柔道の谷亮子選手がルーマニアの選手に準決勝で敗れ、彼女の金メダルはこれで無くなった。私はオリンピックでは日本の選手を基本的に応援する。しかし、今回の北京オリンピックで、唯一応援する気になれなかったのが谷選手だ。その意味で、今回の敗退は良かったと思う。
私は、別に谷選手が嫌いだったわけではない。しかし、今回の国内の選考会で敗れながら、代表に選ばれたことにどうしても納得がいかなかった。そう思っていたのは私だけではないらしく、実は、この試合の解説をしていた「元祖ヤワラちゃん」だった山口香さんが、そのことを「週刊金曜日」(基本的にこの雑誌は私は好きではないが、今回は彼女の記事を載せたことは敬意に値する)のインタビューに答える形で書いていた。
オリンピック選考会で敗れた選手を代表に選出する―これはもう選考会そのものの自己否定である。逆に、アテネオリンピックのマラソンや水泳はどうだったか?シドニーで金メダルで人気のあった高橋尚子選手を代表にしなかったが、野口みづき選手がちゃんと金メダルを取ったし、それまで無名で選考会で代表に選ばれた柴田亜衣選手も金メダルを取った。
谷選手は、かつて金メダルを期待されながら銀メダルに終わったこともあり、のちのオリンピックで彼女が金メダルをとった時は、本当に嬉しかった。しかし、今回、彼女は例え代表に選ばれても、辞退すべきではなかったか?もう実績も十分あり、そろそろ後進に道を譲ることも考えるべきではなかったのだろうか?実は、先の山口さんの記事で知ったのだが、谷選手は前の世界選手権でも、同じように選考会で敗れながら代表に選ばれ、その時は金メダルを取ったために、選考に関しては問題にならなかったようだ。しかし、今回の敗退で、選考のあり方が問題になることを期待したいものだ。
フェアな精神やフェアプレーが叫ばれるスポーツだが、実際はそういうことを言わなくてはならないほど、内容はドロドロとした汚い世界なのではないかと勘繰りたくなってしまう。これでは、現実の社会となんら変わらず、スポーツや勝負の持つ意味合いがなくなってしまう。今回、谷選手はもちろん、彼女を代表に選ぼうとした関係者は、自分たちのやったことを良く反省してほしい。代表選考会で優勝した選手で敗れても悔いはないが、今回の敗北は日本女子柔道界に対する警鐘に思えてならない。
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