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統合失調症の薬物療法 補足

天ちゃん / 2007.02.19 12:45 / 推薦数 : 3

過去の記事http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070215/2)に補足しておくのを、忘れていました(^^;。

統合失調症(に限った内容ばかりではありませんが)の、
薬物療法の(説明含むの)基本を...以下、10カ条にしてみました。

1.第一選択薬はもちろん、新規抗精神病薬!
  これは、過去の記事に挿入した、ちょっと見難い(^^;、「薬物療法のアルゴリズム」
Stage1とかLine1とか呼ばれてるところにも記載のとおり、です。

2.可能な限り単剤を用いる
 睡眠薬を使わなくてもOK って患者さんもいますし、従来薬では従来薬を用いる
からこそ出さないといけない、副作用を緩和するクスリがありましたが、
新規単剤では原則不要ですから。
(もちろん、あくまで、原則ですから、例外もあるのが、医療で~す(^^)v)
(だいたい、臨床場面の6~8割にあてはまれば、シメタモノってことでしたよね。)
[参考:http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061003/1の後半を参照]

3.薬の効果と副作用について説明する
 上記過去の記事では、特に副作用の説明を省いてしまいましたが...(^^;
 このブログの読者のみなさんには、至極、当たり前、のように聞こえるかも?
ですが、再来の外来診察時間平均5分とすれば、これが結構精神科医にとって
手間のかかる作業、ですm(__)m。

4.服薬のメリットとデメリットについても説明する
 メリットは、精神病症状が管理しやすくなる再発予防に通じる、といったことです。
 デメリットには、「薬を飲まなきゃいけなくなったった」ってことから生まれる不甲斐なさ、
副作用に対する心配、とか 実際に時に生じる副作用そのものとか、
人目を気にして服薬するプレッシャーとか、家族や友人などから時に「飲むなぁ」とか
言われる圧力に抗してまで飲むシンドサ、とか...
メリットのために飲むことを提案するのですが、デメリットだって、た~くさんあります。

5.服薬遵守(コンプライアンス)は100%でなくていい
 逆説的ですが...こういうスタンスで対応する精神科医の患者さんほど、
最近はアドヒーランスって言ったりもしますが、それが高いことが知られています。
 (きちんと飲んでもらえるということ)
 まぁ、自分が病気したとき、どれだけキチント服薬しているかを反省すれば...
このスタンスは、すぐに身につけられますけど(^^;。
 その代わり、どれだけどんな風に服用したか、その結果どうなったかを、
正確にご報告くださるよう要請します。
 もちろん、100%服用してほしいのですけれど...それを強調するあまり、
服薬率の報告内容が不正確では、誤った処方をしてしまいますから(^^;、
結局、お互い(??)のためになりませ~んので。

6.飲酒は抗精神病薬の効果を弱める
 と良く言われているのですが...こうやっていつも患者さんに説明していることを、
改めて記事にしていると、ちゃ~んと原著論文に当たってなかったっけなぁ~
とか気づけたりして、自分の医学・医療の良い反省とレベルアップに通じています(^^;。

7.「服薬しないで治療する」 選択肢も残しておく
 4.でメリットデメリットについて確認した上で、でも薬は使用したくないって方が
もちろん、少数派ですけど、必ずいらっしゃいます。
 中には、たとえば、抗不安薬なら飲むけどって患者さんも、たま~におられます。
 それでもOK! このブログの連載を読んできて下っている方は、もう理解して
らっしゃると思いますが(?)...精神科の治療は、薬物療法だけじゃありませんもんネ。

8.服薬するか否かは患者さんの合意の上で、合意の上に立つ責任(義務)は負ってもらう
 なんかちょっとダラダラしちゃってますが(^^;。
 たとえば、7.で、でも薬は使用しない、を選んだのであればこそ、その他の治療に
積極的になっていただく
とか、ってことも含みなす、
 これだけでは、誤解を産みそうなので...ちょっと詳しく解説しますと...
 これまで列挙したような薬物療法の基本スタンスで、以上のような説明をした上で、
ときどき患者さんに、この8.を、伝えています。
 医師や医療機関の責任や義務ばかり(?)が追求される昨今ですが...
お互いに責任や義務を負い合わない治療は、最終的にうまく行かないことが
多いように思います。
 たとえば、「お薬 飲むます」とおっしゃったからには「飲んで」ほしい。
 そう言ったのに飲まなかった場合に起きた結果についての第一義的な責任は、
飲まなかった<あなたにあるのではないか?>と語りかけるようにしています。
 そして、<飲まなかったことでコレコレの症状がコンナフウニ悪くなってしまったが、
アナタは、どうするつもりだろうか?>
って問うてみることにしています。

9.維持療法は最低3年
 服薬中断から、再発してしまった患者さんを累積していった、
コホート研究(前向き研究とも)があります。
 だいたい、3~5年で、再発する患者さんはほとんど再発し、再発しない患者さんは
大抵その後再発しない ってデータが、この9.の根拠です。
 ただし、1回の統合失調症エピソードの患者さんの場合、です。
 1回再発すると寛解後3×2=6年、2回再発したら6×2=12年は、
維持療法が必要かも?
って伝えています。
(...ただ、再発後の維持療法期間の目安を解明した研究はまだ無いと思います。)
 であればこそ、初回治療後、3~5年の間に再発準備性をいかに扱えるか
が統合失調症の治療のキモ、と考えています。

10.長期連用した場合の副作用は正直よく分からない
 
新規の薬
の使用経験は、高々10年なので、データがありません...(^^;
 正直良くわかっておりませんm(__)m。

...とまぁ、まだ項目立て可能ですが、薬物療法を巡っては、実にいろいろと
患者さんに伝えている情報があるものですねぇ...改めて感心してしまいました(^^;。

ところで...
過去の記事http://blog.m3.com/tenchanoffice/20070215/2)の中のDMは、糖尿病、のことで、
ECTは、電気けいれい療法、のことでしたm(__)m。

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