1) 『「新中流」の誕生』(和田秀樹 著)
2) 『格差社会の結末』(中野雅至 著)
所謂「一億総中流」が崩れ、日本も格差社会になったとよく言われる。それにまつわる本も書店に多く並ぶようになったし、雑誌などでも度々特集が組まれている。当然、このままほうっておけばよい、という意見は少ないが、格差社会を憂うだけのものが多い。上記の2冊は、では今後どうして行けばよいのか、という提言をしている点で、貴重だと感じたのでここで少し紹介させていただくことにする。
1)の著者は、ご存知の方も多いとも思うがあの和田秀樹氏。東大医学部卒の精神科医で、『受験は要領』という本で有名になった人だ。私自身が大学受験時には、この本はでておらず、社会人になってからこの本の存在を知り、読んだときは相当の衝撃を覚えた。その後の各種試験勉強には随分活用させて頂き、私にとっては恩人と言っていい人である。
2)の著者の中野氏は、同志社大卒でキャリア官僚になったという変わった経歴の持ち主。『投稿論文でキャリアを売り込め』『高学歴ノーリターン』などの著書があり、現在は兵庫県立大助教授の肩書きを持つ。
和田氏の主張は、今後の日本は北欧型の高福祉国家を目指して中間層を復活させるべきだというように、私にはとれたが、一方の中野氏は、富裕層・中間層・貧困層・企業それぞれが、応分の負担をしていく必要がある、と言う主張で、ある意味対照的であった。同じ医者という立場からみて、和田氏の主張はよくわかるのだが、ある意味理想主義的な面が強いように感じる。それに比べると、中野氏の主張のほうがある意味現実主義的で、官僚をやっていた経験から導き出された結論のようにも思えた。ただ、和田氏は、働きに報いる際に、報酬面のみでなく、名誉も大事な要素であることを指摘しており、この辺はさすがに『受験は要領』の著者だけあって、リアリストでもある所を示している。
というわけで、私はお二人とも非常に尊敬している。マスコミ等では、大衆迎合的な胡散臭い連中ばかりが露出しているが、彼らのようなまともな論客にきちんと意見を言わせるような番組が出てきて欲しいものだと切に願っている。
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