いま、いろんな薬が出ているが、正直、多すぎて、全く使ったことがない薬もちらほらある。精神科の薬は薬理作用と臨床症状にTIME-LAGが多いのと、その人の体質でだいぶ副作用、主作用の出が異なるので、その治療薬が他に比べて患者にメリットがあるのか、どうか、わかりにくい。効いている、というなら、効いているのだろうが、メリットがあるというのは、薬の値段、副作用、長期連用の弊害、年齢、症状の種類、激しさなどいろいろ勘案してその薬がよいのかどうか、それを見極めなければならない。だから、やっぱり初診でまったく、薬の使用歴がないひとがtargetになる。これを何例もやるにはやっぱり、一剤あたり、1年は見極めるのにかかると思う。よく、こういう人がいる。すでに他の薬が入っていて、ある新薬を追加した、効きました、この薬、と、したがって、この新薬は良い薬だと、難治にもよく効くと。。。
(なんか、ちがうよねぇ。)
それを聴いたMRさん、どこそこ病院の何々先生に当社の薬をお褒めいただきました、、とその事実だけを他の医者に伝える。経過は言わない、わかってないかもしれないし、素人だからと逃げることもできる。客観的な指標かも、と、思ったその医者は使おうかなと、まあ、試しに、とそれで使う。
リスパダールという薬が出たとき、夢の抗精神薬と銘打って、新聞で取り上げられた。患者はあの薬をつかってくれと、よくせがんでいた。病棟の患者もがらりとそれに変わった。おかげで病棟は大混乱となり、せっかく開放病棟にいた患者が大量に閉鎖病棟へ移動した。こういう場合、リスパダールばかりが悪いというわけではない。どんな良い薬でも、患者は薬をかえるというその行為だけで悪くなるものなのである。おまけに、リスパダールへの単剤化法なんつう、論文があちこちに出ていた気がする。わるくなったという批判を受けて、いろんな医者が方法をあみ出したのだと思う。さほど斬新な印象は受けなかったが、僕自身はリスパダールは結構使う。しかし重症の人には、難しいと思う。抗パーキンソン薬が少量投与の際はそんなにいらないから便利だなと感じるときはある。そんなの知っているって、でも薬の手応えを感じるまでに何年もかかってしまったよ。
さて、時代は変わり、MARTAとか、namingと薬理作用は全く関係ないのに、企業戦略でかちょいい、、、薬が出てきた。最近ではドーパミン調節薬、なるほど、こりゃ、よいnamingだ。しかし実際それが薬理学的に証明されているの?でも医者は、、だましやすいから大丈夫、、と製薬会社は思っているかもね。
今後、どうなるのでしょう。対処療法としての治療薬は結構そろってたと思うし、これからは根本治療に製薬会社の目が向けばいいと思うが、研究費より広告宣伝費、戦略費の方がかかっている今、多分、無理なお願いだと思う。大学病院にも民営化の波がきているし、アメリカのように企業の実体をもった、学問の砦、みたいになっちゃうのかなと、学者だって儲けて何がわるい、みたいな、優秀な研究者が企業に毒されないことを祈ります。
固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |