天ちゃん
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時にはエクソシスト

天ちゃん / 2006.12.04 23:31 / 推薦数 : 1

今日の午後の外来のことです。
女子学生さんから...
「死にたくなった、ロープのことまで具体的に考えてしまった。」
って報告されました。
担任に打ち明けたら、「すぐに受診なさい」って言われ、今日は臨時受診です。

このお嬢さんは、半年前から、うつ病で通院しています。

一旦は、寛解、にまで改善。
ところが1ヶ月以上前から、再び、うつ状態が再燃してしまっていたのです。

前回の外来では、薬物療法のアルゴリズムに沿って、相談の上、
抗うつ薬増強療法を開始したところでした。

<何か思い当たることはありませんか?>
「...。」

<確か、今回症状がぶり返したのは、クラスメートが体の病気で突然死されたことがきっかけでしたね。>
「...。」
<そう言えば、その男の子がなくなってからボチボチ、49日になるのじゃなかったっけ?>
「...そう言えば...先週の土曜日が49日の予定だったとか聞いていました...。」
すこし女子学生さんの顔が輝いたように見えました。

前回の外来から、よく眠れていた睡眠の状態が悪化し、よく夢を見る。
夢では、人が死ぬ夢を見る、とのこと。

天ちゃんはてっきり、男子クラスメートの突然死に刺激され...、
人が死ぬのは、その男子クラスメートを 「象徴」 しているものと早合点していたのでした。
が、天ちゃんのクリニックを初めて受診する数ヶ月前に、自死された、女子クラスメートが
夢に出てくるようになったのだそうです。

実を言いますと...
その女子クラスメートと、この女子学生さんとは「仲良し」でした。(男子クラスメートとも)
亡くなる直前に、ある事情で、この女子学生さんはその女子クラスメートと
口をきかないようにしていたと報告してくれていたことを思い出しました。
「自分があの頃あんな対応をしなければ彼女は死なずに済んだかも知れない」
そう自分を責め続けているうちに、うつ病におちいってしまったという経過でした。

天ちゃんの口をついて出てきたコトバは...
エクソシスト...>
<これは、お薬の調整で対処できるような問題じゃぁないですネ。>

<映画の世界や迷信の時代なら、成仏できない悪霊にたたられてアナタは死ぬところでした。>
<1年以内という短期間に、不幸にも相次いで二人のクラスメートを亡くしたのは辛いことでした。>
<この際、彼女も彼も、成仏させて上げましょう。>
<彼女のお墓はどこですか?>
「○×で、ちょっと遠いんです。」
<ちょっと遠いなんて流暢なことは言ってられません。彼女の怨念が
貴女をのろい殺そうとしているのかも知れないんだから。>

お墓のあるところは、親御さんから聞いて知っているとのことでした。

<「口をきいてあげられなくてゴメンナサイ」って想いが強いほどに、
できるだけ早く 「お墓参り」 に行きましょう。
お線香を上げて存分に供養してきてください。
気が済むまで、彼女のお墓の前で謝って、泣きたいだけ泣いてくるのがいい。>
<精神科医は、昔から、時々エクソシストなんです。
と言っても、天ちゃんが付き添って行ってあげられません。>
(心配で付き添ってきてくれた彼に-月曜が定休日だそうで-)
<そうだっ、貴方に、エクソシスト代役をお願いしよう。
お墓参りの間、彼女に異変が起きたら、すぐに手を引いて、それで間に合わないなら、
体を抱えてでもすぐにお墓から逃げ出すこと。
霊がどう出てくるかも知れないから、シッカリ頼みますよ。>
「来週の月曜日に付き添って行けます。」
血の気の引いていた女子学生さんの顔に、心なしか笑顔が蘇りました。

引き続いて...
頼りの事務長。
若い頃、同僚に、脳梗塞で突然亡くなられ、
年に2回は必ず 「お墓参り」 に行かせてもらってることなど...
大事な人が亡くなった後、自分の気持ちがどう変化してきたかなど、
実体験に根ざした話をツラツラと、女子学生さんと彼にしてくれていました。

<そうそう、自死された彼女の供養だけでなく、貴女の気持ちの供養でもある。>
これが、天ちゃんからのエクソシストの旅に発つ二人への手向けのコトバ...となりました。

※後日談を必ず記事にいたします。

うつ病のことについて復習なさりたい読者の方
     ↓   ↓
http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061003/1

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