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< 労災隠しは「犯罪」と言うが... | メイン | レタス! >
このシリーズの最初の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070315/1)に...
> 「判断指針」を見直し、適正に改定することは、実は、働くものの予防にも通じる
と書きました(^_^)v。
今日は、そこで言いたかったことを記事にしたいと思います。
1.『判断指針』 の緩和によって予防が進む
『判断指針』の緩和...これまで連載記事で指摘してきたように、より正確には...
『判断指針』の適正な見直し、をすることで、
「社会通念」や「労働精神医学研究」の到達に則した改定を行う必要があると思います。
そうすれば、認定件数(認定率)が増加することは間違いありません。
...このことによって、業務上外の認定を巡る紛争が減るはずです(たとえば、中原先生のような)。
...労働関連精神疾患や自殺に対する経営者の意識がもっと改革されるでしょう。
労基署という公的機関によって積極的に認定されるようになることが予防に通じます。
(裏返せば、業務上外の認定を巡る紛争が増えているうちは、労基署はこの予防効果を
発揮していない、とも言えます。)
特に、個人の「脆弱性」に帰す、つまり、疾患や自殺は個人の問題である!
この認識を極力捨て去るべきです。
そうすれば、個人的な問題として処理されていた問題が、経営責任者の重要な関心事となります。
(中原先生の労災が確定したことで、医療行政の責任までが問われているように...(^_^)。)
その結果、補償を必要とするような事案の発生数自体が減少していくでしょう。
2.『判断指針』はメンタルヘルス対策の手がかりになる
『判断指針』 の「心理的負荷評価表」の項目自体充実が必要であること。
それは、厚生労働省自身が委託した研究でも、はっきりと示されていました。
(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070325/3)
...それを待たずとも、すでに「心理的負荷評価表」 に例示された(ものに相当する)
類型や出来事は、労働関連精神疾患や自殺に通じ得る!
ということを具体的に示した表、なワケです。
つまり、そういった類型や出来事が、できるだけ職場で発生しないようにする とか、
かりに発生した場合には、職場の支援を増やしたり、類型や出来事を経験している人に
十分な休養を取らせる、といった対策をとるための手がかりになるワケです(^_^)v。
また、月間時間外労働時間も、45時間を超えるごとに健康障害をきたすリスクが上がる。
過去6ヶ月で複数月で平均80時間以上は、過去1ヶ月間で100時間以上と同様、
きわめてリスクが上がる。
...時間外労働時間対策の必要性が明確になるワケです。
(参考:「総合対策」:http://www.jaish.gr.jp/anzen/hor/hombun/hor1-47/hor1-47-9-1-0.htm)
(参考:改正労働安全衛生法による医師等面接:http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/roudou/an-eihou/060401.html)
これらは、企業経営者や人事労務担当者についても、もちろん、労働者本人にとっても、
大変重要なガイドラインになるハズ、で~す。
3.労災補償制度を救済と予防に活用する
この視点は、冒頭の最初の記事中でも引用した徳永論文でも述べられています。
(徳永論文:http://www.esri.go.jp/jp/archive/bun/bun140/bun133.html)
この論文のタイトルが、今日の記事タイトルの「☆働きすぎと健康障害」 で~す(^_^)v。
全94ページですけれど...副題に「勤労者の立場からみた分析と提言」 とあるように、
さまざまな専門領域のクロスオーバーするこの領域を、包括的に、わかりやすい言葉で、
述べていますので、ご関心とお時間に余裕のある読者は、ぜひ直接あたられることをお勧めします。
ポイントは...
①労災補償の原資は潤沢にある
②仮に年間1000件を労災と認定したとしても財政上は負担増を図らずに対応できる
(過労死・過労自殺を合わせて)
③「時短促進料率」を導入する
の3点です。
(労災制度以外にも具体的な政策提言を行っており、天ちゃんいずれも納得!)
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コメント
コメント一覧
躁鬱の波のことで質問です
躁の波で一番上部分にたっするまでにかかる期間は、一ヶ月もしくはそれ以上かかったりするんですか?
その一番上にくるまで全然気づかないほどのち~さな躁ってのはあるんでしょうか?
抗躁薬は普段の上がる気持ち(病気でなく)も抑える力があるんですか??
> 一ヶ月もしくはそれ以上かかったりするんですか?
躁状態のピークまでの期間はさまざま、です。
もっと長いこともありますし、もっと短いこともあります。
平均的にどれくらいなの? って点については、天ちゃんの元にデータがありません(^^;。
たとえば、軽躁状態の場合、最小持続期間は「4日」です。
> その一番上にくるまで全然気づかないほどのち~さな躁ってのはあるんでしょうか?
「気づけるか気づけないか」は、ご本人の症状に対する気づき力いかんですし、私たち専門職の心理教育の内容と質の良し悪しによっても左右されると思います。
「ち~さな躁」ってことですが、専門的に「躁」と言う場合は、定義を満たすかどうかです。(このブログのLinkの「躁うつ病のまとめ(1)」の該当記事を参照ください。)
天ちゃんは、「躁」の診断基準を見たさない程度の「躁的」状態を、「過活動」と呼んで、患者さんと共有しています。
> 抗躁薬は普段の上がる気持ち(病気でなく)も抑える力があるんですか??
そういう力はないことになっています。健康な喜怒哀楽の感情を「抑える」ことはないようです。
分かりにくい点があったらまたコメントしてください。
>①労災補償の原資は潤沢にある
全国の勤務医が病院を訴えても大丈夫??
②仮に年間1000件を労災と認定したとしても財政上は負担増を図らずに対応できる
みんなが2億5000万損害賠償を訴えたら2500億円。そんな利益が全国の病院にあるでしょうか?うちの大学の年間利益が公表されている部分だけで11億円。1000人の労災がおきても実にその250倍です。大学は300年経ってもこの借金を返せないでしょう。
労災補償と民事裁判による損害賠償請求とは、話が別、です(^_^)v。
Atsullow-s caffee 先生がおっしゃるように、労働関連精神疾患および不幸にも自殺された、医師およびその家族による損害賠償請求事件判決が、ほとんど勝訴したとした場合、その被告(病院)に、負担する能力は、間違いなくないと思います。
でも、私たち仲間の医師やその家族が、そういう取り組みを積極的に展開しだしたら、かならずやこの国の医療制度は良い方向に改革されるものと信じます。
ところで,私のブログにリンクさせていただいてよろしいでしょうか?
天ちゃんも、リンクさせていただこうと思いま~す。
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