天ちゃん
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(まだまだつづき...)

今日は、『判断指針』http://www.jil.go.jp/kisya/kijun/990915_01_k/990915_01_k_bessi.html
「評価期間」 について。

精神疾患および自殺の労災を判断する要件は、『判断指針』によると、次のとおりでした。

2 判断要件
  業務上外の判断要件は、次のとおりとする。
 (1)対象疾病に該当する精神障害を発病していること。
 (2)対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、客観的に当該精神障害を発病させ
   るおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること。
 (3)業務以外の心理的負荷及び個体側要因により当該精神障害を発病したとは認
   められないこと。

「社会通念」 に照らして...!
そもそも、この3要件だけ、では妥当でないだろうという点について記事にしました。
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070324/1

また、「個体側要因」 ≒ 個人の「脆弱性」 を、判断に持ち込むのは妥当なの? っていう点
についても記事にしました。
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070316/1

今日のテーマは、上記要件の(2)中、発症前、「おおむね6ヶ月」 の記載ってどおよ? です。

学会の「見解」http://jsomh.umin.jp/public_html_012.htm)は、この点について、次のように触れています。

4 精神障害発病と発病前の出来事の調査期間に関しては、事例の状況に合わせて検討する必要があるが、おおむね6ヶ月を原則とすることは妥当である。(2ページ)

 DSM-IVは、発病者のストレス因子等を把握して記録し、治療に役立てる評定方法においては、病前1年間を評価の対象とすることとされており、また、1年前までを対象とするライフストレス研究も複数存在することから、医学的に半年以前の出来事を全く評価すべきではないとはいえない。
 ただし、1年の場合は、個人や周囲がしっかり記憶が残っているかどうかが問題となろう。半年以内のライフイベントが精神障害の発病に関与しているとの医学報告が複数あることに加え、出来事研究によれば、個人の記憶等の問題から、半年以内が客観性を担保できる期間であることも確認されているので、調査したとしても半年以前の記憶はあいまいであり、適正な調査はできないものと考えられる。調査期間は現行のままで原則として構わないと思われるが、判断指針も「おおむね6ヶ月」としており、厳密に半年とは限定していないのであって、事例の状況に合わせて遡って柔軟に対応すべきである。(7ページ)

7ページの記載が、学会の委員会が<議論した内容>で、2ページの記載が<議論の要約>
という関係になっています。

この「見解」は、言うまでもなく、専門家の文書です。
『判断指針』 は、労災認定現場で使用される、行政文書、マニュアル、です。

そして、実際の労災認定現場では...
この「おおむね6ヶ月」「原則6ヶ月」が、「発症前6ヶ月間を評価すればいい と運用されることを
実際に複数例で経験しています

しつこいですが...(^^;、専門家である学会の「見解」が述べる真意を、より正確に『判断指針』
反映させるためには、たとえば...

(2)対象疾病の発病前おおむね6か月の間に、客観的に当該精神障害を発病させ
   るおそれのある業務による強い心理的負荷が認められること。ただし、この
     評価期間は事例の状況に合わせて検討すること。
 

...とでも改善する必要があるでしょう。

なお、「発症前6ヶ月間を評価すればいいから」、っていうのは...
天ちゃんの関わった事案の、労基署精神科専門部会(精神科医の合議制です)の意見書
の中に書かれてあった文言(!)で~す(^_^)v。

医学研究においては...評価の信頼性向上のために、いくつかの工夫をするのが普通です。
マニュアルを作って標準化する、評価者トレーニングを実施する、などが代表的です。

『判断指針』が一応...標準化に対応しています、その改定は必要にせよ。
同業者に対してあまり批判がましくなりたくないですが...精神科部会の精神科医や、
国側精神科医の先生方の『判断指針』の理解と運用のオカシサがあまりに目についてきた
ものですから...(>_<)。
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060724/1
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070318/1

評価と判断の信頼性向上のため、労基署の専門医員を対象にした、『判断指針』の理解と運用に
ついての研修会を実施すべし!
ってことも提案しておきま~す!

47都道府県に、どれくらい医員がおられるのか知りませんが...多く見積もって、丼勘定で(^^;、
数千万円規模(?)の予算で、この研修会を実施可能ではないでしょうか?
(こんなことまで、天ちゃんが考える必要はないでしょうけれど...?)

労災が認定されずに、訴訟となって使われる費用(税金)と、どちらがお得かは...??(^^;

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