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大阪府富田林市で昨年3月、心肺停止状態で救急搬送を要請された同市内の女性=当時(77)=が12病院に受け入れを拒否され、約1時間後に搬送先の病院で死亡していたことが13日、分かった。同市では同12月にも、約30病院に受け入れを拒否された女性=同(89)=が死亡したケースが明らかになっている。 |
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奈良の妊婦の死産について、前回ブログに記事を書いた。その中で、改めてマスコミというものについて考えさせられた。
ヨーロッパの中世が典型例だと思うが、現代のような政教分離が当たり前の世の中になる前は、政治と宗教は必ずしも別ではなかった。神の御託宣を伝える神官たちは、為政者に対しても大きな権限を持っていたのである。
現代に当てはめてみると、神の御託宣は「国民の声」ということになろうか。神官はマスコミ。記者たちは良く、「これが国民の声だ」といって記者会見を開いている人に詰め寄ったりしているが、「これが神の御心です」と言っていたであろう神官たちと、どこかタブって見える。どちらも、「自分たちが絶対正しい」と思い込んでいる点も良く似ているし、「神の声」も「国民の声」も本当に聞いた者など誰一人なく、結局は神官やマスコミの腹一つ、と言う点も同じだ。今回の報道の仕方も、まるで魔女狩りのようである。
ルネサンスと宗教改革によって近代の幕が開けたように、今の医療の閉塞状況を打破するためには、マスコミから権力を取り上げることが必要なように思われる。宗教界の腐敗が宗教改革の引き金になったのと同様、マスコミ内部の腐敗情報が次々に出てくれば、次第に状況は変わってくるのではないか、と期待している。但し、そうなるまで医療の方が持ちこたえられるかどうか心配だが・・・。
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もう色々な先生がコメントされているが、またもや奈良県で妊婦が各病院から救急の受け入れを断られて死産したという「事件」があった。
昨年の10月に奈良県で妊婦が死亡する事件があり、その時にもこのブログに書いたのだが、他の先生も恐らく思いは同じだろうと思う。実際に被害者となってしまわれた方々には気の毒だが、とにかく医師の数が足らず、しかもその状況はどんどん悪くなっている。そんな中で、マスコミは「たらい回しにされた」と相変わらずの病院叩き。それでも最近では、「医師不足」という記事も書いておきながら、こういうことが起きると「待ってました」とばかりに、昔の記事をコピペしたような記事が紙面に踊るという有様・・・。
救急システムの手直しは確かに必要だと思うが、とにかく人も場所も時間も限られている状況では、優先順位をつけて事に当たるしかない。不幸な偶然が重なって起きた不可抗力的な事柄を、「事故」や「事件」に仕立て上げようとするメンタリティは、本当に呆れるばかりだ。医者になりたくてなれなかった連中がマスコミに流れて、今その意趣返しをしているのかな?と勘ぐりたくもなってしまう。
マスコミが医師に「医療に対する姿勢」を問いたいというのなら、こちらもマスコミに是非問いたい。あなた方の「報道に対する姿勢」はどうなのか、と。大新聞の見出しが、いつの間にやら三流週刊誌と同じレベル、いや、それ以下に成り下がってしまったと感じているのは私だけだろうか?
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久々のブログ更新となった。この間、世の中で様々な問題が起きていたが、私用でなかなか更新できなかった。この間、アクセスしていただいた方には、申し訳なかったと反省している。今回、産科救急患者の「たらい回し」で糾弾された大淀病院が、産科医療を中止するとの記事を読んだ。
話は急に飛ぶが、塩野七生先生が、15巻にわたって書かれた『ローマ人の物語』シリーズの最終巻が先日発売され、早速読んだ。最終巻なので、要はローマ帝国滅亡の巻になるわけだが、そこでは国家の功労者だった将軍たちが、無能な皇帝の決定によって、次々と殺されていくという、まさに滅亡にふさわしい内容になっている。ある国家の功労者だった将軍の処刑を決定した皇帝が、その正当性について、ローマの元老院議員たちを前に演説するのだが、その演説を聞き終わった元老院議員の一人が、皇帝に向かって言ったのが冒頭のタイトルだった。「陛下のされたことは、自分の右腕で自分の左腕を切り落とすようなものです」
今回の大淀病院をめぐる一連の動きも、これと同じようなものではないかと思う。同院の産科医療の閉鎖で、奈良県内の同地域の産科を扱う病院はなくなってしまうという。怒りに任せて訴訟を起こし続け、原告勝訴の判決を出し続ける裁判所・・・。ローマ帝国の最期と我が国の医療の最期が重なって見えてしまうのは私だけだろうか?
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奈良の妊婦死亡事件に関して、一般の方からコメントを求められたので、私なりの考えを述べさせて頂くことにする。
実際、この事件で誰に責任があるのかは、自分にもよく解らないところがある。というのも、私は内科医で、患者さんが意識不明になれば当然頭部CTをとるのが我々内科医の常識だが、産科の先生方のコメントを見ると、産科の場合は必ずしもそうとは限らないようにも見受けられるからである。
しかし案の定というか、その後マスコミが、「転院を断った病院は、実は空床があった」と騒ぎ立てて、断った病院を次々に血祭りにあげようとしている姿を見て、またもやうんざりしているところである。
内科系・外科系を問わず、一定の経験年数を経ると、医師は自分の能力というか、一度に処理できる範囲の仕事量というものがある程度わかってくる。特に、当直帯であれば他の医師の応援をそう簡単には仰げないから(応援に来る医師は昨日当直だったかもしれないし、翌日当直かもしれない。これでも医師は三人必要。本当に応援に来てもらえば、このうちの誰かは36時間勤務どころではなくなってしまう)、なおのこと、転送依頼があって、その患者さんの病状と、現在自分の目の前の患者さんにかかる手間を天秤にかけて、受け入れ可能かどうかを判断する。単純に空床があるとかないとかの問題ではないと思うし、「廊下にベッドを置いて・・・」などという「暴論」も見受けられたが、いくら医師といえども処置する「場」がなければ医療は行えない。そういうことを理解しようとしない人たちの代表選手がマスコミであることはいうまでもない。
北朝鮮問題などではやたらと「冷静に」などと呼びかけておいて、こうした国内の医療問題になると非常に感情的になる・・・。それでもNHKなどは少し論調が以前よりマシになってきたような気もするが、朝日や共同などは相変わらずのような気がする。彼らの思考回路と言うのは本当にわからない。
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最近の医療訴訟のニュースを見ていると、我々医療従事者からみて、どうも納得のいかない判決が出ていることが多い。人間も生物なので、いつか必ず死ぬわけだが、どうもその大前提を忘れたかのような判決が多いような気がする。当然、治療行為というのは、何がしかの介入をするわけだから、プラスの面とマイナスの面があるわけで、それらを相殺してゼロかプラスならもちろんOKなのだが、マイナスになったら全て医療ミスだ、説明不十分だ、生きる機会を奪われた、などと叫ぶのは、少々早合点が過ぎる。そうした「事件」になるほどの症例の場合、放置すれば確実に、しかも早期に死に至っていた可能性が高い。いくら結果責任といっても、例えば航空機事故でもパイロットの責任や航空会社の賠償額には上限が設けられているように、どこかで免責の線引きをしないと、医療関係者だけがこのまま「無限責任」をとらされるようだと、本当に医療そのものが萎縮してしまうのではないかと思う。
そこで思い出すのは、第二次世界大戦のときのわが国のありようである。軍部・大本営の上層部は全くの無能でセクショナリズムに陥り、無理な作戦を立てては失敗の連続、しかもその責任を問われることもなく出世していく・・・。丁度、現在の官僚機構とよく似ている。当時、米国の側は、パイロット一人を養成するのにかかるコストを冷徹に計算し、パイロットを無駄死にさせないようにする防御兵器(レーダーなど)を開発。結局、戦争を勝利に(我が国にとっては敗戦に)導いた・・・。
現在のような無茶苦茶な判決を出し続けて、医師をどんどん失職に追い込んでいけば、上記と同じような事態が起こってくるのではないか。それでも、そういう判決を出した裁判官、訴追した検事、原告の弁護士たちは、何ら責任を問われることはないだろう。厚生労働省も「医師が減れば人件費が減って医療費削減になる」などと考えていたら、見当違いも甚だしいのではないか。訴追されるほどの医師は、当然のことながら病院の主力でやってきている人たちであり、彼らと同じキャリアになるまでの医師を一人育てるのに、どのくらいコストがかかっているのか、そこから計算しないといけないのではないだろうか。「それは文部科学省の管轄で、ウチとは関係ない」とでも思っているのだろうか。またも歴史は繰り返すのだろうか・・・。
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