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統合失調症の症状についての記事のおさらいをしておきます。
06/12/21の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061221/1)中、
L1~L7の質問項目が、いわゆる幻覚や妄想といった、陽性症状をカバーしています。
質問項目の<a>が、過去にそういう経験があったか?
を問うています。
質問項目の<b>が、現在もそういう経験を続けているか?
を問うています。
(質問項目によって、「ここ1ヶ月以内にも」というのがあるのには、意味があります。)
<a>の質問に対して「はい」、つまりそういう経験があったとお答えいただいた場合、
<「はい」とお答えになった具体例を教えてください>
などと、具体的な場面や状況を詳しくお聞きします。
そして、その具体例が...
思考や知覚に関する明らかな矛盾や文化的に見て適当でない場合に「はい」(=症状あり)とする、
のでしたネ(^^;。(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061225/2)
さらに...
同時に、それらが明らかに信じがたい、ばかげている、理解に苦しむものであり、普通の生活
では生じ得ないことに関する場合、「奇異」と判定する、
のでしたネ(^^;。
(ちょっとヒツコイでしょうかぁ?)
たとえば...
L1a.今までに、誰かがあなたをつけ回していたり、あなたを罠にはめようとしていたり、あなたを傷つけようとしているなどと確信したことがありますか?
(注:実際につけ回されている場合を除外するために例をあげてもらう。)
「はい...」
<具体例をあげていただけますか?>
「1年前まで付き合っていた彼に、仕事がえりの時間を狙って待ち伏せされていたことがあります。」
<ストーカーですかね。付き合っていた彼ってことですが...それは間違いありませんでしか?>
「ええ、もちろん。だって『もう付きまとわないでよぉ!』って路上で口論になっちゃたくらいですから。」
これは、天ちゃんが創作したものですが...(^^;
思考や知覚に「明らかな矛盾」はありませんし、今時はこんなことはあり得ますから
「文化的に見て適当でない」ではなく(=適当なので)「いいえ」と、天ちゃなら判断します。
ところが...たとえば、
<ストーカーですかね。付き合っていた彼ってことですが...それは間違いありませんでしたか?>
「ええ...たぶん。アレは付き合っていた彼でした。」
<もう少し詳しく聞かせてください。たとえば、どうやって「彼」って分かったのでしょうか?>
<直接眼で見て確認しましたか?>
「あの黒い男のカゲは、元カレでした。恐くて眼で確かめたワケではありませんが...。」
<では、どういう点から元カレって確信したのですか?>
「あそこまで正確に、私の帰宅時間を知っているのはアイツだからです。」
「決まって家の近くになると、カゲと気配で分かるんです。元カレが私にイヤガラセしているって。」
<何か、具体的に直接イヤガラセされたこともあったのでしょうねぇ。>
「ええ...実は『殺してやる~』とか、私を脅してきました。」
「父も母も信じてくれなかたんですけど...。」
<貴女以外でその彼の姿を見た人とかは? お父さんかお母さんに確認していただいたりとかは?>
「一度、母親に迎えに来てもらったんですけど、他の人がいたからアイツは潜んでいて、その日は諦めたみたいなんです...。」 云々。
この辺まで、ご本人の経験を具体的にお聞きしてみれば...
思考や知覚に関して「明らかな矛盾」があり、
にわかに信じがたいし、普通の生活では生じ得ない、
と天ちゃんなら判断して、「はい」(=被害妄想および幻声あり)で、「奇異」と判定すると思います。
読者のみなさんは、いかがでしょうか?
なお、「天ちゃんなら」 ってのが、2箇所で出てきました。
精神病性障害の診断では、この「天ちゃんなら」っていう、判定者によるブレがあり得ます。
ICD-10とかDSM-IVといった「操作的診断基準」に準じた、構造化された面接法によっても、
こうしたブレ(ズレ)の余地が残されています。
また、MINIには、患者さん自身に評価していただくツールもあります。
精神病性障害や重いうつ病などでは、医師の評価と患者さん評価とのズレが大きいことも
知られています。
付録:被害妄想の教科書的な解説
自分が迫害や陰謀の対象になっていると確信すること。っとえば、見張られている、尾行されている、盗聴されている、さまざまに妨害されているなど。[精神・心理症状ハンドブック、日本評論社より]
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