小泉元首相が次期衆院選への出馬をしない意向を発表し、引退することが先日報じられ、私自身も非常に驚いた。
小泉氏に関してのマスコミの論調は厳しいものが多いように感じた。医療関係に関しても、彼は現在の「医療崩壊」に繋がるいくつかの政策を実行してきたという側面は、確かにあるように感じる。
しかし、あの時「小泉構造改革」をやらなければ、日本はどうなっていたか?おそらく、強者も弱者も、勝ち組も負け組もなく、一緒に沈没していたに違いない。確かに彼の政策には「弱者切り捨て」の一面があったかもしれないが、全体が沈んでしまうことを防ぐために、やらざるを得なかった部分はあったように思う。彼はそれを果断に実行したという点で、やはり日本を救った人物であり、高く評価されてしかるべきだと思う。
現職中は「サプライズ人事」など、数々の手腕を発揮したが、今回の引き際も見事だと思う。麻生内閣の、昔の自民党を彷彿とさせる組閣を見るにつけ、その思いはさらに強くなる。また、彼は強運の持ち主だったような気がする。当時、あらゆる面で世界最強と目されていた米国のブッシュ大統領との個人的な信頼関係を築き、米国と良好な関係を維持した。「米国の犬」などとマスコミは揶揄したが、あれだけ自衛隊を危険なイラクやアフガンに派遣しても、自衛隊からは誰一人犠牲者が出なかったし、自衛隊も一発も現地の人間に銃弾を発射せずに済んだ。
その後、イラクに大量破壊兵器がなかったことが判明し、イラク戦争の大義がなくなり、ブッシュ大統領の権威は大きく失墜した。サブプライムローン問題に端を発した今回の金融危機が起きるまで、もし彼が首相を続けていたら、それこそ彼はブッシュ大統領の「犬」と言われても仕方がないかもしれない。しかし、彼はその前に首相もあっさり辞めている。そういう意味では、小泉氏のような強運の持ち主を失ったブッシュ大統領のほうが、痛手が大きかったとはいえないだろうか。
ただ、今後の方向性としては、小泉改革で切り捨てられた部分の手当ては、どうしても必要だと思う。日本の金融機関も、今回は米国の金融危機を助ける側に回っており、そういう意味で以前のような危機は脱しているのではないか(尤も、預金金利を以前のような数%程度にまで上げずに暴利をむさぼっていたのかと思うと、許せない気もするが…)。小泉氏の引退は、小泉改革そのものを修正する時期が来ていることを、彼自身が示唆しているようにも思えてならない。とにかく、こういうリーダーを国難の時期にもてたことは、日本にとって幸運だったと思うし、その意味でやはり敬意と感謝の念を抱かずにはいられない。本当にお疲れ様でした・・・。
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