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横の兵舎の・左の兵舎・右の兵舎からは、死体がぞくぞくと船艇に運び込まれて行く。似の島に運搬されて、火葬されるのではなく、防空壕の中に山積みされて、その上から土を被せて永眠にするのである。遺骨の内、果たして何名がちゃんと身内の元に帰られるのであろうか?誰が誰だかわからないので、それは不可能に近い。死んだ美代子をこのまま似の島に送ったのでは、あばあちゃん、御両親の元に帰る事は出来ない。もし私が生ありて御両親に会うことが出来れば、そして、何時私の身が死することがあっても、肌身から離さずあの世で再会しよう。
静かに眠る美代子の遺髪を切り取り、胸に付けていた名札を封筒の中に入れ、御両親の住所氏名を書いて貴重品袋の中に納めた。4名の兵が美代子を梱包して、私の部屋を出ようとする。隣にいた娘さんは立ち上がって、益々甲高い声をあげて泣き出す。
「もう、泣くのは止めなさい、静かにして手を合わせて送んなさい。」と言って、私も手を合わせた。
船艇は、死体を山程運んで、似の島に消えた行った。美代子よ、その他の亡くなった皆さん、静かに眠って下さい。
一番憎いのは、何とも知れないあの(原子)爆弾1発である。
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