今日でピックアップブログが変わり、元の状態に戻った。ある意味、あそこに自分のブログが載せられているのは嬉しく思う反面、かなりのプレッシャーも感じていたので、今は寂しさ半分、安堵感が半分、と言ったところである。
さて、今回の話題は製薬会社のMRさんの病院訪問と薬の説明についてである。現在自分の勤務する病院は公立と言うこともあって、訪問時間と場所が決まっている。昔、民間の病院にいた頃は、医局の中まで自由に出入りしていたし、バブル華やかなりし頃は接待やら豪華な粗品を当たり前のように貰っていた。もちろん、そんなことは今は昔で、現在は主に薬のPRという本来の(?)業務のために病院にやって来る。
最近では、薬に関する大規模臨床試験が数多く実施されているせいか、それをネタにPRしてくることが多い。データを見せられると、確かになるほどと思うし、そのデータも有名雑誌に掲載されたものがリソースになっていることが多いので、信憑性はある程度担保されていると見てよいだろう。
しかし、自分が薬を使っている実感と、こうした大規模臨床試験の結果が、必ずしも一致するかと言うとそうでもないことも多い。その薬を投与して有意差があったといっても数パーセント効果があった程度、しかも何千例集めてのそれだから、ある意味当然なのかもしれない。統計学的には、Nが大きいほど信憑性が高いことは勿論なのだが、一人の医者が普段相手にしているNは数十例から精々数百例である。したがって、何千例、何万例集めて出された臨床試験の結果と、一人の医者の日常臨床の実感に差が出てくるのも知れない。もっと意地悪な言い方をすると、それだけのNを集めないと出ないような有意差程度では、とても一人ひとりの患者に対して効果を実感できないのである。逆に少ないNでそれなりの有意差が出れば、それは却って実感に近い物になる可能性はある。ただし、それでは論文にならないし、その薬に対する認可も下りないかもしれないが・・・。
似たようなことは、薬の副作用についても言える。最近では添付文書に改訂があるたびに、薬局や製薬会社、時には厚生労働省直々に安全情報が出されている。しかし、あまりの情報の多さに辟易させられてしまう。勿論、自分の専門分野で使う薬についての情報には目をとめるようにはしているが、恐らくこれらを隅から隅まで目を通している医者など一人もいないのではないか。患者さんに渡される薬の説明文書でもそうだが、ありとあらゆる副作用が並列的に書かれているため、その薬に対するあらぬ誤解や恐怖感を与えてしまうこともある。もう少し頻度別に整理できないものなのだろうか?そうすれば、医者も患者も、その薬に対する効果とリスクをそれぞれの立場から判断して、お互い安心して治療に当たれると思うのだがどうだろうか。
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