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精神科医の読み解く教基法(6)

天ちゃん / 2006.11.22 12:44 / 推薦数 : 1

ちょっと久々の(?) 教基法シリーズ、です(^O^;)。

現行法と改正案の新旧対照表に沿い、現行法の条文にあり、改正案で「修正」されているものにつき
シリーズ(3)(5)からの続き、です。

現行法
第6条(学校教育)の
② 法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、その待遇の適性が、期せられなければならない。

改正案
(教員)
第9条 法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
2 前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適性が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない

現行法6条の2項 ⇒ 改正案9条の2項、という関係にあります。
現行法で、「教員は、全体の奉仕者であって」という、「全体」が何か?
は、現行法第10条を読むとわかる関係になっています。
改正案で、「養成と研修の充実が図られなければならない」と明記された点、
天ちゃんは肯定的に評価したいと思います。
ただし、改正案の全体の主旨(総論)を踏まえると、ココに言う養成と研修の内容、というか方向性については
疑問と言うか、施行された場合監視が必要と思います。
また、06/11/14の記事http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061114/RE_marimomo_)でも、友人の教師からの情報のとおり、
教職員の教育・研修制度はあるものの、その実効性に大変乏しい状況にある現状に触れました。
友人によると、「現場にとって必要な」教育・研修が実施できる前提が、民主的な学校運営、とのことでした。
改正案の総論を考慮すれば、「現場にとって必要な」、つまり、子どもや親にとっても望ましい
養成や研修は、おそらく実施困難が予想されます...。

現行法
第9条(宗教教育) 宗教に関する寛容の態度及び宗教の社会生活における地位は、教育上これを尊重しなければならない。

改正案
(宗教教育)
第15条 宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。

オウム真理教事件、オカルト・ブームといった事件や社会現象の反省に立ち、(宗教教育)のあり方を
見直す必要は、やはりあるだろうと天ちゃんは思います。
「中間報告」や「最終答申」でも、宗教家や宗教学者等ともよく議論の上、教育内容を検討することと、
されています。
各論として、「宗教に関する一般的な教養」の中味の問題もさることながら、
憲法第20条(信教の自由)との切り結び方の検討が、ぜひとも必要になってくる点です。

現行法
第10条(教育行政) 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
② 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

改正案
(教育行政)
第16条 教育は、不当な支配に服することなく、この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない

現行法で2項になっていたものが、改正案で1項にまとめられました。

現行法6条2項の「全体の奉仕者」とは、「国民全体に対し直接に責任を負って」ということ
であると読めます。
「国民全体」ということは...教員が、ですから、
まずは、目の前の子どもだろうし、その親御さんであろうし、そして地域住民に対して、であろうと
天ちゃんには読めます。
ところが、改正案では「この法律および他の法律の定めるところにより」
として、「教員は」また「教育は」、「国民全体に対し直接に責任を負ったり、奉仕者であったり」 シナイ!
ことになりました。
06/11/15の記事http://blog.m3.com/tenchanoffice/20061115/1)中触れたとおり、
教育版成果主義、が改正案の「総論」ですから、教員や教育行政の目は、「トップ」(政府か文科省)向き
とならざるを得ません。
ここに大変な問題があると思います。
日本版「成果主義」制度がうまく行かないために、顧客満足を「成果」に入れる改良を加えたところもあります。
天ちゃんは、そもそも教育に目標管理制度型の成果主義は、ぜんぜん馴染まず、
現場の矛盾を大きくするだけとしか思えませんが...。
それは措いても、改正案の成果主義の方針を、まだましなものとするためにも、
教員および教育行政の「全体に対する直接責任性」を、絶対に外してはならない、と思います。

教師が、自分の担当する子どもや親の状況を知り、声を聞くことのない教育現場...
子どもや親の状況や声を直接聞かずして、教育なんてあり得ないと思います。

この状況は、現行法の下にある、すでに現在、実は起きているワケですが...。
現行法を読むにつけ、現在の教育の危機的状況は、現行法を実現させる方向と真逆な取り組みが、
近年、教育行政、教育現場で進められたからこそ!
と、天ちゃんには思えてなりません。

(まだまだ続く...)

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