みんな苦手な医療統計
先月、『Fundamentals of Biostatistics』の第7版が出版されました。
t検定が何かも、ノンパラメトリックが何かも分からなかった私に、
さまざまな検定のつながりを教えてくれた1冊。
結局みんな「観察値から期待値を引いて、SDで割る」だったんだ…と。
この感覚ができてから、格段に理解度アップ![]()
新しい版どうしようかなぁ…と悩んでいた私に、母は「なんで迷ってるの?」と、不思議そう (笑)。
やはり買いましょう![]()
若紫
第五十七夜で御紹介したカテーテルでのAS治療、待ちに待ったRCTがでました。
すごい、結果です…。
何の評価もなく結果からいってしまうのも何なんですが、Figure 1の赤と青のラインが1番に目に入ってきて驚きました。
ビデオも必見です★(←クリック)
平均年齢 83歳のsevere ASかぁ…高齢者のカテーテル治療は課題が多いのも事実です。
でもこの治療で少しでも再入院が減って、おうちで家族と過ごす時間が増えるのであれば、
行動範囲が広がって毎日が楽しくなるのであれば、
…大きな選択肢のひとつになり得ると思います。
短期予後評価とともに、もっとQOL評価に重点をおいてほしい分野です。
若紫
抗精神病薬とDVTの関連をみた大規模な研究が出ました。
NCC デザインです。(→ NCCデザインとは?)
あがった薬剤は、Prochlorperazine, Risperidone, Haloperidol, Olazapine, Chlorpromazine, Trifluoperazine, Quetiapine。
Quetiapine ではHR 2.81 (1.75-4.50), Haloperidol 2.17 (1.55-3.02) と、
結構はっきりでています。
どういう目的で処方されたかが分からないのはやはり限界ですが、とても興味深い結果です。
またさすが統計家の研究、解析について非常に丁寧な印象を受けます。
BMIや喫煙状況は1/4でデータが欠損していましたが、age, sex, index year でmodel を作り multiple imputationが使われています。
若紫
ついに、FDAが動きました。(これまでの経緯は、コチラ)
私はCNN NEWSで知ったのですが、NEJMに早速出ていました★
Avandia の処方を続けるためには、医師はその理由を明確にしなければいけません。
なぜAvandiaか…。なぜAvandia以外ではダメか。
かなり処方が減ることが予想されますね。
FDAの発表を受け、ヨーロッパでは市場撤廃への動きが出ています。
Avandiaの件は、市場に出てる薬に関する regulation について考えさせられました。
若紫
よく知られた文献整理方法は、EndNote や RefWorks を使うもの。
これは論文を書く時のreference の作りやすさから、広く用いられていますが、
現場にいる我々、原稿や論文書くためだけに文献を読んでいるわけではありません。
気になっているトピックス、患者さんの疑問 etcから読む…のが主流なんです。
私はずっとEndNote (& EndNote web) を使っていましたが、最近 EVERNOTE に変えました。
その手軽さと、のちの検索のしやすさは比べ物になりません。
「あ、これ読みたい」と思ったら、貼り付ける、memoをする、思いつくtagをつける…これだけです。
そして、無料!!
千夜千論の論文もみんなここにしまってあります。
若紫
脳梗塞急性期などにDVT予防として使うストッキング、どれを使っていますか?
ひざ下? 太ももまでくる長いタイプ? それともフットポンプ?
ひざ下と長いのの直接対決が、Annals of internal medicine に報告されています。
タイトルは、
"Thigh-Length vs Below-Knee Stockings for DVT Prophylaxis After Stroke. A Randomized Trial"
P: patients with stroke
I: Thigh-length stocking
C: Below-knee stocking
O: preventing DVT
Design: RCT
そしたら、Discussion の最初のパラグラフ
"DVT prophylaxis with below-knee stockings in immobile patients with acute stroke is associated with a higher risk for proximal DVT than prophylaxis with thigh-length stockings."
実際どのくらい違ったかというと、長いの98 pts(6.3%), ひざ下138 pts(8.8%), p=0.008
長いのでも結構起きてる…そして、ひざ下はもっと多い。
blind や 評価方法とその妥当性にlimitation はありますが、過大評価にはならないよう配慮されており、実際はもっと多いのかもしれません。
明日からは、長いのか、フットポンプかなぁ…(✿ฺ-ω-)ゥンゥン
千夜千論も100夜を迎えました!
いつも読んでくださっているみなさま、応援してくださるみなさま、本当にありがとうございます。
これからもよろしくお願いいたします。
若紫
最近合剤がたくさん出てきて、薬剤名など混乱しそうですが…
ポリキャップはさらに上をいく、ラミプリル, アテノロール, HTCZ, シンバスタチン, アスピリン の合剤!
さて、「Abstract から読まない理由」を一緒に実践してください★
タイトルは、
Effects of polypill (Polycap) on risk factors in middle-aged individuals without cardiovascular disease (TIPS): a phase II, double-blind, randomised trial
ここで、PICO と Design が分かっちゃう!
P: middle-aged without CVD
I: Polycap
C: Control (あえて書いてないから、複数かconventional かと予想がつく)
O: Effects on risk factors
Design: RCT, double-blind
そして、Discussion の最初のパラグラフ!
"the Polycap is non-inferior to its individual components in lowering BP and HR."
これが非劣性試験であることと、最初に筆者が伝えたい結果が分かります。
どうでしょうか?
若紫的には、非劣性というところがポイントです。
最近の循環器領域、新しいカテゴリーのお薬、出ていません。
いまの動きは、いろいろなバリエーションの模索。
だから、すべての患者さんにいい!といった万能薬的な役割を期待しすぎちゃいけないと思うのです。
著者らも次に行われるであろう大規模試験に向けて、対象者の選択について述べています。
でも、こういうことからも、きっと新しいことも生まれてくるのです…
若紫
先週はお休みを頂いており、南の島でのんびりしておりました。
たびの中で出会ったこと、考えたこと、みつけたこと、いーっぱいありますが、
心に残っている、ある方のこのことば。
「善と悪、どちらも力はおなじ。どちらも勝たない。Balance がたいせつ…」
この"Balance" の考え方、研究を解釈する1つの視点にしてみたいな…。
今晩から、千夜千論 再開です。
頑張ります。
若紫
お誕生日にKindle を頂きました ♪
今日はそのKindle と医学書についてです。
御存じの方も多いかと思いますが、今はまだamazon.com だけ(英語 only)。
医学書・内科系ではCURRENTがありました。$74.95が、kindle版ではなんと$41.55!!
図表はややpdf 的な若干のぼやけた感じがありますが、
文章は大変みやすいです。
CURRENTの本はさすがに持ち歩けませんが、Kindle なら問題なし★
また音声機能を使うと、読み上げてくれます。
ただ、それ以外の内科系有名成書はあまり見当たりません。
ハリソンなどもmanual や問題集はありますが、成書 kindle edition はないようです。
内科系お仕事のためだけが目的だと…、ちょっともったいないです。
Kindle はやっぱり読書好きのためのモノ ( *´艸`)♪
若紫
それは、理由があります。
1. Abstract と 本文の分量を比較してみましょう。
Abstract Results > Methods > Background ≒ Conclusion
本文 Discussion > Introduction > Methods >or≒ Results
全然違うのです!!
結果の強調された Abstract から、研究に対する変な先入観(枠組み)を作ってしまいやすくなります。
2. より簡単に、有用な情報を得る。
Discussion の 1st パラグラフはAbstractよりはずっと短い。
読むのも簡単!
でも、「この研究でこれが言えたんだ」ということがストレートに伝わってきます。
いわば、シンフォニーのサビなんです。
これを最初に読まない手はありません。
みなさまの読み方・選び方もぜひ教えてください。
若紫
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 2 | 3 | 4 | |||
| 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 |
| 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 |
| 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 |
| 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |