以前、保護貿易が台頭してくるのではないかと妄想めいたことをブログに書いたが、どうやらそれが妄想とまでは言えなくなりつつある雲行きだ。
ロシアでは既に外国製品に高関税がかけられ、それまでロシアで売れていた日本の中古車が、今年に入ってからサッパリ売れなくなってしまったという。また、米国では、政府の支援金のおかげで、米国車だけ値下げが可能となり、ローン金利も0%で購入できる状況だという。いわゆる「Buy American」が法律だけでなく、政策レベルでも進行しているように思われる。
基本的にいままで貿易で稼いできた日本にとっては、深刻な状況だと思う。本当に第二次世界大戦前の状況にならないという保証はどこにもない。以前は、もし再び戦争になったら、日本は「勝ち組」に入らなければならない、と思っていたが、今は少し違う考えを持っている。
世界の中で、米国は唯一の超大国と言っていいが、国土の広さや世界に与える影響力という点から考えると、ロシア・中国はやはり大国だろう。日本は、海を隔てているとはいえ、この3国に囲まれているという見方もできる。強国に囲まれながら独立を保った国、という観点から歴史を考えたとき、スイスという国が自分の頭に浮かんだ。
現在は、欧州自体がひとまとまりになって、ようやく米中露に対抗しうる規模だが、第二次世界大戦前は、欧州各国は文字通り列強で、英仏独伊は一つ一つが大国だった。こうした国々の中にあって戦争に巻き込まれなかった唯一の国、それがスイスだと思う。山に囲まれているという自然の利点があるとはいえ、あのヒトラーでさえ手を出さなかった。
戦前、日本は米国の策略にひっかかって、戦争へと引きずり込まれて行ったが、今度同じ道を辿ってはならないと思う。スイスのように、永世中立国のようにはなれないものだろうか?スイスは戦争に巻き込まれなかったため、過去の蓄積が破壊されず、現在に至るまで非常に豊かな国だ。一方、各種国際機関の本部も置かれている。今の日本人は「国際」という言葉に弱いように思うが、もし今後日本がアジアでスイスのような存在になれば、国際機関の少なくともアジアの本部は、日本に置かれるようになるのではないか?
今回の世界規模の不況で、「少子高齢化」や「人口減少」といったことがあまりニュースにならなくなったが、私はむしろ日本の人口が減るのは望ましいことだと思う。高齢化して労働人口が減ることも問題視されていたが、雇用のない今となっては、むしろ追い風とさえいえる。これからの日本に必要なのは、これまでのやり方で戦後の繁栄を維持することではなく、産業構造を転換し、人員を再配置して、製造業と貿易一辺倒で稼ぐやり方から脱却することではないかと思う。
一時は、移民を受け入れてでも労働力を維持して、などと言われていたが、今回の不況でそうした意見は影をひそめてしまった。医療の現場でも、外国人看護師の受け入れが始まったが、やはり少し早まったのではないか?医療・介護ともマンパワーが不可欠なのに、慢性的な人手不足が続いている。高齢化が進むと言われているこの国で、明らかに成長が見込める分野ともいえる。やっと、医療費抑制政策の見直しが始まったようだが、今後は医療・介護に資金を投入すれば、雇用問題と高齢化問題を一挙に解決することができる。国民に優しい国、それこそが日本が目指すべき国家像ではないだろうか。
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