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昨日の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070315/1)の続きです。
> 新宿労基署は、うつ病を発症した同年6月までの半年間の時間外労働は月平均約50時間で、「当直中は仮眠や休養も可能」であり、実際に働いた時間はさらに下回るとして、発症の原因は中原さん個人の「脆弱(ぜいじゃく)性」だと主張していた。<
以上は、昨日の記事に引用した新聞記事の最後の一文です。
今日は、労災認定するか否か、の際に、上記、個人の「脆弱性」を持ち込むことってどうよ?
...この点に関する、天ちゃんの考えを少し述べたいと思います。
たとえば、昨日URLを貼り付けた、学会の「見解」では、この脆弱性をどう説明しているか...
性格傾向以外にも、薬物・脳内物質の状態・遺伝の影響等脆弱性に関する様々な医学的意見・研究が存在し、それらの様々な要因も含めて、心理的負荷に対する個体側の脆弱性は形成されると仮定されているものであり、医学的に確立された明確な知見というものは存在しない(2ページ)
精神障害の成因は「ストレス-脆弱性」理論で理解することができ、個体側の脆弱性はストレス強度との相対的関係で理解できる。
臨床の場面においては、患者を診察し、質問し、その訴えを聞くことによって、診断を下し、また、当該精神障害の成因を把握するため、どのような環境・心的要因が関与したのか、遺伝因、生育環境、生活史等患者の脆弱性はどうであるのか等について総合的に検討して、治療方針が立てられる。(8ページ)
近年、引越しうつ病、荷卸しうつ病、昇進うつ病などについて報告され、社会的関心を呼んでいるが、これらは、ごく一般的に行われる社会的営みが原因となるものであり、発病者はまさしくそれまで社会適応状況に特段の問題がなさそうに見えた人であることが圧倒的に多いことを認識すべきである。(11ページ)
中原先生の場合も...
...時間外労働は月平均約50時間で、「当直中は仮眠や休養も可能」であり、実際に働いた時間はさらに下回るとして...
というように、「ストレス-脆弱性」モデルの、「(労働)ストレス」を、まず意図的に(?)
小さく評価するというステップがあるからこそ、うつ病の原因として、個人の「脆弱性」を持ち出す
必要があるということに尽きるのでしょうが...。
この個人の「脆弱性」って、医学的には明確に確立されていないってことになっています(^^;。
パソコンで言えば、ゴミ箱、みたいな位置づけともいえるでしょうねぇ...(^^;。
知りえない、測定し得ない、個人の「脆弱性」が原因であると結論する(労災ではないってことです)
ってぇのは、まことに都合がいいと思いませんか?
それと、脆弱性ってのは、性格傾向、薬物・脳内物質の状態、遺伝の影響などで構成されている
ということが分かるかと思います。
ちょっと唐突ですが(?)...
アスベストと中皮腫、大気汚染と喘息、メチル水銀と水俣病、タバコと肺がん...
といった場合にだって、アスベストを吸引した人、汚染された大気を吸った人、メチル水銀を食した人、
喫煙者全員が、中皮腫、喘息、水俣病、肺がんに罹るワケではありません。
これらの場合にだって、個人の「脆弱性」って問題になっていいはずです。
逆に、アスベストを吸引したことのない人、汚染大気を吸ったことのない人、メチル水銀を
取り込んだことのない人、非喫煙者でも、中皮腫、喘息、水俣病、肺がんに
罹る人がいても不思議ではありません。
アスベスト、汚染大気、メチル水銀、喫煙といった要因に曝された人たちから発生した疾患を発症した人
それらの要因に曝されたことのない人たちから発生した疾患を発症した人
この2つの発生率を比べて、要因が疾患を発生させる影響力がどれだけ大きいかを知れば、
それらの要因が、疾患に対してどれだけ大きな原因となり得たかを知ることができます。
(う~~ん、解説が回りくどくなってますかねぇ?(^^;)
(発生率の比を、相対リスク、って言っています(^^;)
「見解」の、引越しうつ病、荷卸しうつ病...のところの議論もかなり怪しい。
「ごく一般的に行われる社会的営みが原因となるものであり」とハッキリ述べているのに...
まるでそれらが原因ではない、って述べたいみたいですもんね...?(@_@;)。
正直、天ちゃんは、ワケが分からないなぁ~って思ってしまいます(^^;。
(精神科医の文章や言ってることは、たいていワケがわかんないから...なぁ~んて
聞こえてきそうです(^^;)
たとえば...
引越ししてうつ病になる人とならない人と、そりゃいるでしょう。
引越ししないでもうつ病になる人とならない人と、いるでしょう。
この2者、というか2群(グループ)での、うつ病の発生率を比較した研究を調べてみれば、
引越しが、うつ病の原因となるって、結局判断できることになる...って思います。
その場合、「ごく一般的に見られる」かどうかは、問題ではなく...
(この場合は個人の「脆弱性」が原因であるって結論をしたいのでしょうねぇ...(?))
その「ごく一般的に見られる」お引越しが、うつ病の原因であるってことで何も問題ない、
と思いませんか?
なんか、特別変わった、稀な、へんてこりんな(?)ストレスでなければ、労災と認めない
...そういう場合でなく精神疾患を発症したり、自殺した場合は、個人の「脆弱性」が原因だぁ!
って言いたいのでしょう...きっと。
(そして、そういう方向で判断しよう、しようとしているのが透けて見える例が多い。)
何せ、「脆弱性」ってよく分かってないですから、煙に巻くにはもってこいじゃありませんか。
頭がクラクラしそうです...(^^;。
(つづく...)
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