天ちゃん
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2007/02 >>
1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28

新着コメント

新着トラックバック

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

統合失調症シリーズを続けます。
統合失調症の経過

これも、天ちゃんのオリジナルな図、です。
(もともとは、兄弟子がグラフにしましたが、それに天ちゃんなりに種々説明を加えています。)

横軸が、時間の経過。
縦軸が、中枢神経の覚醒度、です。

左から右に説明していきます。

統合失調症の場合にも、たいてい何がしかのキッカケがあって、発症・再発します。
そのキッカケが、ライフイベント、です。

キッカケの後、短期間、数日~数週間のことが多いように感じますが...
何となく不調な時期、が見られます。
(患者さんによっては、何年間にも亘って、ってこともありますが。)
具体的には、不安緊張イライラうつ状態などです。
この時期を、前駆期(ゼンクキ)と呼ぶこともあります。

この時期に適切で有効な手立てが打てれば良いのですが...
そうならなかった場合、統合失調症の症状から診断まで、のセクションで縷々解説したような、
幻覚妄想興奮といった、強い症状に見舞われる時期を経験します。
この時期を、急性期、と呼んでいます。

この急性期の時期に、患者さん自ら、あるいは周囲の人に勧められて、精神科医療機関を
受診されることが多いと思います。
精神科医療機関を受診し、治療、主に薬物療法、が開始され、治療が効を奏すると、
徐々に、幻覚や妄想や興奮といった症状が落ち着いてきます(中の右下がりカーブの部分)。

やがて、そういった症状が出没する時期臨界期(リンカイキ)に至ります。
この時期は、まだちょっとしたことをキッカケにして、急性期に逆戻りしてしまうこともあります。
どうやって、次の寛解期とか回復期とか呼ばれている病相に、スムーズに移行できるか。
精神科臨床医の腕の見せ所といった時期です。
この臨界期にどんな治療が提供できたかが、統合失調症の予後(その後の経過の良し悪し)
を決めるのでは? という仮説を立てています。
(天ちゃんが親病院で入院治療を担当した130人の患者さんの、
この臨界期での治療の工夫をまとめたことがあります(^_^)v。)

中枢神経の覚醒度が高く、相当量の睡眠薬を用いても、なかなか眠れなかった...
そういう患者さんの睡眠時間が、同じ量の薬なのに、だんだんに増えてくる。
症状に圧倒されて、こちらとほとんど言語的なやりとりのできないでいた患者さんが、
急に精神内界を語ってくれるようになる。
急に熱が出たり、下痢してみたり、といった体の症状が出やすい時期としても知られています。
(この臨界期、あるいは臨界期現象を、体系化されたのが、中井久夫先生で~す。)
(ついでに、同じ頃に、親病院の師匠や看護師さんたちも、この現象に気づいていましたが、
「論文化で先を越されちゃったネ」ってみんなで悔しがっていたと、
師匠から聞かされたことがあります(^^;。)

これらの体の症状は、一見、抗精神病薬の副作用が、急激に出現したようにも見えますが、
急性期の中枢神経の状態、カラ、寛解期の中枢神経の状態へと移行するプロセスで、
自律神経系の状態が急激に転換することで、さまざまな症状が出てくる、
と考えられるようになっています。
(似た現象が、うつ病や躁うつ病でも観察されました~自律神経嵐って紹介しました(^_^)。)

致死的な身体症状(致死性不整脈とか)が発生しない限り、薬物療法は同じ、
で対応します。

寛解期は、急性期のネガ・ポジの関係にあると理解していただくと良いでしょうか。
中枢神経の興奮は冷めやり...うつ状態や呆けたような状態になります。
寛解期(回復期)の前期を、寛解後疲弊状態 とか 寛解後うつ状態 とか
呼んだりすることもあるくらい、です。

この時期は、できるだけ安静に、そして十分な睡眠を確保し、将来のこととか
現実的なこととか、あまり考えないで、のんびりゆっくりと過ごせるかどうかが
大変大事な時期です。

「もうずいぶんとユックリ休めた気分です。」 とか
「そろそろ○○してみたいなぁ。」 とか
素直に感じられるようになってきたら...寛解期の前期から後期への移行期
差し掛かったかナ(^_^)、
と判定します。(の縦の点線のところ、です。)
徐々に、昼寝とかも不要になって、自然な睡眠リズムとか、食欲とかも戻ってくる時期です。
アレしなきゃコレしなきゃ、とか焦りや不安から、動き出すと、急性期の症状が再び
ぶり返して表れてくることが多いですので、要注意、です。
この時期から、ボチボチとユックリ、退院や社会復帰に向けて、
リハビリテーションのプログラムを開始していきます。

人気blogランキングへ

固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)