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2011.10.11 10:36 |  医療事故  |  ある日の診療日誌より  |  masa  | 推薦数 : 0

問 診・・・

 NHKテレビで、研修医が4人出て、問診を中心に診断名を当てる番組がある。病名を付ける場合、問診が如何に大切かがよく解る(・・・←昔から、医師の間では、よく言われてきていることですが・・・)。
 つい最近、そのことを強く経験した・・・。
 3歳の男児で、休みの日の午前中に受診した。祖母が連れて来た。喘鳴強く、起座呼吸で、明らかに「気管支喘息」発作(よく眠れないし、食べないので、中発作)。
 で、私は、祖母に尋ねた。「いつからですか?」→「今朝からです。」、「こんな発作はいつからですか?」→「今朝からです。」、「咳をしていたのは、いつからですか?」→「昨日の夕方からです。」、「その前に、鼻水とか風邪症状はなかったですか?」→「なかったです。」
 (外来では、SpO2が96%前後あったので)吸入すれば(急に発作が起きているので、直ぐに)軽くなるだろうと思っていた。が、吸入後も、まだ、努力呼吸で、きつそうにしている。それで、200mlの点滴をして、帰る時に、又、吸入をして、帰すことにした。
 点滴が終わる頃になっても、あまり改善が見られない。SpO2が92%前後になっている。(あれっ、こんなはずじゃなかったが・・・)そして、又、祖母に私はしつこく尋ねた。「ホントに、昨日の夕方からで、その前は、どうもなかったんですね?」→「ハイ、咳はしてませんでした。」
 外来処方箋を没にし、入院となった。それからが大変だった。SpO2が82%まで下がり、90%以上にならない。夕方、写真を撮った。右側に少し影がある。(急に肺炎になるはずないのに、無気肺かな?)
 外来でのCRPの検査では、さほど高くなかったが、再び、CRPの検査をしたが、やはりさほど高くないので(SAAも)、ウイルス性と考えた。ステロイドを投与し、気管支拡張剤(アスプール)の吸入を酸素と同時に投与する(この時、喘息重積発作の状態)。すると、幸いに、嘘の様に軽快し、いままで寝てない為か、眠ってしまった。(苦しいと眠れない、経過がいいとこんな感じで、点滴中に眠ってしまう。・・・経過良好!)
 母親が、仕事が終わって、18時過ぎから付いていた。すかさず、私は尋ねた。すると、意外な答えだった。
 ・・・「咳は1週間前からありました。鼻水と咳がずっと続いていました。(入院の前に)運動会に出しました。本人、いやがっていました。(・・・←きつかったのかな?)。薬は、前、病院からもらった薬を、症状が同じなので上げていました。」(・・・←それを聞いて私は、「絶句!」って感じになったが・・・。)
 つまり、ストーリーとしては、前々から咳をしていて、(ウイルス性の)気管支炎があり、それに、運動会で無理して、喘息発作が起きた。今は、喘息発作と(右肺のウイルス性)肺炎の状態。この日、20時過ぎまで診ていて、22時過ぎ、0時過ぎ、翌朝6時過ぎに病棟に電話。(幸いに、落ち着いて、子どもがよく眠っていた・・・ホッとする・・・) (3泊4日で、SpO2が98%になり、元気になって退院しましたが・・・)
 正確な問診を如何にして聞き出すか、それは、親御さんと医師との共同作業。
 小児科医は、子どもだけでなく、親御さんもしっかりと診ていないといけないなあ・・・医療費、二人分もらってもいいかな・・・?! 

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2011.04.10 11:45 |  医療事故  |  放 言  |  masa  | 推薦数 : 1

想定外と専門家・・・?!

 今回の大震災、それに伴う津波、そして、福島での原発事故、その被災に遭い、将来を心細く思っておられる方々に、深く、お見舞い申し上げます。

 自然の力は、想定外です。人間の予知には、限界があります。予知して準備していても、想定外のケースでは、免れません。専門家にも、いろんな意見があります。科学がどんなに進んでも、ヒトは、自然をある程度までコントロール出来ても、それには、限りがあります。
 世界の常任理事国である米・露・中・英・仏は、全て、核を持ち、何かの時にはそれを使えるぞって感じで、核の抑止力と言う、勝手な理論を持ち出して、自国を守ろうとしています。しかし、人間のすること、ちょっとしたことから大事故になって、福島の様な事故にならないと誰が言えるでしょうか・・・?!
 チェリノブイリ原発事故後、当時のソ連の大統領であったゴルバチョフ氏は、「最も小さな核弾頭の爆発でも、放射能の強さでは、3つのチェリノブイリ原発事故に相当する!蓄積した核弾頭のほんの一部でも破局につながる!」と演説し、事故から20カ月後に、歴史上初めて核弾頭を減らす米ソ条約が調印されました。
 政治家を選ぶのは、国民です。その国民が選んだ自民党は、今まで、原発を積極的に勧めてきており、政権を継いだ民主党も、それをそのまま勧める形になってきています。選挙民は、棄権することなく広い立場で見れる適切な政治家を積極的に選ぶべきです。(・・・←実家の佐伯市では、県議選は、無投票当選、知事は、現職と共産党からの人、2人だけの選択でしたが・・・。)
 自然現象では、想定外のことが起きますが、ヒトのすることでは、もっと想定外のことが起きます。枝野官房長官は、しばしば、「専門家の意見では・・・」と説明していましたが、専門家にも、いろんな意見があり、国民が納得する答弁にはなっていないと思います。
 原発事故当初、ある調査では、日本人の半分が、原発開発に反対でした。しかし、近頃の調査では、約7割の人が、もう、原発開発はしない方がいいって感じになっています。それでも、まだ、3割近くの人が、原発推進に賛成何て・・・何故、何故、何故?
 想定外で済む問題ではないと思います。ちょっと間違えば、原発で日本中が被ばくしても、不思議でない状態と思うべきです。


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2011.03.21 10:18 |  医療事故  |  ちょっと考えてしかるべき話  |  masa  | 推薦数 : 0

不自然・・・

 

 福島の原発事故、ちょっとおかしいですね、いやー、かなりおかしいかな・・・?!
1、政府が、避難距離をどんどん広げていった・・・→これって、不安になりますよね。逆に、80Kmから、次第に狭くなっていくのが常識では・・・?!
2、計画停電を急に強制的にした・・・→これだと、いざと言う時に困らない様にと思って、消費者は思わず買い貯めに走りますよね。その気持ち分かります。
3、解説者の言う通りになってこなかった。大丈夫と言いながら、服に付いた時の処理の仕方を説明したり・・・。これじゃ、不安になりますね。政府の説明も、二転三転、これじゃ、不安を政府の方が煽り立ててる様なものでは・・・?!

 被災地の人だと、一番欲しいのは、水とのこと。そうなんです、きれいな水さえあれば、人間、何とかしばらくは生きられますからね。
 次が、何だと思いますか。・・・→簡易トイレ、ラジオ、ライト、そんなものだろうと思っていましたが・・・→何と、それは、「正しい情報」なのです。しっかりとした信じるに値する情報さえ手に入れば、先のことが見えるので、不安に陥ることなく、被災者は、元気になれるのです。
 3番目に大切なものは何か?実際にある避難所に行って体験した人が言っていましたが・・・→何と、「歌」だったそうです。ある女の娘が、トランペットで「上を向いて歩こう」を吹いて、皆が元気になっていましたが・・・。子どもたちは、アンパンマンの歌を歌って元気なっている・・・。
 ・・・こんな時こそ、無人機で水をかけたり、ロボットで放射線の多い所で仕事をさせたり・・・出来てるといいなあ。
 それに、衛星を使って、日本中、どんな所からでも、携帯やパソコンで情報を詳細に送れるシステム、その内、手軽に出来る様になるといいなあ。

 テレビに出ている解説者の多くが、大丈夫大丈夫って言う人が多いですね。大変なことになっていますって意見、少ないですね。これって、不自然だと思いませんか?
 個人差があるはずで、胎児や乳児や免疫力の低下している人なら、ちょっとの放射線量でも、注意すべきと思っています。(私の様に、60歳を過ぎていれば、深刻さは少なくなることもあるかと思いますが・・・)
 直ぐに結果が出ません!ずっとずっと先になって出ることもあります。はっきりまだしてないこともあります。そうでなくても、先天異常が近年増えていますが・・・。
 私は、仕事柄、肺炎の子を見ること多いのですが、レントゲン検査、極力少なくしています(撮ってもその殆どは入院時の一枚です。しばしば肺の聴診打診をし、それに、血液検査で代用しています。)。(入院時と退院時、それも、正面と側面撮るケースも、疾患によっては、致し方ない場合もあるとは思いますが・・・)
 (親御さんの中には、しつこく、レントゲン検査を撮る様に、迫る人もいますが・・)

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2011.03.18 11:51 |  医療事故  |  絶対為になる話  |  masa  | 推薦数 : 0

何が真実か・・・?!!

 海外あちこちで、原子炉の見直しが始まっている。日本では、まだ、その動きが強くない。しかし、私は、終始、原子炉開発に反対しているものの1人である。
 チェリノブイリの一段階前の状態と見ている国もある。80Km以内に入らない様にと勧告している国もある。東京から出る様にと勧告している国もある。何が真実か?
 テレビ番組は、もう、普段の番組を取り入れている所もある。テレビの報道が真実と言う保証は全くない!!
 被ばくの問題は、医療上、極めて深刻な問題だ。検査の時に、放射線を浴びても、それで終わり。しかし、放射性物質を体内の取りこんで、それで体内被ばくをずっと受ければ・・・!
 インフルエンザにおける「前橋レポート」にしても、世間では、まだ、広がっていない。原子炉の怖さにしても、広島・長崎で被爆を受けた日本人にしても、まだ、浸透してない。
 どう考えるかは、各人の勝手だろう。しかし、真実を知る必要がある。アメリカやそれに携わった人の智慧を借りて、今の原子炉の問題に早急に取り組んで欲しい(祈祈祈)。 

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2010.12.29 12:05 |  医療事故  |  将来の医療アラカルト(1~10)  |  masa  | 推薦数 : 1

限 界・・・

 

 以下は、今日(平成22年12月29日(水))の「熊本日日新聞」に、最後から2枚目のページの初めに大きく取り上げられている内容。(原文のまま)

 「熊本方式」ピンチ
 地域医療の先駆的な取り組みで「熊本方式」と呼ばれる熊本市の夜間・休日小児救急医療が、30年目を迎え存続の危機に直面している。患者家族の理不尽な要求や暴言に、医療現場が「耐えられない」と悲鳴を上げているからだ。医師らは「医師の精神的なダメージは深刻。使命感で支えてきた熊本方式に理解と協力を」と訴えている。
 熊本方式は、同市本荘の熊本地域医療センターで対応。開業医39人に同センター、熊本大病院の医師を加えた総計70人の小児科医が交代で夜間、休日にも途切れることなく、患者を受け入れている。
 患者家族の理不尽な振舞いは以前からあったが、「モラル低下が指摘される社会的な風潮を反映してか、今年に入って深刻さが増した」と同センターで小児科部長も務める後藤善隆副院長(60)。同科の男性医師(40)は「受診までのわずかな時間が待てず、怒鳴り散らす親がいる」といった現状に、「もう限界」と本音を吐露する。
 救急車をタクシー代わりに使ったり、酒に酔った親が受診の順番にクレームをつけるといったケースのほか、技術的に難しい乳児の注射に文句をつけ、暴言を吐いたり、暴力を働いたりした例もあるという。
 医師への非難が繰り返される状況に、「やりがいが感じられず、やめたいと言う声が複数の医師から上がり始めた」と、開業医でつくる小児科出勤協力医調整協議委員会の緒方健一医院長(54)。現場の忍耐に頼る「綱渡り」に、「このままでは熊本方式の存続は難しい」と危機感を募らせる。
 後藤副院長は、熊本方式も、高度医療にも対応できる抜本的な見直し時期に来ているという。しかし、「ほぼ全ての小児科医で支えている熊本方式がいったん崩れれば再構築は困難」と指摘。「医師1人1人の使命感で成り立つ仕組みであることを市民にも理解して欲しい」と訴えている。

 ・・・ムーッ。無理が重なると、いつかは、それなりの方向に行かざるを得ないと思いますが・・・。今の時代の反映もあるかと思いますが、・・・コンビニ受診を排除し、余分に時間外にも働く医療側に対しても、もっと敬意が払われていいと思っています。

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2010.12.20 09:31 |  医療事故  |  ちょっと考えてしかるべき話  |  masa  | 推薦数 : 0

偽陽性・・・

  

 今朝(12月20日)のNHK総合テレビの番組で、「マンモグラフィーによる乳ガン検診」のことが放映されていた。
 子宮ガンや大腸ガンや乳ガンで、早期診断が出来て、命を拾われる人、確かにいる。が、その中に、陽性だったのに陰性とされる「偽陰性」や、陰性だったのに陽性とされる「偽陽性」のこともある。
 私の兄が、胃ガン検診で、「精密検査要」との通知があり、(もちろん)かなり落ち込んでいた。が、その後の検査で、正常だった。
 よく知る人の奥さんが、子宮ガン検診で、「精密検査要」との通知があって、(かなりかなり)落ち込んでいた。しかし、その後の検査で、正常。
 これって、誰も責任とってくれませんね・・・?!正常と分かるまでのストレス、想像以上だと思いますけど・・・?!
 乳ガンは、日本女性の16人に1人経験すると程の頻度の高いガン。で、その健診に、「マンモグラフィー」が一般化され、触診で把握できないものまでも見つけることができるって感じに思われている。
 ところが、1.000人検査して、偽陽性にされるのが、40歳代で86.3人、50歳代で61.3人、60代で48.0人となっている。で、実際に乳ガンだった人は、40歳代で2.8人、50歳代で2.4人、60歳代で2.3となっている(年代に関わらず、400人に1人程の結果)。
 ムーッ・・・偽陽性になった人に同情します。精密検査要でも、ホントの陽性者は、この程度ですよと前もって知らせておくべきだと思いますけど・・・?!!

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2009.08.06 15:43 |  医療事故  |  エッセイ  |  masa  | 推薦数 : 0

心筋炎

 8月4日(火)の22時前、もう寝ようかなあと思っていたが、偶然にチャンネルを回すと、NHKで、5歳の女児が心筋炎で亡くなった後の医療訴訟の番組があって、仕事柄、途中で見るのを止める訳にも行かず、最後まで家内と一緒に見てしまった。
 途中で、これは、ドラマ?いや、事実だと自分に言い聞かせながら見ていた。見終えて、何か思苦しい感じになった。何故、天下のNHKがこれを取り上げたのか、その意図がよく分からなかった。亡くなった家族には、思ってもみない結果になって気の毒に思ったが、(自分も経験があるだけに)医療側も訴訟で大変だったろうなあと思った。つい、これで、又、小児の救急医療をしようと思う若いドクターが減る可能性もあるかなあと家内に言ってしまった。
 患者さん側は、真実を知りたいと言っていた。病名は心筋炎と、ちゃんと付いている。時間外にもちゃんと断わらずに診てもらっている。で、1審と違って2審の高裁で、医療側が負けている。何か割り切れない感じの内容だった。
 昔、救急で来て、よく分からないまま亡くなった子どものことが、又久し振りに、思い出された。深夜亡くなって、翌日に循環器内科の先生と話して、心臓病だったのではとの話になった。その子は、来院時、既に、ひどい症状だったので、親も納得してもらえたとその時思っていたが、来院時にさほどきつがっていなければ、訴訟になっていたかも知れないなあとずっと思い続けていた。
 深夜に心電図やレントゲン検査や血液検査、コメディカルの人にとっても大変だ。明らかに医療側の手落ちである場合は別だが、救急病院の場合、そこでの医療従事者の多くが、ギリギリのスタッフで精神的にも肉体的にも一生懸命に頑張っているケースが大半だ。そんな中で、医師の多くが、この裁判は納得できないと思っているとすれば、先の福島県での産科の事件と同じく、医療側が負ける判例は、やはり、おかしいと思う。
 小児科の場合は、訴訟まで行かなくても、トラブルは(小さなことまで含めば)しばしば起きていて、それも、時間外が多く(小児科の場合、科の性質上、急変が多いので、しばしば観察していないと判断を誤ってしまう確率が高いと思われる)、自分にしても、患者さん側とのトラブル、今でも、時にある(還暦を迎えた今の自分の場合、アルバイト医として、アルバイト期間中は、新生児と小児時間外患児を中心に診ているが、昔ほど重症患者さんが沢山いないので、トラブルが少なくなってはいるが)。
 小児科では、「腸重積症」なる疾患が時にあり、早期診断が要求される(そのままにしておくて、腹膜炎を起こして亡くなってしまう)。が、早期で診断が難しかったり、時には、整復中に腸が破けたりと言うことが皆無ではないので、そんなトラブルと背中合わせって感じになってヒヤヒヤしながら高圧浣腸をしているのが実情である。
 急変して来院しても、直ぐに高圧浣腸で整復した場合と、いろんな事情で非観血的に整復できなくて、とうとう手術になった場合では、手術して退院する時の方が、患者さん側から感謝されている様に思えてならない。
 (32年前の自験例では)土曜日の夕方から症状があったのに、土曜ということで親が我慢し、日曜の早朝に(県病に)来て、研修1年目の私が腸重積と診断した。オーベン(上司)の人を呼んで整復するも上手く行かず、部長がしても上手く行かず、手術になってしまったが、最悪なことに既に壊死していて、腸を切り取ってしまった。長いこと掛かってやっと退院となった。しかし、退院の時、スゴク親から感謝されたのを今でもしっかりと覚えている。
 医療って、スゴク悪くなったのを救うと、感謝される。初期にはさほど症状が悪くなくて、だんだん悪くなって、思わぬ結果になると、患者さん側の態度が、次第に変わってくることがある。それは、仕方ないことだと思うのだが、一生懸命にしても、疾患によっては必ずしも改善せずに不幸な結果になることもある。結果が悪いと、医療をする側も、落ち込んでいますが、そんな時、不信感一杯にモロに苦情を言わる感じになってしまうと、とてもつらいです。
 大学にいた時に、(循環器系の疾患が中心の小児科病棟だったので)小児科の開業の先生から、心筋炎の疑いで紹介されて来た患児がいました。入院時、心筋炎と思っていたのですが、精査の結果、違っていました。それ以来、心筋炎の診断って、難しいんだなあとずっと思ってきています。
 

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2009.05.08 21:22 |  医療事故  |  エッセイ  |  masa  | 推薦数 : 0

医師の過労死

 昨日、NHKの総合テレビで、民主党の前原氏と麻生総理や桝添大臣とのやりとりが中継されていて、帰りのバスの中でそれを興味深く拝見していた。
 前原氏が、医師の超過勤務の報酬がないことに触れた。麻生総理は、すんなりと認めた。長いこと、多くの医師が訴えてきたことだったのだが。桝添大臣は、政府が医師不足を認めてこなかった過ちを素直に認めていた。
 前原氏は、現在過労死寸前の勤務医が2割程いるっ感じで言われていたかな。医療費抑制で、自治体病院の9割以上が、公的病院の8割以上が、私的病院の5割以上が、赤字。自治体病院の維持困難は、その自治体病院だけの問題でなく、周りの医療機関までも引きずってしまうとの大きな問題も指摘していた(納得)。
 医師の場合、労働基準法なんて全く無視の状態で、過酷な労働をやむなくしていても、聖職だからって感じで言われること多いかな。朝から晩まで休みなく仕事をして、その内に体を壊しても、誰も責任を取ってくれないのだ。自分で取るしかない!自分の体を守るには、自分でしかない!!もう体がもたないと思ったら、早めにその病院を辞めるのは、当たり前のことだと思います。だけど、医師の多くは、何故か、ギリギリまで頑張っている人、実に多い。その結果、夜になっても眠れずに、体調を壊し、精神的にも行きついている人、いますネ。医師の心のケアーも、大切な時代です。
 同じ科の医師が、3人が2人になり、それが1人になって、凄い仕事量になっても、その分、給料が上がる訳ではない。となると、もっと条件にいい所で勤務しようと思うのは、当然のこと。1人、2人、3人といなくなって、大きな科でさえもなくなってしまうケース、あります(これを、経営者は、一番心配している?!)。
 小児科の場合、同じ病院での勤務期間が他の科と比べて、短いとはよく言われること。大学から1年交代で勤務しているケース、多いかな。このゴールデンウィークの間、2人の産科の先生、殆ど休みなく頑張っていたなあ。その産科の先生が、「今は、昔と違って高齢出産が多くなって、難しいケースが多くて大変だ・・・」と言われていましたが。

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2009.03.04 09:36 |  医療事故  |  エッセイ  |  masa  | 推薦数 : 0

ある小児科医の独り言(41)

 児玉知之氏の書かれた(「名医」のウソなる)本の中で、検査の際に生じるリスクの割合が書かれている。
 胃カメラでは2万~2万5千件分の1の割合で胃穿孔、大腸カメラでは千~1万件分の1の割合で腸穿孔、気管支鏡では1万件分の1の割合で死亡、心臓カテーテル検査では5000件分の1の割合で死亡とある。
 胃カメラや大腸カメラは、多くの施設で施行されている。どんな医者も、車の運転と同じで、初めは青葉マークで、皆、初心者に過ぎない。ベテランが付いていて、初めはそれなりにフォローしてもらえても、いつかは、1人で多くの責任が任されることとなる。一般的には、沢山症例をこなして、困った時には適切なアドバイスが受けられ、それなりにいろんなケースを経験することが最も大切だと思われる。
 しかし、現実には、ある病院では、症例が少な過ぎて充分に経験できなかったり、ある病院では、指導者が不足していたりと、問題があっても、事がスムーズの行われていれば、(ドクターの強い要請があっても、医療費が今のように上がらなくて経営的にも苦しい中では)なかなか取り上げてもらえないことが多い。しかし、結果が悪いと、直接それに携わったドクターの責任となることが多い。又、忙し過ぎることで、(当直明けだったりとかの)医師自身のコンディションの悪さで、思わぬ落とし穴に陥ることもある。
そして、最も注目すべき点は、どんなベテランがどんなにいい条件でしても、1例も例外なく、安全に出来ると言うことは、医療では考えられないからである。
 耳たぶをちょっと切って検査する時に、その血が床に落ちて、それを見て倒れてしまった中学生の男の子が(大学病院勤務の時に)いた。予防接種で(私は、幸いにしてショック状態になった経験はないが)、ひどいアナフィラキシーショックになった例や、それで亡くなった例、現実にある。常に検査や治療がパーフェクトに出来ないことを一般の人にどうしても知ってもらいたいと思う。医療に関する限りは、100%の安全性を求める努力が常になされていても、100%に近づくことが出来ても、100%安全であることの保証は、無理なことなのである。
 いろんな矛盾した中で、それでもやはり多くの医者は、良かれと思って(患者さんがいい方向に行くようにと思って)検査や治療をしているのだ。
 医療訴訟の問題だけでも、過剰な心配をしなくてもいいことになれば、どんなにいいだろうか。
 第一線で日夜一生懸命に努力されている多くのドクターにとって、医療訴訟の問題は、どうしても避けて通れない問題なのである。
*今の若い先生方をつぶさに観察していると、いろんな手技を直ぐに習得してしまっている感じだ。研修病院を選ぶ場合でも、給料が安くても、勉強がしっかりと出来る所に集まっている。次の内容は、ある若い整形外科医の話。

 初め、骨に(鋼線を)通すのを見て、こんな残酷なこと、自分には、とても出来ない感じで、先輩のを見ていた。それが、しばらくすると、不思議に、出来るんですよ。骨折で来ると、「ごめんね、痛いけど我慢して」なんて言って、時々、方向を間違えて又し直しをしたりして、「ごめんね、今度うまくいくから」なんて言って、やり直すことがある。今は、すごいスピ一ドで、サッサッサッと通してしまっている。麻酔しても効かないんで、急ぐ時は、しないこともあります。骨折で、強引に引っ張っても、初めからうまくつながらなくて、何回か引くこと、結構あります。「ごめんね、痛いね」って言いながら、すごい力で引っ張っている。人間も、ほんと、残酷になれるもんですネ。自分でも驚いています。3カ月で、慣れてしまった。 

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 昨日(土曜)は、結構、忙しかったかな。病棟の子を(他の小児科医の受け持ちの3人を代診で)診て(自分の受け持ちの帝切児症候群と初期嘔吐の新生児2人も著変ないことを確認して)、午前中10人診て、夕方2人診た。
 ここまではすんなりと行ったのだが、19時過ぎから、入院中の13歳のインフルエンザB型(5日目)+急性胃腸炎の男児がすごくお腹を痛がるようになって、付き添いの母親から不安そうな顔で、「先生、盲腸じゃないでしょうか?」と言われた。
 (急性虫垂炎では、下痢はさほど強くないことが多いのだが)下痢が2日前からあり、(金曜に)主治医が心電図や腹部レントゲンや血液や尿のの検査をしている。腹痛の最強点の位置が急性虫垂炎の典型的な場所よりもやや下中央寄りにあって、腹膜炎のサインははっきりなくて、どうも(主治医の判断と同じく)腸炎らしい。
 子どもの脳腫瘍や虫垂炎、今まで、何度これで悩まされてきたことか。直ぐに、血液と尿の検査をした。症状としては、熱があり、それなのに顔色青白く、食欲なく、嘔吐ないも、腹痛が今までで一番強くなっている。当直の内科のドクター(副院長でもあるが)と相談した。ポータブルの超音波検査で診ると、疼痛部の腸壁が異常に腫脹しているのがよく分かった。イレウス像はない。少なくとも、虫垂がはっきりと大きくなった像は見えない。
 血液検査の結果は、白血球は多くなく、血液像の変化は前日と大差ないも、CRPが昨日1以下が5近くになっている。で、ユナシンSなる抗生剤を入れ、今まで処方されている整腸剤と(葛根湯使用後の)柴胡桂枝湯はそのまま使用して、それに、五苓散を追加した。
 何と、五苓散が腸のむくみを軽減させたのか、30分足らずで、痛みが治まり、今日の朝は、熱も37度前後になって、腹痛も明らかに軽くなり、顔色も良くなって元気そうだ。「月曜(明日)帰れますか、水曜日に、試験があるので・・・」と母親から尋ねられた。
 又、昨日(土曜)の21時頃、病院から帰る時に、遠方から1歳の男児が来た。右手を動かさない、手首をどうかしたみたいと父親が言う。当院掛かり付けの患者さん(父親は、消防隊員で母親は保健師)。父親とその祖母が心配そうにしている。子どもは、右手が良性肢位にされてタオルで巻かれている。
 診察室に入らず、受付の所で、「どれどれ見せて・・・」と言って診ると、手首を触っても痛がらない。上の子どもが手を踏んでからそうなったと言う。で、右手を回外位にして、ちょっとだけ力を入れると、「コクッ」っと小さな音がした感じで簡単に整復されて、直ぐに、その手を子どもが挙げて、その手でバイバイして帰って行った。
 劇的に治ると、疲れも吹っ飛ぶ感じだなあ。
 ところで、この「肘内障(ちゅうないしょう)」、実際は、とても注意が必要なのだ。
 私が初めて整復したのは、大学勤務時代に、ある町立病院に出張していた時で、外科の先生が手術室に入られた直後に肘内障の子どもが来て、ずっと待っていなければいけない状態にあった。で、看護師さんから、「先生、しょっちゅう抜ける子なんですよ。又引っ張ってそうなってるんですよ。整復して下さい!」と言われた。それまで、肘内障の整復の経験は全くなかったが、方法は、学生の時に、整形外科の講義で教わっていた。確認の為に、そこにある整形の教科書を再び見て、恐る恐る整復したら、いとも簡単に出来た。嬉しかった。今でも、その時の感激を覚えている。
 私が佐伯市の救急病院に赴任した直後(昭和55年4月)、整形外科の先生から真っ先に言われた。「肘内障とはっきり診断が付けられれば、ドンドン整復をして下さい。しかし、骨折だと、大変なことになるから・・・(実際、その事例が過去にあったらしい?!)」
 福岡県の病院勤務の時にも、それでの過去のトラブルが問題になっていた。恐らく、全国アチコチでもあるのではと思われる。はっきりと引っ張った既往があればいいのだが、それがない時は、慎重に対処すべきだ。もしも骨折であれば、最悪になるかも知れないのだ。ちょっとでも疑えば、レントゲンを撮って確かめるべきである(深夜だと、小さな病院では、レントゲン技師さん確保で大変だが)。
 今まで、救急ばかりしていた関係で、(30年以上も臨床をしているので)100例近く整復してきたと思う(顎関節の脱臼も経験している)。肘内障、時間外でも、整形外科の先生が簡単につかまれば、整形外科の先生にお願いするが、つかまらない時は、自分の判断でしている。一例だけ、肘内障と思うが、どうしても整復出来なくて、整形の先生に無理をしてお願いしたことがある。その時、整形外科の先生が瞬間的に力をグッと入れて簡単に整復されている姿を見て、自信に裏付けされた結果だなあと敬服したものである。
 ある時、沢山経験している整骨院の先生と話した。その先生の話では、「整形外科でどうしても出来ない時、私所に回ってくることあります。回外位で整復で出来ない時、手を伸展させて、回内位にしてから、再び回外位にすると、整復できることがあります。しかし、どんな人がしても整復できない肘内障、あるんですよ。数は極めて少ないですが。その時には、1晩おけば、必ず入ります」と言われた。
 実践では、教科書に書いていないこと、多いなあ。

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