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2008.05.12 09:10 |  医療事故  |  為になるかも知れない話  |  masa  | 推薦数 : 0

Ai(エーアイ)

 日本では、死因の原因をはっきりさせようとすることが、先進国と比べて少ない。つまり、死亡した時に、解剖してその原因を探ろうとすることが少ないのだ。司法解剖でさえ、年間5.000件前後でしかない。
 日本人が年間100万人以上が亡くなっているのに、解剖の数は、何と3万件余でしかない。日本人の気質として、解剖を嫌がる風潮がある。
 もしも、家族が病院で診療を受けた直後に病状が急変し亡くなったら・・・。 理由を知りたいと考えても、現状ではカルテや医師の証言だけが唯一の証拠。客観的に検証できる唯一の手段、解剖は遺体に傷をつける為、家族としては受け入れがたい。こうした中で、遺体にCTなどの画像診断を行い、画像から死因を正確に特定するAi(エーアイ:オートプシー・イメージング)に注目が集まっている。 わずか5分の画像撮影のみで作業が終わり、しかも改ざん出来ない「客観的な証拠」になる為、遺族にとって真相を知るための有力な手段になると期待される。一方、医師から見ても、「説明責任を果たす」ものにもなる為、前向きにとらえる現場も出始めている。
 近年、CTやMRIが普及して、生前の診断力がかなり向上している。これで全てが分かる訳ではないが、これで異常が見つかれば、解剖の必要性を説得できるかも知れない。
 仕事中に急死して、Aiの結果、肝破裂で、最初の発見者だった人が誤ってクレーンをお腹にさえていた事が判明したり、腎検査検査後に急死して、実際は、くも膜下出血が原因だったこともあるとか。

 
 自験では、既に30年前後経っているのだが、ある病院に勤務して余り経っていなかった時のこと、・・・ある時、見知らぬ父親が(他の医療機関でお産をして直ぐに亡くなった)新生児を抱えて病院に来た。「ずっと調子よく行っていたのに、生まれた時はどうもなかったのに、その後直ぐに死んだ。(開業の産婦人科の)医者からちゃんとした説明がされていない。原因をはっきりしてくれ!」と、不信の塊の様な形相で言われた。外見からは、体重が小さい以外は、特に問題はない様で、まだ、少し温かかった。
 「私は診ていないので、何とも言えません。写真を撮れば何か分かるかも知れませんので、写真を一枚撮らせて下さい。何もないかも知れませんが・・・」と言って、私は、2.500g前後の子どものレントゲン写真を撮った。先天性心疾患を疑って撮ったのだが、結果は、意外であった。右の先天性横隔膜へルニアであった。
 「お父さん、これは、生まれつきの横隔膜の奇形で、横隔膜へルニアと言います。右の横隔膜に孔が空いていて、そこにお腹の腸が入り込んで心臓を圧迫しています。横隔膜ヘルニアは、普通は左が多くて、手術で助かることもあるのですが、右側だと、例え手術してもとても難しくて、助からないことが多いです。」と説明した。父親は、今までの厳しい顔が急変し、納得した顔になって、深々と頭を下げて帰られた。
 これって、今考えると、Aiの走りとも言えるかな?今考えると、他にも、複雑な奇形があったのかも知れないが・・・。
*写真は、その時に撮ったもの、もう一枚の写真は、左の横隔膜へルニアで、生まれた日に直ぐに県病に送り、救命し得た。


  (下のカブトの絵と上の内容は、全く関係ありません。)

 

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