天ちゃん
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

アーカイブ

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< 続々「自殺報道のあり方」 | メイン | 病院を被告とする損害賠償事件 >

松岡農水相の自殺を予防に活かす

天ちゃん / 2007.05.29 18:52 / 推薦数 : 3

不謹慎なタイトル、と思わないでくださいネェm(__)m。
天ちゃんの畏友から得た情報に示唆を得て、記事を書こうと思い立ちました。

他の医師ブロガーも、松岡農水相の自殺について取り上げています。
アメリカ開業医の独り言:http://blog.m3.com/AKH/20070529/1
Dr. Marketの資産倍増計画:http://blog.m3.com/DrMarketTrading/20070529/1
がんばれあかがま:http://blog.m3.com/akagamablog/20070528/2
Bone Head:http://blog.m3.com/BH/20070528/1
社会と医療=本音のカルテ:http://blog.m3.com/northcosmos/20070529/1
などなど...すべてに目を通しきれないので...(^^;。
抜けていたら、ゴメンナサイm(__)m。

中には...「自殺じゃなくて...」という裏を読んだ(?)記事もあります。

松岡農水相は、このブログでも何度か取り上げてきた、自殺総合対策会議の構成メンバーでした。

また、政策論議でも派閥活動でも、強気で鳴らしてきた農林族議員(朝日新聞今日付朝刊)だったそうで。
「何とか還元水」を巡っても、一見強気の答弁をしているかに見えました(?)。

でも、天ちゃんは、某外資系大企業に勤務する営業幹部が、インタビューと称した「査問」
を受け続ける最中に自殺されてしまった、という事例に関わったこともあります。

国会中継は、TVで国民に広く映像が流されますし、その後のニュースでもたびたび放映されます。

正直、大丈夫かな?

...って感じていました。

この農水省の自殺を、勤労者の自殺、という視点で活かしたい!
それが今日の記事の主旨です。

◆「強い人」?が(も?)自殺する
花形職種と言われるSE(システムエンジニア)さん、学校教師、医師...といった職種を
上げてみましたが...こういった職種が「強い人?」のイメージに合うか分かりませんけど(^^;。
昔は(?)中高年男性と言えば、弱者よりも強者(?)だったと認識されていたと思います。
でも、読者のみなさん良くご存知のように...
中高年男性の自殺が急増しました。
どんな強靭な精神の持ち主でも、一定のリスクが重なれば、精神疾患にかかり得るし、
自殺し得る。

いや、一見「強い人?」にこそ、さまざまな要因が過重しやすい。

◆Under-detection(見逃し?)の視点から
一見強気の農水相
地元後援会の幹部の方も、閣僚の方々も、ご本人の心身状態変化に気付いてなかったようです。
「こんなこと起きるとは」
「とにかく驚きの一語につきる」
(朝日新聞朝刊)
労働関連自殺の事例に関わることがありますが...
まず、ご本人が、精神疾患に罹患していることに気付けていなかったのではないか?
そして、当然、周囲も気付けていなかったのではないか?
報道からしか情報が得られませんので...
松岡農水相が精神疾患にかかられていたのかどうかは、不明ですが。
「心理学的剖検」による自殺者研究によれば...
9割以上が、うつ病を中心に、何らかの精神疾患に生前罹患していたことが解明されています。
結果論ですが、Under-detection気付きや診断の不足、がまず間違いなくあったでしょう。

◆ハラスメントの視点から
政治的評価や位置づけ、善悪は抜きにして、冷静に捉えてみると...
首相や政権の強い(?)意向もあって、辞めるに辞められず...
(2日前には、「スパッとやめられたらなあ」と周囲に漏らしていたとのこと。)
誰が見ても(...と言うことはご本人にとっても)苦しい(?)答弁を重ねざるを得ない状況は、
ハラスメントと同様の影響を、心身に与えたに違いありません。
※関連記事:http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060710/1

◆長時間過重労働の視点から
「政治とカネ」をめぐって「逃げ続けた8か月」(朝日新聞朝刊)ということでしたし、
内閣支持率の低下だって責任を感じていたでしょう。
本音は「スパッとやめたい」だったかもしれないのに、「強気の首相」が「かばい続け」る中、
農水相としての職務を全うするのは、本当に大変なことだったと思います。
WTO関連の海外出張が度重なっていたとのことですし、
「緑資源機構」に捜査の手が及び、直前にも地元に戻られたり。
まず間違いなく、長時間労働であったことでしょうし、
仕事の要求度は高く、裁量度は低く、支援度も低かったでしょう。
農水相は、生前、長時間過重労働に曝されていた、と言えると思います。
当然、これらの労働ストレス源が、農水相の心身に相当な影響を与えていたはずです。

まとめますと...
上司からの過度の期待と、それに応えようとする本人の過剰な努力、
そして、周囲からの強い反発の中での孤立といった困難な状況。
多くの人から辞めろと言われる中(?)でも、自分からは辞めるに辞められない状況、
上司からの辞めるな、仕事を続けろと言う強い指示、こうした中での
精神的な支援の不足が自殺を招いたと言えるのではないでしょうか?

以上に見てきた生前の農水相の状況は、日本の労働者の多くが曝されている、
まさにその状況にソックリ
です。

近年は特に30代を中心に、働く者の「心の病」が増加しています。
ハラスメント対策、長時間過重労働対策を採ることで、
理論上、働く者のうつ病の8割、自殺の4割が減らせる

と試算されています。
詳細は末尾の参考図書(↓)を参照

天ちゃんが、報道情報から推測した農水省の労働実態がまさにその通りであれば、
いわゆる業務起因性自殺であり、労災補償されて然るべきケースです。
(閣僚に労災はないのでしょうが...??)
もっと早期に辞任するか、させるかし、あるいは職責を軽減したり、休養を採らせるなどしていれば、確実に防げた死だと思います。
事業主(=首相)の安全配慮義務違反が問われるケース、と言えるでしょう。

◆参考図書◆
天ちゃんの書評:『成果主義とメンタルヘルス』 http://10chan-kokoro.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_0079.html

人気blogランキングへ

固定リンク | コメント (9) | トラックバック (1)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070529/2/trackback

トラックバック一覧

ビクトリアデイの風景?第七の天国
中東でうまれた宗教のいくつかによると天国は七つに分かれていて、一番上等な天国は第七番目の天国・セブンスヘブンといいます。 死後の世界を想像し、そこにチマチマと七つの差をつけるなどはせちがらいが、... [続きを読む]
posted from 木霊の宿る町 2007.05.30 11:31

コメント

コメント一覧

 私も天ちゃん先生の論に賛成です。私も新聞の記事しか読んでませんが、典型的な中間管理職の自死と類似していると思います。

 松岡農水相を殺したのは自民党自身だと思います。
written by 無明 / 2007.05.29 19:21
TB有難うございます。

>もっと早期に辞任するか、させるかし、あるいは職責を軽減したり、休養を採らせるなどしていれば、
確実に防げた死だと思います。
>事業主(=首相)の安全配慮義務違反が問われるケース、と言えるでしょう。

 まさしく同感です。
 
written by akagama / 2007.05.29 19:26
天ちゃん先生に一票。実質ハラスメントになっていたと思います。(本人の善悪はおいといて)
昔々のことですが、官僚や大物議員などは、追求始まるとよく「入院」されてましたよね。当時は逃げたな!と思っていましたが、案外本当に「心臓にきた」り、「自律神経にきた」りしていたのかもしれません。
・・・とすると、大臣といえども人道にもとる「成果主義もどき」の影響から逃れられないってことでしょうか。
written by yoccyann / 2007.05.29 22:34
引用ありがとうございます。
なるほど、流石ですね。勉強になりました。
故松岡大臣は殺しても死なないような人物と思っておりましたが、それでも心は病んでいたわけですね。
事業主が一番悪く、そして会社が儲けるという構造ですね。
許せませんね。
written by Dr.Market / 2007.05.29 22:38
先生の文章が頭と心にスーと入ってきました。何かの本で
本来の自殺とは自分の命を差し出す事で他の人の役に立つ事(人柱・僧侶の入定など)であり現在の自殺は、周りから自分自身が命を絶つように追い詰められていく死に方だと読んだ事があります。自殺の報道も、見世物的になっているのが気になっています。本当に農水相の死が勤労者の自殺防止につながるよう願います。自分にも言い聞かせています。
written by ねこ猫 / 2007.05.29 22:46
>首相の安全配慮義務違反
遺族に、是非これで訴えてもらいたいのですが。
きっと、やらないでしょうねー。

墓まで秘密を持っていった、って感じなのでしょうね、きっと。

written by Dr. I / 2007.05.29 23:13
不適切な発言かも知れませんが、ある意味、
「国家権力による口封じ」かと思いましたよ。
精神的に追い詰めて。
生きて真実を話していただくことはもうかないません。

で、国のお偉いさんたちは、
彼ら2人の死を持って、ことの根源をうやむやにしようとしていないでしょうか?
センセーショナルな出来事をだけを並べ、
国民を煙に巻こうとしているのでしょうか?
written by ぽっち / 2007.05.30 12:06
私も同感です。
死に追いやられたと感じています。
written by ちこ / 2007.05.30 22:34
無明、akagama、yoccyann、Dr.Market、ねこ猫、Dr. I 、ぽっち、ちこ (敬称略(^^;)のみなさん、コメントありがとうございました。
概ね、天ちゃんの記事にご賛同いただけたようで、励みになりました。
「自殺」にせよ「他殺」にせよ、「口封じ」や「おいやられた」ことに変わりはありません。
勤労者の自死の多く(ほとんど?)が、ねこ猫さんのお書きになった「追い詰められた死」と思います。
農水相の死は、きわめて特殊でありながら、普遍的だと思います。
Dr.I先生ご指摘のように、ご遺族が損害賠償請求事件を提訴するという手段が、ありました。
written by 天ちゃん / 2007.05.30 23:12

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。