天ちゃん
Profile

ブログ内検索

カレンダー

<< 2012/05 >>
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31

新着コメント

新着トラックバック

アーカイブ

トップページ

Doctors Blog

ブログの購読

< うつ病 その6:全体の経過図について(続... | メイン | うつ病 その8:回復期の過ごし方 >

昨日の記事(http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060919/1)の続きを書きます。

受診後から回復するまでに、6~7ヶ月を要する ということを書きました。

これは、早い人だと、1ヶ月くらいで 回復 状態にまで到達できる人もいるし...
一方 3年くらいたっても、回復 にまで至らない人も 数%いる...
そういう回復までの期間を並べていって、真ん中の数字が、6~7ヶ月 ってことです。
(多数のうつ病患者さんのデータから、「一般論」として述べることは、医者は得意です。
でも、目の前のお一人の患者さんについて、じゃぁ一体、回復までにどれくらい期間がかかるの?
と言う質問に医者は弱い(^O^;>
天ちゃんは、うつ病にかかられてしまう前に、<普段と比べてがんばりすぎたと思われる期間>
がどれくらいあったか、お聞きし、たとえばそれが「半年」なら、カケル2~3倍...この場合、1~1年半、回復するまでにかかっても不思議でない、
と予測を立て、患者さんと共有するようにしています。天ちゃんの仮説1、とでも読んどきましょうか?
これは、天ちゃんの臨床経験から導き出したもので、科学的根拠は今のところありません。
-時間が許せば、まとめてみたいと思っているテーマで~す。)

昨日の 経過図の中に、「自殺の危険」と書いてあります。
うつ病の 病初期 と 回復期 は、昨日書きましたように、波があります。
良くなったり悪くなったりしながら全体として悪くなる=病初期
良くなったり悪くなったりしながら全体として良くなる=回復期
でした。

この波のある時期は、患者さんにとって、主観的に大変きついようです。
良くなったり、の良くなったときには 希望があるのですが...
悪くなったり、の悪くなったときに、絶望してしまうことが多いです。
良くなったのにまた悪化した とか、もう良くならないに違いないとか、考えてしまう...
そんなワケで、病初期と回復期には、自殺のリスクが高いことが昔から指摘されてきました。
なお、防衛医大の高橋祥友教授によれば、これも、あまりにモットー化し過ぎると、
「じゃぁ、病気の極期=一番重いとき、は危険がないんだぁ」と思われて、
周りのサポートが薄くなり、結局、自殺既遂に結果してしまうリスクを上げる可能性がある。
と言うことで、うつ病を抱えている方は、いつでも自殺の危険がある! という方を、
頭に入れておいていただくほうが、より望ましいと思います。
(うつ病の患者さんの自殺率は15~30%とされていたと思います。)

昨日のに、初診後から
「だいぶ良くなった」 と感じられるようになるまでの期間の目安として
2~3ヶ月(図中平均2.5ヶ月)と入れておきました。

うつ病の治療は、回復まで到達することは、当たり前!
必ず良くなる病気ですが、再発しやすい病気である。
その再発のしやすさをどうやって防ぐか、が現時点では、うつ病治療のホットな課題です。

欧米のデータですが、うつ病に一度かかった方は、10年間で、実に2人に1人が再発する、とされています。
「再発予防療法」 または 「維持療法」 を、専門家によって、半年から9ヶ月確保する、
ということで、この期間についてはコンセンサスがまだ十分とれていないですが、
最低6ヶ月間! 回復するまでに飲み続けてきた抗うつ薬を、漫然とぬかりなく 服薬し続ける
(と言うことは、回復までに、睡眠薬や抗不安薬が副次的に処方されていた場合、
可能ならそれらの減薬を試み始めることになります。)
かつ、外来受診し、どうやって再発を防ぐか主治医と対策を練っておく
こうすることで(こうするだけで)、再発率を半分=4人に1人まで低減できることが知られています。
(なお、再発は、初発のときと、似た状況で起きやすいので、似た状況が今後起き得るのか?
起き得るなら、避けられるのか?
避けようが無いなら、どう対処するか?
必要なら、行動計画を立てたり、ロールプレイを通じて練習する...
といったことを、天ちゃんは検討し実施しています。)

とは言え...
日本人の場合、16人に1人が、一生のうちで最低1回うつ病にかかること(現東大教授の川上憲人先生らの研究)
が知られていますので、「再発予防療法」を経てもなお、うつ病に一度もかかったことの無い
地域住民に比べて、まだ4倍うつ病を再発させやすい

ぬかりは禁物と言えます。

次回は、この間、コメントやご質問の多かった、
回復期の過ごし方のポイント、として日ごろ天ちゃんが、患者の皆さんに、初診時に
説明=心理教育 している内容を記事にしたいと思います。

固定リンク | コメント (2) | トラックバック (0)

トラックバック

この記事のトラックバック URL

http://blog.m3.com/tenchanoffice/20060920/1/trackback

コメント

コメント一覧

>この波のある時期は、患者さんにとって、主観的に大変きついようです。
>良くなったのにまた悪化した とか、もう良くならないに違いないとか、考えてしまう...

いやぁ、おっしゃる通りです。
家族からも「前より悪くなった」と指摘されまして、
なんだか責められているような気持ちになっておりWパンチでした。

以前、yoccanさん(スペルが違っていたらすみません)がおっしゃっていましたっけ? 「交通安全教室」はあるのにね~というコメント。
あれの、「うつ病教室」版があるといいですよね。地域で個人がボランティアで行っているところもあるようですが・・・。もっと、国民全員が身近に感じられるような方法であるとありがたいなと。
もしくは、一般の健康診断の際に、リーフレットくらい渡すとか?
クリニックに通院していると、そういったたぐいのリーフレットを見慣れているので、つい「一般的なものになった」と錯覚しがちですが、現実はそうじゃないですよね。関心のある人以外は、縁のないものだと思いがちなのか・・・。
written by ぽっち / 2006.09.20 17:16
>普段と比べて頑張りすぎた期間の2~3倍
と書かれていらっしゃいますが、それでは10年以上苦労して、苦しんできた場合には、もう一生治らないのでしょうか。私の主治医にもききましたが、すぐには治らないとだけしか教えてくれませんでした。苦労した内容は総合商社なみです。両親の病気、介護、死別、リストラ、社員から契約に格下げそのうえ時間外労働(帰宅はいつも23時くらい)そのあと、アルコール依存症だった父の面倒をみて、睡眠が2~3時間これが6年くらい、失恋(結婚あきらえました)、会社でのいじめ。友人はすべてご主人とともに地方へいったので話し相手もいない。まだ、いろいろありますが、かききれません。私は一人っ子でしたので家のことは全て自分でしなければいけませんでした。ですので、頑張りすぎたと思えるのは、母が、大腸がんになったときから12年くらいです。こうなると、一生、鬱から逃れられませんか?
written by J / 2006.09.20 23:23

コメントを書く

ニックネーム*
メールアドレス*
URL
内容*
※「利用規約」をお読みのうえ、適切な投稿をお願いします。