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Doctors Blog

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患者さんからの情報:うつ病の本

天ちゃん / 2006.04.30 17:58 / 推薦数 : 3

患者さんから精神医療に関連したさまざまな情報を、よくいただきます。
摂食障害の診断で、最初の主治医が、私。
いくにんか主治医が変わり...、昨年また私が担当に。
操作的診断基準に沿って、診断したら、反復性うつ病性障害。
その旨彼女に伝えたら、妙に納得されていました。
その彼女から最近プレゼントされたのが本書。

「ツレがうつになりまして」(細川貂々、幻冬社)

読み終えるのに1時間とかからない。
漫画家であり、イラストレーターである、著者が、
ご主人(ツレ、として登場)のうつ闘病記を漫画仕立てで
紹介しています。

ツレさんは、過労の末にうつ病にかかられたとのこと。
退職後の一時期=回復期に、自殺の危険の高まったときがあったとのこと。
ツレさんは、30代後半とのことで、まさに、近年、うつ病が増加している世代、です。

この本の良いところは、うつ病のさなかにいるご本人でも、
脳に大きな負担をかけずに回復までのおおまかな流れをつかむことができる点。
また、「三寒四温」によくたとえられる、「よくなったりわるくなったりしながら、必ずよくなる」、
回復期のようすが、実によく描かれていて感心しました。

ツレさんのエッセイ部分も含めて読むなら、うつ病をかかえるご本人の理解が深まるでしょう。
てんてんさんの視点で読めば、うつ病をかかえたご本人を見守るご家族の理解が深まるでしょう。
うつ病の治療の過程で、ぜひご本人やご家族に注意しておいていただきたい、もろもろの、
ありがちな点にきっちり触れています。

一点? 2点?
残念なのは、初回うつ病の「回復」は、どちらかと言うと治療のメインでなく、
今後の再発をいかに防ぐか...の方が大事だと思う点。
再発予防療法or維持療法の視点が、抜けていた点。
それと、ツレさんは退職されたとのことですが、
傷病給付制度の利用を紹介するとか、
これから就職されるのでしょうが、それまでのプロセス、
あるいは復職までのプロセスが、この本の調子で描かれて
いるとパーフェクト(?)
第二弾に期待?...というところでしょうか?

とにかく、このように、医療情報、健康情報の普及によって、
場合によっては私達、医師より
患者さんの方が医療情報をよくおさえているなんて時代がやってきました(^^)。
もちろん、情報が氾濫し、振り回されている患者さん、ご家族も一方で、おられますが...(^o^;。

この本を、お勧め本、の1冊に加え、クリニックの待合室に置かせていただくことにしました。
が、今は、クリニックのスタッフが回し読みをしています...(^o^;。

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スイマセン。ブログを開設だけしておいて、エントリーの作成を怠って...。管理画面を開いたらすでにいくにんもの方がアクセスしてくださっていました(^o^;。

以下第一エントリーしておきますm(。_。)m。

 

精神療法の効果=平均への回帰+自然経過(治癒)+ホーソン効果+プラセボ効果+専門的治療法(古川壽亮 In「精神科診断診察学」)
この専門的治療法として、効果が確立されているのが、認知行動療法(CBT)と対人関係療法(ITP)くらい。
古川先生は、自然経過+ホーソン効果+プラセボ効果、を最大限に発揮できるような取り組みを「良識精神療法」として提唱されている。

CBTもITPも、(一部の疾患についてだが)効果検証に耐えている。成功の鍵は、「標準化」にあったと思う。つまり、マニュアル化。あるプログラムを実施する際、対象の選択、手順や内容をマニュアル化している。だから、CBTやITPの実施内容が、治療者によって大きく変わらない。サービスの質の標準化がなされてきたと言える。だから、効果評価研究にも成功してきたのだと思う。

たとえば、軽症から中等症のうつ病に対しては、認知(行動)療法が薬物療法と同等の効果、両者が併用されればより大きな効果が実証されている。

強調しておきたいのは、残念だが、こういったエビデンスの確立されて(きて)いる技術に対し、この国の医療保険は、これまで、一切カバーしていないことである。
また、精神科医師がこういった専門療法を、日常的な臨床現場で実施してペイするような診療報酬体系になっていない。
さらに、標準的なレベルのCBTやITPを提供できる心理士がわが国の場合まだ少ないうえに、国家資格化が頓挫してしまっている。加えて、現在心理士養成カリキュラムには精神医学関連のものが乏しい、難点がある。
以上の諸点は、強調してもしすぎることはないと思う。

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