yahoo news にも出ていたので、ご存知の方も多いと思いますが、
チョコレート摂取とcardiometabolic disorders 発症リスクについてのmeta-analysis が欧州心臓病学会ESCで発表され、
そしてBMJ に掲載されました。
取り上げられたのは、コホート研究 6、横断研究 1の7研究、11万4009人。
チョコレートを多くとっている人はそうでない人と比べて、
心血管疾患 RR 0.71 (0.52-0.98)
脳卒中 RR 0.71 (0.52-0.98)
でした。
観察研究のメタアナリシス…だいぶ増えましたね。
当初、某有名グループも観察研究のメタアナリシスについては消極的でしたが、
最近はガイドラインも出ていますし、
その論文内で起こりうるバイアス、そしてメタアナリシスによって増強・減弱しうるバイアスについて心にとめておけば、
観察研究のメタアナリシスもすばらしいと思います (文献検索はRCTより大変です)。
若紫
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プラザキサが認可されてしばらく経ちました。
さらにXa阻害薬も含め、
短期アウトカムでの有効性を示す臨床試験も少しずつ出てきて、
"A New Era" がやってきました。
みなさまの処方動向はいかがでしょうか?
New England Journal of Medicine に、
これまでの知見や、今の問題点などが書かれたEditorial がでました。
短めのreviewのような感じで読めます。
若紫
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静脈血栓塞栓症の予防に対し、Xa阻害薬であるエドキサバンが承認となり、
抗凝固薬の新たな系として、注目されています。
先日この千夜千論でもお伝えしましたが、
エドキサバンについては適応拡大も視野に入れたいくつかのPhase 3 が走っています。
今日ご紹介するのは、アピキサバンというXa阻害薬の少し違った使い方…
急性冠症候群の発症後に、抗血小板薬と併用することでイベント再発を抑制できるか
という日本も参加している国際共同研究 (APPRAISE-2) です。NEJMより。
本研究は、アピキサバン群で重篤な出血が多く、一方それを超えるようなイベント抑制効果も認めなかったことから、早期に中止になりました。
得られたデータで有効性と安全性を検討していますが、
Figure 1, 2 のK-M curves はあまりにも残念な結果です。。。
Phase2 のAPPRAISE試験では、高用量の安全性(出血) の問題があがり、
今回も思わしい結果とはならず、
抗血小板薬とXa阻害薬併用療法のリスク・ベネフィットバランスは難しそうです。
若紫
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検査値ガイドに内服を開始して予防するようなお薬はいいのですが、
始めたお薬をいつまで続けたらいいのか、ということは、
意外に分かっていないことが多いように思います。
その一例として、リスクが低~中等度の初発静脈血栓塞栓症。
急性期に開始した抗凝固薬、いつまで続けたらいいでしょうか?
BMJにこんな研究がありました。
7つの臨床試験の初回静脈血栓塞栓症患者2925人で、抗凝固薬中止後~24か月までの再発をみています。
1 or 1.5か月で中止すると、3か月と比べてHR 1.52 (1.14-2.02)。
一方6か月以上続けていても、3か月と比べてHR 1.19 (0.86-1.65) でした。
いくつかのガイドラインでは「最低3か月」といった記載もありますが、
この結果からは、3か月というのがひとつの目安となりそうです。
また、prox DVTやPEはdistal DVTと比べ、抗凝固薬中止後の再発が2倍、
distal DVTならば1.0-1.5か月でもよさそう、といった結果も興味深いです。
若紫
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病気になったとき、家族のサポートがどれほど大切かということを、日々実感します。
精神科医の友人から「こんな研究あったよ」と教えてもらった論文です。
CABG術後の結婚生活が、15年後の生存率に関わっているというのです。
CABG術後、1年後に結婚生活についてアンケート。そしてその後15年追跡しています。
対象の225人のうち、既婚者は181人でした。
結婚生活に「満足」だったひとは、15年生存率 83%
「不満足」だったひとの生存率は、男性60% 女性28%。
また、未婚のひとは、男性36% 女性27%でした。
調整因子についていくつかコメントがあるようですが、
こういった研究は、ひとつの関連を検討するもの。
直接的な因果関係を証明できるわけではありませんので、
複雑に絡み合っている因子をすべて取り除こうとかしなくてもいいのかな…と思います。
また、この研究では体重の増減に関して男女別に比較検討されているらしいのですが、
論文にその詳細は書かれていないのが残念です。
若紫
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「胸痛」には色々な鑑別疾患がありますが、
似たような症状で救急を受診し、早期に適切な対応をとらないと命に係わる疾患として、
急性冠症候群(ACS)、肺塞栓症(PE)、急性大動脈解離(AD) があります。
これらはどうwork-upされているでしょうか。
今日ご紹介の論文は、救急部受診時に下記検査を1つ以上行った患者を、カルテベースで後ろ向きに検討しています(単一施設)。
アメリカ都市部の教育病院、2週間で救急部に2573 visitsあり、そのうち24% (626人) が上記検査を受けていました。
そして、そのうち22%が2つ以上の疾患検査を行っており、
内訳は、ACSとPE 87%(n=121)、ACSとAD 10% (n=14)で、2.9%(n=4) が"triple work-up" を行っていました。
ACSとPEの組み合わせがここまで多いのは、意外です…。
若紫
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専門家の大きな業務のひとつに「コンサルト」があります。
循環器内科で多いコンサルトのひとつに、
「非心臓手術における周術期心血管リスクの評価及びリスク低減」があります。
POISE 試験、覚えていらっしゃいますでしょうか?
非心臓手術例において、metoprololにより周術期イベントが減らせるかどうかをみたRCTです。
30日以内の複合心血管イベントはmetprolol群で有意に抑制されたものの、
metprolol群で全死亡33%増(p=0.03)、脳卒中117%増(p=0.005) という衝撃的な結果でした。
8000人を超える大規模試験で上記のような結果だったので、色々とサブ解析がでてくるだろうと思っていましたが、
Annals of Internal Medicine に報告がでました★
8351人の非心臓手術患者のうち、415人(5%) が周術期心筋梗塞を発症していますが、
イベントはそのほとんどが48時間以内に発症していました(症候性MIの64.6%, 無症候性MIの79.3%)。
また、周術期心筋梗塞の予測因子としては、
ベースラインの心拍数、脳梗塞既往、大血管手術、周術期Cre>2.0mg/dL、高齢、緊急・準緊急手術、大出血
があがっていました。
さて、その後のコメントのやりとりも大変おもしろいです。
今回の試験では、troponin or CKMBを術後6~12時間後、day1, day2, day3で測定しています。
「troponinが上がってくるのは、イベントが起こってから。cell injury が起こる前に対応することが大切。心電図のST変化にもっと注目すべき!」
というDr. Potykの意見を受け、著者らはtroponin測定の必要性について、
「なかでも無症候性心筋梗塞は予後不良であり、troponin測定しないと心筋梗塞を同定できない可能性がある、troponin上昇患者は予後不良であり、退院前にしかるべき介入が必要である可能性があること」などをあげています。
稀だけど30日死亡リスクが高い周術期心筋梗塞。
我々がどう対応するべきかということはまだ解決されていませんが、
どのような検査をするべきなのか・する必要がないのか、そして介入は・・・?
今後の研究が楽しみです。
若紫
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タイトルを見て「ん?」と思った方も多いかもしれません。
●●薬が効く「人」、●●薬が効く「人種」というのはあっても、「国」というのはなかなかありません。
"geographic diversity" に目を付けたのがこの論文です。
この論文によると、アメリカではそれ以外の国に比べ、
心不全患者における死亡に対するβ遮断薬の効果が小さいというのです。。。
これまで色々な大規模臨床試験にかかわってきた著者だからこその視点かもしれません。
若紫
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National Institute for Health and Clinical Excellence (NICE) の心不全のガイドラインが、2010年8月新しく改訂となりましたが、
先日、この改訂のポイントが、Annals of Internal Medicine の "Clinical Guideline" で取り上げられました。
内科医、必見ですヨ★
他と大きく違っているのは、心不全を疑ったときの診断アルゴリズム。
心不全を疑って詳細な病歴、身体診察…、そこでまず確認するのは「心筋梗塞既往の有無」となっています。
ここで心筋梗塞の既往がなければ、BNPを測定です。
BNP<100 ng/L (or NTpro-BNP<400 ng/L) であれば、
→「心不全は考えにくいので、他の疾患をかんがえましょう」となります。
循環器内科へのコンサルト&心エコーは、心筋梗塞の既往があるか、BNP上昇時だけ…。
ココ、ESC, ACC/AHAと違う点です。
治療に関するガイドラインは、ほとんど同じです。
同じ臨床研究をベースに作られているので、当然といえば当然かもしれません。
では、なぜ診断アルゴリズムに違いがあるのか…?
それは、医療費への考え方違い、cost-effectivenessに関する研究論文のとらえ方等の違いがあるように思います。
若紫
P.S.
以前に「ガイドラインは何か?」というblogを書きましたが、
ここでは、
と表現されています。
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以前に、ハーバードからのNurses' Health Study (n=50,422), Nurses' Health Study II (n=47,898), Health Professionals Follow-up Study (n=22,557) という3つのコホート研究を合わせた研究についてご紹介しましたが、
同コホートより、
赤肉やベーコン、ホットドック、ソーセージなどの加工食品の摂取が増えると、
糖尿病発症リスクが増えるという関連が報告されました。
糖尿病に対しても摂取量を気を付けないとリスクになりそうですね。
さて、私が受ける統計相談の中で最も?多いのは、多変量解析についてです。
以前も、多変量解析をする前提となるpearls をあげましたネ。
今回の論文を参考に、多変量解析に使われる個々の調整因子について少しみてみます。
お肉の摂取量と糖尿病発症リスクを検討する場合、
もしあなたが多変量解析をするならば、
調整因子としてどのようなものを思い浮かべますか?
・・・
ここでは、
年齢、アルコール摂取量、身体活動、喫煙、人種(白人か非白人か)、糖尿病家族歴、女性であれば閉経後かホルモン治療中か、高血圧・脂質異常症既往、食事摂取カロリー、食事スコア(トランス脂肪酸とか多価飽和脂肪酸etc 摂取割合でスコア化したものです)、BMI
となっています。
この調整因子をみると分かると思いますが、ふつうの病院データではここまでできませんよね。
ふつうは、食事についてここまで細かくデータがないと思います。
調整する因子、調整できる因子というのは、そのコホートによって変わってくる
ということをお伝えしたかったのです…。
多変量解析については、また今後も触れたいと思います。
若紫
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