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精神科医の読み解く教基法(8)

天ちゃん / 2006.11.25 22:26 / 推薦数 : 1

ふと気付いたら、昨日1回エントリーをお休みした分、教基法シリーズの記事をアップします(^^;。

各論部分ですが、改正案で、(新設)された条文です。

改正案
(生涯学習の理念)
第3条 国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。

主語が国民一人一人かと思って、ギクッとしかけましたが、杞憂でした(^^;。

(教育の機会均等)の第4条の
2 国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。

普通教育に統合され、教員の加配をするとか、ということでは、ケッシテナイ のでしょう。
具体的にどんな支援、施策が講じられるのか...改正案成立後は監視が必要です。

(義務教育)の第5条の
2 義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
3 国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。

「各個人の有する能力を伸ばしつつ」って、近年の教育現場のシステムを外挿すると、
能力別クラス編成のことなのでしょう(?)。
ここでも、「国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うこと」が目的、
と繰り返されています。
平和を担う、ではありませんし、人格の完成、でもありません。
「国と地方公共団体が責任を負う」というのは、今更ながら、という感じがします。
「水準を確保するため」ということですから、改正案第2条で挙げられた、たくさんの項目につき、
数値目標とかを決めて、生徒や教師が厳しくチェックされることになるのでしょう。
(改正案第2条はシリーズの(3)に記載http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061115/1
ただでさえ、多忙な現場が、増々、多忙になること必至で、教員・生徒の精神疾患が増えるでしょう。

(学校教育)の第6条の
2 前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならい。

あっ、やっぱり! 「習熟度別クラス編成」のことを言っているんですネ。
改正案第2条で、た~っくさんの項目を挙げ、押し付け=「強制」 しようとしながら...
「教育を受ける者」が「自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視」とは!
逆に言えば...ここに述べられたようなことが、「学校」で行われていない、と改正案作成者は
考えているのでしょう。
天ちゃんの知る、多くの教師たちにとって、大変失礼な「総括」の上に立っている(?)。
それとも...文科省等の自らの反省、なのでしょうか(?)。

(大学)
第7条 大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探求して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2 大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。

現行法にまったく規定のなかった大学について組み込んだことを、天ちゃんは評価したいと思います。
でも、学問の自由、は取り下げられています。
高い国公立大学の授業料を、無償にするとかは、もちろん一切ありませんネ(^^;。

(私立学校)
第8条 私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない

現行法で一切触れられてなかった、私立学校について組み込んだことを、
天ちゃんは評価したいと思います。
でも、あくまで、努力義務、なんですネ。
(「振興に努めました」と心意気を示せばOK?? な~んて?)
ここまで組み込んだのなら、、の位置づけも明確にしてほしかったところ、です。

(家庭教育)
第10条 父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

現行法に規定のなかった、家庭教育の重要性について触れている点を、
天ちゃんは評価したいと思います。
しかし、国及び地方公共団体だけが努めればいいとは思えません。
地域の支援は、後の第13条で出てきます。
父母が働く職場(職域)の支援もゼッタイに必要と思います。
「必要な施策」の中には、そういうものも含まれるのでしょう、きっと(^^;。

(幼児期の教育)
第11条 幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。

「幼児期の教育」の中身、「良好な環境」とは、など煮詰めるべき問題を含んでいると思います。

(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第13条 学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。

前記、第10条のところで、コメントした「地域」が出ています。
「その他の関係者」に、職域、が含まれているのでしょう、きっと。
マスメディアとかインターネットや携帯といったサイバースペースとの関係は
視野に入っていないのでしょう。
天ちゃんは、教育や学校を取り巻く環境、を考えr時に、情報空間は抜けないと思います。

第3章 教育行政 のところには、(新設)条項がたくさんあります。
第16条の(教育行政)の
2 国は、全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため、教育に関する施策を総合的に策定し、実施しなければならない。
3 地方公共団体は、その地域における教育の振興を図るため、その実情に応じた教育に関する施策を策定し、実施しなければならない。
4 国及び地方公共団体は、教育が円滑かつ継続的に実施されるよう、必要な財政上の措置を講じなければならない。

「全国的な教育の機会均等と教育水準の維持向上を図るため」 全国一斉学力テストを導入する!
ということなのでしょう。
2~3項は、次の(教育振興基本計画)を規定した第17条を完全に意識した条項、ですネ。
(この条項は、シリーズの(3)で記載http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061115/1

今回の記事で、一応、現行法と改正案の条項すべてを、このブログにアップし終わりました。
ちょっと、強迫?? フゥ...(^^;。

(まだ続く...)

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