自分が研修医の頃、指導医が時々研修医に向かって「君らは学生気分が抜けていないから・・・」と言っているのを聞き、当時は、それがどういうことを意味するのか解らず、内心非常に反感を抱いたことを、なぜか昨日のことのように覚えている。しかし現在、その研修医を指導する側の立場になって、その言葉の意味を噛みしめている。
学生と研修医の最大の違いは、なんと言ってもお金を「払う」か「もらう」かと言う点だろう。学生時代は自分の不勉強を棚に上げて「授業が悪い」「教官が悪い」と言っても、授業料を払う側だから、それを言う権利があるともいえる。しかし、研修医はいくら薄給とはいえ、給料をもらう側である。なのに、相変わらず上記のような台詞を吐き、更には平気で(たとえ数分でも)毎日遅刻、では社会人として失格だろう。
新臨床研修制度が始まり、各病院とも(一部の有名病院を除いては)研修医の確保には苦労している。自分の勤務する病院も例外ではない。研修プログラムがあるとかないとか、待遇云々を言う前に、自分が何をしたいのかがわからない、あるいはそれを真剣に考えていない人に対して、どんな立派なプログラムを用意してもムダなのではないか。
確かに大学受験の段階までは、授業の質や使っているテキストの出来が、学力に大きく作用すると思う。しかし、受験勉強や大学での研究と違い、一般病院でやっていることは、特殊な検査等を除けばほぼどこでも同じと言える。特に初期研修の段階での内容に関して言えば、それほど差があるとは思えない。これまで国策として、国民皆保険でどこでも一定レベルの医療が受けられるようにしてきたのだから、その医療を行う側の病院のレベルがある一定の水準に達しているのは当然と言える。もし医療レベルに関して不安があるとしたら、そもそも、何でわざわざ一般病院を研修先に選んだのか?
要するに研修がつまらないとしたら、それを病院や指導医のせいばかりにせずに、他ならぬ自分に原因がないかどうか、ということも少し考えて欲しいと思う。病院側も、初期研修が終わってから他の病院に移られたくないのか、やたらと研修医の意見に媚びているような所がある。しかし、もう学生ではない。回診時に大あくびを何度も平気でして、「こちらが眠くならないような回診をして欲しい」などと考えているとしたら、お門違いも甚だしい。また、そういう輩の言うことを唯々諾々と聞くな!と病院側にも言いたい。結局、そういう中途半端な医者を次々と送り出していけば、それこそそのうち研修医が誰も来なくなってしまうのではないか。研修医の御機嫌さえとっていれば大丈夫、などとタカをくくっていたら、大きなしっぺ返しを受けることになると思う。それは、現在の公立学校の惨状をみれば明らかだろう。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
| 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
| 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
| 29 | 30 | 31 |