昨今は、医師不足や医療崩壊がマスコミでもかなり取り上げられるようになってきた。昨日、TBS系の『ブロードキャスター』でも、その問題が取り上げられていた。その原因として、新離床研修制度や、研修医が訴訟の多い外科系を敬遠し、いわゆるマイナー系に流れていることが挙げられていた。
確かに現象面でみると、そういったことも理由の一つとしてあると思う。ただ、根本的な原因は、私は政府の医療費抑制策にあるのではないかと考えている。患者のニーズの高まりから、医療に求められるハードルは、この十数年で確実に高くなっている。にもかかわらず、政府は医療費抑制策を打ち出し、現在では、「医師の数は増えている」と強弁を繰り返す一方(前出のTV番組も同じことを言っていた)、「医療費抑制」そのものが目的になってしまっていて、「医療行政」や「医療政策」そのものをどうするか、ということが、殆ど頭に無いようにさえ感じられる。
もはや、「医療費抑制策」自体が破綻しているように思う。その結果起きているのが昨今の医療崩壊ではないだろうか?かつての「大本営発表」の如く、いつになったら政策転換ができるのかが、これからの鍵のように思う。
小泉改革をどんどん進めていって、「官から民へ」を「聖域」なく医療にまでこのままどんどん踏み込んでいくと、最終的には日本の医療も米国式になっていくだろう。ただ、そうなれば医師の仕事そのものは、今よりも楽になるかもしれない。支払い能力の無い人を診なくてよくなったり、一部の富裕層のみ相手にしていればよいようになれば、患者数そのものは大幅に減るものと予想される。ただ、そうなれば、今までの日本式の医療は完全に崩壊することになる。WHOからも絶賛されている「フリーアクセス」もなくなり、世界一の日本の平均寿命も、恐らく後退を余儀なくされるだろう。
かつて、日本の教育が詰め込みだと批判されて、授業時間数が減らされた。しかし今度は国際競争で順位が下がったと批判され、十数年かかってようやく方向転換となった。教育行政の二の舞は是非避けてもらいたい。
「ビジネス」や「マーケット」と言う言葉がもてはやされ、「不採算=悪」という変な図式が現在の日本ではまかり通っているように思う。どこまでを不採算承知で官がやり、どこからを民に任せるか、ということを、財政面からだけではなく、行政はもうそろそろ真剣に考え直さなくてはならない。いったん崩壊してしまったものを立て直すのは、遥かに時間と労力と費用がかかる。それとも、今度も外資にコテンパンにやられないと、目が覚めないのだろうか?丁度、第二次世界大戦や金融不安の時と同じように・・・。
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