・・。

抑うつ状態を症状として持つ精神化領域の病気は確かに色々ですね。そして、病名がなんであろうと、抑うつ症状は「死にたい気持ち」を併せ持つことが非常に多いのではないでしょうか。だから、病名にこだわるのではなく、その抑うつにちゃんと対処していくことが肝心ではないかな・・・と思います。
例えば内科医(かかりつけ医)が精神科領域に(治療が出来るほどには)詳しくなくとも、抑うつや、それに伴う身体症状(不眠、食欲不振等)に気付いて、精神科医に紹介することが出来ればいいので。

人は精神的に元気な時は、あまり「生きる意味」など考えないもの・・・という気がします。「生きる意味」に捉われてしまうこと自体、一つのサインと感じています。元患者としての実感です。
written by ちこ / 2007.08.09 18:17
ちこ さん、管理人代わり(?)のコメント、サンキューです。
コメントが出揃った(?)ところで、本文の記事にしようと思っていました(^^;。
経済学にもマクロとミクロとがあるように(?)、メンタルヘルス対策にも、個と集団の複眼的視点で見る必要があると思います。
自殺予防対策として、精神科以外の科の医師にうつ病診療について学んでいただくことが予防に通じたというエビデンスは、「ゴットランド研究」によって示されています。
(日本の新潟県頚城村研究もありました(^_^)v。)
精神科診断の不一致については、構造化面接を持ち込むことで、ある程度解決可能です。
理念的には、過去記事にも書いたように、「生きやすい社会」の創造だと、天ちゃんも思っています。
以上は、予防対策をマクロの視点で見た話、で~す。
(近々、記事にしますネェ~)
written by 天ちゃん / 2007.08.09 18:46

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