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< 1日1エントリー? 閑話休題 | メイン | 躁うつ病が増える社会的背景?? >

これは 昨日の出来事です。
診療報酬マイナス改定で、無くしちゃうか否か大いに迷っている業務のヒトツ、ですが...

(精神科小規模)デイケア終了後、過去1週間に起きた デイケアでの「トラブル」を
振り返りました(デイケア・カンファレンス)。

トラブルとは?
高年の男性患者さんに、いつものごとく、若いスタッフが注意したところ...
その患者さんが 「切れ」かかって、デイケアの椅子を持ち上げ、彼女に殴りかかろうとした!
というエピソードがありました。
(他のスタッフが制止し、即座に、患者さんは「娘みたいな職員に対して大人気なかったっ」と反省)

彼女は、天ちゃんたちのクリニックに入職後1年あまり。
(精神疾患から回復された患者さんが再発しやすいのも、
3日間、1週間、1ヶ月、3ヶ月、半年、1年、3年、そして4年です。
彼女にとって、当クリニックでは「1年目の壁」、通算「3年目の壁」に相当しています。)
他の医療機関でも 専門職として経験済みですが...
この出来事は 相当に応えたようでした。

持病を悪化させ、受診のために エピソード翌日は、出勤してきた彼女を帰宅させ(安全配慮義務上からも)、
折りよく、目の前が、夏季休暇でした。

デイケア・カンファでは あらゆる視点から振り返ったのですが...たとえば、
男性患者さんの「怒りの気持ちに対処する」技能不足は、年来の治療ターゲットだったこと や
残るスタッフが、患者さんと彼女を即座に引き離し、男性患者さんと話し合って、上記治療課題を確認し、
もっと上手な「怒りの感情コントロールと表現方法を身につける」ことを確認し、その場で予行演習して、
びっくりしている他のメンバー(デイケア利用者さんたちのこと)に謝れたこと と
その面接の間に、他のスタッフは、びっくりしちゃって程度の差こそあれ動揺しているメンバーさん達と
治療的なミーティングが持てたこと とは、
A-Tスプリット制 をうまく実行できたこと など...。
(A=Administrator;管理者、T=Theraist;治療者。AとTが役割分担と協力共同関係を
維持することが、集団療法を治療的に展開する時のカナメ とされる。)

前置きが長くなりましたが...(^^;

要は、相手に対する「陰性感情処理」に、スタッフとしてどう対策をとれるか?
と、まとめられそうでした。
つまり、苦手~嫌いな 患者さん とどう向き合うか、どう付き合うか です。
天ちゃんからのアドバイスは
1.その人の行動の特徴 や 癖を真似てみる
2.同僚スタッフに 早いうちに自分の陰性感情の有り様を伝えておく
3.上司や先輩からアドバイスをもらう
4.今回のようなカンファレンスで検討し、チーム内で役割分担し合う
5.教育分析を受ける(今は流行っていない。天ちゃんはソフトな? それを受けたことはある)
6.そこまで専門的にはたいてい追求できないので、苦手~嫌いに思う理由(できるだけ具体的な)を明確化して過去に似た体験があるか記憶をたどり、過去にはどう対処したか、対処できなかったのなら、どう対処できれば良かったかを振り返ってみる
7.以上の努力を続けた上でそれでも対処可能性が低いと思われたら、別のスタッフ(天ちゃんの場合なら別の医師)にお任せする

他にもあるかも知れませんが...。
(読者のみなさんの日常的な対人関係で、苦手~嫌いな人との関係に応用できるかも知れません。)
(なお、陰性転移感情の扱いについて触れた成書は、たくさんあります。)

精神科医療従事者として経験を積むほど、自分の個性、自分の強みと弱みを 嫌と言うほど
知るようになります。
それは、自分にできることとできないこととの境界線を、よりはっきりと知ることになるプロセスです。

平穏無事で波風立たずでは、(集団)治療的な場にはなりません。

かと言って、若い女性スタッフが実際に殴られでもしていて怪我でもしていたら...
「医療事故」とでも言い得る事態にでもなっていたら...

せっかく経験を積み上げてきた 若い職員を失うことにならずに ホント! ホッとしました。

近年、医療現場では、若いスタッフのメンタルヘルスの悪化と、離・退職率の高さが指摘されています。
診療報酬マイナス改定も、その一因に違いありません。
なぜって、経営を守るとしたら、今回ご紹介したカンファレンスは開かれておらず、
ひょっとしたら、この大事な若い専門職を失っていたかも知れないですから...。

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>なぜって、経営を守るとしたら、今回ご紹介したカンファレンスは開かれておらず、
ひょっとしたら、この大事な若い専門職を失っていたかも知れないですから...。

医療現場では安全対策としてのコレの位置づけはないんですか?
治療とも絡むでしょうが、「危機管理対策」の面も持ち合わせていると思います。(企業の場合は顧客トラブルのケースで研修の場合がおおいですけれど)
written by yoccyan / 2006.09.06 09:31
医療界でリスクマネジメントの手法が用いられるようになったのは、アメリカで医療過誤による訴訟問題が頻発するようになってからだったと思います。当時(1970年頃)は、訴訟への対応や設備の安全管理が主な対応策だったようですが、現在では「医療の質を保証する」という観点から患者さんへのケア(の提供)を含めた多くの要素が考えられています。

医療現場では、経済的損失云々よりも、「診療科」「専門職種」の枠をこえ、組織全体による医療事故防止(対患者さん、対医療スタッフ)に対する取り組みという色合いが強いですね。「リスクマネジメント」とと言うより、「トータル・クオリティ・マネジメント」と言った方が適切かも。

日本では1999年に、看護協会がガイドラインを出したり、厚労省が検討委員会を開き、医療現場では様々な診療科・職種(医師、看護師、その他各分野の専門職)「リスクマネジメント委員会」を結成して取り組んでいました。
委員会では、「針刺し事故」「投薬」「感染対策」「患者さんから、または、患者さんへの暴力」などが主な論点となっていたようです。いくつかの現場を取材させていただきましたが、当時は病院ごとに取り組み方も違っており、「手洗い」の一つ、徹底できていないことに正直驚いた場面もあります。
あれから、5年余、実際にリスクマネジメントの概念がどこまで浸透しているか気になるところです。
written by ぽっち / 2006.09.06 14:07
ぽっちさん

詳しいですね。病院によって、その「クオリティ・マネジメント」、どうも受け取り方や実施がその場しのぎ的な感じに(外部からは)見受けられて、患者側・医療従事者側どちらの立場にたっても『オイオイ大丈夫か?』というところあります。
昨今のように介護の専門分野が発達してくると、そこにも適用するべきだろうし、色々問題がありますね。

天ちゃん先生のブログの場を借りて、勉強させていただきました。
ぽっちさん。先生、ありがとうございました。
written by yoccyan / 2006.09.06 16:26
ぼっち さんって 一体 なにものぉ~??(^0^)
ぼっち さんの歴史的概観(?)は、ご記載の通りだったと思います。
また、このカンファレンスが、リスクマネジメントの側面を含んでいたことも、ご指摘の通りです。
天ちゃんのクリニックでは、毎朝、全職員参加のミーティングがありまして、本件は、すでにそこで連日処理に当たってはおりました。また、事態発生直後にデイケアより報告を受けて対策を採っておりました。ですから、これらのミーティングは、あえて言うなら、「その場しのぎ的な」リスク管理。
何は無くともカンファレンス! とは、たびたび記事に出てくる、師匠の教えのひとつです。
このカンファレンスは、リスクマネジメント会議とも言えますし、若い職員のOJTの場でもあったし、デイケアあるいは当クリニックのTQC的な意味合いも有していたと思います。
経営と安全は、時に相反する側面がある、とも思います。
written by 天ちゃん / 2006.09.07 00:42
元、医療機関に出入りしていた編集者です。
うつ病発生後、退職してしまったので、
医療業界の知識は3年ぐらいブランクがありますよ~。
取材時は医療業界について勉強させていただきましたが、
自分がうつ病だと気づくには、結構時間がかかりました(^^;)
以外と自分のことは、客観的に見られないものです。
written by ぽっち / 2006.09.07 11:33

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